I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「キッス・オン・マイ・リスト」ダリル・ホール&ジョン・オーツ

2016.07.22

category : Daryl Hall & John Oates

Daryl Hall John Oates - Kiss On My List1 Daryl Hall John Oates - Kiss On My List2


Daryl Hall & John Oates - Kiss On My List (1981年)



~ホール&オーツは遅咲きの華?~

80年代を代表するヒット・メイカーのイメージのあるホール&オーツですが、その黄金期を迎えるまでデビューから8年ほどもタイム・ラグがあったのをご存知でしょうか?
もちろん70年代半ばに「Sara Smile」や「Rich Girl」などの大ヒットはあったものの、イマイチそれが安定的な成功には繋がりませんでした。
しかしそれを掴むきっかけとなったのが本作品であり、二人はここから栄光への階段を駆け上がっていったのです。

その経緯を振り返ると浮かぶのが日本のポップ・デュオCHAGE and ASKA(チャゲ&飛鳥)で、デビュー当初少し話題を呼んだもののその後10年ほどパッとせず「SAY YES」の大ヒット以降90年代を代表するヒット・メイカーとなったことを思い起こします。
そういえば、THE ALFEEも花が咲くまで時間がかかったな…。



~概要~

「キッス・オン・マイ・リスト」は1980年の9thアルバム『モダン・ヴォイス(Voices)』の収録曲で、「How Does It Feel to Be Back」「You've Lost That Lovin' Feelin」といったやや地味めの曲に続く3rdシングルとしてリリース、Billboard Hot 100で3週No.1(1981年の年間7位)に輝いた作品です。

キーボードやコーラスなどホール&オーツの黄金期の雛型といっていいサウンド・スタイルであり、ダリル・ホールによるとここで彼がプレイしているシンセの一部のフレーズを、エディ・ヴァン・ヘイレンが1984年の大ヒット“「Jump」でコピー”したことを本人から告白されたといいます(ダリルが認可しているので両者間に争いはない)。
また、1981年といえば『MTV』が開局した年であり、本作はその開局日(8月1日)にオンエアされたリストの一つでもありました。


作詞・作曲はダリルと、彼の恋人サラ・アレンの妹ジャンナ・アレンによる共作で、ジャンナにとっては処女作でした。
元々はソロ歌手を目指していたジャンナをサポートするための創作でしたが、ダリルが彼女のためにガイドとして録音したデモ・テープを彼のマネージャーが発見し、“これは是非ホール&オーツが歌うべきだ!”と強く主張したため彼らの作品として発表することになったそうです。
ただしこれはマネージャーの独断というわけではなく制作チームもダリルのデモを大いに気に入ったとされており、そのためこれを録り直すことはせずそのままマスターとし、演奏やバック・ヴォーカルを追加する形で最終的に仕上げられました。

一方この時チャンスを逃したジャンナは歌手の夢は叶わなかったものの、その後「Private Eyes」ほか4曲のTop10ヒットなどでホール&オーツに大きく貢献し、チープ・トリックやジョーン・ジェットにも楽曲を提供するなどソング・ライターとして活躍しましたが、残念ながら1993年に白血病のため36歳の若さで亡くなっています。

 
 オリジナル音源は記事最後の【Lyrics動画】でご視聴になれます。



~Lyrics~

My friends wonder why
友だちみんなが首を傾げてる
I call you all of the time
どうして僕がいつも君に電話ばかりしてるのか、って

一般に多くの男性にとって電話は連絡や用件を伝えるツールであり、頻繁に会っている友人同士が会話目的で電話をすることは少ないので、しょっちゅう電話している彼の姿はアヤシゲに映るでしょう。
…そんな時はたいてい背後に“電話好きのお相手”がいるものですが、彼の場合電話するのが楽しくて仕方ない“夢中”にあるような気がします。
関係が始まってまだ日が浅い、ときめき盛りの二人でしょうか…。


(Because your kiss)
Your kiss Is on my list

君のキスが、僕のリストに入っている

…こんな風に恋人に言われたら、どうします?
“リスト作るほど、他に相手がいっぱいいるってこと!?(怒)”
藪蛇(やぶへび)になりかねません…。 

また、この歌は【kiss】がテーマとなっていますがそれを意識して[list, bliss, this, is...]など、韻を要所に配置し抜群のノリを生み出しています。
ただ、【list】に関してはアメリカ人もよく聴き違えるようで、ダリルも“よく歌を聴いてない人は「Kiss On My List」を[Kiss On My Lips(唇)]と間違える”と紹介しているそうです。


I go crazy wondering
驚きで、気が変になる
What there is to really see
目の前で起きている現実に

一番からサビにかけて主人公の“ラブラブ感”が溢れているだけに、二番の歌詞は、まさに冒頭のこのラインのように聴く者を戸惑わせます。
…だってこれじゃあまるで、二番の歌詞は“失恋ソング”!
そんな展開も含め、主人公がどんな気持ちを込めてこの歌を歌っているか想像してみてくださいね? 



