I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「P.S.アイ・ラヴ・ユー」ビートルズ

2015.11.27

category : Beatles & Solo

Beatles - PS I Love You2 Beatles - PS I Love You1


The Beatles - P.S. I Love You (1962年)



~ジョン・レノンのギターが3億円!~

昨年、ジョン・レノンが「ペイパーバック・ライター」のレコーディングで使用したギターが40万ポンド(約7300万円)で“売れなかった”というネタをお伝えしましたが、今年は面目躍如!
先日11月7日に行われたオークションで、「Love Me Do」や「P.S. I Love You」のレコーディングでジョンが使用したアコースティック・ギターGibson J-160E(1962年型)が241万ドル(約3億円)で落札されたというニュースに、驚きを覚えた方も多いことでしょう。
これまで最高額のギターは2013年に落札されたボブ・ディランのフェンダー・ストラトキャスター(1965年Newport Folk Festivalで使用)が付けた96万5,000ドル(当時約1億円)ですが、今回これを大幅に更新しました!

Beatles - PS I Love You6

このギターは1962年9月、ジョージ・ハリスンと一緒にリヴァプールの楽器店Rushworth's Music Houseでアメリカから取り寄せ購入、1963年12月にロンドンで開かれたクリスマス公演で紛失していたものでした。
出品者は1970年代にアメリカの中古店で200ドル(約2万5,000円)ほどで購入し、今回売却収益の半分はジョンとヨーコのチャリティー団体に寄付されるそうです。



~概要~

「P.S.アイ・ラヴ・ユー」は、1962年10月5日にイギリスで発表したビートルズのデビュー曲「Love Me Do」のB面曲です。
アメリカでは1964年に「抱きしめたい」の大ヒットによりビートルズ旋風が巻き起こり続々と“旧作”が発売、「Love Me Do / P.S. I Love You」も4月27日にリリースされ《写真・右》「P.S. I Love You」は単独でもBillboard Hot 100の10位を記録しました(「Love Me Do」はNo.1)。

「P.S. I Love You」はデビュー前EMIのオーディションのために作られた曲で、作者&リード・ヴォーカルはポール・マッカートニー
いわゆるレノン=マッカートニー作品ですが厳密にはデビュー・シングル(パーロフォン)は“Lennon-McCartney”、1stアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』では“McCartney / Lennon”とクレジットの並びが逆になっています。
本作は当初デビュー・シングルA面の有力な候補でしたが、1934年に創作されその後何度もカバーされたアメリカのポピュラー・ソング「P.S. I Love You」との混同を避けるため、見送られました。


デビュー後は一気にスター街道を走ったビートルズですがデビューするまではゴタゴタ続きで、ビートルズの作品として最初に発表されたこの曲も、複雑な経緯を持っています。
まず、「P.S. I Love You」は1962年6月6日のEMIのオーディションで初めてレコーディングされており、この時ドラムを叩いていたのはビートルズ初代ドラマーのピート・ベストでした。
しかしピートは技量不足とみなされ、8月15日にバンドを解雇されてしまいます。
そこでメンバーは旧知のリンゴ・スターを後任に推薦し、9月4日のセッションは彼がドラマーとして参加していますがこの時プロデューサーのジョージ・マーティンはリンゴのプレイにも不安を覚え、9月11日のセッションには独断でアンディ・ホワイトというドラマーを臨時に雇い「Love Me Do」「P.S. I Love You」などをレコーディング、これを正式テイクとしてしまったのです!
独り蚊帳の外に置かれたリンゴでしたが、「P.S.アイ・ラヴ・ユー」では辛うじてマラカスを任されています。

…一方、そのアンディ・ホワイトがこの11月9日に脳卒中のため亡くなったと報じられています(享年85)。
彼がビートルズに参加したのは僅か3時間(報酬は5ポンド)でしたが、“彼らのことはよく知らなかったが、スペシャルなものを持っていると感じた”と、当時を振り返っていたそうです。

Beatles - PS I Love You3 Andy White 1930-2015


「P.S. I Love You」はビートルズ時代は恐らくツアーでは一度も演奏されたことはなく、そういう意味で今回BBCラジオ『Pop Go The Beatles』での音源(1963年6月25日O.A.)を発見できたのは大収穫!
幾つかのカバー・バージョンが存在する中で、何といっても興味深いのはポール自身によるカバーver.でしょう。
ポールは1989年の『ゲット・バック・ツアー』でこの曲を初披露していますが、その際ビートルズのデビュー・シングルとしてカップリングされた「ラヴ・ミー・ドゥ」と繋ぎ合わせた「P.S.Love Me Do」としてパフォーマンスされました(一部地域のみ;東京では演奏された)!

 



~Lyrics~

As I write this letter (Oh)
この手紙を書き上げ(Oh)
Send my love to you (You know I want you to)
今すぐ君に、愛を届けよう(そうさ、すぐにでも!)

