I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「男が女を愛する時」マイケル・ボルトン

2013.10.31

category : Michael Bolton

Michael Bolton - When a Man Loves a Woman1 Michael Bolton - When a Man Loves a Woman2


Michael Bolton - When a Man Loves a Woman(1991年)


~Prologue~

“女を愛する時”…男は何を想うのものなのでしょう?
このストーリーに触れると、私は“ある男性”が頭に浮かびます。
長年愛され続けた、あのアニメの主人公を…!


~概要~

「男が女を愛する時」はマイケル・ボルトン1991年のアルバム『Time, Love & Tenderness』からの3rdシングルで、Billboard Hot 100でNo.1(1992年・年間54位)に輝いた作品です。
アルバムもNo.1を記録しましたが、彼はこの曲により“グラミー最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞”を受賞しました。

オリジナルはアメリカのR&B歌手パーシー・スレッジPercy Sledge)1966年のデビュー曲で、この時もNo.1(2週)を記録した作品です。
スペンサー・デイヴィス・グループやベット・ミドラー、ナタリー・コールなどもカバーするスタンダード・ナンバーで、ローリング・ストーン誌“The 500 Greatest Songs of All Time”でも53位にランクされています。
日本でも世良公則・西城秀樹などがカバーし、1986年にパーシーver.がコスモ石油、1991年にマイケルver.が日産ローレルのCM曲として親しまれました。

マイケルはスタンダード曲のカバーを意欲的に取り組んできた歌手の一人ですが、“歴代”との比較が免れないこのテの作品を本人は“シンガーとしてのチャレンジ”と述べていて、彼のヴォーカリストとしての絶対の自信が窺い知れます。
そんな彼はこの時のヒットによりご本家パーシー・スレッジとの夢の競演を果たしていて、その貴重な映像も残っているのでご堪能ください。

一方でこの作品は映画挿入曲として起用されることも多く、『アメリカン・グラフィティ2』『再会の時』『クライング・ゲーム』『シャギー・ドッグ』…ほか多数あります。
1994年のアンディ・ガルシア&メグ・ライアン主演の同名映画『男が女を愛する時』の主題歌としても有名で、これにはマイケル・ボルトンの大ヒットの影響もあるかもしれません(※映画で使用されているのはパーシーver.)。


~背景~

パーシー・スレッジ本人によると、「When a Man Loves a Woman」は“幸福な偶然”により生まれた作品だそうです。
当時彼はまだデビュー前で、病院の付添い人として働く傍らThe Esquires Comboという地元バンドの一員として週末にクラブで歌っていました。

ある日ステージの途中で声が出なくなり予定曲は歌えないと判断すると、メンバーに“どんなキーでもいいから何か演奏してくれ”と頼みます。
そこで即興的に生まれたのを原曲として、後日パーシーが仕上げたのがこの作品でした。
そうした経緯からか作品のクレジットには当時のメンバーの名が刻まれ、パーシー自身はその権利を全て彼らに譲っています。

失恋の歌でもないのに切ないブルース調は、この作品が当初「Why Did You Leave Me, Baby?」とタイトルされていたことに拠ります。
この時の気持ちをパーシーが“呪わしいほど悲しかった”と振り返るように、元は彼自身の失恋を綴った作品だったからなのです…。


~Lyrics~

She can do no wrong
女は、悪さなどできはしないと信じ
Turn his back on his best friend
親友にさえ背を向けるだろう
If he puts her down
女を悪く言われたなら

冒頭の私の言葉を覚えていますか
“ある男性”が頭に浮かぶという話です。
こうしたフレーズが思い起こさせる、その人物の名は・・・“ルパン三世”

ルパンは峰不二子にベタ惚れで、何度も何度も彼女に騙されながらも懲りずにずっと尻を追いかけているでしょ?
親友の次元大介と石川五ェ門が呆れて諌めますが、この話になるといつも彼らはケンカになってしまいます…。


If she is playing him for a fool
たとえ女は弄んだだけであっても
He's the last one to know
男はそれを最後になって、やっと気づく
Loving eyes can never see
恋が盲目にさせるのさ

いっそ、タイトルを「ルパン三世」にしたら?…って思うほど、どれも彼に当てはまっちゃいますネ!
結局、恋とは“盲目”と言い表されるように、他人からみれば愚かに映るほど当人は狂おしいものなのでしょう。
また、それ位相手を好きになるようでないと、子どもを生み育てたり何十年も共に苦労を重ねられないといえるのかもしれませんね。


~Epilogue~

もしもこの歌を教訓とするならば、“愛とは、許容”ということでしょうか…。
その人を好きであるほど相手の都合を受け入れ、ちょっとした過ちも許すことができるものです。
逆に、自分の都合を優先させようとすることが多くなったり、どうでもよいことにも腹を立てるようになったら要注意!
“好き”のエネルギーが低下していると自覚して、適宜お励みくださいネ。

男が女を愛する時…
男は、許容と努力を試される…!?



「男が女を愛する時」/和訳&Lyrics

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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「ギミー!ギミー!ギミー!」アバ

2013.10.27

category : ABBA

ABBA - Gimme! Gimme! Gimme! 1 ABBA - Gimme! Gimme! Gimme! 2
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ABBA - Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)(1979)


~秋は○○○季節? だからこそ、Gimme! Gimme!…なのです!~

みなさんは、○○○の中に何を入れましたか?
えっ?“食欲”!?

