I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「あなたのいない朝」エア・サプライ

2014.05.31

category : Air Supply

Air Supply - Ill Never Get Enough Of You1 Air Supply - Ill Never Get Enough Of You2


Air Supply - I'll Never Get Enough Of You (1981年)


~お知らせ~

これまで4日で1記事のローテーションで回してきた当ブログ『I Wish』ですが、この所の忙しさでそれが守れそうにありません。
時間に追われ、やらなければならないことがいつも後回しになっていたのです。
今後は目先のやるべきことを消化しながらも、できればブログも続けたいとは思っているので少しペースを落としとりあえず1週間をメドに回していけたらと思っています。

そういう事情ですので何かと不自由をお掛け致しますが、どうかみなさまご理解ください…。



~概要~

「あなたのいない朝」は、エア・サプライの絶頂期といえる1981年の6thアルバム『シーサイド・ラブ(The One That You Love)』の収録曲です。
欧米でのシングル・カットはなく、日本では沢田研二・多岐川裕美主演のドラマ『いつか黄昏の街で』主題歌として起用され、独自のヒットを記録しました。

全体としてしんみりとしたバラード・ナンバーで、ここでもラッセル・ヒッチコックの“ペパーミント・ヴォイス”が絶妙です。
ラッセル自身はこの曲を好んではいないそうですが、当時の日本公演ではアンコールの最後を飾る大切な作品でした(ちなみに、今年8月にも来日予定)。
また、ラッセルのヴォーカルと共に印象的なのがイントロから入るピアノで、そのやさしい音色が心を撫でるように心地よいですね…。

エア・サプライというと、日本ではレコード会社の方針によってジャケットを“海やヨット”に差し替えるなど独自のイメージ戦略が採られていました。
邦題も作品のテーマと関係なく“海”に関連したタイトルが付けられたりするなど、ある意味“何でもあり”の感があって(このアルバム・タイトルが象徴している)、今回のタイトル「I'll Never Get Enough Of You」とLyricsの何れにも“morning”の文字は出てきません。
でも、中には「さよならロンリー・ラブ」みたいな心をくすぐる邦題もあって、私が洋楽に興味を持ったのはこういうロマンティックなタイトルも少なからず寄与しました。

今回の「あなたのいない朝」もそれ以上のタイトルと私は思っていて、まず日本語が美しいのに加え実際の詞を読み合わせてみると“上手いなぁ…”と唸らせるセンスも感じられます(詳細は後ほど)。
この邦題を付けた人の訳で、詞を読んでみたかった…。



~Lyrics~

All last night we lay in bed making love
昨夜、一晩中ベッドで君と愛し合ったけれど
I never felt so much before with anyone
誰かと…あんなにも、多くを確かめ合えたことなどなかった

イントロの静かなピアノと優しく語り掛けるようなこの歌い出しを聴いていると、逆巻いていた心の波が自然に鎮められてゆくのを感じませんか?
主人公にとって最も大切な“記憶”であり、彼女とはこれが“初めての夜”だったのでしょう…。
“言葉を交わさなくとも分かり合える”なんて究極の人間関係ですが、この場合大切なのは細かい理屈ではなく、“感じる”こと!

“Don't think! Feel!(考えるな、感じろ!)” ~ Bruce Lee
互いの“愛情の深さ”を確かめ合えたなら、他の細部が違っても恐れることはありません…。


Never asked if you'd come back,
“戻ってくる?”…なんて、訊かなかった
I was too damn proud
僕は、ひどく得意になっていて

二人に別れが訪れます。
でも、“愛を確かめ合った夜=【last night(昨夜)】”とされているので、時系列からするとこの物語は“その翌日”に綴られている…
つまり、“二人は結ばれた翌日に別れた”ことになるのです(それが、「あなたのいない朝」という邦題の根拠となる)。

この瞬間の主人公の心境を考えると、“運命の人と昨夜結ばれ有頂天”だったはず。
まさかそれが彼女に会う最後になるとは、夢にも思わなかったでしょう…。


I just smile and touched your hair
ただ、微笑んで君の髪を撫でただけ
As you went out
そして、君は行ってしまった…

主人公の様子からするとこの別れは想定外の悲劇と思われますが、彼女にとってはどうだったのでしょう?
物語では彼女との別れについて、【you're gone】【you went out】とだけ触れられています。
これを、ただ“行ってしまった”と解するか、あるいは…?



~Epilogue~

And if I never have another love
もし…もう二度と、別の恋にめぐり逢えないとしても
Well at least I had last night
僕には、“昨日の夜”がある

“梅を望んで渇きを止む” …という言葉をご存知でしょうか?
これは三国志の英雄の一人、曹操(そうそう)のエピソードに由来しています。
行軍中、水場もなく兵の士気が下がり統率もままならなくなってしまったため彼らに向かって、“この先に梅林があるから、頑張れ。”と励ました(実はハッタリ!)ことで、酸っぱい梅の実を想像した彼らは自らの唾によって喉の渇きを癒し、危機を乗り切ったというものです。

この歌の主人公は彼女を失い、実際にはもう“昨日の夜”を再び得ることはできないのでしょうが、それを思い出すことで淋しさを癒そうとしています。
合理主義の人は、“どんなに想いを寄せても叶わぬものに時間を費やすのはムダ” …なんて言うと思いますが、案外これは彼なりの“たくましさ”なのかもしれません。
だって、彼は“もう恋なんてしない!”と言っているわけではなく、“新たな恋に出逢うまでは…”とも受け取ることもできるでしょ?
(ただ、今はもう少し時間が必要かな…)

でも…
そんなに素敵な思い出を、恋人が見つかったからと忘れられるのかなぁ…!? 


「あなたのいない朝」

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」マイケル・ジャクソン

2014.05.27

category : Michael Jackson

Michael Jackson - Slave To The Rhythm1 Michael Jackson - Slave To The Rhythm2


Michael Jackson - Slave To The Rhythm (2014年)



~マイケル・ジャクソンの“新曲”映像~

5月18日、アメリカの3大音楽賞の1つ『the Billboard Music Awards』に於いて、マイケル・ジャクソンの新曲「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」が彼のホログラムによってパフォーマンスされ、世界をアッと言わせました!

