I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「カーマは気まぐれ」カルチャー・クラブ

2016.06.03

category : Culture Club

Culture Club - Karma Chameleon1 Culture Club - Karma Chameleon2


Culture Club - Karma Chameleon (1983年)



~16年ぶりの日本公演~

カルチャー・クラブ16年ぶりの日本公演が、6月21日からスタートします!
カルチャー・クラブといえば1980年代前半、“第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン”の旗頭としてデュラン・デュランと共にアメリカのヒット・チャートを席巻したイギリスのバンドですが、中心人物であるボーイ・ジョージの薬物事件によって絶頂から僅か2年で活動停止(1986年)となってしまいました。
しかしその背景には、一見明るく振る舞っている「カーマは気まぐれ」にも隠された“ボーイの苦悩”が強く関与しているのです。

その後もゴシップ・ネタばかりが先行していたボーイですが2013年、悪癖を絶ち全盛期の妖美を取り戻し発表したソロ作品が“今年最高のカムバック作品(ザ・ガーディアン)”と各メディアで絶賛、翌年カルチャー・クラブもオリジナル・メンバーで再結成し、現在に至っています。
…何はともあれ来日公演へ向けて彼らのメッセージが届けられているので、まずはご紹介♪





~概要~

「カーマは気まぐれ」は1983年の2ndアルバム『カラー・バイ・ナンバーズ(Colour by Numbers)』からの2ndシングルでイギリスで6週No.1(年間No.1)、翌年アメリカBillboard Hot 100でも3週連続No.1(1984年の年間10位)を記録するなど、全世界16カ国でNo.1に輝いたカルチャー・クラブ最大のヒット曲です。
この活躍により同曲は1984年のブリット・アワードで“Best Selling Single”を受賞、2015年のイギリスのテレビ・アンケートによると“1980s No.1ソング(191曲)の9位”に選出されています。

作者はメンバーの4人(+サポート・メンバーのフィル・ピケット)で、作詞のほとんどはボーイ・ジョージが担当し当時の彼の心情が綴られています。
ただし一方で「Karma Chameleon」は1960年の「Handy Man」(ジミー・ジョーンズ)の盗作であるとして係争騒ぎもありました。
判決など詳細は不明で、恐らく「Handy Man」の【Come, come, come】のフレーズに【Karma Karma Karma】が似ているという訴えと思いますが、私が聴いた限りでは問題無いように感じました。

カルチャー・クラブのもう一つの魅力は、女性と見紛うばかりに妖しくも美しいボーイ・ジョージの容姿!
そんなボーイが昨年、雑誌の企画で“当時のメイク術”を動画で解説して話題になりました♪


PVは1870年のアメリカ・ミシシッピ州が舞台という設定になっていますが、実際に撮影されたのはロンドンを流れるテムズ川です。
メンバーや出演者は当時のファッションに身を包んでいるのに対し、ボーイ・ジョージだけはいつものまんま!
何気に一番目立っているのが、【Red, gold and green】のドレスをまとったダンサ-のお姉サマたちかも…?

…でも、どうして“1870年 ミシシッピ州”?
カメレオンはアメリカ大陸には生息していないし、“1870年2月23日にミシシッピ州が(南北戦争敗北から)アメリカ合衆国に復帰”といわれても…
今回は、“掘って”も何も出てきませんでした!

 



~Lyrics~

Karma Karma Karma Karma Karma Chameleon
Karma…君はまるで、カメレオンさ

作品のタイトルは当初「Cameo Chameleon」だったそうで([cameo]はカメオ細工などの意味)、その後【Karma】に変更されました。
移り気な恋人を、体色をコロコロ変化させるカメレオンに喩え、続くライン【You come and go】もこれと似た韻をなぞるなど、歌詞全体が韻を踏みまくって遊び心に満ちています。