秋は食欲の季節。だからこそ、Gimme! Gimme!…なのです!

う~ん、見事に当てはまってしまう…。
でもこの歌、そんなテーマでしたっけっ!?


~ABBA~

Agnetha Fältskog(アグネッタ・フォルツコグ/女・写真左)
Björn Ulvaeus(ビョルン・ウルヴァース/男・同右)
Benny Andersson(ベニー・アンダーソン/男・同上)
Anni-Frid Lyngstad(アンニ=フリッド・リングスタッド/女・同下)
※ブログ上部掲載の向かって左の写真に於いて

ABBAはスウェーデン出身の男女4人組グループで、上記の通りメンバーそれぞれの頭文字を取ったものです。
便宜上“ABBA”と表記されることが多いですが、正式には“二番目のBが左右反転”(写真参照)したデザインであり、スウェーデンの缶詰会社“Abba”と混同しないための配慮だそうです。
ひっくり返っているBはBjörnを指し“He's always backwards”という理由らしいですが、彼は変わり者(いつも逆)ってコト?


~概要~

1970年代後半は史上最もダンス・ミュージックが社会に影響力を持った時代で、「ギミー!ギミー!ギミー!」はアバの“ヨーロピアン・ディスコ・ミュージック”の代表曲の一つです。
ヨーロッパ各国でTop10入りする大ヒットを記録し、うち4カ国でNo.1に輝きました。
日本でもシングルとして17位を記録していますが、この曲が初めて収録されたアルバム『Greatest Hits Vol. 2』はオリコン2位を記録し売り上げ92万枚の大ヒット
この記録は、マイケル・ジャクソンの『スリラー』に抜かれるまでの洋楽アルバムの最高セールスでした。

カバーも多く、1999年・スウェーデンのA-Teensやフランスで1位を記録したStar Academy Franceなどが有名です。
中でも特に話題を呼んだのが2005年マドンナ「ハング・アップ」での“サンプリング”でしたが、アバは過去にもフージーズの「Rumble In The Jungle」意外サンプリングを認めたことがなく、あの高飛車な“マドンナが懇願”してベニーとビョルンに頼んだそうですよ!

また、「ギミー!ギミー!ギミー!」はアバのヒット曲で構成されるミュージカル『マンマ・ミーア!(Mamma Mia!)』の楽曲であり、2008年には大ヒットしたメリル・ストリープ主演による同名映画から、娘役のアマンダ・サイフリッドがカバーしました。



~Music~

サウンド的には、まず何といってもマドンナもサンプリングしたキーボードのリフのフレーズでしょう♪
当時は“いかにも電子音”みたいのが新鮮で流行りましたが、ここでのサウンドは程よくて今聴いても安っぽくはありません。
“ヒュルリラ~”と印象的な揺らぐ音は、秋風の冷たさの表現でしょうか…?(或いは心寒さ?)

メインはアグネッタが歌っていますがフリーダ(アンニ=フリッド)が乗ってくる美しいコーラスは、やっぱりアバの大きな魅力ですね!


~Lyrics~

Autumn winds
秋風が…
Blowing outside the window as I look around the room
窓を吹き鳴らし、部屋を見回しても
And it makes me so depressed to see the gloom
薄暗がりで、気を滅入らせるばかり

この歌は秋風が冷たさを帯びる季節、深夜を一人過ごす女性の淋しさを描いた作品です。
“風が心を不安にさせるのは…部屋が暗く思えるのは、秋という季節のせい?”
放たれた切ない自問自答は、応える相手もないまま静寂の真夜中に小さな胸を騒がせる…。


Gimme gimme gimme a man after midnight
Gimme…真夜中過ぎは、人恋しい
Take me through the darkness to the break of the day
暗闇を抜け、夜明けへと連れ出して…

メインとなるコーラス部分です。
gimme=give meのことですから、“gimme a man♂”は…
…一応、上のように訳しておきましたっ!

募る淋しさは、やがて抑えきれぬ情熱となって溢れ出ます。
夜の暗闇と静寂から逃れようと、必死に助けを求めているのでしょう…。


~Epilogue~

夏の極端な暑さという“麻酔”から目覚めた神経が冴え始める…
それが、この季節なのでしょう。
“想像の秋”は、良くも悪くも私たちの感覚を研ぎ澄まします。
どうせなら、それを良い方に活かせる趣味に注ぐのも良いかもしれません。
秋前半は台風などの災害でバタバタしましたが、後半はどうか穏やかに過ごせますよう…。



タイトル 「ギミー!ギミー!ギミー!」

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

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「ワンダフル・トゥナイト」エリック・クラプトン

2013.10.23

category : Eric Clapton

Eric Clapton - Wonderful Tonight1 Eric Clapton - Wonderful Tonight2
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Eric Clapton - Wonderful Tonight(1977年)


~Prologue~


「いとしのレイラ」で親友ジョージ・ハリスンの妻パティ・ボイドへの恋を高らかに“宣言”し、何年もの“茨(いばら)の道”の末とうとう彼女を手に入れたエリック・クラプトン。
「ワンダフル・トゥナイト」は、そんな幸せの絶頂にあった彼の心境を物語る“Love Story”です。
果たして、神はこの二人に“永遠”をお与えになったのでしょうか…。


