I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ペイパーバック・ライター」ビートルズ

2014.11.28

category : Beatles & Solo

The Beatles - Paperback Writer1 The Beatles - Paperback Writer2


The Beatles - Paperback Writer (1966年)



~ジョン・レノンのギターがオークションに出品!~

ジョン・レノンがビートルズの「ペイパーバック・ライター」のレコーディングで使用したギター“グレッチ6120(Gretsch 6120)”がTracksAuction.comに出品され、巷では“100万ドルの値がつく”と話題になっていましたが…。
そもそもこのギターは1967年11月頃ジョンが従兄弟のデヴィッド・バーチ氏に譲ったもので、その彼により今回出品されました。
オークションは今年11月23日に行われ、最低落札価格40万ポンド(約7300万円)に対する入札は無く、不調に終わってしまったようです。

ちなみにギターの高額落札といえば、エリック・クラプトン『いとしのレイラ』などでプレイしたフェンダー・ストラトキャスター“ブラウニー(Brownie)”は49万7,500ドル(1999年)、同「ワンダフル・トゥナイト」など1970年代に活躍したストラトキャスター“ブラッキー (Blackie) ”は95万9,500ドル(2004年)でした。
何れも“ギターの神様”の伝説を語る上で欠かすことのできない逸品であるのに対し、今回のジョンの“グレッチ”は…?

ファンの方はご存知のように、ジョンを象徴するギターといえば“リッケンバッカー(Rickenbacker 325)”であり、エピフォン・カジノギブソン・J-160Eが有名ですよね♪
でもジョンがグレッチを使用したのは「ペイパーバック・ライター」などごく限られており、ほとんど印象にありません。
むしろグレッチというと思い当たるのは、“ジョージ・ハリスン愛用のブランド”です。
出品者もいきなり40万ポンド~なんて、ちょっと欲張り過ぎたのかな…? 

 John Lennon Gretsch Guitar



~概要~

「ペイパーバック・ライター」は1966年6月10日(アメリカは5月30日)にリリースされたビートルズ12枚目のオリジナル・シングル(B面は「レイン」)で、同年発売のコンピレーション・アルバム『オールディーズ(A Collection Of Beatles' Oldies)』に収録されました。
ポール・マッカートニーがおばさんに“ラブ・ソングじゃない歌”をリクエストされ書いた作品で、リード・ヴォーカルもポール(コーラスはポール/ジョン/ジョージ)ですが、“ジョンは詞の一部を手伝った”(別項で言及あり)と言っています。
US Billboard Hot 100では発売3週目という驚異的なスピードで通算12枚目のNo.1を達成するものの直ぐにフランク・シナトラの「夜のストレンジャー」に首位を奪われ、そして次週また奪い返すというデッドヒートを演じ計2週No.1(年間32位/英MM4週連続・NME2週No.1)に輝き、ミリオン・セラーを記録しました。

当時ビートルズはまだライブ・ツアーを行っていましたが彼らの興味は既に“サウンド追求”に移っており、新たな試みが施されています。
ウィルソン・ピケットに影響されたジョンの発案で初めてラウド・スピーカーが導入され、低音部が鮮明となったことでベースらしからぬヘヴィーなポールのプレイがビートルズ・サウンドに於いて存在感を増しました。

こうした演奏面でのポールの飛躍を可能にしたもう一つの要因が“ライブ再現を前提としないオーバー・ダビング(多重録音)による音作り”で、ここでは楽器だけでなく3人のコーラスも3回ダビングが重ねられたそうです。
しかしそうした丹念に作り込まれた音がライブ再現できるはずもなく、直後のツアーでは「ペイパーバック・ライター」などレコードとライブのクオリティ・ギャップに頭を悩ませることになります…。
ただ、ビートルズは程なくツアーを止めてしまうのでこの時期の日本武道館公演での“カラー・ライブ映像”(左)はとても貴重であり、これを模したCG映像(右)もポールやリンゴの動き、ポールの表情やジョンの口の動きに、ファンは思わずニヤリ…とする出来なので見比べながらお楽しみください。

 
The Beatles "Paperback Writer" 投稿者 orz-yakiniku-orz


また、「ペイパーバック・ライター」はテレビ番組向けのプロモーション目的で制作された初めてのシングル曲フィルムとして有名で、世界各局のためにモノクロとカラー4バージョンの映像があります。
このうち、今回メインに取り上げたカラー映像はロンドン郊外にある1720年代後半に建てられた英国式風景庭園“チズウィック・ハウス(Chiswick House)”で撮影されたもので、この時ポールは直前にバイク事故で前歯を折ってしまっていたそうです!

