I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「マテリアル・ガール」マドンナ

2016.02.05

category : Madonna

Madonna - Material Girl1 Madonna - Material Girl2


Madonna - Material Girl (1984年)



~『Madonna Rebel Heart Tour』~

現在『Madonna Rebel Heart Tour』中のマドンナが、2/13&14の日程で10年ぶりの来日公演(さいたまスーパーアリーナ)を行います♪
先日亡くなったデヴィッド・ボウイ(過去ログ)をリスペクトするひとりであるマドンナは1月12日テキサス州ヒューストンの公演で、“彼のライブを見て、私の人生は変わったの。彼は私に人と違ってもいいんだってことを教えてくれた。”とデヴィッドへの想いを語り、彼の1974年の作品「Rebel Rebel」を捧げました。

もちろん今回のツアーでも「マテリアル・ガール」はパフォーマンスされており、57歳になってもやっぱりマドンナは“オトコを手玉”に取ってますョ!? 

 



~概要~

「マテリアル・ガール」は1984年の2ndアルバム『ライク・ア・ヴァージン(Like a Virgin)』からの2ndシングルで、Billboard Hot 100では2週連続2位(1985年の年間58位)を記録した作品。
作者はマドンナではないものの彼女の趣旨や概念が歌詞に反映されており、本人も当時デモを聴いた第一印象から気に入っていたそうです。
ちなみに“Material Girl”はしばしばマドンナ自身を指して用いられる呼称でもありますが、【material】は[物質的な 物欲的な、世俗的な、肉体的な、官能的な…]といった意味を内包した言葉であり、見事なほどに世間が抱く彼女のイメージを形容しているでしょ?

プロデューサーにはデヴィッド・ボウイの『レッツ・ダンス』を大ヒットさせたばかりのナイル・ロジャースが起用され、バックの演奏も彼が所属するバンド“シック(Chic)”のサポートを受けています。
26歳(当時は23歳と称していた)のマドンナを一躍“ダンス・クイーン”に押し上げたのは、シンセサイザーを多用したナイルの生み出す先鋭的なサウンドに加え、この頃普及し始めた“新しいメディア”が大きく作用していました。
一つは踊りに適した収録時間の長い“12inchシングル”、もう一つはマリリン・モンローに似たセクシーなマドンナの容姿をアピールするのに適した“MTV”です!

「マテリアル・ガール」のPVは、1985年の『MTV Video Music Awards』で最優秀女性ビデオ賞をティナ・ターナーの「What's Love Got to Do with It」(過去ログ)に譲ったものの、アメリカのケーブルテレビ・チャンネル『VH1』の“100 Greatest Videos”で54位にランクされた名作です。
この映像でマドンナはピンクのドレスを身に着けタキシードの紳士たちにエスコートされながら歌とダンスを披露していますが、これは偉大な女優マリリン・モンローへのオマージュが込められています。
マドンナが演じたこのシーンは、1953年にアメリカで公開されたミュージカル・コメディ映画『紳士は金髪がお好き(Gentlemen Prefer Blondes)』の中でマリリンがパフォーマンスした「ダイアモンドは女の親友 (Diamonds Are a Girl's Best Friend)」を模したもので、このシーンについては「Material Girl」以外にも2001年の映画『ムーランルージュ』でのニコール・キッドマン、ライブでのカイリー・ミノーグ、ドラマ『glee』ほか多数の再現が試みられているハリウッド映画史上でも有名な場面の一つです。

また、「Material Girl」はマドンナ自身何度もツアーでパフォーマンスを取り入れるライブでもお馴染みのナンバーですが、ヒラリー&ヘイリー・ダフやブリトニー・スピアーズなど新世代の女の子にも愛されカバーされており、ちょっと意外なカバーとしては2010年のエルトン・ジョンver.というのもありますョ! 
(※マドンナとエルトンは“犬猿の仲”?)

 
 



~Lyrics~

Some boys hug me
ハグしてくれたり…
I think they're ok
それもまぁ、“OK”だけど

…コンな言われ方、大の男だってヘコみますよね!
でも、マドンナならリアルに言いそうだからコワい…? 

