I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「セイリング」クリストファー・クロス

2016.07.15

category : Christopher Cross

Christopher Cross - Sailing1 Christopher Cross - Sailing2


Christopher Cross - Sailing (1980年)



~海のシーズンの始まり~

7月18日、九州~東海地方で“梅雨明け”が発表されました。
全国各地では同日から真夏日を記録、早い所では小学校が夏休みに入り、本格的に海のシーズンの始まりです!

『海の日』でもあるこの期間、大型練習帆船“海王丸”(97.05m/2,238.40t)が展示される富山県射水市では7/16-18に『海王丸パークフェスティバル』が催され、17日には“海を愛するタモリの日本一楽しいヨットレース”『タモリカップ富山大会』も開催されました。

…今回は、そんな選曲です♪ 



~概要~

「セイリング」は1979年12月に発表されたクリストファー・クロスのデビュー・アルバム『南から来た男(Christopher Cross)』からの2ndシングルで、翌年8/30付Billboard Hot 100のNo.1(1週/年間32位)に輝いた曲です。
アルバムからは既にドゥービー・ブラザーズのマイケル・マクドナルドがバック・ヴォーカルを務めた1stシングル「Ride Like The Wind」が大ヒットし、続くシングルには「I Really Don't Know Anymore」が第一候補に挙がっていましたがこれもマイケルのヴォーカルをフィーチャーしていたため権利関係に問題が生じるのを回避し次善として選ばれたのが「Sailing」でした。

ヒット・チャート以上に圧巻だったのは1981年の第23回グラミーで、クリストファーは「セイリング」で“最優秀レコード賞”“最優秀楽曲賞”“最優秀ヴォーカル入りインストゥルメンタル編曲賞”を受賞、アルバム『Christopher Cross』は“最優秀アルバム賞”を、さらに“最優秀新人賞”を加え都合5部門に輝いたことで話題を呼びました。
とりわけこの年のクリストファーが成し遂げた“グラミー主要4部門独占”史上初の快挙であり、58回を数えた現在までもそれを達成し得たのは彼以外にありません。


「Sailing」の魅力は何といってもクリストファーの純水のように澄み切った美しい歌声と、静かに流れる風と穏やかな波を思わせるギターの音色で、そこに派手さはないものの涼しげな心地よさはまさにAORを象徴する上品な大人テイスト。
クリストファーはこの作品を自身の最高傑作の一つと捉えており、デビュー作にしてあまりに洗練された完成度の高いアルバムを生み出してしまったせいか、グラミーにノミネートされた後も“デビュー・アルバムの勢いが今すぐ止まり2ndアルバムのころ僕という存在が忘れ去られてしまったとしても、年老いた僕は死の床で、昔全米No.1を記録しグラミー5部門にノミネートされたんだよ、って言える”と言及するほど、これを誇りにしていたそうです。
しかしこれほど類い稀なる美声を持ち、「Sailing」をはじめとする作曲能力を備えながら、本人の言葉通り翌年の「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」(過去ログ)を境に本当に失速してしまうとは、この時誰が想像したことでしょう…。

 時代は、“美声より美男”を求めたってことじゃね?

 



~Lyrics~

Well, it's not far down to paradise
パラダイスは遠くはない
At least it's not for me
…少なくとも、僕にとっては

クリストファーがこの作品の創作を始めた時、すぐに最初の部分が閃いたそうです。
そのあまりの出来ばえに、“Wow, これメチャクチャいい感じ!”と有頂天になってアパートを飛び出すほどでした…
…が、全体を完成させるまで実に2年かかったそうです! 

サスガに2年は無くとも、ブログをやっているとこんな経験ってありません?


It's not far to never-never land
ネバーランドは遠くはない
No reason to pretend
それを偽る理由もない

【never-never land】は“おとぎの国・(夢や空想にしか存在しない)理想郷”という意味であり、【Neverland】はマイケル・ジャクソンの邸宅…
…ではなくて、ジェームス・マシュー・バリーの戯曲『ピーター・パン』に出てくる国
原作でネバーランドは“海を2つ、夜を3回越えた先に存在する”とされ、子どもたちは年をとることがない…
…とされますが、実はその裏にはとっても怖いヒミツが隠されている!? 

 “うまい話にゃ裏がある”…、オレたちの世界の常識さ♪


Sailing takes me away
Sailing... 連れて行っておくれ
To where I've always heard it could be
ずっと、夢でしか叶わないといわれた場所

【sail】は“帆”であり、この静かな曲調から直感的に穏やかな内海でヨットを楽しんでいるようにも思えますが、歌詞全体を見渡すと意外に“大航海”なのかもしれません。
主人公は、その魅力に取り憑かれているのでしょうか…。

【Sailing】をテーマにした理由についてクリストファー自身は、少年時代に毎年夏に友人とセイリングして遊んだ思い出を挙げており、当時のいろんな悩みを忘れさせてくれたと語っています。
私の少年時代は毎年素潜りを楽しみにしていましたが、あなたは何を楽しみにしていたでしょうか…。



~Epilogue~

現在も人や大量の物資を世界中に届け、食料供給や文明発展の大きな役割を担っている船舶。
確認されている最古の記録によると、人類が風を動力とした帆船を用いたのは少なくとも紀元前4,000年頃からだそうです。
帆船が最も輝かしい功績を挙げたのは、新大陸をはじめ世界の未知なる航路を次々と発見した15~18世紀の“大航海時代”。
19世紀は全盛と衰退の時期で、世紀の後半には産業革命の産物である蒸気船に海の主役の座を奪われることとなります。