~Epilogue~

作者のダリル・ホールは「キッス・オン・マイ・リスト」について、次のように語っています。

みんなはこの曲を‘僕は君を愛してる、君なしでは死んでしまう’という意味だと思っているけど実はその反対で、アンチ・ラブソングなんだ。

…ちょっとびっくりする発言ですが、二番の歌詞を読むとこれは“失恋ソング”であり、“自分はマジだったのに、彼女はアソビだった”ことへの悔しさが綴られています。
だからこそ、わざわざ悔し紛れに【your kiss is on my list】という“対象者が多数いるような言い回し”をしているのでしょう…“キスの相手なら、君以外に幾らでもいるよ!”って。
でもそれに続くラインには、こう記されています…


Because your kiss is on my list
君の唇が、僕のリストで
Of the best things in life
生涯最高のものだから

“I Can't Stop Lovin' You”って訴えているように聴こえますが? 
(リンク先はTOTO ver.)



「キッス・オン・マイ・リスト」

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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

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「マン・イーター」ダリル・ホール&ジョン・オーツ

2015.10.09

category : Daryl Hall & John Oates

Daryl Hall John Oates - Maneater1 Daryl Hall John Oates - Maneater2

Daryl Hall & John Oates - Maneater (1982年)


~ホール&オーツ、4年ぶりの日本公演~

私の大好きなホール&オーツ…
ブログを始めて2年半で、初めての登場です!
正直、ここまで来るとどんな登場のさせ方をするか迷っていたのですが、H&Oが4年ぶりの日本公演(10/14~10/21)で私の背中を後押してくれました。
特に、10/19の日本武道館公演はWOWOWで生中継されるので、行けないファンの方はお見逃しなく♪

「Maneater」は私が初めて聴いたH&Oであり、一般にも“H&Oというと、「Maneater」!”という方も多いのではないでしょうか?
“はじめまして”な方も“大好き”な方も、どうぞごゆっくりお楽しみください♪



~概要~

ダリル・ホール&ジョン・オーツは1970年代のサイモン&ガーファンクルと並び、80年代を代表するポップ・デュオです。
“最も成功したブルー・アイド・ソウル”と称されるように、非黒人でありながら当初はかなり“黒っぽい”音楽性(R&Bやソウル)がありましたが1980年頃からカラフルなポップ・テイストが色濃くなり、本格的にブレイクするきっかけとなりました。

「マン・イーター」はその絶頂期を形成した1982年の11thアルバム『H2O』からの1stシングルで、Billboard Hot 100で5曲目のNo.1(4週/1983年の年間7位)を記録した最大のヒット曲です。
代表曲に挙げられることの多い「Maneater」ですがH&Oの音楽性からすると象徴的なものではなく…
むしろ、“変わったテイスト”といえる作品でしょう。


「Maneater」の原曲が生まれたのは、ジョン・オーツのアパートの一室で二人が作曲していた時でした。
ジョンがレゲエのリズムを思いつくと、ダリル・ホールが“コードは面白いけど、もっとグルーヴが欲しいな。”と言ってこの曲の特徴の一つでもある“モータウンのリズム”を取り入れる…といった具合に創作が進められたそうです。
このウキウキさせるリズムはいわゆる“モータウン・ビート”と呼ばれるもので、1966年にスプリームスが大ヒットさせた「You Can't Hurry Love」に代表され、奇しくも「Maneater」と同時期にフィル・コリンズのカバーver.もチャートを賑わせています。
(詳しくは「恋はあせらず」スプリームス過去ログへ)

そのため、「You Can't Hurry Love」の作者の一人ラモント・ドジャーは「Maneater」のイントロを初めて聴いた時、自分のカバー曲と勘違いし“糠(ぬか)喜び”したというエピソードまであるほどです。
もう一つサウンド面での特徴を挙げるとすればCharles DeChantのサックスで、この人は「One on One」「Say It Isn't So」ほかH&O作品ではお馴染みといえるでしょう。

 



~Lyrics~

She'll only come out at nights
女は、夜にだけ姿を現す
The lean and hungry type
引き締まった身体…そして、いつも何かに飢えている

何気に、前回の「ベティ・デイビスの瞳」とイメージが重なります。
やっぱり“優れたハンター”は身に無駄な肉を蓄えず、流れるようなスタイルをしているものなのでしょうか…?