~概要~

「ワンダフル・トゥナイト」は1977年のアルバム『スローハンド(Slowhand)』の収録曲です。
“Slowhand”はヤードバーズ時代にライブでギターの弦を切って、弦を張り替える間観客がゆっくり拍手(スローハンド)して彼の戻りを待ったという逸話から名付けられたエリックの愛称で、彼の“代名詞”にもなっています。
アルバムはBillboardで2位を記録、ローリング・ストーン誌“500 Greatest Albums Of All Time”325位にも選ばれる名盤です。

「ワンダフル・トゥナイト」は78年に2ndシングルとしてBillboard Hot 100で16位を記録し、日本では1992年のドラマ『しあわせの決断』の主題歌にも起用されました。
当時の彼にしては珍しいしっとりとしたバラード・ナンバーで、ファンの間では賛否が分かれたようですが「いとしのレイラ」のように攻撃的でなくとも、この曲で聴かせる“泣きのギター”はやはり見事としか言いようがありません!

エリックの作品中でも屈指の人気ナンバーでありライブでもよく演奏されますが、オリジナルに比べてもさらに
スローに歌われることが多いようです。

1974年にパティはジョージと別居しエリックの元に身を寄せたわけですが、すぐに離婚が成立したわけではありません。
「ワンダフル・トゥナイト」は、1976年9月7日に催されたポール・マッカートニー夫妻が主催の“バディ・ホリー・パーティ”のあった一日のことを書いたとされ、この時パティは法的にはまだ“ハリスン夫人”でした。
パーティといってもホーム・パーティなどではなく音楽関係者が多数集まる盛大なもので、当時二人は“ビミョ~な関係”のまま、この晴れがましい場に“連れ”として出席していたことになります…。


~Lyrics~

It's late in the evening
夕暮れが宵へと移ろうころ
She's wondering what clothes to wear
ドレス選びに思いを巡らす君

夫婦が出掛ける前の、ごくありふれた光景です。
パティは準備に時間が掛かりエリックはそれを待っていますが、そこはさすがに一流のミュージシャン!
実は「ワンダフル・トゥナイト」は、この待ち時間に書かれたといわれています。


Is that you just don't realize
君は気づいてはいないね
How much I love you
どれほど俺が、深く君を愛しているか…

ちょっと回りくどい表現ですが、要は“君が想像する以上に、僕は君を愛している”と言いたかったのでしょう。
でも、“パティがエリックを十分理解してくれていないという不満(不安)”とも、取れなくもない…?
(その辺についての根拠は、この後…)


As I turn out the light
君に語り掛ける…
I say my darling, you were wonderful tonight
“今夜の君は特別に素敵だった”

タイトルは「Wonderful Tonight」ですが、本当に言いたかったのは“you were wonderful”ですよね!
昔だったら酔っ払って帰ってきたら、そのまま倒れて朝まで…
…みたいな生活が、やさしく介抱してくれる人がいるという幸せを、しみじみ思う瞬間かもしれません。


~激しい愛、穏やかな愛~

さて、その後1977年にパティとジョージの正式離婚を経て、1979年にようやく二人の結婚は叶えられています。
しかし、幸せな結婚生活は長くは続きませんでした。
原因はエリックの女癖とアルコール依存症(どちらも重度)で、パティが“命があったのは幸運”と振り返るほど二人の生活は荒れていたようです。
決定的だったのは1985年、子どものできないパティをよそにエリックが別の女性と子どもを設けただけでなく、翌年にもまた別の女性との間に息子が生まれたことでした。
結局、エリックの熱烈な略奪愛に始まった二人の結婚生活は哀しみ色に満ちたまま、1989年に幕を閉じることとなります…。

当時のことをパティは“まるで大人ぶって遊んでいる子供だった”と振り返り、エリックとの結婚については後悔しているそうです。
彼女のことを歌った「ワンダフル・トゥナイト」についても、“舞い上がるほどうれしかった。でも幸せだったあの頃を思い起こさせるだけに、エリックとダメになってからは拷問のようだった”といいます。
一方で、“エリックに出会うまで、あれほど誰かを深く想い抱くことなどなかった。彼を拒んでいたら、私はあの情熱的な愛を知る事は出来なかった。”とも語っています。

また、最初の夫であるジョージ・ハリスンとは生涯仲の良い兄妹のような関係であったそうです。
別れに際し“困ったことがあった時は、いつでも頼っておいで。”とパティに言い渡した彼は、実際にもエリックとの生活でお金に困っていた彼女を黙って支援してあげたこともあったとか…。
“ジョージの愛はエリックの激しい愛に比べ、穏やかで優しい愛だった。私がもっと我慢すれば、最後は二人で笑えていたかもしれないのに…。”と、後悔を述べています。


~Epilogue~

身も心も焦がすような激しい愛か、穏やかで包み込むような優しい愛か…
人は、恐らくどちらの願望も持ち合わせているものなのでしょう。
でもパティの場合、出逢う順番が違っていたら人生そのものが違った色になっていたのかもしれませんね…。



「ワンダフル・トゥナイト」

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

オススメ作品
“エリック・クラプトン”作品>>
「シー・オブ・ラヴ」ザ・ハニードリッパーズ>>

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comment(10) 