このフレーズでは特に【As】が主人公の心情をよく表わしていて、[when]よりもっと同時性が強く、主人公が一秒でも早く想いを届けたい気持ちが伝わってきます。
それをまくし立てるようなジョンの【Oh】やポールの【You know I want you to】の“合いの手”によって、さらに情景が生き生きと浮かんでくるのではないでしょうか?

ポールといえば「All My Loving」「Paperback Writer」など、“手紙形式の歌詞”はお得意ネタ!
特に「All My Loving」は当時の恋人ジェーン・アッシャーに宛てた“リアル・ラブ・レター”といっていい内容ですが、実は「P.S.アイ・ラヴ・ユー」にも“そんな噂”があります。
この曲が生まれた1962年春はビートルズがハンブルク巡業に行き来していた時期で、ポールが遠い異国から当時のガール・フレンドDorothy Rhoneに宛てた手紙に基づいて創作された…という説(ただし、ポールはそれを否定している)。

Beatles - PS I Love You4 Beatles - PS I Love You5


Treasure these few words till we're together
また会う日まで、この言葉を大切に温めていて
Keep all my love forever
僕の心は、ずっと変わらないから

「P.S.アイ・ラヴ・ユー」の魅力の一つは全般に亘ってポール、ジョン、ジョージ3人の声が重なり合うコーラスですが、[Treasure...few...together...Keep all...forever]という風に、一定のリズムで浮かんでは消えるパターンは珍しいのではないでしょうか?

ポールとドロシーは1959年、リヴァプールにあるカスバ・コーヒー・クラブで出会い、交際を始めました。
[このクラブはピート・ベストのお母さんが経営していた店で、当時ビートルズ(クオリーメン)はここでライブ演奏をしていた]
1962年5月、ハンブルクから帰国したポールに待っていたのは、ドロシーからの妊娠の報告でした。
ポールはこれを喜び、早速11月に結婚する段取りを決めますが不幸にもドロシーは7月に流産、この事件がきっかけで二人の関係は急速に終息へと向かってしまったそうです。
そのドロシーは、ビートルズの「Love of the Loved」と“「P.S. I Love You」は、彼女についての作品”であると証言しています。





~Epilogue~

ビートルズの“ちょっとおシャレなタイトル”シリーズ、復活!?

当ブログでは、そのコンセプトとして過去に「Eight Days A Week」「And I Love Her」などを特集したことがありますが、ビートルズのタイトルって概してセンスがいいでしょ?
「P.S. I Love You」も、何か心をくすぐらるものがあります。
“P.S. I Love You”の言葉自体はポールが言い出したわけではなく上記したようにそれ以前から用いられてきたフレーズで、英語圏のみならず日本でも幾つか同じタイトルが見られます(PINK SAPPHIREの曲、中山美穂のラジオ番組など)。

【P.S.】は[postscript]の短縮形で“後で書かれたもの”を意味し、手紙では【追伸】として署名した後に追加で記されます。
本来“書き忘れ”の部分なのでオフィシャルや目上の人への手紙には不適切であり、だからこそ気心の知れた間柄だけに許容される“親密さの証”でもあるのです。
その親密さを逆手にとって、最も伝えたい大切な想いを、敢えて手紙を締めくくる最後の言葉として配置する…
“トドメにI Love You”を置くなんて、ナンとも心憎いですネっ♪

Keep all my love forever
僕の心は、ずっと変わらない
P.S. I love you...( you, you, you)
追伸 愛しているよ

でもそれとは正反対に、“いきなりI Love Youをカマす男”がいます!
…そう、男の名はジョン・レノン。
「P.S. I Love You」も収録されるアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』にはジョン作の「Ask Me Why」という曲があって、コレがいきなり“I Love You~”の歌詞で始まります。
二人のキャラクターの違いが、デビュー当初からよく表れているでしょ?
そういえば“いきなりI Love You”の名曲には尾崎豊の「I LOVE YOU」も印象的ですが、二人の性格には多くの共通点があるような…



あなたは、“いきなりI Love You”?  …それとも、“トドメのI Love You”? 