近年、流行語になるほど日本人にもお馴染みの“OK”♪(牧場? …ソッチじゃありません!
日本人がよく用いる【OK】には[好調に・大丈夫・了解]など“明確な肯定”の意味が込められていますが、日本人は用いずネイティブがよく用いる【OK】には“微妙な肯定”を意味する[まあまあ]があります。
それを知らず、招待された家で出された料理について“OK”なんて言ってしまうと…!?


'Cause the boy with the cold hard cash
キャッシュをたっぷり持ってる人こそが
Is always Mister Right
アタシの“白馬の王子”なんだって

【cold cash】も【hard cash】も[現金]を意味する言葉であり、これを重ねて強調していることから“ちょっとやそっとのお金持ちではない”ニュアンスを漂わせています。
また、【Mister Right】は[理想の男性]を意味し、それが【always】ですから彼女にとって“譲れぬ条件”なのでしょう。

ここまでの高望みは少数派としても、現代日本に於いても“それは女性が男性に求める重要な条件”のようです。
近年行われたあるアンケートによると、結婚相手に求める条件として【収入の安定】を求める割合は男性が8.6%だったのに対し女性は64.8%と実に8倍近い差であり(女性が求める条件・第3位)、これは“女性にとって確信的願望”といえるのかもしれません。


Only boys who save their pennies
それと、小金を蓄えるだけのオトコなんて
Make my rainy day
アタシの人生を、“雨降り”にするだけ

【make my day】は[素晴らしい一日にする]ですが、【rainy】ですから“その反対”ということになります。
でも、そんな言いたい放題なアナタのお耳に入れておきたいデータが!
“Q.一番結婚相手にしたくないと思う女性の条件は?”の質問で、圧倒的1位に輝いたのは…

「浪費家」……42.2% 



~Epilogue~

2009年、マドンナはRolling Stone誌のインタビューで「Like a Virgin」「Material Girl」について“どっちも私に似てない。私は物質主義じゃないし、間違いなくVirginじゃない!(笑)”と語っています。
また1990年代頃から、自身にいつまでも付いて回る【Material Girlのレッテル】に嫌気が差し、“こんなことになると知っていたなら「Material Girl」なんか、レコーディングしなかった…”と、後悔したそうです。
一方でマドンナと長女ローデスは2010年にガールズ・ファッション・ブランド『Material Girl』を立ちあげていますが、[それ以前に同名で商標登録済みの会社]からその名称の使用権を侵害したと提訴され、それに対しマドンナは“1985年に最初に「Material Girl」という名のシングルを発表し、8500万ドル(約65億4500万円)もの関連商品を売り上げてきた【自分こそがMaterial Girlだ】”と反論しています!
(いかにも“マドンナらしい論法”でしょ?でも、もちろん彼女は敗訴しました。


'Cause we are living in a material world
だって、モノとおカネが支配する世界に生きているんだもの
And I am a material girl
アタシにとって、それが一番大事


「Material Girl」はマリリン・モンローの「Diamonds Are a Girl's Best Friend」の影響を受けた作品であることは既に述べたとおりですが、その大意は“キスは素晴らしいけれど、家賃や食費にならない…女が年を取れば男たちは見限るけれど、ダイアモンドはずっとそばにいてくれる…ダイアモンドは女の親友よ”という内容の歌です。
一方、マドンナも1986 年にファッション誌『Company』で“私は、とてもキャリア志向が強いの。あなただって何事にも野心的でたくさんモノを持った男に惹かれるでしょう?家賃を支払い毛皮を買ってくれる人。それはセキュリティよ(That's the security.)。そして、恋愛よりずっと長く持続する。”と語っています。

“That's the security.”
私はこの言葉に、女性の【materia信仰】の核心を見たような気がするのですが…?


