I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「愛の魔力」ティナ・ターナー

2015.08.21

category : Tina Turner

Tina Turner - Whats Love Got To Do With It1 Tina Turner - Whats Love Got To Do With It2


Tina Turner - What's Love Got To Do With It (1984年)



~「愛の魔力」?~

「愛の魔力」…
魅惑的な邦題ですが、そのイメージだけで歌を聴いていると実際のストーリーとは“別の世界”を彷徨うことになるでしょう。
一方、原題「What's Love Got To Do With It」を訳すと“愛とそれに、どんな関係があるの?”であり、抽象的で日本の歌のタイトルの概念からするとこのようなフィーリングを理解するのは骨が折れるものです。
もし日本でこのようなタイトルを探すとすればアン・ルイスの「女はそれを我慢できない」(作詞;加瀬邦彦)が浮かびますが、歌詞を読んでも“それ”について秘密めいた世界観が味わえます。

 勿体ぶらないで、早く“それ”を教えてよぅ~!
…そんな叫びが聞こえてきそう?



~概要~

ティナ・ターナーは、後にロックの殿堂入りを果たすこととなる夫婦デュオ“アイク&ティナ・ターナー”の輝かしいキャリア(1960年~)がありながら、ソロとしては1976年の解散以降何年もチャート・インすらできずレコード会社からも見放された状態となっていました。
転機となったのは1983年にキャピトル・レコードと、アル・グリーンのカバー曲「レッツ・ステイ・トゥゲザー」のシングル契約を結んたことでした。
これが全米26位/全英6位を記録しソロとして初めてのヒットとなったことにより、ティナはキャピトルとアルバム3枚の契約を結ぶことになるのです。

その最初のアルバムとなったのが1984年の『プライヴェート・ダンサー(Private Dancer)』であり、「愛の魔力」はその1st(「レッツ・ステイ・トゥゲザー」を含めると2nd)シングルで、Billboard Hot 100の3週連続No.1(年間2位)を獲得した、アイク&ティナ・ターナー時代を含め自身最大のヒットとなりました。
この年の『第27回グラミー賞』は圧巻で、「What's Love Got To Do With It」は“最優秀レコード賞”・“最優秀楽曲賞”・“最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞”の三冠に輝き、当時すでに45歳を迎えていたティナはポピュラー音楽史に残る驚嘆すべきカムバックとしてと称えられています。
また「愛の魔力」は、『ローリング・ストーン誌』“The 500 Greatest Songs of All Timeでも316位”に評価される作品です。

一方でティナの“ライオン・ヘアー?”と真っ赤な口紅、そして45歳とは思えぬ見事な脚線美が印象的なPVは『MTV Video Music Awards』“最優秀女性ビデオ賞”に輝きました。
ちなみにPVは“モノクロ映像の別バージョン”もあり、こちらは最後のLyrics動画でお楽しみになれます。
個人的には、当時の最新曲をフィーチャーし“MTV Cops”として大ヒットした『Miami Vice』の映像も思い入れがあるので、ご紹介しておきます。

「What's Love Got To Do With It」の作者はテリー・ブリテンとグラハム・ライル、テリーは本作品のプロデューサーでもあります。
元々ティナのために書き下ろされた作品ではなく、まずクリフ·リチャードに断られ(後にカバー)、Phyllis Hymanという人が乗り気だったもののアリスタの社長クライヴ・デイヴィスが許可せず、ドナ·サマーは気に入るもうやむや…というような“いわく付き”でした。
結局テリーがプロデュースを担当していたイギリスのグループBucks Fizzによって初のレコーディングがなされますが、アルバムを発表する前にティナver.がリリースされたためお蔵入りとなったようです。
ティナ本人も初めて「What's Love Got To Do With It」のデモ・テープを聴いた時“気に入らなかった”そうで、それをテリーに“アーティスト次第で歌は変わるものだ”と説得され、試した所“気が付いたら私の歌になっていた”という逸話が残されています。

 



~Lyrics~

That the touch of your hand
その手の感触が
Makes my pulse react
私の鼓動を高ぶらせることに

好きな人に触れられると鼓動が高鳴りますが、ヘビにペロペロされても別の意味で高鳴るでしょ!? 
…そうした反応は【physical】であり、【thrill】だと言っています。

感動する、興奮する、ゾクゾクする、ゾッとする、身に染みる…
【thrill】って、良くも悪くも用いることができますが、この場合…?