これを見たマイケルの兄ジャッキーは…
“美しかったし、信じられないね。本当にマイケルがそこにいるのかと思ったよ。ちょっと涙ぐんじゃった。”と賞賛し
幼少からマイケルを近くで見てきたライオネル・リッチーは…
“あれは怖かったね。だってあれはマイケルだったんだから、驚いちゃったよ。”と、あまりのリアルさに戸惑ってしまったようです。

この映像は翌日YouTube上で公開され、既に1000万回以上も再生されていますよ!



~概要~

「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」はマイケル・ジャクソンが遺した未発表音源を素にリミックスされ、2014年5月13日(日本盤は5月21日)にリリースされたコンピレーション・アルバム第二弾『Xscape(エスケイプ)』の収録曲です。
今やエピック・レコード会長でCEOとなったL.A.リードと、1990年代に名プロデューサーとして馳せたベイビーフェイスらの手による作品で、1980年代後半『Bad』のセッションで初めてレコーディングが試みられました。
その後『Dangerous』を経て1998年にようやく“マイケル存命中の最終形”に至るも、このバージョンは2001の『Invincible』で発表されることはありませんでした。

マイケルが他界した翌年の2010年に「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」はネット上に流出して話題となりましたが、
2013年には『Xscape』に収録される可能性もあったジャスティン・ビーバーのヴォーカルをミックスしマイケルとコラボした「Slave 2 The Rhythm」までもが流出してしまい、結局今回のアルバムに収録されることなく幻となってしまいました(現に、『Xscape』のティンバランドがプロデュースしていた)。
また2014年2月、ソニーの新作スマートフォンXperia Z2のオンラインCMに起用され注目が集まりました。

話題となっている映像はシルク・ドゥ・ソレイユの公演『Michael Jackson THE IMMORTAL World Tour』のディレクターの元に持ち込まれ、『Dangerous』のアートワークをモデルに創作されました。
振り付けを担当した同公演のタラウエガ兄弟が“マイケルのダンスの動きについては、マイケルの世界に留めた”と語るようにマイケルの動きの忠実な再現に重点が置かれたようで、準備に5~6ヶ月を費やしたそうです。
何でもこうした映像による“ホログラムショー”の大規模ツアーも企画されているようで、コチラもいろんな意味で波紋を呼んでいるとか…!?



~Lyrics~

She dances in these sheets at night
女は踊る…夜、シーツの中で
She dances to his needs
女は踊る…男の求めるがままに

この歌の多くは、“She(dances)~”の形で綴られています。
家庭で、職場で男に抑圧された女が主人公という設定で、実際にもこの詞に共感する女性は多いことでしょう。

【dances】という言葉が繰り返されますが本来の意味をそのまま充てるのではなく、その場面に相応しい意味を想像してくださいね。
さて、この場合…
訳さないでおきましょう!


She danced the night that they fell out
女は踊った…その夜、二人は喧嘩し
She swore she'd dance no more
“もう二度と踊らない”と誓った

オリジナルやアルバムのバージョンには存在し、今回の映像のバージョンではカットされている部分です。
ただ、それまで女がずっと抱いていたであろう“情動”を実行する重要な転換点でもあるので、ストーリーとしては外せません。

“懸命を尽くしているのに、報われない…”
そんな思いに駆られたことはありませんか?
その時、女は“それ”を実行します…。


She let out a cry and swallowed her pride
やがて叫びを揚げ、湧き上がる情動を飲み込んだ
She knew she was needed back home, home
女には分かっていた…“帰らねばならない”ことを、home…

とうとう家を飛び出した女でしたが、彼女には自分のプライドよりも大事なものがあったことに気づきます。
もしここで自分が逃げ出したら、残された“それ”はどうなるのだろう?
たとえ今、この身が解放されたとしても失ったものの大きさに、きっと心は“それ”に囚われるに違いない…。
そう思いを至らせた瞬間、必要としてくれる人がいる場所こそ自分が身を置くべき“拠り所”なのだと再確認したのでしょう。
女性とは、母とは…。



~Epilogue~

Slave To The Rhythm
リズムの奴隷

…どういう意味?
マイケル自身のコトを歌っているなら“ナルホド!”って思えるのですが、主人公は“She”ですから…。

【rhythm】はギリシャ語の“流れ”を語源とし、大まかに言うと“規則的な間隔で繰り返される”といった意味合いがあります。
【slave】は一般的な“奴隷”以外にも、“献身する人”という意味もあります。
思えば、女性(お母さん)は定時に家族を起こし、ご飯を食べさせ、家族の日常を支えるために献身的に働き、彼らの規則的な生活のリズムを保つ役割も果たしていることを、誰もが心当たるでしょう。
それを毎日なんて…。

Slave To The Rhythm
家族の平穏な時間を守る人

私たちの平穏な日常は、彼女らの存在無しにはあり得ません。
忌まわしげなこの言葉が、このように解釈できる日が訪れますように…


「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」

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「シングル・レディース (プット・ア・リング・オン・イット)」ビヨンセ

2014.05.23

category : Beyoncé

Beyoncé - Single Ladies (Put a Ring on It)1 Beyoncé - Single Ladies (Put a Ring on It)2


Beyoncé - Single Ladies (Put a Ring on It) (2008年)


~ポール・マッカートニーとビヨンセは“○○友”!?~

来日直後のウイルス性炎症・発症により日本公演の全日程をキャンセルしたポールも、ようやく“あと数日で完全回復”という段階まで来たようです。
どうやら来日直前の南米ツアーで既に症状に見舞われていたらしく、手術の恐れもあったという報道もあります。
とにかく、ファンのみなさんは一安心ですね♪

ところで、何でポールとビヨンセ?
実はこの二人、“ジム友”らしいのです。
上記南米ツアーの前、『コーチェラ・フェスティバル』のためLAを訪れていたポールはビヨンセと連れ立ってFour Seasons Hotelのジムを訪れたそうです。
二人が一緒にトレーニングするのはこれが初めてではなく、とても仲が良さそうだったとか!



