I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ルール・ザ・ワールド」ティアーズ・フォー・フィアーズ

2017.05.19

category : Tears For Fears

Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World1 Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World2


Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World (1985年)



~Everybody Wants To Rule The World~

【rule】とは物事を執り行う上での規則であり、対象となる人すべてに公平・公正であるべきものです。
しかしソウル・オリンピック水泳の鈴木大地選手が“バサロ泳法”で金メダルを獲得したり、長野オリンピック・スキージャンプで[日の丸飛行隊]が大活躍すると、その後突然国際ルールが日本に不利な基準に変更されるなど、案外“ruleとは誰かの思惑によって移り変わる[unfair(不公平)]なもの”という一面もあります。

…そして、それはスポーツに限らず一国のruleを定めた【法律】も同様であると痛感させられます。
衆院を通過した【共謀罪(政府称;テロ等準備罪)】法案は金田勝年法相が“保安林でのキノコ狩りや、花見で地図・双眼鏡・メモ帳などを持っているとこれに抵触する可能性がある”旨の例を示すなど、国民にとってこれまでの法認識とは著しいギャップを強いられる法案であるにも拘らず、問題が解決されぬままスケジュールありきで審議が打ち切られてしまっているからです。

“Everybody Wants To Rule The World”
私たちの大切な人権を著しく奪う可能性を秘めた法律がまた一つ、生まれようとしている…。



~概要~

ティアーズ・フォー・フィアーズ(以下;TFF)は1981年にデビューしたイギリスのバンドで、ローランド・オーザバル(Roland Orzabal)とカート・スミス(Curt Smith)の2人の友人関係が礎となっています。
「Everybody Wants to Rule the World」は1984年の2ndアルバム『シャウト(Songs from the Big Chair)』の収録曲で、Billboard Hot 100では2週No.1(年間7位)に輝きました。
本曲を歌っているのは主にカートですが、作者はローランドとイアン・スタンリー(key)、プロデューサーのクリス・ヒューズで、当初の歌詞は[everybody wants to go to war]だったそうです。

日本を含め、多くの国では「Shout」が1stシングルを飾っているのに対しアメリカでは「ルール・ザ・ワールド」を持ってきているように、この曲は明確にアメリカのマーケットを意識した作品でした。
アルバム制作が大詰めに入り、残り1曲をどうするとなった時点で候補が3曲あり、その中からプロデューサーのクリスが推したのがローランドの作りかけだった「ルール・ザ・ワールド」だったそうです。
しかしローランド本人はあまり気に入ってはおらず後ろ向きだったものの(実際イギリスでは24位という成績に終わっている)、“アメリカ人はドライブ・ミュージックが好きらしい”という理由により選曲され、3日で仕上げてアルバムが完成しました。
こうした歌詞の世界観とは全く関係ない[ドライブ・ミュージック]というコンセプトはPVにも大いに反映され、本曲のアメリカでの大ヒットに一役買うこととなりました。

また、TFFの活躍した1985年は20世紀最大のライブ・イベント『LIVE AID』が発生した年であり、もちろん彼らも参加の予定があったもののツアー・メンバーの調整がつかず参加は叶いませんでした。
その埋め合わせかどうかはわかりませんが、翌86年に同じボブ・ゲルドフが発起人となったチャリティー・スポーツ・イベント『Sport Aid』ではテーマ・ソングとして本曲が採用され、TFFは「Everybody Wants To Run The World」という替え歌を提供しています。

 



~【共謀罪】とは?~

冒頭に示したように、ルールを変えることは物事の概念を一変させ得るインパクトがあり、法律が変わる(加わる)ことは世の中全体のありようを根底から変え得るものです。
しかし【共謀罪】について、何故これまで3回も廃案になるほど危険視されてきたのでしょう…
私たち国民みんなにとって今が重要な分岐点となると思うので、少し丁寧に調べてみました。


“すべての人間は、生まれながらにして自由”というのは有名な『世界人権宣言 第1条』ですが、実際に私たちの自由は社会秩序を保持するためにさまざまな[rule]によって制限されており、2017年(平成29年)2月1日現在日本国の【法令(法律+命令)】数は8,305あるそうです。