「いとしのレイラ」エリック・クラプトン

2013.10.19

category : Eric Clapton

Eric Clapton - Layla1 Eric Clapton - Layla2


Derek and the Dominos - Layla(1970)


~Prologue~

今回何故この作品か、ピンときた方もおありでしょう?
歌詞は作者エリック・クラプトンのドキュメントでもあり、前回の「サムシング」との“ある因縁”が隠されているからです。
コレを、公式に当てはめると…

G × E / P = ・・・ ・・・ ・・・ ・・・

申し訳ございません。
当社が誇るスーパー・コンピュータ『垓(がい)』でも、解読不能のようでございますっ!?
(※垓は、“京”の上の数字の単位)

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~概要~

“ギターの神様”エリック・クラプトンは、1964年にヤードバーズでデビュー以来(正確には63年に“ルースターズ”というのがあるらしい)ギターの腕は既に“神”と呼ばれる程でしたが、その拠り所は定まらず7つのグループを転々としながら60年代を過ごします。

1970年にアメリカで立ち上げたのが“デレク・アンド・ザ・ドミノス(Derek and the Dominos)”で、その1stアルバムが『Layla and Other Assorted Love Songs』でしたがBillboardでも16位でイギリスではチャート・インすら無く、必ずしも成功とは言えないままに、またしてもバンドは分裂し翌年には解散してしまいました。
「いとしのレイラ」はその収録曲として7分以上あるオリジナルを2分43秒にカットしたバージョンが1971年にシングル・カットされますが、Billboard Hot 100で51位と振るいませんでした。
1972年、それまでのエリックのキャリアのベスト盤『The History of Eric Clapton』が発売され、ここから「いとしのレイラ」のロング・バージョンが再リリースされるとBillboardで10位・イギリスも7位と大ヒットを記録しています。

以来エリックのライブでは欠かすことのできないレパートリーとして親しまれ、イギリスでは1982年に4位の再ヒット、1992年には世界的大ヒットとなったアルバム『Unplugged』の目玉として脚光を集めました。
また、この曲はローリング・ストーン誌の“The 500 Greatest Songs of All Time”では27位にランクされています。


~Sound~

楽曲は情熱的なギター&ヴォーカル部分と、後半のピアノを中心とする安らかなインストゥルメンタル部分で構成されています。
前者はエリックによる作詞・作曲ですが、メンバーのジム・ゴードンがレコーディングの合い間に自身のソロ・アルバム用の曲をピアノで演奏していたのをエリックが気に入り、「Layla」の後半に組み入れました。
別のメンバー(ボビー・ウィットロック)によると、後半のピアノ部分はジムの当時の恋人リタ・クーリッジが作ったものだと証言していますが、確かに…!

何といっても強く印象に刻まれる“ジャララララララ~ン”のギター・リフの素になっているのは、偉大なブルース・ギタリストの一人アルバート・キングの「As the Years Go Passing By」の歌メロで、ブルースらしい哀愁のフレーズをエリックがロックの情熱で味付けしています。
ローリング・ストーン誌“100 Greatest Guitarists 2011”9位にも選ばれるデュアン・オールマンがスライド・ギターで参加していて、同2位のエリックとの競演は歴史に語り継がれる名演といえるでしょう。


~「Layla」に隠された真のストーリー~

タイトルの“Layla”は、ペルシャの古典的悲恋物語『ライラとマジュヌーン(Layla and Majnun)』
から来ています。
主人公の青年がLaylaという美女に恋焦がれ、Majnun(狂人)になってしまうという話ですが…
この青年は、当時のエリックにそのまま当てはまる内容となっています。
そして、エリックが狂おしいほど恋焦がれてしまった美女こそ、前回「サムシング」で紹介した
ジョージ・ハリスンの妻パティ・ボイドでした!

上の写真を見て分かるとおり相当な美人であったパティはエリックに限らずロック・スターにモテモテで、ジョージと結婚前にはジョン・レノンやミック・ジャガーも彼女を狙っていたとされ、特にミックはその後数年に亘り口説き続けたとか…(失敗に終わる)。
1960年代後半、エリックとジョージは親友となりますがジョージは同時にインド哲学やクリシュナ意識国際協会に傾倒するようになってゆきます。
こうした状況を夫の親友であるエリックに相談するうちに、彼がパティに夢中になってしまうワケです。

道ならぬ恋に心を焦がし何度もパティにアタックしますが何れもパティには拒まれ、その苦衷を歌ったのが
「いとしのレイラ」
でした。
実は当時エリックはパティの妹ポーラと付き合っていましたが、この歌を聴いた彼女は“自分は姉の身代わり”と悟り彼の元を去っています。
自暴自棄になったエリックはその後数年間薬物に溺れ、引退同然のようになってしまったのです。

一方、その間もジョージとパティの夫婦仲は冷え込む一方でした。
ジョージのインド傾倒は増すばかりで、更に夫婦にとって致命的な事件が起こります。
ある日パティが帰宅すると、ジョージと女性が裸でベッドにいるのを目の当たりにすることとなるのです!
片やそのパティ自身も、他の男性との浮気を報道され…。

1974年、結局パティはジョージと別居しエリックの元に身を寄せますが…
この直後に発売されたジョージのアルバム『ダーク・ホース』に収録された「Bye Bye Love」という曲があって、その一節にはこんなフレーズがあります。

I hope she's happy, old Clapper too
彼女の幸せを願う、“old Clapper”も…な

これは、「いとしのレイラ」でエリックがジョージのことを…

When your old man had let you down.
お前がアイツに失望させられた時に…

“old man”と呼んだことに対しClaptonを“old Clapper”と表現した、ジョージなりの精一杯の皮肉を込めた祝福だったといえるでしょう。
しかしそんな彼の強がりも、このアルバムでの痛々しいまで変わり果てた声(喉を傷めていた)を聴くと、パティとの別れのダメージが相当なものであったことが窺い知れるようです。
反対に、まるで別人のように生き返ったのがエリックで、同年発表した『いとしのレイラ』以来4年ぶりのアルバム『461 オーシャン・ブールヴァード』がBillboard No.1に輝く劇的復活を遂げています!