“カメレオン”をテーマにしたアイデアは秀逸であり、当時“Karma Chameleon Phone”(カメレオン型電話;電話が鳴ると「カーマは気まぐれ」が流れカメレオンが踊る)という二次創作も生まれ、アメリカのテレビ・ショッピングにはボーイ・ジョージ本人もカメオ出演していました♪




I'm a man without conviction
僕は信じ抜く心を持たず
I'm a man who doesn't know how to sell a contradiction
たった一つの矛盾さえ容れない小さな人間だって

この歌は【カメレオン→カーマ】というシャレが妙味になっていますが、もう一歩進めて【キャメロン】というのはどうでしょう?
[2006年イギリス地方選挙]…
イギリス人の皮肉好きは有名ですが、その際労働党が掲げたテーマが「Karma Chameleon」でした。
“コロコロ色を変えるカメレオン”は政党としてマイナス・イメージのはずですが、これにはライバルの保守党に対する皮肉が込められています。
当時、保守党党首に初当選したばかりのデーヴィッド・キャメロン氏(現・イギリス首相)を【Cameron=Chameleon】に準(なぞら)えて、“a man without conviction(信念のない男)”と皮肉ったわけです。


Every day is like survival
生き残りのために力を合わすべき人であって
You're my lover not my rival
決して、争うための相手じゃない

ここは同じフレーズの繰り返しになっているので1回目は普通に訳し、2回目は意訳を強め主人公の心情を補完しました。
前述したようにこの歌は“ボーイ・ジョージの心情そのもの”であり、その告白です。
“恋人がライバル”に挙げられるなんて普通じゃありませんが、一体何があったのでしょう…。
でもよく考えてみれば、彼の歌ってこういうシュチュエーションばかり?



~Epilogue~

Red, gold and green
赤や金、それと緑色…

ラスタファリアン・カラー(Rastafarian color)は、ボーイ・ジョージにとって象徴的な色です。
ラスタ・カラー(略語)は、ジャマイカ独立の戦いで流した血の[赤]、ジャマイカの自然の[緑]、ジャマイカの太陽の[黄(金)]黒人戦士の[黒]の4色で構成される概念。
この配色はジャマイカを起源とする音楽“レゲエ”を象徴し、レゲエをこよなく愛するボーイ・ジョージにとても大事な色であり彼のカラフルなファッションも強くこれに影響を受けています。

“たかが色”?
されど、“色そのものに歴史の意味や心の拠りどころたる理由がある”ならば、時としてそれは魂を表す…


Culture Club - Karma Chameleon3 Culture Club - Karma Chameleon4 Culture Club - Karma Chameleon5

ところで、この歌でボーイ・ジョージが“Chameleon”に喩えている(と思われる)人物は、女性ではありません。
グループが人気絶頂にあった当時は秘せられていましたが、後年の本人の告白によると彼はゲイであり、この頃の彼の“想い人”は同じバンドのドラマーであったジョン・モス《写真・左》です。
二人はカルチャー・クラブ結成前後から“関係”が始まったものの、ジョンはすぐにボーイと距離を置くようになったため、恋の炎冷めやらぬボーイがジョンの背中をずっと追いかけ続けていた…
…というのが、当時の二人の関係だったようです。

それというのも基本的にジョンはゲイではなく、何より彼には既に結婚を前提として交際していた女性がいました。
(ただし、この女性とは結婚には至っていない)
ボーイの化粧は“自己表現”として欠かせないものですが、1980年頃の彼《写真・中》は明らかに“目立ちたい”だったものが、ジョンと出会ってから《写真・右》は“美しくなりたい”に変化しているように思えます。
…そんな背景に思いを巡らせ歌を聴いてみると、見えてくるものがあるのではないでしょうか?

Loving would be easy if your colors were like my dream
君のカラーが僕の夢と似ていたら、恋も楽なのに


人はそれぞれの【color】を持って生まれ、それぞれの【Karma(カルマ;業)】に従って生きている
だからこそ人は深く結びつき、だけど時にせつない…



「カーマは気まぐれ」

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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

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