さらに、「Material Girl」には興味深いエピソードがあります。
マドンナは1985年に俳優ショーン・ペンと最初の結婚をしていますが、二人が出逢ったきっかけが「Material Girl」PVの撮影でした。
しかし気の強いマドンナと、短気で“ハリウッドの問題児”と呼ばれたショーンの結婚生活は長くは続かず、4年で離婚
その後のマドンナはガイ・リッチーとの再婚を含め“華麗なる恋愛遍歴”を重ね、現在に至ります。

Boys may come and boys may go
オトコたちはやって来ては、通り過ぎてゆく
And that's all right you see
でも、それでいいじゃない? だって…

今年1月9日、そのマドンナの遍歴を覆す“事件”が起こりました…
『第5回ハイチ大地震チャリティー・ガラ(Haiti Home benefit gala)』のレッド・カーペットに現れた彼女と手を繋いでいたのは、“四半世紀前に別れた夫”ショーン・ペンその人であったからです!
ステージで歌を披露する直前、マドンナはショーンを見つめ“言いたいことがあるの、ショーン。愛しているわ、あなたに出会った瞬間から。そして、今でも同じくらい愛してる。”と、衆目も憚(はば)らず熱烈にアプローチしたといいます。

“どんなに恋を重ねようと決して過去は振り返らない”イメージの彼女には[らしくない]気がしないでもありませんが、よく考えてみると“常識や論理の整合性など気にせず、何が何でも自分の望みを果たすのがマドンナ”と定義した方が、彼女の実像に近い気がします。
そんな彼女の一挙手一投足がヘタなドラマ以上に面白いからこそ、30年以上も世界のトップ・スターとして君臨できるのでしょう。
…そうそう、【material】にはもう一つ意味がありました♪

好きも、嫌いも、引きつけてしまう“Material(影響力の強い) Girl”



「マテリアル・ガール」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

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「ライク・ア・プレイヤー」マドンナ

2013.11.24

category : Madonna

Madonna - Like A Prayer2 Madonna - Like A Prayer1
“Lyrics&歌詞和訳”は動画の下にある“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


~“ポップスの女王”健在!!~

今月19日に米経済誌フォーブスが発表した“今年のミュージシャン所得番付”によると、首位に輝いたのはマドンナでした。
デビュー31年目を数えるマドンナはコンサート・ツアー『MDNA』や関連商品の売り上げなどによって今年6月までの1年間に1億2500万ドル(約125億円)を稼ぎ、2位のレディー・ガガの8000万ドル(約80億円)に貫録勝ちを果たしています!

さすがは“ポップスの女王”の面目躍如といったトコロですが、実は“陰の1位”も存在するのです。
1億6000万ドル(約160億円)を稼ぎ出し、マドンナやガガを上回る売り上げを挙げるなんて一体誰だと思います?
その男こそ、マドンナと同じ1958年8月生まれの“キング・オブ・ポップ”♪
今は天国にいるマイケル・ジャクソンが、地上で一番稼いでいた…というオチでしたっ!


~概要~

「ライク・ア・プレイヤー」は1989年・第4作目のオリジナル・アルバムのタイトル曲であり、1stシングルとしてBillboard Hot 100で3週連続No.1(年間25位)を記録しました。
ローリング・ストーン誌“500 greatest songs of all time”の300位にもランクされ、流行歌手的な位置付けされるることの多いマドンナにとっても、評論家ウケのよい名曲といえるでしょう。
作者はマドンナとパトリック・レナード、そしてプロデューサーのステファン・ブレイのチームは、当時彼女の活躍に欠くことのできない顔ぶれでした。

この頃の音楽の潮流としてホイットニー・ヒューストンやジャネット・ジャクソンなどを筆頭とする黒人音楽の台頭があり、白人歌手でもジョージ・マイケルやスティーヴ・ウィンウッドといった、いわゆる“ブルーアイド・ソウル”が持て囃された時代でした。
マドンナもこうした流行を意識してか、「ライク・ア・プレイヤー」ではR&Bの要素を積極的に取り入れています。
中でもこの曲の大きな特徴でもあるゴスペルは、マイケル・ジャクソンの「マン・イン・ザ・ミラー」や「ウィル・ユー・ビー・ゼア」でも大きな役割を果たした有名な“アンドレ・クラウチ聖歌隊”が、見事なコーラスを聴かせてくれました。