But whatever the reason
どんな理由であれ
You do it for me
あなたが私にしていること…

“それ”は、彼が彼女にしていることのようです。
それは、“して欲しいこと”? それとも、“して欲しくないこと”?
あるサイトを調べた所、“彼女が彼にして欲しい/して欲しくないこと”の1位は以下の通りでした。

“して欲しいこと”何もしなくていいから、寂しい時に一緒にいてもらいたい
“して欲しくないこと”浮気、女性好きな態度

 ②がアヤしい…


I've been thinking about my own protection
ずっと、私は自分の身を守ることを考えてきた
It scares me to feel this way
そんな風に、“それ”は私を怯えさせるものなんだって…

“それ”は女性を身構えさせる行為であり、怯えさせるもの…。
ここまで来ると、“それ”の正体がおおよそ掴めたのでは?

でも、クリフ·リチャードやBucks Fizzら男性ヴォーカルがこのラインを歌っているのは、どう解釈したら良いのだろう…
姉さん女子プロレスラー”と“ちょっと気弱なエリート医師”カップルの物語?
(※彼らは、人も羨む“おしどり夫婦”です! )



~Epilogue~

「What's Love Got to Do With It」はティナ・ターナーのために書かれた作品ではありませんが、まるで彼女自身の半生を仄めかしているような内容になっています。
このようにティナの人生とキャリアを象徴するフレーズであることから、1993年には本作品をそのままタイトルにした自叙伝的映画『What's Love Got to Do With It(邦題は『TINA ティナ』)』が制作され、ティナ役を演じた主演のアンジェラ・バセットはアフリカ系アメリカ人女優として初めてゴールデン・グローブ主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)を受賞しました。
また、この映画のエンディング曲として、アイクとの夫婦関係を深く言及した「アイ・ドント・ウォナ・ファイト」(過去ログ)もティナによって新たにレコーディングされています。

この作品のサウンドトラックや衣装選び、振り付けなどの指導に参与したにも関わらず、映画に全面的に関わることを拒否した点を問われ、ティナは“アイクが私を叩きのめすところを、私がもう一度見たいと思う?”と返したそうです。
“受けた側の心の傷”とは、まさにそういうもの…。


What's Love Got to Do With It (1993) Trailer


Oh what's love got to do, got to do with it
愛と“それ”に、どんな関係があるというの?
What's love but a second hand emotion
使い古された情動以外に…

暴力は、愛情か…?
問いの答えは“No”、疑念の余地もありません。

男女の関係に於いて男性が圧倒的に優位であるのが“腕力”であり、力の弱い女性を制するのに最も労せず確実な手段こそ、暴力です。
“暴力は悪”とは小学生でも頭で解っている教訓ですが、実はそれが、弱者に対し絶大なる実効を発揮する手段であることを一度覚えてしまうと止められなくなる依存性の強さが、麻薬との類似といえるでしょう。
暴力の常習性が身についてしまうとそれはまさに麻薬と同じ末路を辿り、安易な依存が自分を蝕(むしば)み、家族を巻き込んでみんなを不幸のどん底に叩き落とします。

でも、それは“言葉の暴力”も同じ。
圧倒的弱者に対し容赦なく浴びせる刃物のような言葉は、暴力と同罪です。
大切な人を傷つける行為は、“タコが自分の足を食う”ようなもの。
足を食べたタコは、結局数日以内に死ぬともいわれます。
一時は満たせても自分自身の人格と、自分の最大の支援者との信頼を破壊しているに外なりません。

“大切な人に替わりはない” と、心に刻もう…。



「愛の魔力」

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tags : 音楽 洋楽 和訳 Lyrics 

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「アイ・ドント・ウォナ・ファイト」ティナ・ターナー

2013.07.08

category : Tina Turner

Tina Turner - I Dont Want To Fight1 Tina Turner - I Dont Want To Fight2


Tina Turner - I Don't Want To Fight(1993年)



~女王ティナの“不戦”宣言!?~

“ロック&ソウル界で最もワイルドでパワフルといって過言でない女性歌手”
ティナ・ターナーが「I Don't Wanna Fight」(闘いたくない)!??