~概要~

「シングル・レディース (プット・ア・リング・オン・イット)」は、2008年の3rdアルバム『アイ・アム...サーシャ・フィアース (I Am... Sasha Fierce) 』というビヨンセの普段の物静かな自分を表す“I Am”サイドと、ステージ上のエネルギッシュな自分を表す“Sasha Fiears”サイドで構成される2枚組作品に収録されました。
同年10月、アルバムに先行する形で情熱的なダンス・ナンバー「シングル・レディース…」とスローなバラード「イフ・アイ・ワー・ア・ボーイ」は両A面シングルとしてリリースされ、「シングル・レディース…」は年末年始にかけてBillboard Hot 100で4週No.1(2009年・年間8位))を記録しています。

また、ローリング・ストーン誌の“Best 100 Singles of 2008”では堂々の年間No.1に選ばれました。
2010年の第52回グラミー賞に於いてビヨンセは女性アーティストとして史上最多となる6部門を受賞したことで話題を独占しましたが、このうち3部門“Song Of The Year ”・“Best Female R&B Vocal Performance”・“Best R&B Song ”は「シングル・レディース…」によりもたらされたものです。

一方、モノクロで非常にシンプルな創りのミュージック・ビデオはビヨンセの強烈なインパクトのダンス・パフォーマンスにより、方々で取り上げられ世界中で模倣されるほど話題を呼びました(別項参照)。
このダンスについて、1969年の『エド・サリヴァン・ショー』“Mexican Breakfast”の振り付けにヒントを得ているとビヨンセ本人も語っています。
また、2009年の『MTV Video Music Awards』では“ Video of the Year(最優秀ビデオ)”ほか3部門を授賞しました。



~いろいろなカバー~

 ドラマ『Glee/グリー』

最も有名なのが、コレでしょう♪
シーズン1・第4話「カートの告白」で、カート( クリス・コルファー)らがダンスを披露しています。
この曲はカートにとって“重要な転換点”であり、これを踊っているトコロをお父さんに見られてしまったことからゲイである自分の生きる道を見出すきっかけとなるのです。
そしてシーズン3・最終話では、保守的価値観の男性の典型であるこのお父さんがカートへの“卒業祝い”として、今度は自分が息子の前でこの曲を踊るという粋な演出を見せてくれましたね!

ちなみに、この時バックで踊ったブリトニー役のヘザー・モリスは本当にビヨンセの2007年のワールド・ツアーのバック・ダンサーを務めた人で、「シングル・レディース…」のMVは別の人ですが2009年のアメリカン・ミュージック・アワードではヘザーがビヨンセのバックを務めていますよ♪

 シーズン3・最終話より



 映画『アルビン2 シマリス3兄弟 vs. 3姉妹(Alvin and the Chipmunks: The Squeakquel)』

2010年のアメリカのコメディ映画で、主人公のシマリス 3兄弟のライバルとして登場する3姉妹ユニット“The Chipettes(しまペッツ)”が歌ったバージョン。
“セクシー度100%”のビヨンセのパフォーマンスですが、“カワイイ”もいいでしょ?

 映画『アルビン2 シマリス3兄弟 vs. 3姉妹』より


 お・ま・け?

2009年1月、大統領に当選したバラク・オバマが大統領就任パーティーで見せたこのパフォーマンスが話題を呼びました。
まさか、大統領がコレを“やっちゃう”とは!?



~Lyrics~

You decided to dip but now you wanna trip
あの人は慎むって決めたのに、もう“悪い癖”…
Cause another brother noticed me
だから、他の男に見初められて

ここは【trip】に韻を踏ませるため無理矢理【dip】を持ち出したと思われ、そのためか普通に訳しても意味不明なトコロがあります。
【trip】は“手当たり次第に女の子の尻を追いかけ回す”姿を想像していて、【wanna】なので未遂で“目移り”なのかもしれません。
“You”は浮気性な男で、彼女に【dip(沈む)⇒慎む】を約束させられていたのではないでしょうか…。

そのスキに、他の男が彼女にちょっかいを出したという展開?


don't pay him any attention
だからって…いちいち目くじら立てないで
Cause I cried my tears, for three good years
だってあなたとの三年間、泣いてきたのは私だったんだもの

う~ん…
“許せばOK”という問題でもないような…?
お互いに浮気し合ったって、二人の間に生じた問題の解決には全くならないワケですから。

それでも三年も別れないというのは、それほど相手のことが好きなのでしょうね…。


I got gloss on my lips, a man on my hips
唇にはグロス、お尻には男
Hold me tighter than my Dereon jeans
デレオン・ジーンズより、きつく抱きしめてくれる

これも、【lips】と【hips】の韻です。
【my Dereon jeans】とありますがビヨンセは2005年に自身のファッション・ブランド“ハウス・オブ・デレオン(House of Deréon)”を立ち上げており、衣料だけでなくジュエリーやバッグ・香水などもプロデュースしています。

タ~イト~なジーンズにねじ込む…♪
…んっ? 歌が違う!?
女性にとって、ファッションとは“戦闘”!?



~Epilogue~

If you liked it then you should've put a ring on it
その気があるなら、私に指輪をはめてくれたらよかったのに

“指輪の価値”とは、いったい何なのでしょう…

もちろん指輪は装飾品であり、婚約指輪や結婚指輪のように“誓約”という意味が含まれるものもあります。
私たちにとって指輪が“特別なもの”としての認識が生じるのは、この“誓約”が込められている場合です。

この世で命の次に大事な(?)お金だってよく考えてみれば“タダの紙きれ”であり、紙幣に記された分の価値を国家が保証しそれを私たちが信じるから成り立つ仕組みであるように、指輪も誓約に関わりのない人にとっては○g△円の貴金属の価値でしかありません。
そう考えるとその指輪の価値は“誰の誓約か”が大切であると同時に、“誓約した人の信頼が保証”となります。
つまり…

“誓約とは、それだけ信頼できる人との間で結ばれるべき”

なのでしょうね…。 


「シングル・レディース (プット・ア・リング・オン・イット)」

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「フォー・ノー・ワン」ビートルズ

2014.05.19

category : Beatles & Solo

Beatles - For No one1 Beatles - For No one2


The Beatles - For No one (1966年)


~日本公演は全中止、ポールの回復を祈る~

ポール・マッカートニーの『OUT THERE JAPAN TOUR 2014』の全公演が、中止となってしまいました。
15日夕方に来日、翌16日にリハーサルが入っていたものの体調不良を訴え欠席、“ウイルス性炎症”と診断されたためです。
ウイルス性炎症とはウイルス感染に起因する病の総称で、一部報道によるとウイルス性腸炎のような症状が見られ腹部などに違和感があったといわれます。
主催者によると病状は重篤ではなく“3時間のライブができるだけの声が出ない状態”だそうで、そういう意味では一安心といったところでしょうか…。