 
The Beatles - Paperback Writer/Rain 投稿者 newcanadian



~Lyrics~

Paperback writer...

paperback】は皮や布などを用いない“紙表紙”のことで、“ソフトカバー”とも言い表されます。
洋書はカバーを被せない雑誌感覚の本も多く(日本では“コンビニコミック”によく見られる)、“主人公は決して高尚な作家を志しているわけではない”…ということになります。

ところでこの、“作家志望”は音楽にのめり込む以前のポールの夢でもあったそうですよ!


It took me years to write, will you take a look?
積年費やした作品をぜひ一度、ご拝読いただけませんでしょうか?
It's based on a novel by a man named Lear
リアの作風を取り入れた小説です

「オール・マイ・ラヴィング」や「P.S.アイ・ラヴ・ユー」に類する、ポールお得意の(?)“手紙ネタ”

Lear】とは19世紀のイギリスの画家/ナンセンス詩人“エドワード・リア(Edward Lear)”のことですが、“ポールとナンセンス”なんて、全く結びつきませんね?
“画家/ナンセンス/詩人”のイメージがピッタリくるのはむしろジョンの方で、実際彼は大のリア・ファン
リアの描いた絵を見るとジョンのスケッチの作風とそっくりで、リアから受けた影響が窺えます。
ジョンがこの詞に関与したとすれば、きっとこの部分でしょう…。 


If you really like it you can have the rights
もし本当にお気に召していただけたなら、あなたも作品の権利を手にできます
It could make a million for you overnight
きっと、一夜に100万の富をもたらすことでしょう

“自分の力量をアピール”して興味を引き、“要望に応じる”柔軟さを示し、最後は“あなたもお金持ちに!”と畳み掛ける…
きっと、ポールはやり手の営業マンになれたでしょう!
でも実際は、デビュー前からブライアン・エプスタインという有能なマネージャーが付いていたし、若くから有名人で自己アピールしなくても“ポールが何者か”などみんな知っているので、その才能が発揮される機会はあまり無いかもしれませんね?



~Epilogue~

And I need a job, so I want to be a paperback writer
私には仕事が必要で、どうしても大衆作家になりたいのです

この歌は、作家志望の主人公が“然るべき筋”に自分を売り込む歌。
みなさんは、“売り込み”が得意ですか?
・・・私は、苦手です。(笑)

ここに、“有望な4人の若者”がいます。
あなたが編集長なら、誰を選びますか?


J.L.さん》
オレみたいな人間は自分の中に眠っている、いわゆる才能ってやつに10歳…いや、もう8・9歳で気づくものなんだ。何で誰もこの才能を認めてくれないのかと、いつも不思議だったね…。

P.M.さん》
努力することより、しないことの方が難しいよ。自分の中の最高の、さらにその上を僕は目指す。

G.H.さん》
要するに、ぼくたち一人一人では、それほど大したミュージシャンではないし、それほど才能があるわけでもない。でも、僕たちが集まってビートルズになれば、一人の時では信じられないようなミュージシャンになれるんだ。

R.S.さん》
ドラムしかできないからドラマーになったんだ。だけど他のドラマーの音を聴く度に、僕はヘタなんだなと思う。技術的なことは上手くないんだ。でも、僕はどんな動きでも上手にできるよ。たとえば、頭を揺らすとか?


…4人とも、魅力的な若者でしょ!? 