帆船の特徴は何といっても風を捉えるための大きな帆(sail)ですが、帆船ってどれ位の速度で推進するかご存知でしょうか?
たとえば日本最大のクルーズ客船『飛鳥Ⅱ』(241m/50,142t)の巡航速度は約18ノット=33.3km/h(最高21ノット)であるのに対し、現代・世界有数の速度を誇る日本の大型帆船『海王丸II世』(110.09m/2,556t)はISTA(国際セイルトレーニング協会)の帆船レースで平均速度11.2ノット=20.7km/h(124時間で1,394海里を帆走)という歴代最高(1995年)を記録しているそうです。
…しかし一旦無風状態が続くと1日の航走距離が僅か13kmということもあるそうで、それも“風頼み”の宿命といったところでしょう(このため、補助動力としてディーゼル・エンジンも搭載されている)。


And if the wind is right
もしも風が力を貸してくれたなら
you can sail away and find serenity
君は航海を遂げ、麗らかな世界へと辿り着けよう

21世紀の風は、私たちにどんな恵みをもたらせてくれるのでしょう…。
確かに、化石燃料と原動機の開発により、風は人類の繁栄に重要な意味を持たなくなったかもしれません。
しかし化石燃料資源を殆んど埋蔵しないこの国だからこそ、21世紀はますます風の力が必要になると、私は思っています。

あたたかい太陽の光や、爽やかに流れる風、膨大な海の水を世界に巡らす潮、火山国だからこそ尽きることなく湧き出す熱…
豊かな自然は時に災害を併せ持つけれど、だからこそ彼らを汚したり怒らせたりする営みを慎み、学び、セイリングの時のように自然と語り合いたい。
海は広い心で迎え入れ、きっと麗らかな世界へと導いてくれる…。



「セイリング」

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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

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「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」クリストファー・クロス

2013.05.07

category : Christopher Cross

Christopher Cross - Arthurs Theme (Best That You Can Do)1 Christopher Cross - Arthurs Theme (Best That You Can Do)2


Christopher Cross - Arthur's Theme (Best That You Can Do)(1981年)


~Prologue~

世界中の人が憧れる街・ニューヨーク…
この街を舞台とした歌は数あれど、これほどロマンティックに描いた楽曲は他にないのではないでしょうか。
作品を更に透明感あるものに彩ったのが、クリストファー・クロスの“クリスタル・ヴォイス”でした。
今日は、ニューヨーク・シティの素敵な写真で動画を制作したので、そちらもお楽しみください…。


~Summary~

1979年にデビューし、いきなりグラミー主要4部門を独占(計5部門)する衝撃で音楽活動の幕を開けたクリストファー・クロス。
2ndアルバムへの期待が集まる中、次なる仕事はダドリー・ムーア&ライザ・ミネリ主演によるコメディ映画『ミスター・アーサー(Arthur)』の主題歌でした。

大御所バート・バカラックとの共同作業となったこの作品は多くの人の心を捉え、1981年8月に発売されると10月にビルボード3週連続No.1を記録しています。
また、第54回アカデミー賞では「エンドレス・ラブ(ダイアナ・ロス&ライオネル・リッチー)」、「007 ユア・アイズ・オンリー(シーナ・イーストン)」ら強豪を抑え見事“歌曲賞”を獲得した作品です!


~Songwriter(s)~

そもそもの始まりはクリストファー・クロスがグラミー賞で注目を集める前年、楽曲を作っていたバート・バカラックが“この曲を歌うのはクリストファー以外にあり得ない”と直感し、彼に“一緒に書いてみないか?”と声を掛けたことでした。
クリストファーが応じると、バートとキャロル・ベイヤー・セイガーの3人で一晩か二晩のうちに一気に書き上げています。

バートとキャロルはこの頃恋人関係にあり、二人が結婚する5日前にこの曲のアカデミー授賞の知らせが届いたそうです。


~Lyrics~

邦題の「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」は歌詞にはない“訳者による創作”ですが、多くの日本人を惹きつけた“名題”といえるでしょう。
原題は「Arthur's Theme」で、映画の主人公アーサー・バック(ダドリー・ムーア)のテーマ曲です。

アーサーは大富豪の御曹司ですが世間知らずの“放蕩息子”で、ある日父親に遺産相続の条件として親の言いなりの結婚を命じられます。
ところがその途端に街で出逢ったリンダ(ライザ・ミネリ)を本気で好きになってしまい、悩みを抱えることに…。

そんなアーサーへの処方箋こそが、原題の( )付きにもある…
“The best that you can do is fall in love(心のまま、恋に落ちることさ)”
というワケなのです。

また、邦題の本となっているロマンティックなフレーズ…
“When you get caught between the Moon and New York City”
は、元々キャロルが2~3年前にピーター・アレンと書いた未発表の作品から引用したモノです。
(ちなみにピーター・アレンはリンダ役ライザ・ミネリの別れた元夫!)

私はこれを“月とニューヨークの間に迷い込んだら”と動画で訳していますが、“恋を採るか財産を採るか”に迷うアーサーを魅惑的な“月とニューヨーク”に喩えたのでしょう…。
夜空をやさしく照らすお月さまと目映いニューヨークの街の明かりのどちらが美しいと迫られても答えに迷うばかりですが、みなさんもそんな光景を心に描いただけでロマンティックに浸れてしまうのでは?

そんな、素敵な月夜であることを願って…。



「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」収録アルバム


The Best Of Christopher Cross


「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」





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tags : 音楽 洋楽 和訳  訳詞 Lyrics 

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