~ミュージック・ビデオによる波紋~

ミュージック・ビデオも歌に沿ったストーリー仕立ての作品で、『MTV ヴィデオ・ミュージック・アウォーズ』でも“Viewer's Choice Awards”に選ばれました。
“ゴールデンラズベリー賞 (ラジー賞)・最悪主演女優賞”の常連であるマドンナもこのビデオでの演技は素晴らしく、ここでの評価が後の『エビータ』の“アカデミー歌曲賞”と“ゴールデングローブ賞・主演女優賞&主題歌賞”に繋がったのではないでしょうか?
しかしこのMVといえば、そんな評価も吹っ飛ぶほどの“爆弾”が仕掛けられておりました…。

「Like A Prayer」はタイトルから分かるとおり、宗教色の強い歌です。
問題は映像の描き方にあり、これが“神への冒涜”としてカトリック教会ほか宗教団体から批判が殺到しました。
主な論点は、以下の通り。

①十字架を焼いた
②キリストをイメージさせる人物が黒人
③その人物とマドンナが祭壇でmake love

こうした批判はそれだけに止まらず、大きな波紋となって襲いかかります。
マドンナは当時ペプシと3本のCMの契約を結び、「ライク・ア・プレイヤー」はシングルが発売される前に2分以上という異例のCM映像が作られました。
しかし程なく上記の批判が巻き起こり、それがCMにも飛び火してペプシ製品の不買運動へと発展、結局マドンナのCMは一度テレビで流れただけで放送禁止となり契約は解除されてしまったのです。


~Lyrics~

この作品以前からマドンナを知る人にとって「Like A ~」というタイトルを掲げられると、どうしても“Virgin!”…と浮かんでしまうことでしょう。
恐らくマドンナもそういうシャレを意識して名づけたと思いますが、内容はそれと正反対に重厚なものです。
カギを握る“Prayer”という言葉は“祈り(祈る人)”という意味があり、主人公がその声に導かれるようにして物語は展開します。

Life is a mystery, everyone must stand alone
人生は不思議…誰もが孤独を生きる宿命の中で
I hear you call my name
私の名を呼ぶ、あなたの声は聴こえてくる
And it feels like home
“安らかなる場所”へと誘(いざな)うかのように…

マドンナの、厳かで愁いを帯びた歌声が印象的な冒頭のフレーズです。
“人間は、一人で生まれ一人で死んでいくもの”といいますが、それゆえ人は心に誰かを浮かべてその孤独を癒すものなのでしょう。
ここでは“home”を抽象的な表現にしていますが、頭の中では“Heaven”というニュアンスをもって全体のストーリーを組み立ててゆきました。


It's like a dream, no end and no beginning
夢のよう…始まりも終わりもないこのひと時
You're here with me, it's like a dream
あなたとこうしていられる…まるで夢

“夢のよう…”と言っていますが、この物語自体たぶん主人公の想像の中のことなのでしょうね。
やわらかな彼の囁きを耳元に、しがらみや時間を忘れ踊る…
そんな、至福を思い描いているのでしょうか…?


Just like a prayer, your voice can take me there
まるで祈りのように、“そこ”へと導くあなたの声
Just like a muse to me, you are a mystery
まるで瞑想のように、神秘的な人

後半、畳み掛けるようにリフレインされるこの歌のクライマックス。
届きそうで手の届かない、“彼”の神秘的なさまが描かれています。
何度も使われる“there”は、やはり“home”へと繋がるのでしょうか…?


~Epilogue~

MVを見ると、主人公が慕う相手は“神”というイメージを抱くと思いますが、歌詞だけ追ってみると必ずしも“彼=神”ではない気がします。
つまり“彼”は聖人を思わせる不思議な魅力の持ち主であり、主人公は憧れや尊敬とともに恋心を抱いている…
物語全体を訳してみて、そんな印象を持ちました。

何年か前、オウム事件の逃亡者を17年匿い続けた女性の供述で、“尊敬の念が、やがて愛情へと変わっていた”…という話がありましたが、尊敬と愛情って紙一重の感情なのでしょうね。
たくさんの人と出会い、人生の経験を重ねた人ほど思い当たったのでは?



ライク・ア・プレイヤー

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪


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tags : 音楽 洋楽 和訳  訳詞 Lyrics 

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