~Epilogue~

Like a fool, I fell in love with you,
愚かなほど、お前に夢中になり
Turned my whole world upside down.
俺の世界は、すっかりひっくり返ってしまったのさ

エリックの、狂おしい程のパティへの想いを象徴する一節です。
溢れるほどの情熱は、それを十分に受け止めてくれる相手があればこそ生きるものですが…
この時の彼にとって、そのエネルギーを受け止め切れるのは“薬物”という魔物だけだったのかもしれません。

そんなエリックの激しい愛情を歌ったのがロック「いとしのレイラ」とすれば、“夢”を叶えた彼が
パティへの穏やかな愛を綴ったのが、“あの名バラード”です。
エリックとパティの物語には、まだ続きがあります。
そして、パティとジョージの物語にも実は続きがあるのです。
そうしたことを織り交ぜながら次回、お届けしましょう…。



「いとしのレイラ」

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

過去の“せつない恋のロック”作品…
「愛していたい」ハート

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「素敵じゃないか」ザ・ビーチ・ボーイズ

2013.10.11

category : Beach Boys

Beach Boys - Wouldnt It Be Nice1 Beach Boys - Wouldnt It Be Nice2


The Beach Boys - Wouldn't It Be Nice(1966年)


~10月12日公開の映画『陽だまりの彼女』テーマ・ソング!~

“嵐”松本潤&“のだめ”上野樹里主演・10月12日公開の映画『陽だまりの彼女』テーマ・ソングです。
累計発行部数100万部を超え、“女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1”を誇る原作に加え、上記二人の
主演とあっては大ヒット間違いなし!
中学の同級生で互いがファースト・キスの相手である二人は引っ越しで別れて以来疎遠となっていましたが、
ある日偶然の再会を果たし恋が甦ります。
やがて二人は結ばれますが、その後不思議な出来事が…。

「素敵じゃないか」は原作ストーリーにも及ぼす重要なキーとなっていて、真緒(上野樹里)がいつも口ずさんでいる歌です。
映画にはテーマ・ソングの他にも“主題歌”が設けられていて、こちらは山下達郎の新曲「光と君へのレクイエム」が充てられています。

また、2004年にもアダム・サンドラーとドリュー・バリモア主演のロマンティック・コメディ映画『50回目のファースト・キス』の挿入曲としても用いられたので、ご記憶の方もあるかもしれません。


~歴史的名盤『ペット・サウンズ』~

ビーチ・ボーイズは1960年代を代表するアメリカのロック・バンドで、名前の如く“海”をテーマとした作品が多く“サーフィンの象徴”といえる存在です。
イギリスを代表するバンド、ビートルズに対するアメリカのライバルとして比較されることが多く、60年代中頃に
なると作品創作にも互いの影響を及ぼすようにもなります。
この時期、ビートルズは次々と時代をリードする楽曲・サウンドを生み出すようになり、もはや“ステージで、ただロックを演奏するだけのバンド”とは呼べない存在にまでなっていました。
64年には、ビーチ・ボーイズの中心メンバー、ブライアン・ウィルソンが心の病を悪化させたためライブへの参加を止めてスタジオでの音楽作りに専念するようになり、両者の飽くなきサウンド追及が加速しそれぞれに“歴史的名盤”をもたらすこととなるのです。

スタジオ・ワークに専念するようになったブライアンは1965年、ビートルズの 『ラバー・ソウル』に衝撃を受けます。
これによりアルバムを単なる曲の寄せ集めではなく全体を一つのテーマとして成立させるアルバムの必要性を
感じ、それを具現化したのが1966年の『ペット・サウンズ(Pet Sounds)』でした。
しかしこれを聴いたビートルズのポール・マッカートニーやプロデューサーのジョージ・マーティンが逆に衝撃を
受け、負けじと『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を生み出すこととなるのです。
この切磋琢磨により二枚のアルバムは歴史的名盤として評価されることとなり、ローリング・ストーン誌の“500 Greatest Albums of All Time”でも『サージェント・ペパーズ…』が歴代1位、『ペット・サウンズ』が歴代2位として今も君臨しています。

…とはいえ『ペット・サウンズ』はブライアンが曲を作り、外部ライターのトニー・アッシャーにストーリーの概要を伝え作詞させ、スタジオ・ミュージシャンに演奏させたため、ほかのメンバーはほとんどヴォーカルとコーラスしか関与しておらず、実質的には“ブライアン・ウィルソン feat.ビーチ・ボーイズ”といっていいアルバムでしょう。