本作品で引き合いに出されている“ジャガー(Jaguar/Panthera onca)”はアメリカ大陸に生息する肉食獣で、ネコ科としてはトラ・ライオンに次ぐ大きさだそうです(頭胴長約120-185cm)。
ヒョウ属で、その名の由来には“一突きで殺す者”という意味もあるといわれ、ヒョウと似た“黄色に黒い梅花紋”の斑(まだら)が特徴ですが、PVに登場するのはその黒変種(ブラック・ジャガー)と思われます。

 JAGUAR ATTACKS AND KILLS CROCODILE


Watching and waiting
じっと待ち伏せしているのさ
Ooh, she's sittin' with you
あぁ、君と一緒だろうと

同じ頃、日本でも「まちぶせ」が大ヒットしましたね♪(1981年・歌手は石川ひとみ/作詞・作曲は荒井由実)
別項で「Maneater」は当初レゲエだったと述べましたが、ユーミン自身が荒井由実名義でセルフ・カバーした「まちぶせ」(1996年)もレゲエ調でした。

日本の「まちぶせ」は“偶然をよそおい帰り道で待つ”という奥ゆかしいものですが、“アメリカ式”はどんなテクニックを駆使するのでしょう…。


Ooh, the beauty is there
あぁ、見た目は美しい…
But a beast is in the heart
だけど、心には獣が棲んでいるのさ

男女を問わず、やっぱり“美人は得”ですよね!?
あるアンケートによると、94.4%の女性がそう思っているというデータがあります。

特に何をしてあげなくとも、ただそこにいるだけで周囲が勝手に好意を持ってくれる…
そんな“オプション”を授かった方はご両親に感謝を捧げ、どうか“悪用”なさらないでくださいね。
でも、たとえ“心に獣”がいると分かっていても、美人の色香に抗し難い“引力”で惹き寄せられてしまうのは人間の生まれ持った性(さが)というもの…?



~Epilogue~

【maneater】は言葉が示すように“人食い”の意味で、それが派生して“男食い⇒男を弄ぶ女・男好きの女”といったスラングとして解釈されることもあります。
この作品には【She's a maneater】という表現がありますが【bitch】や【hussy】ではない所がミソで、この女性が男を骨抜きにするほど魅力的な一面も持ち合わせていることが窺えます。

一方で意外なのは、ジョンが「Maneater」について“女性の詞と解釈するのが自然だけど、本当は80年代のニューヨークの金持ちたちの強欲ぶりを描きたかったんだ。”と、コメントを残していることです。
でも、やっぱり【She's a maneater】で良かった!
“強欲な金持ちの歌”じゃあまりにムードがないし、やっぱり“男を虜にするセクシー美女”が登場した方が妄想が膨らむでしょ?(本物の“人食い”のハナシだと、もっとドン引きですが…

(Oh-oh, here she comes)
ほら、女のお出ましだ
She's a maneater
アイツは、男を喰らう“マンイーター”

あなたは【Jaguar】ならぬ、“クーガー女”という言葉を覚えておいででしょうか?
【Cougar】はジャガー同様アメリカ大陸に生息するネコ科の大型肉食動物で、イギリスではピューマ(Puma)と呼ばれています。
近年、女性を狩らない“草食系男子”の増加に伴い、お目当ての男性を自分で狩る“肉食系女子”の増加が指摘されていますが、とりわけ“20代の若い男性を旺盛に狙い撃ちする30代後半~40代の女性”のことを巷ではクーガー女と呼び、これは2000年代初頭から大ヒットし社会現象まで巻き起こしたアメリカのドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』など、恋や仕事に貪欲に生きる熟女らの活躍ぶりも影響しているといわれているようです。

 …タダの“大きなネコ”?


厚生労働省の2015年7月の発表によると、2014年時点での日本人女性の平均寿命は86.83歳(男性は80.50歳)だそうです。
データによると1960年の女性の平均寿命は70.19歳なので、この55年間で16年人生が延長されたことになります。
“余命”で計算すると、余命50年の36歳・クーガー女は1960年の年齢だと20歳…!!?

…んなわきゃナイ? 

だとしても、計算上彼女にはまだ50年の長い時間が残されていることになります。
55年前の人に比べ、16年長い人生が許されるわけですから、“実年齢から-16歳の気持ち”で人生を前向きに楽しんだって良いのではないでしょうか? ( …だからって、36-16=20 は犯罪じゃね?

一度っきりの人生だもの…
でも、どうか誰かを傷つけたりしないでね♪



「マン・イーター」

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