「P.S.アイ・ラヴ・ユー」

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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

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「ライティングズ・オン・ザ・ウォール」サム・スミス

2015.11.20

category : Sam Smith

Sam Smith - Writings On The Wall1 Sam Smith - Writings On The Wall2


Sam Smith - Writing's On The Wall  (2015年)



~サム・スミス『In the Lonely Hour Tour』~

今年2月の『第57回グラミー賞』で、新人ながら主要3部門を含む最多4部門を受賞し話題を独占したサム・スミス。
しかし来日直前に声帯を痛め緊急手術、5月に予定されていた初の日本単独公演がキャンセルとなってしまったのは記憶に新しい所でしょう。
術後の回復は順調で、その『In the Lonely Hour Tour』のリベンジ公演が11/24・25に行われます。

実は、サム・スミスはグラミー授賞式出席直後の2/14にアルバムのPRのため一度来日しており、日本人の礼儀正しさや“本物の日本食”に感銘を受け、すっかり親日家となったそうです。
(※イギリスでは“何かドス黒いもの”を食べたらしい)
そんなサムから日本のファンへ、メッセージが届けられています♪



~概要~

サム・スミスは、その声を“天使の歌声”と評される美しいファルセットが持ち味のイギリスのシンガー・ソングライターで、現在23歳。
グラミーを受賞した名曲「Stay With Me」やデビュー・アルバム『In the Lonely Hour』の世界的大ヒットにより一躍国民的スターとなった彼の活躍は、まるで3年前の同国出身の女性歌手アデルを彷彿させるものでした。
しかし国民的歌手となった彼女がその後“国民的映画”の主題歌を担ったように、サムの下にもその依頼が届くことになります…。

「Writing's On The wall」は今年10月26日にロンドンでプレミア上映された007シリーズ第24作映画『007 スペクター(Spectre)』の主題歌です(日本公開は12月4日)。
同曲は日本時間9月25日に世界一斉デジタル配信開始され12の国と地域のiTunesでNo.1を獲得、全英シングル・チャートでもNo.1に輝きました(Billboard Hot 100では71位)。
半世紀にも亘る007シリーズの歴史に於いて数々の名曲が提供されてきましたが、意外にも本国イギリスでNo.1になった曲はこれまで1つも無く(全米No.1はある)、この偉業によってサムの名はギネスに刻まれることとなりました。


サム・スミスの歌う「Writing's On The Wall」には3代目ジェームズ・ボンド役だったロジャー・ムーアもお墨付きを与えていて、“美しいオーケストラで心に残るメロディ、よくできてるよ。”とコメントしているそうです。
一方、007シリーズの大ファンを公言し自らも主題歌の先輩であるデュラン・デュランのサイモン・ル・ボンは、“僕の好みじゃないな、僕らの曲の方がいい出来だよ。でも、彼はサム・スミスだからね…美しい声の持ち主だし、僕は彼の大ファンだよ。”と、自らの作品に軍配を上げました。
(サイモンの発言は映画に抱くイメージの違いであり、デュラン・デュランの「A View To A Kill」は007の“スリリングなアクション”を、「Writing's On The Wall」はジェームズ・ボンドの“逃れ得ない宿命と心の痛み”に焦点を当てている違いに因るものと思われます。)

サム・スミス自身は、彼にとって自分以外…とりわけ架空のキャラクターをテーマに作品を創作することは初めての経験であり、長い歴史を誇るシリーズを考慮し時代を問わないクラシックなものにしたかったという意図を明かしています。
自らを“僕はラヴソング専門”と分析するように、彼は“失恋の痛み”を歌わせたら右に出る者はないタイプの歌手です。
サムはシリーズの根源的なテーマとして愛の果たしている意味の大きさに着目し“自分の強みを生かせる”と、ジェームズ・ボンドが背負った宿命の哀しみを描き、その作品の出来には満足していると振り返っています。《資料

一方でBBC『グレアム・ノートン・ショー』に出演した際「Writing's On The Wall」について“歌うには本当にしんどい曲”と語っており、ここで聴くことのできる至上のファルセットも本人にとっては“歌い切るには股間を握りつぶして気合いを入れないとできないくらい、ホントしんどいんだ”とか!? 


 



~Lyrics~

I've spent a lifetime running
駆け回るばかりの人生
And I always get away
…いつだって、何者からか逃げていた

スパイは諜報活動をはじめ謀略、破壊、暗殺…
敵地に深く潜入する必要があるため、任務は常に危険と隣り合わせです。
前作は007の出生の地“スカイフォール”をテーマとしていましたが、今回も007は冒頭からある人物を追跡しており、そのことは何やら彼自身の少年時代に関わる重要な秘密へと繋がっているそうです。
果たして、007は“駆け回るばかりの人生”から解き放たれることになるのでしょうか…。
本当に解き放たれてしまったら、シリーズ終わっちゃうじゃん?

シリーズはともかく、主演のダニエル・クレイグは“またボンドを演じるなら、手首を切った方がマシ”と発言をしているとも報じられており、ダニエル自身はリアルに“駆け回るばかりの人生”から解き放たれる…?




If I risk it all
もし僕が危険を冒しても
Could you break my fall?
堕ちるこの身を、受け止めてくれる?