~「素敵じゃないか」~

「素敵じゃないか」は上記の通りブライアンとトニー・アッシャーによる作品でブリッジの部分をマイク・ラヴが
書き、ヴォーカルはブライアンとマイクがリードを執っています。
ビーチ・ボーイズとしては風変わりな作品が多い『ペット・サウンズ』に於いて「素敵じゃないか」は“らしさ”が
感じられる曲で、3rdシングルとしてBillboard Hot 100でも8位を記録しました。
印象的なキラキラして可愛いイントロのギターは重ね録りされていて、ブライアンによると“このギターと
アコーディオンは、心のときめきを音で表現した”そうです。

一方で彼は先天性聴神経障害で右耳がほとんど聴こえないため、当時左右2つのスピーカーから発する
ステレオ音が信頼できずこの曲も当初、モノラル盤でした。
色々な事情でライブ活動が難しいブライアンですが、今回は1985年の“ライヴ・エイド”での元気なパフォーマンスをご覧ください♪


~Lyrics~

とても短い曲であり、歌詞もシンプルです。

Wouldn't it be nice if we were older
ふたり一緒に同じ齢を重ねられたら、素敵じゃない?

…そんな風に語り掛ける展開は、まさに“タイトルの如し”でしょ?
とても素直な“プロポーズ・ソング”といえる内容で、心の曇りや迷いのカケラも感じられません。
先にも述べた背景に流れるキラキラしたギターはこうした心境の表現であり、恋をすると何もしていないのに
ふと笑みがこぼれてしまうのは、胸の中にあるこの“キラキラ”が心をくすぐっているせい?


Wouldn't it be nice if we could wake up
ふたり一緒に目を覚ませたら、素敵じゃない?

“同じ釜の飯を食った仲”という表現がよくありますが…
新しい一日の始まりを共に迎え、一日の終わりを共に確かめ合えるというのは、それ以上に意義があること
のように思えます。
物理的に最も近くいられる空間であり、心理的に最も近づける時間であるからです。
そういう気持ちで夢の世界へと導かれるいうのは、人生の極楽の一つといってよいかもしれません…。

また、他にも“キュン”とするフレーズが歌詞には溢れているので、是非このハッピーで素敵な歌の世界観を
楽しんでくださいネ♪


「素敵じゃないか」ザ・ビーチ・ボーイズ

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

過去の“ハッピー・ソング”作品…
「トップ・オブ・ザ・ワールド」カーペンターズ
「グローリー・オブ・ラヴ」ピーター・セテラ

“Lyrics&歌詞和訳”は、こちらから…


続きはこちら >>

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「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」ビートルズ

2013.10.07

category : Beatles & Solo

Beatles - Being for the Benefit of Mr Kite1 Beatles - Being for the Benefit of Mr Kite2


The Beatles - Being for the Benefit of Mr. Kite!(1967年)


~お知らせ~

これまで和訳動画とブログを同時並行で制作してまいりましたが負担も大きく、永続的なカタチではないと判断して和訳動画を毎回の必須とはしないことにしました。
動画を楽しみにしてくださった方にはとても心苦しい決断ですが、その際音楽は既存の動画を充てることになりますのでどうかご了承ください。
ただ、本筋である“Lyrics&和訳”はブログ上でこれからも公開していくつもりなので、引き続きお楽しみ頂けたらうれしいです。

“本文に解説文”を、“追記に歌詞”という形で分けて掲載いたしますので、“Lyrics&和訳”は動画の下にある
続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪

以上、これからも当ブログを宜しくお願いいたします。


~Prologue~

先月のビートルズ特集に続いて、今回も11月12日からのポール・マッカートニーのワールド・ツアー『Out There!』を記念して、ツアーで演奏されている作品をご紹介しています。
えっ?“この曲はジョン・レノンの歌じゃないか!”って?
実は今回のツアーの目玉の一つは、“ポールが、今は亡き二人の曲を歌う”ことにあります。
…ということで、今回はそういう視点からの選曲となっていますよ♪

ところで、先日体操の世界選手権で金メダルを獲得した内村航平&白井健三・両選手が幼少から愛用し、
その強さの秘密こそがこの歌の主人公の得意技でもあるのですが、さてそれは一体何でしょう?
(ヒントは歌詞の中にあり、正解は本文中ので示しています!)


~概要~

「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」は1967年6月1日発売(英)のビートルズ8作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)』の収録曲です(以降、「ミスター・カイト」『サージェント・ペパー』と略します)。
『サージェント・ペパー』は非常に実験的な試みに挑戦しながら、尚且つ専門家・大衆共に高い評価を得たという点で“ビートルズの最高傑作”であり、50年近く経つ現在もローリング・ストーン誌の“500 Greatest Albums of All Time”で堂々の1位にランクされています。

「ミスター・カイト」は、骨董品集めが趣味のジョン・レノンが「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の撮影でイングランド南東部ケント州・セヴンオークスを訪れた際、骨董屋で見つけた“古いサーカス団の宣伝ポスター”にインスピレーションを得た作品です(上の写真で、ジョンが指差してるポスターがそれ)。
もちろん作者・ヴォーカル共にジョンですが、ポールの自伝『Many Years From Now』に由るとポールとの共作とも伝えられています。
ジョンがハモンド・オルガンとピアノ、ポールがアコースティック・ギター と ベース、ジョージとリンゴがハーモニカ と打楽器類を担当する変わった編成となっていて、今回の動画の映像イメージは実際と一致しないことを心置きください。