「ペイパーバック・ライター」


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tags : 音楽 洋楽 和訳 Lyrics 

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「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」バンド・エイド/30

2014.11.21

category : Christmas

Band Aid30 - Do They Know Its Christmas1 Band Aid30 - Do They Know Its Christmas2


Band Aid/30 - Do They Know It's Christmas?(1984/2014)



~Do They Know It's Christmas?~

西アフリカで流行しているエボラ出血熱救済のため、イギリスやアイルランド及びアフリカ出身のスター・ミュージシャンが集結したチャリティー・プロジェクト“バンド・エイド 30”による「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」が、11月17日にリリースされました。
その顔触れは、今を時めくワン・ダイレクションやエド・シーラン、エリー・ゴールディングに1990年代に一時代を築いたシールやシネイド(シンニード)・オコナー、世界的ロック・バンドからクイーンのロジャー・テイラーやU2のボノ、コールドプレイのクリス・マーティンほかが参加しています(動画・歌詞は記事の最後)。

既にリリースされているダウンロード配信版は“5分で100万ポンド(約1億8,000万円)”の寄付金を集め、発売2日足らずで20万6,000コピー(UKのみ)を記録、これは今年UKで最も早いセールス・ペースだそうです。
CDは12月8日から発売され、その収益は全てエボラ出血熱救済に充てられることになっています。



~“Band Aid”の発生~

1984年10月、ブームタウン・ラッツ(The Boomtown Rats)のボブ・ゲルドフが東アフリカのエチオピアで発生した飢餓を伝えるBBCの報道を見て、支援を思い立ちます。
その後ウルトラヴォックス(Ultravox)のミッジ・ユーロと具体的な構想を練り上げ、チャリティ・シングル「Do They Know It's Christmas?」を作詞;ボブ/作曲;ミッジで書き上げ、そのユニット名を(絆創膏と引っ掛けて?)“Band Aid”と定めました。

11月25日、“第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン”と呼ばれアメリカを席巻していたイギリスやアイルランドのロック/ポップ・スターらがスタジオに集まってレコーディングを行い、歌詞に併記(別項)したリード・ヴォーカル以外にもバナナラマやフィル・コリンズらがバックを務め、たまたまロンドンに滞在していたアメリカ人のジョディ・ワトリーとクール&ザ・ギャングもコーラスに参加しています。
この日の模様はメディアで大々的に取り上げられ、チャリティ・イベントの宣布に大いに貢献しました。

 当時のドキュメンタリー映像

12月3日、「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」は早くもリリースされ全英5週No.1に君臨する大ヒットとなり、イギリス国内だけで370万枚のセールスを記録しました。
この数字はそれまでのウイングス「夢の旅人」の250万枚を大きく上回るイギリス歴代記録更新で、1997年にエルトン・ジョンの「キャンドル・イン・ザ・ウインド」に抜かれるまで王座を保持し続けました。

Billboard Hot 100では何故か最高13位止まりだったもののアメリカでも190万枚のセールスを記録、翌年のボブ・ゲルドフ自身の新たなプロジェクト“LIVE AID”と合わせると全世界で1億5000万ドルの収益を挙げたといわれます。
バンド・エイドの大きな成功は1985年の“USA for Africa”を始動させ音楽界にAIDブームを巻き起こしただけでなく、こうしたミュージシャンが集結し社会に訴える活動は人種差別問題や自然環境保護といった多岐の目的へも波及することにもなりました。

 Live Aid 7/13/1985



~“Band Aid”のその後~

Band Aid II

1989年にはユーロビート・ブームの中心人物“ストック・エイトキン・ウォーターマン(SAW)”プロデュースよる“バンド・エイドII”が発足。
メンバーはバナナラマ、カイリー・ミノーグ、クリフ・リチャード、クリス・レア、ジェイソン・ドノヴァンほか

 Band Aid II


Band Aid 20

2004年版の特徴は“あの大スター”がベースを弾いていることと“コノ人”が20年ぶりに復帰して“あのフレーズ”を歌っていること、ラップが取り入れられたこと♪
メンバーはクリス・マーティン(コールドプレイ)、ロビー・ウィリアムズ、ポール・マッカートニー、ボノほか。

 Band Aid 20



~Lyrics~

Do They Know It's Christmas?(1984) ~Lyricsはこちら~ (2014年版は別項参照)

Writer(s):Bob Geldof, Midge Ure /訳:Beat Wolf

クリスマスの季節がやってきた…
だから、怖がらなくていいんだよ
クリスマスには…
光を招き入れ、影を追い払おう〈Paul Young〉

僕らの世界の豊かさならば
喜びの笑顔を、より多くの人々に拡げることができる
君のその腕で、世界を包もうよ
クリスマスに…〈Boy George(Culture Club)〉