この事態に対しポールは“早期再来日公演を強く希望”しているそうで、主催者と検討を続けているそうです。
ただ、今回の日本公演の主目的であった“国立競技場の最後を飾る”大役を果たすためには解体工事が始まる7月までに実行される必要があり、ツアーの日程から考えると28日の韓国公演~6月14日から始まるアメリカ・ツアーまでの間しかないでしょう。
もちろん全てはポールの健康が回復しての想定であり、今回日本公演中止が決まった以上ちゃんと入院し治療に専念して欲しいと思います。
何よりポールが元気でいてくれさえすれば、チャンスはまた訪れるのですから…。



~概要~

「フォー・ノー・ワン」は1966年8月5日発売のビートルズ7作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『リボルバー(Revolver)』の収録曲です。
シングル曲ではないので個別のチャート指標はありませんが、ローリングストーン誌が選んだ『100 Greatest Beatles Song』では40位と好位置に付けています(ちなみに41位は「ゲット・バック」)。

作者/ヴォーカル共にポールによる作品で、1966年の初めごろ恋人のジェーン・アッシャーとスイスにスキー・バカンスを楽しんだ際バスルームで生まれたそうです。
当時ビートルズはまだライブはやっていたものの1965年は45回のみで、プロモーションもわざわざ自分達が世界のテレビ局を回らずビデオに任せることを覚えた(プロモーション・ビデオは、こうして生まれた)ことで、メンバー各自プライベートな時間が増えた時期でした。
レコーディング機材も著しい発展を遂げ、メンバーが揃わなくても各自“録り置き”できるようになったためバンドとしての互いの存在意義が薄れていったのもこの時期といえるでしょう。

「フォー・ノー・ワン」はそうした象徴的な作品の一つで、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンは演奏に参加していません(ただし、ジョンは“ポール作品でもお気に入りの一つ”と評している)。
ヴォーカル/ギター/ベース/ピアノをポール、ドラムス/マラカス/タンバリンをリンゴ・スターが担当し、印象的な“フレンチ・ホルン”にはアラン・シヴィルが起用されました。
バロック調を感じさせるのは“クラヴィコード(鍵盤楽器の一種)”で、これもポールが演奏しています。
『リボルバー』は革新的なレコーディングが試みられたアルバムですが、素朴と思えるこの作品でも実はポールのヴォーカルには手が加えられていて、テープ速度を若干遅くして録音されました。


残念ながらこの曲はビートルズのライブで演奏されたことはありませんが、その後ポールがソロで何度か取り上げています。
まず代表的なのは1984年のポール主演映画『ヤァ!ブロード・ストリート』のセルフ・カバーで、ここではストリングスをアレンジしてメロディーの美しさを引き立たせ、オリジナルと甲乙つけ難い完成度といえるでしょう。

 映画『ヤァ!ブロード・ストリート』より


また、近年もライブで披露されています♪



さらに、今回発見した中にはポールがスタジオでギター1本で歌う映像もありました。



~Lyrics~

Your day breaks, your mind aches
夜が明け、君の心は疼き始め
You find that all her words of kindness linger on
あの娘の優しい言葉を、求め煩(わずら)う

冒頭のフレーズ。
“You”は“She”と別れてからも、彼女のことが忘れられません。
“ kindness”ですから、“ラブラブ”な言葉ではなく日常の何気ない“思いやり”を思い返しているのでしょう。
せつないストーリーの予感…?


She wakes up, she makes up
彼女は目を覚まし、化粧をする
She takes her time and doesn't feel she has to hurry
時間をかけ、急き立てられることもなく

同じ別れの当事者なのに、“She”はごく普通の朝を迎えているのが対照的です。
オフコースの歌に“愛のない毎日は自由な毎日”というフレーズがありますが、彼女はまさにその呪縛から解き放たれ生き生きしているように思えます。
別れた後に限らず時間やお金を得ると、女性は貯蓄や自分磨きという未来に備え、男性は酒やギャンブルなど“その時限り”に浪費してしまう…
…そんなイメージは、偏見? 


You want her, you need her
君は彼女を求め、必要としている
And yet you don't believe her when she says her love is dead
“愛は終わった”という彼女の言葉を信じることなく

こういう状況の場合、“ソッポ向かれた方”は何処に気持ちを向ければ良いのでしょう?
彼の場合、彼女の言葉を全く聞き入れることができずちょっと心配…。
でもこの歌のように、傍で優しく見守ってくれる友人がいると心強いですね。



~Epilogue~

実は、この作品のタイトルは当初「Why did it Die(何故それは死んだのか)」でした。

この頃のポールは「フール・オン・ザ・ヒル」にも見られるように、哲学っぽい詩の世界に挑んでいたのでしょう…。
私は“ it=love”と解釈していて、「Why did it Die」だと“謎かけ”し過ぎて解ってもらえないし、あからさまに“love”を使うと安っぽいので「For No one」にしたのかもしれません。
言葉単独としては「For No one(誰のためでもなく)」の方が格段に美しいのですが、主題としては「Why did it Die」の方が作者の想いをより反映していると思います。

すなわち「Why did it Die」を、“サビの最後の一行A love that should have lasted yearsに対する問い”と捉えて二つを添えてみると…

A love that should have lasted years
何年と続いたはずの愛
Why did it Die
何故それは死んだのか

この“幻のタイトル”を頭に置いて作品に触れると、また違った世界が見えてきませんか?
“その答え”については、みなさんがそれぞれ妄想してくださいネ♪ 


早く元気になってね、ポール… 


「フォー・ノー・ワン」

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「シーズ・ア・ウーマン」ビートルズ

2014.05.15

category : Beatles & Solo

Beatles - Shes A Woman1 Beatles - Shes A Woman2


The Beatles - She's A Woman (1964年)


~“音楽の聖地・武道館”の歴史は、ビートルズによって幕を開けられた~

5月21日、ポール・マッカートニーが日本武道館に帰ってくる!
ビートルズのメンバーとして、ポールが初めて日本のステージに立ったのが1966年(6月30日 - 7月2日)
日本武道館でした。
今でこそ“武道館ライブ”はミュージシャンにとっての憧れですが当時はまだそうした前例がなく、“武道の聖地でロックとは、けしからん!”と大騒ぎにもなりました。