~Sound~

“おがくずを床に敷いたサーカスの雰囲気”という難しいサウンド・イメージの注文をジョンに突きつけられたプロデューサーのジョージ・マーティンは、手動式のスティーム・オルガンを思い付きますが使えそうなものが無かったためヴィクトリア調で録音された古いレコードをテープに録り直し、これを数センチ毎に細切れにしてバラし、またそれをランダムに繋ぎ合わせ一つにミックスするという奇策で応えてみせました。
エンジニアのジェフ・エメリックがこの曲のタイトルを「フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」と間違った際に、わざわざ“「ビーイング~」だ”と念を押すほどこの作品に対し思い入れのあったジョンにとっても、彼の仕事の成果には大いに喜んだそうです。
ところが作品が発表されるやジョンは自ら“つまらない曲だ”と評すようになり、死の直前には“すばらしい曲だ”と一転させた…
というのは、いかにも彼らしいエピソードと言えるでしょうか…。
(作品に対するジョージ・マーティンの功績が大きく評価されたため、プライドが傷ついた?)

一方で「 Being…」という変なタイトルといい主人公を紹介する語り口といい、ポールの「Sgt. Pepper's…」をかなり意識したと思われる節があります。
このころ二人の主導権争いは熾烈で、ポール主導の『Sgt. Pepper's…』で進みそうなプロジェクトを、あわよくば“『 Being…』にしよう”という野心が隠されていると見るのは、飛躍し過ぎ…?


~Lyrics~

上でも少し触れたように、この作品は実在した“サーカス団の1843年のポスター”をヒントに
…というか、歌詞はポスターの宣伝文句をそのまま“頂いちゃって”マスっ!
まず主人公の“Mr. Kite”はポスターに記載されるメンバーの一人で、1842~43年頃パブロ・ファンク・サーカスに所属した“William Kite”という人物を指すといわれます。
“Mr. H”は“John Henderson”というらしく、歌われているスゴ技のほとんどはミスター・カイトではなく実際には彼がやっていたようです。
当時のサーカスについては、チャップリンが演じるこの映像(?)をご覧になれば雰囲気だけでも分かる(笑ってしまう?)でしょう。


それにしても…
And of course Henry The Horse dances the waltz!
もちろん、馬のヘンリーもワルツを踊りますよ!

…このシーン、実際に見てみたい気がするのは、私だけ?
でも、ここにも面白いアソビ心が仕掛けられていて、このフレーズを歌った直後にリズムを三拍子に転じる演出を入れているので、お確かめくださいね!

あと…
Over men and horses hoops and garters
の、“garter”は靴下留めのガーターと同じ単語ですが、この場合の意味が不明確なので敢えて訳しませんでしたのでお伝えしておきます。


サーカスといえば動物曲芸や地上曲芸(ジャグリング他)、道化芸(ピエロ)など様々な見所がありますが、その中での一番の"華"はやっぱり空中曲芸ですネ!
空中ブランコに、綱渡りやトランポリン…
私も、ドキドキ・ハラハラしながら見上げた思い出があります。
歌の主人公ミスター・カイトは特にトランポリン技を得意としているようで、イメージ的にはこんなカンジでしょうか?(ミスター・カイトの場合は、更に火の付いた樽をくぐるようです!


~Epilogue~

最近は映画でもCGにより、ごく普通の俳優さんが何mもジャンプしたりジャッキー・チェンもできない超絶アクションを見せてくれますが、私はこうした映像に感慨を覚えることがありません。
一方で、これより見た目“地味”なオリンピック・アスリートのパフォーマンスに感動を覚えるのは、彼らが見せる技の一つひとつには血の滲むような努力が積み重ねられていると想像できるからです。
それはサーカスの曲芸も同じことで、彼らが人を喜ばせ驚かせるために日々の鍛錬を重ね磨いた技だからこそ、私たちもドキドキ・ハラハラさせられるのでしょう。

「ミスター・カイト」という音楽作品もまた同じで、今から約半世紀も前、シンセサイザーも使わずこれだけ豊かな音の表現を成し得た彼らの創造力には、驚嘆せざるを得ません
“サンプリング”一つでどんな音も再現できる現代のデジタル・サウンドしか聴いたことのない世代の方にも、
ぜひ耳を傾けて欲しい作品です。

まぁ…
ポールがライブでこの曲を再現できるのは、“その恩恵”でもありますけどネっ♪



「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」

過去の“ビートルズ”作品…
The Beatles


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「ザ・ウェイ・イット・イズ」ブルース・ホーンズビー & ザ・レインジ

2013.10.03

category : 1980年代

Bruce Hornsby The Range - The Way It Is1 Bruce Hornsby The Range - The Way It Is2



~Prologue~

10月1日、安倍首相が消費税率を来年4月から8%に引き上げる表明をいたしました。
その会見の全文を読んだ私の頭に浮かんだのが、この曲だったのです…。


~概要~

“ブルース・ホーンズビー”といって認知されている方は80年代の洋楽ファンか、熱心なジャズ・ファン及び90年代のグレイトフル・デッド・ファン位かもしれません。
しかし、ブルース・ホーンズビー & ザ・レインジとしてデビューした1986年の「ザ・ウェイ・イット・イズ」の大ヒットは、当時を知る人にとっては鮮烈な記憶ではなかったでしょうか。
シンセサイザーにより生み出された音が主役だったこの時代、ブルースが紡いだ“アコースティック”は反って新鮮だったし、一聴して彼の演奏と判るピアノの音色が人々の心を捉えて放さなかったのです…。