祈りを捧げよう…
人々のため
だけどクリスマスに…〈George Michael(Wham!)〉
楽しいひと時を過ごす君にとって、想像するのは難しいかもしれない
その窓の外に〈Simon Le Bon(Duran Duran)〉
不安と恐怖の世界が存在するなんて〈Simon/Sting(The Police)〉
流れる水といえば
棘の痛みの涙だけという地のことなんて〈Sting/Tony Hadley(Spandau Ballet)〉
そして、クリスマスの鐘の音は鳴り響く
哀しい運命の終幕を告げるかのように〈Sting/Bono〉
だから今夜…神に感謝しよう、その運命が君でなく彼らであったことを!〈Bono〉

〈Paul Weller (The Style Council)/Sting/Boy George...Others〉
今年のクリスマス…アフリカに雪は降らないだろう
彼らにとって最高の贈りもの…それは、今この瞬間を生きる命
草木も育たず
雨や川が潤すことのない、その地に於いて
彼らは、クリスマスどころではないだろう…

君と…〈Marilyn/Glenn Gregory(Heaven 17)〉
すべての人々に、乾杯しよう〈Paul Young〉
そして、彼ら…〈Marilyn/Glenn〉
灼熱の太陽の下に生きる〈Paul〉
クリスマスどころではない彼らに、恵みあらんことを…〈Paul/Others〉

〈Chorus〉
世界に食糧を…
クリスマスの喜びを、彼らに届けよう
世界に食糧を…
クリスマスの喜びを、彼らに届けよう
世界に食糧を…
クリスマスの喜びを、彼らに届けよう




~Epilogue~

オリジナルの1984年版と2014年版では歌詞も異なっているので、ここで一部比較してみましょう。

Well tonight thank God it's them instead of you(1984)
だから今夜…神に感謝しよう、その運命が君でなく彼らであったことを!

Well tonight we’re reaching out and touching you(2014)
だから今夜…僕らは救いの手を差し伸べ、その想いを君に伝えているんだ

1984年版でボノが叫ぶ有名なフレーズで、ロックらしい痛烈な皮肉が込められています。
ボブ・ゲルドフが書いたものですが、当初そのあまりの皮肉さに作曲者のミッジ・ユーロには反対されたそうです。
しかし“うわべだけの言葉ではなく、本音を伝えたい”というボブの強い意志によりそのまま残されました。

オリジナルは“飢え死にしてる人がいる傍らで、オマエらよく平気でご馳走なんて食ってられるな!?”と挑発的なのに対し、2014年版はかなり穏便になったような…。
30年も転がっているとカドも取れるというトコロでしょうが、“ちょっと寂しさ”を覚える方もあるのでは? 


Oh, where nothing ever grows, no rain or rivers flow(1984)
草木も育たず
雨や川が潤すことのない、その地に於いて


Where to comfort is to fear, where to touch is to be scared(2014)
慰めることを恐れ
触れることに怯える、その地に於いて


今回、ボブ・ゲルドフは“死に際の子どもたちを母親が慰めてやれない。恋人同士でも抱きしめ合えない。妻が夫の手を握ることも許されない。”と、エボラ出血熱に対するコメントを伝えています。
エボラ出血熱は現時点で人体間における空気感染は認められていないものの直接的接触は感染リスクがあり、家族と言えど患者との接触は許されません。
でも、私も患者の写真を見ましたが“出血熱”といわれる症状があまりに凄惨で、家族のあの姿と苦しみを和らげる術を持たずただ目の前でそれを見守るのも地獄…。


人類に限らず、“飢餓と疫病(伝染病)”はすべての生物にとって発祥からの宿命。
ヒトが進化すれば“彼ら”も生き残りを懸けてそれに適応するし、食糧供給が伴わず世界人口が増えると餓死者も必然的に増加します。
バンド・エイドが対峙したエチオピアの飢饉(1972~1974/1984~1985)では約100万人が餓死したといわれますが、“現在世界で飢餓に苦しむ人は10億人、うち餓死者は1年に1500万人以上”という推計もあるようです。
もちろん目先の支援は不可欠ですが、とても“善意”だけで賄える現実ではありません。
私たちは、いろんな意味で根本から考え直すべき時期に来ているのではないでしょうか?
人類、みんなで…。 