あれから48年…
ポール・クラスの大物にとって武道館は小さ過ぎる器となってしまいましたが、この一日限りの“ドリーム・ライブ”のセットリストは他の競技場ライブとも異なる一回限りの特別なものが用意されているそうで、ファンにとってどんな“仕掛け”が待っているか…ワクワクしている方も多いのでは?
私の希望を込めた予想では“1966年に演奏された曲をセットリストの中心にビートルズ・ナンバー(特にロックっぽいもの)で構成”を想定していて、もちろん今日の紹介曲も当時の演奏曲の一つですよ♪

 武道館公演に向けてポールからのメッセージ



~概要~

「シーズ・ア・ウーマン」はイギリスで1964年11月27日(米;11月23日)にリリースされたビートルズの8枚目のオリジナル・シングル「アイ・フィール・ファイン」のB面曲として発表され、オリジナル・アルバムには未収録の作品です。
アメリカでは独自の経緯があって、米キャピトル・レコード編集アルバム『Beatles '65』に収録されたことも相まってこの曲はラジオ局でヘビー・ローテーションとなり、Billboard Hot 100でも2週連続4位と大ヒットを記録しています。

作者/リード・ヴォーカル共にポールによるR&B色の強いロック・ナンバーで、いつも通りの楽器編成に加えポールはピアノ、リンゴはブラジルの楽器ショーカリョ(Chocalho)というタンバリンに似たパーカッションを担当していますが、この時期のレコーディングにしてはかなりシンプルなアレンジといえるでしょう。
作品の発表以降この曲はビートルズのライブでは欠かせないナンバーとなり、おおよそオープニングの2曲目というのが定位置で当時の武道館公演でも2曲目に演奏されました。

ビートルズの武道館公演といえば、当時“ある日本のバンド”が前座として出演していたのをご存知ですか?
そのバンドの名は、“ザ・ドリフターズ” 
…えっ!? 何かのマチガイ? 
いいえ、“その”ドリフターズで、ドリフは当初音楽バンドとして活動していて当時は志村けんは在籍しておらず荒井注が演奏しています。
ちなみにその志村けんは有名なビートルズ・マニアで、この時ドリフとは全く関係なくビートルズ武道館公演を観に行っていたそうです。

 ドリフターズ in 武道館


時が経ち…
ビートルズ解散後の1977年、“ビートルズ唯一の公式ライブ・アルバム”として発売された『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!(The Beatles at the Hollywood Bowl)』(CD未発売)に「シーズ・ア・ウーマン」が収録され、今回のメイン動画はこの音源が素になっていると思われます(映像は別のライブを編集している)。

その後、1988年にオリジナル・アルバム未収録作品を集めたコンピレーション・アルバム『パスト・マスターズ (Vol.1)』に初めてオリジナル音源がイギリス盤のアルバムに収録され、1991年にはポールのMTVアンプラグド・アルバム『公式海賊盤』でアコースティック・ライブが披露されました。
さらに1994年に『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』、1996年に『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』(1966年6月30日の武道館の音源を使用)により貴重なライブ音源が公開されました。

また、カバーとしては同じくジョージ・マーティンがプロデュースしたジェフ・ベックのトーキング・モジュレーターを用いたバージョン(1975年『ブロウ・バイ・ブロウ』)も有名です。



~Lyrics~

My love don't give me presents
愛しいあの娘はプレゼントなんか、くれたりしない
I know that she's no peasant
だからって、気の利かない女なんかじゃない

ここでの【love】は“恋人”の意味で、ポールは「アンド・アイ・ラヴ・ハー」でも同じ使い方をしています。
三人称・単数の主語に【don't】は一般的には変ですが、アメリカのR&Bの影響を受けた彼らはそれに感化されたのでしょう。
でも、こうした使い方は古くからイギリス南部であったそうで、それが17~18世紀頃アメリカに伝わり南部の黒人社会に広まったのだそうです。
それが巡ってまたイギリスの若者に影響を及ぼしたというのも、面白いでしょ? 

【peasant】はpresent(プレゼント)と韻を踏ませるために引っ張り出してきた言葉と思われますが、意味は“小作人(雇われ農民)”といった日本語でも今時あまり使わないような単語です。
これが口語として“いなか者・ 無骨者”という意味に用いられたりすることがあるようです。


People tell me that she's only
“弄ばれてるだけ”って、みんなは言うけれど
Fooling, I know she isn't
そんな女なんかじゃない

彼女は、よっぽどの美人なのでしょうネっ♪
美男・美女は“モテる=アソビ慣れてる”という先入観が世間にはありますが、実際どうなのでしょうか…。
でもそれだけに、そんな相手を得る幸せを手にした人はこうした不安といつも背中合わせの宿命なのかもしれませんね?


She's a woman who understands
あの娘は、全てをわかってくれる女
She's a woman who loves her man
あの娘は、一人の男だけを愛する女

“She's a woman”…
タイトルの真意は、ここにありました。
美人+全てを理解+一途な愛…
まさに、誰もが夢みる恋人像ですね!

恐らくこれは当時の恋人ジェーン・アッシャーを想定してるのでしょうが、労働者階級出身のポールは上流階級のお嬢様ジェーンに憧れのような想いもあったのではないでしょうか…。



~Epilogue~

実は洋楽を聴き始めて間もない頃、私にとってビートルズが“特別”になったのは上記『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!』を友人に借りて聴いた瞬間からでした。
ビートルズの演奏は正直上手いものではないけれど、彼らがライブで放つ“無二の魅力”が一遍に私の心を虜にしてしまったのです!
理屈ではない、その“フィーリング”…
中でも衝撃を受けたのが、ポールの歌う「シーズ・ア・ウーマン」「ロング・トール・サリー」でした。

“こんな変幻自在で刺激的な歌声は、今まで聴いたことがない…”

その後「シーズ・ア・ウーマン」の上記オリジナル・レコーディング盤を耳にすることとなるのですが、
あれれっ…!?

ライブ盤のはとてもエキサイティングでロック色が強いのに、オリジナル盤はクールなR&B調…
何より一番の魅力と感じていたポールの変幻自在な歌声は後退し、“よそ行き”みたいでちょっと“硬い”かな…?