これを犯したものが[犯罪]であり、これを実行して遂げたものが[既遂](殺人罪など)、実行して遂げられなかったものが[未遂](殺人未遂罪など)の罪となります。
また、実際に犯罪そのものに着手していなくても、犯罪を計画し準備を実行した時点で検挙・処罰可能にする(例えば、殺人を行う目的で包丁を買うなど)【予備罪】が用意されているものあります。
日本には殺人、身代金目的拐取、強盗、内乱、外患、私戦、放火、通貨偽造など70以上の予備罪が既に整備されている)

今回安倍政権が提出した[共謀罪]こと【テロ等準備罪】法案(正式名称;組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)は、“(テロリズム集団を含む)組織的犯罪集団が犯罪の[予備]を実行する前段階[準備行為(資金の用意・現場の下見)]を行った時点で検挙・処罰可能にすることを目的”とし、“2人以上の者による共謀で適用”となります。
政府や法務省その新設理由に大規模テロや組織犯罪の多発、オリンピック警備を挙げており、国民に対して“国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約)締結のためにテロ等準備罪が必要”と説明してきました。


ただし5/16の『報道ステーション』の取材によると、パレルモ条約に入るための国連の[立法ガイド]を書いた国際刑法の専門家ニコス・パッサス教授は、この条約について以下のように説明しています。

条約はマフィアなど犯罪組織の物理的(経済)利益を取り締まる目的で制定された
テロのような思想に由来する犯罪は条約の趣旨から外れているため、テロは対象犯罪から除外されている
条件を満たしていなくても条約批准は可能(そもそも国連には条約の適否を審査する機関は存在しない)
凶悪なテロに対する国連決議は既に機能しており、日本もその主要な条約13本を既に批准、法整備まで完了している
日本の現在の法体系で、オリンピックのテロ対策として対応できない点は見当たらない

法律うんぬんより、署内で8000万円盗まれるような警察であることの方が心配だなぁ…。 



~懸念される点~

テロ等準備罪法案についてはさまざまな分野から懸念や問題点が指摘されており、法律の専門組織である日本弁護士連合会も“テロ等準備罪は共謀罪です 名前を変えてもその危険性は変わりません”と、この法案に反対の立場をとっており、その理由を以下のように挙げています。

犯罪組織やテロ犯罪と無縁の犯罪も対象とされている
 (※この点について、共謀罪の取りまとめ役である自民党法務部会長・古川俊治参院議員も、この法案がテロだけが取り締まりの目的ではないことを認める発言をしている)

判断は捜査機関が行い、一般市民も対象となり得る
 (※この点についても、古川俊治参院議員が沖縄の基地反対や原発反対運動などに共謀罪を適用させる可能性があることを、同じテレビ番組で明言している。
また、盛山正仁法務副大臣“何らかの嫌疑がある段階で一般の人ではないと考える”と衆院法務委員会で答弁しています。

準備行為を対象に入れたことは、犯罪の何ら歯止めにならない

捜査は通信傍受(盗聴)の拡大につながり、監視社会を招く
(これについては5/20放送の『報道特集』で、共謀罪がまだ施行されていない現時点でさえ想像以上に市民への監視が進んでいる実態に私は衝撃を覚えましたが、これも【改正通信傍受法】による弊害でしょうか…)
岐阜県大垣市では大垣警察署が地元の行政や事業に不都合な考え(風力発電・護憲・反原発など)を持つ市民を調査し、実際に彼らがその運動に参加していない(イベントがあることさえ知らない)さえ問わず、その思想信条や学歴・病歴・最近の動向・人間関係などの個人情報を極秘で収集し、さらに事業者側と対処を計るためその個人情報を提供していたことが発覚し、市民から訴訟を起こされていた…というのです!

警察という組織が守るべき安全・安心って、何? 



