I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ゴー・ウエスト」ペット・ショップ・ボーイズ

2014.06.13

category : Pet Shop Boys

Pet Shop Boys - Go West1 Pet Shop Boys - Go West2


Pet Shop Boys - Go West (1993年)


~サッカーの祭典、開幕!~

4年に一度のサッカーの祭典『2014 FIFAワールドカップ・ブラジル大会』が開幕いたしました!
残念ながら日本は初戦でコートジボワールに逆転負けを喫し、もう残り格上の2チームを相手に全勝する以外に次のラウンドへの可能性は残されていません。
厳しい戦いはハナから承知…
こんな逆境にこそ、このチームの真価を発揮して欲しいですね! 

ただ、W杯は勝敗だけではないサッカーの醍醐味を味わうことのできる世界最高のステージ…
この曲と共に、楽しみましょう♪



~概要~

「ゴー・ウエスト」はイギリスのポップ・デュオ、ペット・ショップ・ボーイズ(以下PSB)が1993年に全英2位をはじめ世界中で大ヒットさせた曲ですが、アメリカBillboard Hot 100では106位と全く振るいませんでした。
(ただし、ダンス・チャートでは1位を記録)

“PSBの歌”というイメージが強いと思いますが実はオリジナルではなく、アメリカのディスコ・グループ“ヴィレッジ・ピープル(Village People)”が1979年に発表した作品です。
ヴィレッジ・ピープルはこの頃ディスコ・ブームに乗って「Y.M.C.A.」や「In The Navy」を大ヒットさせましたが、「ゴー・ウエスト」は45位(Hot 100)に終わっていました。
オリジナルはいかにも“'70年代のディスコ”といったサウンドですが、PSBのは“ハウス・ミュージック”の要素を取り入れており(ハウスであること自体に意味がある…後述)歌詞をPSBのニール・テナントが一部変更しています。

 Village People


余談ですが…
日本では1977年10月~1979年3月まで放送されたザ・ドリフターズ主演の『飛べ!孫悟空』という人形劇があって、その劇中でドリフ自身が歌う「ゴー・ウエスト」という挿入曲がありました。
『西遊記』は中国から天竺(インド)を目指す旅であることからこのタイトルが付けられていますが、何となくヴィレッジ・ピープルのと本質が似てるでしょ?

 ♪ニンニキニキニキ…


さて…
PSBの「ゴー・ウエスト」といえばサッカーとは切っても切れない“チャント(Football chants;聖歌)”であり、世界中の競技場でサポーターにより歌われています。
起源は、『1993–94 European Cup Winners' Cup』準決勝でイングランドのアーセナルFCのサポーターが歌ったのが最初だそうで、2006年には“W杯ドイツ大会の公式テーマ・ソング”としてイタリアの歌手パトリツィオ・ブアンネ(Patrizio Buanne)がオーケストラをバックに歌ったカバー「Stand Up! (Champions Theme)」が採用されました。

もともと「ゴー・ウエスト」はサッカーと何の関係もない作品ですが、このバージョンでは“Go west…”に始まるサビの部分を“Stand up for the champions”…といったように、チャンピオン・スポーツのテーマとして歌詞の全体が書き換えられています。



~Lyrics~

(Go West) Life is peaceful there
そこに、穏やかな暮らしが待っている
(Go West) In the open air
何処までも広がる空気

テーマとなっている「Go West」はアメリカ合衆国がアメリカ連合国に勝利(南北戦争)した1865年、
西部開拓時代の幕開けを告げることとなった新聞『ニューヨーク・トリビューン』でのホレス・グリーリーの論説
"Go West, young man, go West and grow up with the country.”(西部に行け若者よ、西部に行ってこの国と共に成長せよ) に由来するとされています。
この時代、ジェシー・ジェイムズやビリー・ザ・キッドなど危険な無法者が横行した一方、チャンスをモノにした石油王ジョン・ロックフェラーや鋼鉄王アンドリュー・カーネギーといった大富豪を輩出し“金ぴか時代(Gilded Age)”とも呼ばれました。


(Together) We will find a place
きっと、僕らの場所は見つかるさ
(To settle) Where there's so much space
果てしなく広い、安住の地…

今回W杯を開催しているブラジルは、日系移民の多い国として知られています。
1888年に奴隷制度を廃止した同国はその労働力不足を補うため、世界中に移民を呼び掛けました。
1908年から日本人の入植が始まりましたが、当時の居住環境や労働条件は奴隷と変わらぬ極めて過酷なものだったそうです。
先人たちもこの一節のような期待を胸に、地球の裏側へと旅立ったのでしょうか…。


Now if we make a stand (Aah)
もしも、その地にしっかり根差せたなら
We'll find (We'll find) our promised land (Aah)
きっと、僕らは“約束の地”を見つけるだろう

“promised land”は、神がイスラエルの民に与えると約束したとされる“約束の地”を喩えたのでしょう。
“Go West!”と言ったかは分かりませんが、日本では1930年代から“国策(日本政府の約束)”の下、27万人の日本人が“満蒙開拓移民”として入植しましたが、彼らに待っていたのは“政府の違約”であり、その後の戦禍によって多くの死傷者及びシベリア抑留者を生む結果となりました…。



~Epilogue~

「ゴー・ウエスト」は西部開拓時代のフロンティア精神を若者に訴えかける作品ですが、一方で“ウラには別の概念”が込められています。
オリジナルの“ヴィレッジ・ピープルは’ゲイ’・マーケットをターゲットにして結成されたグループ”であり、そうした衣装や作品を多く扱ってきました(ただしホンモノのゲイかは、定かではないらしい?)。
「ゴー・ウエスト」もそうした作品の一つで、「Go West」とは“(ゲイに寛容ではないニューヨークを抜け出して)ゲイのユートピア、サンフランシスコを目指せ!”…というメッセージが込められています(聞く人が聞くと、分かるらしい?)。

PSBがこの作品をカバーしたのは、ニール・テナントが“そうである”(自ら告白している)ことと無関係ではありません。
また、“ハウス・ミュージック”で彩られているのも、この音楽が“ゲイ・ディスコを象徴”するからと思われます。

PSBのミュージック・ビデオには、コレとは“別のヒミツ”が隠されています!
映像ではニールが青の衣装、相棒のクリス・ロウと合唱隊が黄、体操ユニフォームの行進隊が赤を纏っているでしょ?
これは、PSBのバージョンが発表される数年前に起きた“ソビエト連邦の崩壊”を描いているのです。
すなわち、“赤を纏ったソ連(東側)の青年たちが、列を成して西側社会を目指す”…というストーリー。
(でも、ナンで“自由の女神が赤”なのだろう…? )

今回は“ちょっとだけ”いつもと違う雰囲気でしたが、みなさん楽しんで頂けました?
でも、お馴染みのサッカー/ダンス・ナンバーにも意外なウラがあるものでしょ!?
それでは、また次回…。 



「ゴー・ウエスト」

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 洋楽 和訳  訳詞 Lyrics 

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