とにかく、オリジナル盤がそんな風に思えるほどこのライブ盤は魅力に溢れていました。
「シーズ・ア・ウーマン」はビートルズの楽曲の中で必ずしも有名曲ではありませんが、ポールには“こういう魅力”もあるのだと共感していただければうれしいです♪ 



「シーズ・ア・ウーマン」

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「心のラヴ・ソング」ウイングス

2014.05.11

category : Beatles & Solo

Wings - Silly Love Songs1 Wings - Silly Love Songs2



Wings - Silly Love Songs (1976年)



~“タダイマー!”~

“マタ、アイマショウ♪”から6ヶ月足らずで、ポール・マッカートニーが再び日本に帰って来てくれるなんて!
今回の来日公演は、東京オリンピックに向けた新競技場の建設に伴い解体される国立競技場の最後をポールに飾って欲しいという日本側の達(たっ)ての要望に応えたもので、5月17・18日の国立競技場に加え24日の大阪・ヤンマースタジアム長居(長居陸上競技場)でのステージが予定されています。
(それにしても、時期がまた大相撲夏場所と重なるのは偶然?
また直近(10日)には、21日の日本武道館での公演が追加されたことも発表されました!!

今回の公演も昨年12月と同様『アウト・ゼアー ジャパン・ツアー 2014』と題されていますが“セットリストも演出も前回と変更した内容”となるそうで、現在続けられているワールド・ツアーのセットリストは参考にはなりません。
…となると、前回の『アウト・ゼアー~』では演奏されなかったこの曲が有力と予想し、特集することにいたしました…。

 日本のファンに向けたポールからのメッセージ



~概要~

「心のラヴ・ソング」はポールがビートルズ解散後に結成したバンド“ウイングス(時により、ポール・マッカートニー&ウイングス)”が1976年3月25日発表した5thアルバム『スピード・オブ・サウンド(Wings at the Speed of Sound)』の収録曲です。
1stシングルとしてアメリカでは4月1日・イギリスでは4月30日にリリースされ、それぞれ1位/2位を記録しました。
Billboard Hot 100に於いては、5月22日にNo.1に達するものの翌週にはダイアナ・ロスの「ラヴ・ハングオーバー」にその座を明け渡してしまいますが、その3週後にはトップに返り咲き4週それを維持するという驚異的な粘り腰で計5週No.1に君臨し、年間チャートでもNo.1に輝いたウイングス最大のヒット曲です。
また、「心のラヴ・ソング」は“Billboard Hot 100・50年の歴代に於いても31位のヒット曲”であり、ポールがこの曲で成し遂げた3度目の年間No.1獲得(過去;「抱きしめたい」「ヘイ・ジュード」)は、未だ破られぬ前人未到の快挙でもあります!

ウイングスは1975年9月からワールド・ツアーを行っていましたが、ちょうど全米ツアーの時期と「心のラヴ・ソング」のリリースが重なったためアメリカでは相乗効果となって大旋風を巻き起こしました。
その大盛況の様子が後に3枚組(LP)ライヴ盤『ウイングス・オーヴァー・アメリカ(ウイングスU.S.A.ライヴ!!)』や映画『ロックショウ』として記録されています。
ウイングスにとって、“創作の頂点”が『バンド・オン・ザ・ラン』とすると、“人気の頂点”を象徴したのが「心のラヴ・ソング」でありこの時期(75~76年頃)だったといえるでしょう…。

今回の選曲理由として「心のラヴ・ソング」はポールのライブの定番であることに加え、5月の爽やかな風が吹く国立競技場でこの曲を聴いたら最高だろうなぁ…と想像したからです。
心地よいフィーリングに心を奪われがちですがサウンドは意表をつく展開で、ピンク・フロイドの「マネー」にヒントを得たというイントロは工場の機械のようだし、ライブ演奏は別ですがオリジナル音源ではエレキ・ギターが使われていない(少なくとも、ほとんど聴こえない)というのも、とても大胆なアレンジだと思います。
また、この曲は1984年のポール主演による映画『ヤァ!ブロード・ストリート(GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET)』でもセルフ・カバーされました。

 ライブ映像



~Lyrics~

You'd Think That
“くだらないラヴ・ソングなんて、みんな飽き飽きしてる”
People Would Have Had Enought Of Silly Love Songs.
…そう君は考えてるみたいだけど

Sillyとは“愚かな”といった意味合いの言葉ですが、「Silly Love Songs」を作るきっかけとなったのがある評論家による“ポールはバラードしか書けない”という批判でした。
ビートルズ時代からバラード・ヒットの多いポールは元々ロック系の評論家にウケが悪く、ビートルズ解散後は“別の感情”も重なり特に風当たりが強かったといえるでしょう。

ただ、私個人の考えですが、音楽評論家はもっと謙虚であるべきと思います。
プロ野球の評論家と違い、彼らのほとんどは音楽家またはプレイヤーとして一流の実績を残したわけではありません。
批評されるプレイヤーが批評する自分より遥かに高度な技能や創作能力を発揮しているにも関わらず、一部の評論家が何故か“上から目線”なのは、違和感を感じます。
私は批判そのものを否定しているわけではなく、評論家は批評対象への愛情と敬意が伴って初めて成立する稼業と思うのです…。


Some People Wanna Fill The World With Silly Love Songs.
そんなラヴ・ソングで、世界を満たしたい人間だっているのさ
And What's Wrong With That?
でも、それの何がいけないの?

音楽は、人を愛する悦びや切なさの表現と相性の良い文化です。
一方で、ロックは怒りや不満の感情表現と親和性が高い側面もあります。

世の中には“喜怒哀楽”いずれの音楽性も楽しめるタイプもいれば、単一の音楽性しか好まない人もいます。
でも“男社会”の中では、ポップスやバラードを聴く男よりロックを聴く男の方が“男らしい”、という価値観が根強いのも事実です。
まぁ、“音楽の趣味が男らしい事と、人間として男らしく立派であることは全く別物”と、私は考えますが…。


I Can't Explain The Feeling's Plain To Me;
この気持ち、理屈なんかじゃ説明できないさ
Now Can't You See?
君にはわからない?

もし“愛という感情”を知らない人が存在したとして、その人に愛を理解させるとしたらどう説明するだろう…。
私はふと、映画『ターミネーター2』を思い出しました。

有名な、エンディングの溶鉱炉のシーン…
敵を倒し全てが終わったにも関わらず、“危険なプロセッサが自分の体内に残っている”と、ジョン・コナーの制止命令にも従わず我が身を溶鉱炉に投じたターミネーターT-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)。
彼の行為は単なるジョンを守るというプログラムに過ぎないのか、それとも自己犠牲という名の愛なのか…
何れにしても、愛って説明するものじゃありませんよね?