「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」(1984)

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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「スタック・ウィズ・ユー」ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース

2014.11.14

category : Huey Lewis And The News

Huey Lewis And The News - Stuck With You1 Huey Lewis And The News - Stuck With You2


Huey Lewis And The News - Stuck With You (1986年)



~“いい夫婦”って、何だろう?~

11月22日の“いい夫婦の日”を前に、昨年はベット・ミドラーの「愛は翼にのって」に“感謝”の気持ちを込めましたが、今年はヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「スタック・ウィズ・ユー」♪

そんな大切な日の大役を、“のほほん”としてアゴが2つに割れているヒューイ・ルイスに任せて大丈夫?
(“アゴが2つ”は、関係ナイだろっ! 
でも夫婦って、意外にそんなトコロに長続きの秘訣が隠されているのかもしれませんね♪

(“アゴが2つに割れているコト”か? )  シツコイ… 



~概要~

ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは1980年代を代表するアメリカのロック・バンドで、1985年の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌「パワー・オブ・ラヴ」を歌ったことでも有名です。
全米No.1バンドとなったプレッシャーの中、前作『Sports』から3年をかけて難産の末1986年に発表されたのが4thアルバム『FORE!』でした。

「スタック・ウィズ・ユー」はその1stシングルとしてリリースされた作品で、Billboard Hot 100では「パワー・オブ・ラヴ」に続いてNo.1を獲得しています(3週/年間21位)
作者はメンバーのヒューイとクリス・ヘイズ(g)で、アルバム用に用意した曲をマネージャーのボブ・ブラウンに聴かせた所ダメ出しされ、2人とも4時間部屋に押し込められて完成させたのがこの作品でした。

約6分にも及ぶ前置きの長いPVはスーパー・スターの証で、ロケ地となった美しい島はバハマの首都ナッソーから10マイルほど離れたサンゴの島“パラダイス島(Paradise Island)”です。
メンバーはそれぞれにリゾート気分を満喫していますが今回一番オイシイ思いをしたのはやっぱり、美女(Keely Shaye Smith)とイチャついた“割れ顎のオトコ”でしょうかねェ…?(まだ言ってるし!)
それはさて置き、彼らの周りをウロつく怪しい“三角の背びれ”の正体は…? 

 Stuck with you LIVE 1987



~Lyrics~

We thought about breaking up
別れを考えたこともあるけれど
but now we know it's much too late
今じゃそれも、薹(とう)が立つ

【薹】は、フキやアブラナのように“花をつける茎(花茎)”のことで、あまりに伸びて固くなり食べ頃を過ぎると“薹が立つ”といいます。

美味しいものは美味しいうちに食べた方が良いに決まっていますが、不満や怒りの感情が芽生えた時その勢いのまま相手にぶつけてしまわず一端心の内に収め、冷静に考えられるようになってから結論を出すのも一つのテかもしれません。
もし、そのまま何となく不満が沈静できたなら、無駄な争いをせずに済んだということでそれはそれで“薹が立つ”も、役に立つでしょ? 


We are bound by all the rest
残りの人生…きっと離れられず、君と一緒なんだろうな
Like the same phone number
同じ電話番号に

bound】はbindの過去形・過去分詞で、“縛りつける・結びつける”の意味合いです。
“君を放さない”とか自らの力で実現させるというより、何か見えない力によって“縛りつけられている”ということでしょうか…。
それを“運命”と言うか“腐れ縁”と言うかは、人によるでしょうが? 


If we change our minds
ただ、もし心の迷いが生じたとしても
Eventually, it's back to you and me
詰まる所…帰る場所は、君と僕なんだってことさ

change our minds】は、ここでは“一時的な気の迷い”なのでしょうね。

“男は船、女は港”の喩えもありますが、それは“お互いさま”。
個人の洞察力の差を除外すれば、一般的に付き合いの長さに比例して相手への理解も深いはずです。
共に重ねた時間が長ければ長いほど、その“ありがたみ”は代え難いものとなる…。 



~Epilogue~

“夫婦とは何ぞや?”