“何て、似つかわしくない歌なんだろう!”
直感的に思ってしまいますが、よくよく耳を傾けてみると…

“なるほど!”
…頷いてしまう、そんな作品です。

今日の記事を読んで作品をお聴きいただくと、みなさんにもきっとそう思っていただけることでしょう♪


~Data~

ティナ・ターナーは夫アイク・ターナーと共に1960年から“アイク&ティナ・ターナー”としてデビューし、60年代半ばには大スターとなっていました(1991年にロックの殿堂入り)。
その後もヒットを重ねますが1975年頃には人気も低迷、人生の歯車も狂い始めます。
翌年には“ある事情”によりデュオは解散、1978年に二人が辿り着いたのは“離婚”という結末でした。
やがて1980年代にはティナが“グラミー受賞者”として脚光を浴びる一方、元夫アイクに待っていたのは“受刑者”という、同じ人生を歩んでいた者同士としては余りに皮肉な運命だったのです。

1986年にティナは自伝『I, Tina』を出版し、これを原作として制作されたのが1993年の映画『ティナ(What's Love Got to Do with It )』でした。
「アイ・ドント・ウォナ・ファイト」はこのサウンドトラックに収録された映画の主題歌で、アメリカBillboardで9位・イギリス7位・カナダ5週連続1位という大ヒットを記録しています。

作者はイギリスの女性歌手・女優をこなすルル(Lulu)らで、当初はシャーデー(Sade)に提供されるはずでしたが彼女がティナに譲ったようです。
ルルは自らもこの作品を歌っていて、ティナとは全く違うしなやかなテイストとなっています。


~“不戦宣言”の背景にあったもの~

上記のように「アイ・ドント・ウォナ・ファイト」は本人の手による作品ではありませんが、自伝映画の主題歌となっただけあってまさに“ティナの人生を象徴した内容”です。
実は当時の夫アイクは元々女グセが悪く、それに加え妻ティナへの暴力も常態的で、70年代半ばに人気が低迷するとアルコールやドラッグに溺れそれは一層激しいものとなりました。
上にあるデュオ解散の“ある事情”というのも、暴力に耐えかねたティナがショーの直前に逃亡したことにより生じたものです。

こうして“ロック史上・最も悲惨な結婚”と呼ばれた結婚生活は、その後ドロ沼の離婚訴訟の末にティナが勝訴しますが…
“ティナ・ターナーという芸名”を名乗る権利を得るために全財産を奪われ
アイク&ティナ・ターナー時代のヒット曲を歌う事も許されない
…という高い代償により、終止符が打たれることになります。

ところで「I Don't Wanna Fight」というタイトルには続きがあって、歌中では“no more”と添えられています。
“もうこれ以上は…”という言葉は、それまでのティナの壮絶な闘いを物語るには足りないかもしれませんが、率直な気持ちでもあったでしょう。
ベーシックなR&Bのリズムに乗ったこのミドル・ナンバーは何処か晴れやかで、ティナのアクの強いパワフルな歌声を以ってしても爽やかさを感じます。

この清々しさを大切にしたくて、映像表現には苦労させられました。
素敵な背景写真があってもドキュメント写真を合わせると中々しっくりせず、結局コーヒーカップにドキュメント写真を浮かべるアイデアで完成させたのですが、いかがだったでしょう…?


~苦難の果てに~

アイクと別れた後のティナの生き生きとした姿はこの作品で歌われる前向きな考え方をそのまま見ているようで、“女性は逞しい”といわれる所以はこうした“立ち直りの強さ”にあるのでしょう。

そんなティナはその後ずっと独身を貫いていましたが今年4月、“婚約”という報道がありました。
お相手は1985年以来彼女を公私共に支え続けた音楽プロデューサーのアーウィン・バック(57)で、ティナは73歳にして“初の再婚”です。


~Epilogue~

でも、どうして二人は27年間も愛を高め続けることができたのでしょう?
私は、その答えはこの作品の主題に当たるフレーズにあるような気がします。
喧嘩した後にそう思うのではなく、日常から心に刻むことで思いやりを忘れず決定的な心の亀裂を避けられると…。

I don't care who's wrong or right
どちらが正しくて間違いかなんて、どうでもいい
I don't really wanna fight no more
もうこれ以上争いたくないだけ



「アイ・ドント・ウォナ・ファイト」


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tags : 音楽 洋楽 和訳  訳詞 Lyrics 

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