~Epilogue~

“クダラナイ曲”って、何だろう…
私にとって、通常それは“詞・曲ともに潤いのない作品”のことであり、実はポールの楽曲の中にもそれを感じる対象はあります。
しかし、それとは別格にクダラナイと感じるケースがあります。
それは“全く正当性のない理由で誰かを傷つけるための悪意が込められた歌”のことで、一時期ジョンとポールがやりあったコトもあったでしょ?
(この曲も、ジョンの批判に対するポールの反論という説もありますが…)


It Isn't Silly, No, It Isn't Silly,
“それ”は愚かなことじゃない
Love Isn't Silly At All.
人を愛することが、くだらないはずがないじゃないか

そして、これがこの論争に対するポールの結論です。
どんなクールであろうと争いや暴力、ドラッグの歌より“他愛ないラヴ・ソング”の方が遙かにマシと、思います。
“男らしさ”を誇りたいなら、相手は他愛ないラヴ・ソングなどではなく社会のもっと大きな理不尽に対して向けるべきであり、それこそがロックの真価であるはずです。
“生きる勇気を奮い立たせて”くれたり“誰かを幸せにしたい”という願いが込められた歌であるならば、
いつだって私は歓迎します…。



「心のラヴ・ソング」

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「ジェニー・レベッカ」オリビア・ニュートン=ジョン

2014.05.07

category : Olivia Newton-John

Olivia Newton-John - Jenny Rebecca1 Olivia Newton-John - Jenny Rebecca2


Olivia Newton-John - Jenny Rebecca (1989年)


~もうすぐ“母の日”~

5月の第2日曜は、“母の日”(今年は11日)。
そこで本日は、オリビア・ママが歌う“ララバイ”をお届けいたします♪

ところで、世の男性の理想の女性像として古今東西高く支持されるのが“良妻賢母”ですよね!
以前北海道出身の大物フォーク歌手MCが理想の女性像として若尾文子・八千草薫らを挙げ、彼のような奔放な男でも理想の女性は古風な良妻賢母だったことにも象徴されます。
しかし、あまりの年上好みに“マザコン”を疑った司会者にツっ込まれるとMCは…
“バカやろう、オレのおっ母の子供の頃のアダ名を知ってるか?”

“番長だぞ、番長!” 

いろんなタイプのお母さんはありますが彼の場合、シッカリ“番長”の遺伝子を継いでいるみたいですね!?



~概要~

「ジェニー・レベッカ」は1989年の17thアルバム『美しい星と子供たちに〜ウォーム・アンド・テンダー(Warm and Tender)』の収録曲です。
アルバムのコンセプトの一つは、“lullaby(ララバイ/子守歌)”で、これは1986年に生まれたオリビアの愛娘クロエとの関わりが育んだものでした。
当初クロエには市販の子守歌を聴かせていたものの彼女はこれをイマイチお気に召さない様子だったことから、オリビアは彼女のためのアルバムを作る決心をしたのです。

そこでオリビアは、“どうせなら母と子が一緒に楽しめるような作品にしよう!”と思い立ちます。
そのため、赤ちゃんが目を覚まさないよう大合唱やオーケストラなどは用いず、やわらかなサウンドを心掛け制作されました。
しかし、“力強さを誇張する歌よりも’ささやくようなウィスパー・ヴォイス’こそがオリビアの無二の魅力”と考えていた私にとって、このアルバムは何よりのプレゼントでした♪
ただ、母親となってみて彼女自身もそんな風なやさしい歌い方が今の自分にとって一番心地よいと感じていたようです…。

「ジェニー・レベッカ」の楽曲自体はオリビアがオリジナルではなく、もっと古い歌。
最初に歌ったのがバーブラ・ストライサンドで、アメリカCBSチャンネル1965年のスペシャル番組『マイ・ネーム・イズ・バーブラ』で歌われ、彼女は“エミー賞”を授賞しました。
これらの楽曲は直後にアルバムとしてリリースされ大ヒット、グラミーでもバーブラは“最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞”に輝いています。



~Lyrics~

Jenny Rebecca, four days old
ジェニー・レベッカ…生まれて4日の小さな生命(いのち)
How do you like the world so far
この世界は気に入ってくれたかしら?

この歌の作者キャロル・ホールは自分の妊娠中にこの作品を書いたそうですが、当時の技術でお腹の子の性別を判別できたのでしょうか…
それとも、母親の勘?
私の母は、私がお腹の中にいた時に女の子だと思ってたそうですけど!?
でもお母さんって、お腹の中の我が子といつもこんな風に会話しているのでしょうね…。


Grass to be lying on
草原に寝そべって
Sun up above
お空のお日さまと、“おはよう”するの…

ココは、ちょっと“お化粧”しています。
“日が昇る”なので、“おはよう”させてあげましたっ!

この歌では木登りしたり馬に乗ったりと、自然豊かな環境にあるようですね。
親として子どもを育てるなら、この環境は憧れます…。


Dolls to be caring for
お人形をお世話し
Love to be giving
献(ささ)げる愛を覚えてゆくわ

ここのLoveは恋愛ではなく、“家族愛”のようなものをイメージしました。
子どもは“お人形さんごっこ”をしながら、大人の慣習を模倣し身につけていきますよね。
でも男の子の場合、大抵は“ヒーローごっこ”で、あまり実生活の勉強に役立っていないような?
この年代は女の子の方がマセているのは、そのせい…?



~Epilogue~

みなさんは幼少時、子守唄を歌ってもらいましたか?
残念ながら、私はほとんどその記憶がありません。
でも眠りに就こうとする時、“心地よい耳慣れた静かな音(物語や歌など)”が聴こえると何となく安心するというのは分かるような気がします。

オリビアは、言います…
“クロエが生まれて腕の中に抱いた時、それがこの世で一番大切なものであると実感したわ。
壁一面に飾られたゴールド・レコードの輝きも、全て色褪せてしまうほど…。”


この歌のメロディーに、言葉の一つひとつに、母親の我が子に対する深い愛情が感じられます。
赤ちゃんにとってその言葉の意味など知る由はないとしても、歌に込められたお母さんの願いはきっと伝わっていることでしょう。
子守唄は、お母さんと子どもにとって人生で最もやさしい時間の一つなのかもしれません。

でも叶うなら、オリビアに枕元で歌って欲しいナ…。
彼女の子どもじゃないし、いいオトナだけど!? 