シニア向けの宿泊予約サイトゆこゆこネットが今年9月、配偶者がいる50代以上の男女メルマガ会員に対し『夫婦関係を表す漢字』についてアンケートしたところ、男女ともに1位は“忍”だったそうです。
“バラ色の幸せ”を夢みたはずの結婚も、現実は“愛より忍が大事”か…?
(2位以下は男性が愛・和・絆・信、女性が和・信・愛・心という結果)


Yes, it's true, (yes it's true)
あぁ…それが僕の心からの望み(yes it's true)
I am happy to be stuck with you
君と離れずいることが、僕の幸せなんだ

【stuck(stick)】は“〔そばを離れない〕や〔忠実である〕”といった前向きな意味がある一方、“(仕方なく)我慢する”のように少し後ろ向きなニュアンスが込められることもあります。
“〔そばを離れない〕や〔忠実である〕”は愛情や優しさを直感的にイメージし易いですが、長い歳月に於いてそれは“義務感や責任感、あるいは諦め”を伴って果たされることも少なくないでしょう。
でもそれらは突き詰めれば、相手に対する“愛情や優しさ”があるからこそ生まれる苦しみのはずです。

【stuck(そばを離れたくない)】からこそ、【stuck(我慢)】する…
…そう考えてみると、“夫婦=忍”という答えも満更ではない気がしてきます。 





「スタック・ウィズ・ユー」

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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「生命の証」フレディ・マーキュリー&マイケル・ジャクソン

2014.11.07

category : Queen

Freddie Mercury Michael Jackson - There Must Be More To Life Than This1 Freddie Mercury Michael Jackson - There Must Be More To Life Than This2


Freddie Mercury & Michael Jackson
- There Must Be More To Life Than This
 (1983年)




~フレディ・マーキュリー&マイケル・ジャクソンの幻のデュエット曲が初のCD化!~

クイーンが11月12日、ラブ・ソング集『クイーン・フォーエヴァー~ベスト・オブ・ラヴソングス』を発売します。
選曲はメンバーのブライアン・メイとロジャー・テイラーで、ブライアンによると“大ヒットというよりも、ぼくらの成長をよくあらわしている曲”…だそうです。

中でも注目は、クイーンのヴォーカリスト“故フレディ・マーキュリーと、故マイケル・ジャクソンがデュエットした幻の音源”を蘇らせた「生命の証」で、新たにリミックスされた“Queen & Michael Jackson”バー^ジョンとして、公式予告動画の中で一部公開されています。

 Queen Forever (Trailer)



~概要~

「There Must Be More To Life Than This」は1982年のクイーンの『Hot Space』のためにフレディが書いた曲でしたが、このアルバムには収録されませんでした。
一方、以前からフレディの大ファンだったマイケル・ジャクソンは、そのことがきっかけでこの頃フレディと互いの家を行き来するほど親交を結びます。

『Thriller』が世界的大ヒットを記録していた1983年、フレディがロサンゼルスにあるマイケルのホーム・スタジオを訪れ6時間余りの間に2人で3曲をレコーディングをしており、その中の一つが「生命の証」でした。
この時「生命の証」のデモ・テ-プには、“フレディ&マイケルのデュエット”(今回のメイン動画はコレ)と“マイケルのソロ”の2つのバージョンが残され、当初前者がアルバム『Victory』の収録曲として予定されていたものの途中で2人の間に仲違いが生じ、この計画は未完のままお蔵入りとなってしまいました(2002・2011年にネットに音源がリークされる)。

ただしマイケル本人は人類愛に満ちた「生命の証」を甚く気に入っており、“この曲を僕のアルバムで歌わせて”と頼みましたが、フレディには断られています。
しかし、直後にマイケルは同様なテーマの「ウィ・アー・ザ・ワールド」を生み出しているのですから、この作品との出合いは強(あなが)ち無駄ではなかったのではないでしょか…。

 Michael Jackson ver.