~Epilogue~

“ルールを制する者は世界を制す”

法治国家であるこの国に於いて、まさに“法律こそが力の根源”です。
そして、言うまでもなく民主主義国家であるこの国の主権者は国民一人ひとりであり、“政治家や役人ら公人はその権利の代行人に過ぎません”。
しかしその代行職を家業のように何世代にも亘って受け継いできた者にとって、委ねられたその絶大な権力は“代々当家に与えられた特権”と錯覚しているかのようにも見えます。

特定秘密保護法、マイナンバー法、改正通信傍受法(盗聴法)、そして共謀罪法…
これまで安倍氏は“自分たちの権利の取り分”を増やそうと、実に精力的に国民から権利を奪う法律の数々を成立させてきました。
[マイナンバー法]で資産~病歴まで高度な個人情報を統合し、[盗聴法][共謀罪法]でこれまで非合法だったやり方で個人の思想信条や人間関係までも簡単に盗み出すことを可能とする一方で、[特定秘密保護法]で国民の知る権利を奪い政府や国に不都合な真実を隠ぺい。
強大な権力の“おこぼれ”にすり寄る“お友だち”が列をなし、権力を畏怖する小心者は“忖度”によって保身を図り、そうして富と権力が自分に集中するルール作り…。


治安か、人権か…
国民にとってはその何れも大事なものであり、それだけの対比なら十分論議に値するテーマです。
しかしルールを取り決める“安倍氏とその周辺に纏わる人々”の言動をみていると、その職務が純粋に国民にため公正に執り行われているのか疑念を抱かずにはいられません。

安倍首相夫人と親しい関係にあった森友学園が、異例の8億円値引きで国有地が払い下げられた問題。
このとき格安で国有地売却した責任者(財務省理財局長)は、実は安倍氏と同郷の官僚で、土地取引の直前、異例なほど頻繁に官邸に出入りしていたといわれます。

最大96億円の助成がなされるという、安倍首相の“腹心の友”が理事長を務める学校法人[加計学園]問題。
52年間に亘って認可が下りなかった獣医学部の新設が首相自らが座長を務める国家戦略特区によって“異例の経過”で承認され、ここでも“総理のご意向”という名フレーズを生みました。

しかしこの頃となると、どんなに閣僚スキャンダルや致命的な不祥事を連発しようと“神がかり的に内閣支持率は下がることもなく”、共謀罪審議を中継しないNHKをはじめメディアの報道も政権問題にはシラケ気味となりました。
奇しくも、森友に国有地売却した安倍首相と同郷の財務官僚が2016年6月に“国税庁長官”に就任していることは、ただの偶然?
 オレ様に手を出すと、腹を空かせた“番犬”がオマエの稼ぎを骨までしゃぶりに行くからな!) 

そして、最近『週刊新潮』がスクープした“準強姦事件・逮捕状もみ消し疑惑”
“その男”は元民放テレビ局記者で、安倍氏とは一緒に靖国神社に参拝するなど親しい間柄であり、事件発覚までメディアにも出ていました。
2015年に女性への準強姦罪容疑を起こし逮捕状が出されたものの(警視庁案件)、“菅義偉官房長官の秘書官を務めた経歴のある警視庁刑事部長(当時)の決裁で逮捕は取り消された”といわれています。

…別に、悪口のために列挙したわけではありません。
もしもこれらが事実だったとしたら“公の最高権力者はどれだけ私のために権力を行使しているか”ということであり、最高公人なのだから“証拠はない、悪魔の証明はできない”ではなく自ら率先して主権者に対し納得ゆくまで説明してください。
特に最後の、準強姦罪容疑について一旦逮捕状が出されたにも拘わらず、政権の意のままにそれを取り下げる警察組織…
彼らが共謀罪の巨大な権力を扱う未来を想像すると、ゾッとします。
(逆に、余りに強力な権力を握った警察が暴走し、弱みを握られた政権が操られるという説もある)


Turn your back on mother nature
たとえ母なる自然に背いても
Everybody wants to rule the world
人は、誰もが世界を我がものとしたい

共謀罪に纏わる不公正は、これだけではありません。
安倍政権は一般国民に著しい人権侵害を強いる法律を押し付けるにも拘らず、彼ら政治家に関する『公職選挙法』『政治資金規正法』などを共謀罪の適用対象から外しているそうです。
つまり政治家とその関係者が組織的に選挙違反を計画し、政治資金規正法に触れることを共謀しても、彼らだけは問答無用で捜査もされなければ、処罰の対象にもならないのです。

あなたは、共謀罪の正義を信じますか?



「ルール・ザ・ワールド」

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