「ジェニー・レベッカ」

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「ボクサー」サイモン&ガーファンクル

2014.05.03

category : Simon & Garfunkel

Simon Garfunkel - The Boxer1 Simon Garfunkel - The Boxer2


Simon & Garfunkel - The Boxer (1969年)



~Prologue~

4月26日夜、サイモン&ガーファンクルのポール・サイモンが“治安を乱した容疑”で地元警察に逮捕されたとの報道が、世界を駆け巡りました!
原因は20年以上連れ添った奥さんのエディ・ブリッケル(Edie Brickell & New Bohemiansのリード・シンガー)との夫婦喧嘩で、双方とも軽症を負っていたそうです。

ただ、二人は29日に裁判所へ出廷し問題はないと訴え、ポールとエディは翌日にも夫婦がデュエットした新曲「Like To Get To Know You」を公開し夫婦仲の円満をアピールしましたとさっ(メデタシ、メデタシ?)♪



~概要~

サイモン&ガーファンクルは世界で最も成功したデュオの一つで創作的な活動期間は1964 - 1970年と短いものの(単発的には外にもある)、「明日に架ける橋」など優れた楽曲と「サウンド・オブ・サイレンス」のような美しいハーモニーで今も人々を魅了し続けています。

「ボクサー」は彼らにとってアメリカで2曲目のNo.1ヒット「ミセス・ロビンソン」に続いてのシングルで、1969年4月にリリースされBillboard Hot 100で7位(年間76位)を記録、その後1970年のラスト・アルバム『明日に架ける橋(Bridge over Troubled Water)』に収録されました。
ベスト盤を含め現在よく知られているのはこのアルバムに収録されたバージョンで、オリジナルに含まれた約1分程の“この一節”が削られたものになっています。
オール・タイムとしての価値も認められる名曲で、ローリング・ストーン誌“ the 500 Greatest Songs of All Time(2010 Edition) ”にも106位にランクされる作品です

作者はポール・サイモンで、レコーディングには彼らにとって最長の100時間以上費やされました。
“ボクサー”というと『ロッキー』シリーズや格闘技系の入場曲「ファイナル・カウントダウン」(過去ログ)に象徴される“燃えるイメージ”がありますが、どう考えても”サイモン&ガーファンクル=格闘技”という構図は想像し難いモノがあるでしょ?
でもやっぱりその“期待に違わずボクシングらしくないサウンド”で、アコースティック・ギターとポール&アート・ガーファンクルによる見事なハーモニーがメインのカントリー調の趣があります。
唯一ボクシングっぽいとすれば、“Lie la lie ...”のコーラスの合間に入ってくるサンド・バッグを叩くようなドラム音ぐらいでしょうか?

後で詳しく述べますが実はこの作品はタイトルにあるような「ボクサー」をメインに掲げているわけではなく、本当のテーマは他にあるのです…。

 Live in the Central Park, New York, September 1981



~Lyrics~

I am just a poor boy
僕は、貧しいただの男

物語の実質的な主人公は、彼。
故郷を離れ都会に出たものの、定職も定住も得られず彷徨う一人の若者。
きっと、あなたの街にも“彼”はいるはず。
誰の気に留められることもなく、ひっそりと…。


Where the ragged people go
ぼろぼろの人たちが集まる…
Looking for the places only they would know
そんな人だけが知る場所を求めて

“the places only they would know”が、今回特に心に引っかかりました。
何年か前、何らかの理由で道路のアスファルトの僅かな隙間から逞しく生えた“ど根性大根”が話題となったのをご記憶でしょうか?

でも、彼らだって好んでそんな場所に根を下ろしたわけじゃない…
あんな小さな生命なのに、懸命に生きようとするその姿に私たちは感銘を受けました。
ただ、彼らは生まれる場所に恵まれなかっただけ…。


In the clearing stands a boxer
リングという荒野に立つ、一人のボクサー…

“boxer”という言葉が使われるのは実はこの1回だけで、主人公“a poor boy”とは別人と私は捉えています。
何故、わざわざボクサーを引き合いに出してきたのだろう…
その理由は、次に記します。


"I am leaving, I am leaving"
“きっと、這い上がる…”
But the fighter still remains
闘う男は、まだここに生きている

たぶん、この歌は社会の底辺で必死に生きる“名もなき貧者”への応援歌なのではないでしょうか?
“身を削ってお金を稼ぐ”象徴として、ボクサーを掲げたのだと思います。

テレビで見るボクサーはどれも華やかですが、実際は日本チャンピオンでさえ1試合のファイトマネーが100万円程なのだそうです(年間4試合で400万円、ここから何割かをジムに納める)。
そういえば『あしたのジョー』で、矢吹丈らが“泪橋”下の小屋を出られたのは東洋チャンピオン以降だったような…。



~貧しき者たちの心の叫び~

Lie la lie ...

この作品で印象的なものの一つに、このコーラスがあります。
しかしLyricsを読むと分かりますが、実はこれ以外でも“ lie ”と“ lay ”は頻繁に使われています。
みなさんは学生時代、この二つの意味や活用形の紛らわしさに頭を悩まされた記憶はありませんか?
ここでは、その紛らわしさを逆手に取って巧みにそれを織り交ぜ物語を構成しています。

ご存知のように“ lie ”には“横たわる”と“嘘をつく”という全く別の意味があり、“ lay ”には“横たえる”という意味があります。
この作品では、“貧しい人たちが理不尽や’偽り’により、さらに’どん底’へと追いやられている”現実を訴えているように思えるのです。
そして“Lie la lie ...”はそれを悲しみ、やがてそれが憤りとなって民衆の大きな叫びへと発展してゆくさまを象徴させているのではないのかと…。



~Epilogue~

近年耳にする流行語に、“ワーキング・プア”という言葉があります。
雇用側に有利な低賃金や社会保障制度により、マジメに働いているのにも関わらず生活の困窮を強いられる人々が増えているというのです。

一方で、天下りによりマジメに働かずとも何千万という収入と退職金を得ている人もいます。
こうした“理不尽な社会のしくみが、カネと権力を握っている彼ら自身によって作られる”限り、それを持たない弱者の苦しみが正当に省みられることはないのでしょう…。
人々の“叫び”が聴こえてきませんか?

Lie la lie ...
偽りと理不尽の横行は、もうやめにしてくれ!



「ボクサー」

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