「生命の証」が正式に発表されたのは1985年のフレディ初のソロ・アルバム『ミスター・バッド・ガイ(Mr. Bad Guy)』で、ここではもちろん“フレディが単独で歌うバージョン”が収録されています。
このアルバムからは「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」(過去ログ)や「メイド・イン・ヘヴン」がシングル・カットされていますが「生命の証」はカットされず、アルバムもBillboard 200で159位とヒットせぬままその後廃盤となっているので、この曲はまさに知る人ぞ知るの名曲としてファンの心に刻まれてきました。


Freddie Mercury There Must Be More To Life Than... 投稿者 queenallvideos


フレディ&マイケルのレコーディングから31年を経た2014年、上記『クイーン・フォーエヴァー~ベスト・オブ・ラヴソングス』の企画で、当時の2人のヴォーカル(フレディのは'85年のモノ?)に新たにクイーンのメンバーによる演奏をリミックスして“クイーンの作品”として生まれ変わりました。
ピアニストであるフレディ以外のメンバーがサウンドを紡ぐということはブライアンのギターをフィーチャーしたアレンジになることは自明の理ですが、この作品に限っては力強いギターよりもオリジナルのピアノの方が合っているような気もします…(あくまで個人の好みですが)。



~Lyrics~

There must be more to life than this
今、この一瞬だけが人生ではない
There must be more to life than this
人生には、もっと大切なものがあるはず

上がマイケル、下がフレディが歌っている…
…って、Lyricsは全く同じなのに和訳の表現は全く変えてみましたっ! 

ここでのキーは【this】をどう捉えるかで、私は“現在、目の前で起きていること”と解釈しました。
“今、あなたが幸福であろうと不幸であろうとそれはほんの一瞬の感覚であり、あなたの行いによって未来は変わる”、と…。


There must be more to life than living
ただ、個人の営みだけが人生ではない
A better way for us to survive
みんなが共存するための、より良い途…

ここも、【living】がカギ。
直下に【us】があるので、これと対比させて“個人の…”と捉えました。

幸せって、自分一人だけが満たされさえすればよいものではありません。
豊かさだって、例えば良い製品を造っても“それに見合った価値で引き換えてくれる第三者”が存在しなければ成立しないでしょ?
人生は、そうした相互関係で成り立つもの…。


People fighting for their human rights
人々が人権のため闘っている傍らで
But we just go on saying c'est la vie
僕らは、ただ“C'est la vie”を繰り返すだけ

…とはいえ、世の中は“持つ者と持たざる者”がハッキリ分かれていて、理不尽なものでもあります。
C'est la vie】はフランス語で、“これが人生さ”と諦めの心情が込められた言葉。

“That's just the way it is(そんなもんさ…)” 《ブルース・ホーンズビー;過去ログ》

権利獲得が常に厳しいのは、その闘いが“持つ者と持たざる者の綱引き”だからなのかもしれません。
カブト虫と、アリのような…?



~Epilogue~

歌の終わりは、和訳を少しはみ出して個人的な願いを言葉に込めました。

私たちがチンパンジーと分岐し、“ヒト”の道を歩んで700-800万年…
今や人類が生み出した文明は、時速500kmで大地を駆け抜ける“脚力”と、空を越えて宇宙に飛び立つ“翼”、1秒あたり1京回の演算を処理する“頭脳” をもたらしました。
しかし著しい科学技術の進歩の一方で、人類は未だに“飢餓”や“戦争・テロ”といった原始的な問題を克服できないばかりか、人類の発展そのものが地球環境に過負荷を与え、地球温暖化など新たな危機を招いています…。


「生命の証」は“思いやりの心で争いを慎もう”と歌っているにも関わらず、当のフレディとマイケルは“ケンカ別れ”という皮肉を演じてしまいました。
その矛盾こそ彼ららしいというか、人類が未だに克服できないこの問題の難しさを象徴しているようでもあります。

でも、人間は“反省して改める”ことのできる生物です!
(“反省”だけなら、カレでも? 
それこそが、きっと…

There must be more to life, much more to life
人生はもっと、もっと素晴らしいものとなる
There must be more to life, more to life than this
今日より、この瞬間より素晴らしい明日がきっと訪れる…




「生命の証」

Freddie Mercury & Michael Jackson - There must... 投稿者 Mukhran
【IE】をご使用の方、正しく動画が表示されていますか?(私のIEではエラーが出ます。)
エラーが出る場合、動画直下の曲名のリンクをクリックすると視聴できます。

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