元々ブルースは大学で音楽を専攻後スタジオ・ミュージシャンとして活動していましたが、84年には自身のバンド“ブルース・ホーンズビー & ザ・レインジ”を結成しました。
この頃ヒューイ・ルイスと親交を深め、それがきっかけでレコード・デビューを果たしています。
1stアルバム『The Way It Is』からのデビュー曲「Every Little Kiss」はBillboard Hot 100で72位とヒットにはならなかったものの、2ndシングル「ザ・ウェイ・イット・イズ」が見事No.1を獲得(1987年の年間8位)しアルバムもBillboard 200で3位を記録する大ブレイクでした。
この活躍により、1987年のグラミーでは“最優秀新人賞”を獲得しています。

「ザ・ウェイ・イット・イズ」の魅力といえば、何とも美しく奏でられる不思議なピアノの音色でしょう♪。
音楽に対し非常に厳しいことで知られるプロデューサーのデイヴィッド・フォスターにも賞賛されたその調べは、都会の夜を想わせる洗練されたジャズ・テイストと田舎の素朴さ感じる温かなカントリー・フレイバーという相反する風味が調和しているのが全く以って見事です。
バンド解散後は本格的にジャズ志向へと向かうので、今思えばこの時代の不思議なサウンドはとても貴重に思えます…。


~Lyrics~

美しいピアノの調べに反し、詞はかなりシニカルです。
タイトルの「The Way It Is」は“そういうもの”といった意味合いで、そうなって欲しくないけど結局はそうなってしまうだろう…みたいな半ば諦めの気持ちが込められています。
当時のアメリカ社会の病理を風刺した内容で、どうにもしてあげられないもどかしさと嘆きが感じ取れるようです。


Standing in line marking time--
僅かな生活保護を求め
Waiting for the welfare dime
列を成して待つ人々…

80年代のアメリカはロナルド・レーガン大統領による財政拡張政策(いわゆるレーガノミクス)により上流階級と下流階級の格差が拡がったとされ、作品はそれを指摘しているのでしょう…。
貧富の格差は人々の心をも荒廃させ、富める者が貧しき者を侮る風潮も描かれています。


Said, 'Hey little boy you can't go
“なぁ坊や、お前は行けないんだよ
Where the others go
他のみんなが行く所へは

そうした影響は子どもたちの将来にも影を落としていて、貧しい家柄に生まれた子はそのために夢を諦めなければならず、親の“階級”がそのまま子どもに受け継がれてしまう現実が描かれています。
子どもはそのことに疑問を抱きますが、その問いに対する父親の返答は…?


Well they passed a law in '64
64年に、弱者のための
To give those who ain't got a little more
人権法を通したが
But it only goes so far
それも、遠い昔の話だ

ご存知のように奴隷制を布いた歴史のあるアメリカでは、1865年のアメリカ合衆国憲法修正第13条によりそれが廃止されましたが、それで有色人種への差別が無くなったわけではありませんでした。
1950~60年代の公民権運動の成果として1964年7月2日に制定された“公民権法”(人権法;Civil Rights Act of 1964)は、人種や宗教・性・出身国による全ての差別を禁じる画期的といえる内容でしたが…
これでも、アメリカから差別が撲滅されたわけではなく、作品では“法が人の心の中まで変えられるわけではない”と綴られています。
ここでは雇用が例として挙げられていますが、相変わらず肌の色(color)や襟の色(collar){ホワイトカラー(ワイシャツ)とブルーカラー(作業着)}による差別がそれを支配しているというわけです。


~Epilogue~

国税庁によると2012年の民間企業労働者の平均年収は408万円ですが、正規雇用が468万円、非正規雇用が168万円と約2.8倍の格差があります。
安倍首相は企業収益の改善により労働者所得上昇を謳っていますが、経済成長した小泉政権の5年半で企業の利潤は1.9倍増えたにも関わらず、この間サラリーマンの平均年収は1割減りました。
仮に、彼が望むようにインフレが進み労働者所得が上昇したら、企業はますます賃金の安い海外へ生産拠点を移したくなるし、事はそう単純には運ばないでしょう。

個人的には消費増税は不可避と考えますが、8%では借金が増える速度が少し緩まる程度で借金が減っていくわけではありません。
安倍首相がどんなに美辞麗句を並べようとこの国の危機は現実であり、“必ずしも法が人の心を正しく導き得るわけではない”とこの歌が訴え掛けているように、増税が危機を救ってくれるわけではないのです。
大切なのは国民一人ひとりの意識であって、お金の使い方を改めない限りこの国が救われることはないでしょう。

That's just the way it is
そんなもんさ
But don't you believe them
それでも、奴らを信じるかい?

そんな歌を唄わせることのない政治を、強く望みます…。



「ザ・ウェイ・イット・イズ」収録アルバム


ザ・ウェイ・イット・イズ



最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

過去の“苦境になんか、負けないゾ!”作品…
「アイ・ドント・ウォナ・ファイト」ティナ・ターナー

歌詞は、こちらから…


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