007シリーズの見所というと、ナンといってもスリリングな“アクション”と、スパイならではの“秘密兵器”ですね♪
サム・メンデス監督が“スタント、アクション、爆発にCGは使わない”と公言している通り、ローマ市街地を完全閉鎖してボンド・カー“アストンマーティン DB10”と“ジャガー C-X75”とのカー・チェイスが撮影されました。

また、劇中で7.5秒続く大爆発の規模はTNT換算で68.47トン、灯油8418リットルと爆薬33キロが使われ、映画史上世界最大規模としてギネス記録に認定されたそうです!

 


But with you I'm feeling something
でも、君と一緒ならば思える…
That makes me want to stay
“ここに、留まっていたい”

007シリーズのお楽しみはアクションに限らず、ボンド・ガールとの“ムフフ”ですよね? 
しかも、今回はレア・セドゥとモニカ・ベルッチ、ステファニー・シグマンという国際色豊かな3人の美女が登場します♪
特に、モニカは歴代最年長となる51歳という熟女(これまでの平均年齢は29歳)!
ボンドさん、“本命”は誰?

でも『男はつらいよ』がそうであるように、“ムフフ”が見所の長寿シリーズで主人公の恋は成就しない宿命…?





~Epilogue~

シリーズ第24作『Spectre』の詳細はまだあまり伝わっていませんが、スペクターと聞いて古くからの007ファンの方は覚えがあるのではないでしょうか?
SPECTRE】は“SPecial Executive for Counter-intelligence, Terrorism, Revenge and Extortion(対敵情報、テロ、復讐、強要のための特別機関)”の略称で、1971年の『007 ダイヤモンドは永遠に』までジェームズ・ボンドの宿敵として登場した悪の組織です。
しかし原作者イアン・フレミング(及びイオン・プロ)と共同執筆者らの間で係争が起こり、以来これらのキャラクター権がイオン・プロによる映画で使用できなくなっていましたが(1983年の『ネバーセイ・ネバーアゲイン』を除く)近年の和解交渉により、本作品で44年ぶりに復活しました。

スペクターにはエルンスト・スタヴロ・ブロフェルドなる首領が存在し、“白いペルシャ猫を膝の上に抱き抱えながらもその全貌は映さない”というミステリアスな描き方は、後の映画やドラマの“悪の首領”に多く派生が見られました。
今回の『Spectre』ではブロフェルドの名は見当たりませんが、ウィキペディアに列記される“フランツ・オーベルハウザー”なる登場人物のリンクをクリックしてみると、不思議なことにブロフェルドの項が参照されるのです!
実は、これまでブロフェルドは身分を偽ったり変装や整形などで容姿を次々と変えるキャラクターとして描かれており(その割にはテリー・サバラスのスキン・ヘッドばかりが強烈に印象に残ってる!?)、今回もしかしたら…?

 From Russia with love (1963)


For you I have to risk it all
…それでも、君のため危険を冒さなければならない
Cause the writing's on the wall
“壁の文字が告げている”から…

主題歌のタイトルにもなっている「Writing's On The Wall」は、“不吉な前兆”を意味する慣用句です。
旧約聖書『ダニエル書』第5章の中で、“バビロンの王ベルシャザルが宴会を催していたところ突如空中に手が現れ、壁に“バビロンが滅びて、王は死ぬ”と書くと、その夜ベルシャザルは殺害されてしまった”…という逸話に由来します。
“現れた手”は神よりの使者であり、書かれた文字は“神のお告げ”だということです…。

ところで、【spectre】には映画に登場する悪の組織名以外に、別の意味があります。
頭から離れない経験の心的表象”や“気味悪く現れている人影”という、得体のしれない化け物のようなもの…。
もしそれが“不吉な前兆”と結びついているとしたら、第24作『Spectre』で007は任務上の敵だけでなく“ジェームズ・ボンド個人の宿命”と闘わなければならないのかもしれません。
でもそれって、私たち人間誰もが一生に何度か向き合わねばならない大きな試練であり、それが生きるということなのでしょう。

そして、男にはたとえ危険を冒してでも闘わなければならないときがある…。



「ライティングズ・オン・ザ・ウォール」

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comment(4) 

「愛を感じて」エルトン・ジョン

2015.11.13

category : Disney/Animation

Elton John - Can You Feel The Love Tonight1 Elton John - Can You Feel The Love Tonight2


Elton John - Can You Feel The Love Tonight (1994年)



~エルトン・ジョン、8年ぶりの日本公演~

エルトン・ジョンが、自身の46年のキャリアを集大成した『All the Hits Tour』で11/6・18に日本公演を行います(18日はWOWOWで生中継あり)。
エルトンがバンドを率いて来日するのは14年ぶりのことで、実は今回特集する「愛を感じて」はそのセットリスト曲ではありません。
セットリストに含まれる過去ログは「Your Song」「Candle in the Wind」

“もう一つのテーマ”と重ね合わせての選曲ですが、そのココロは記事後半にて…。



~概要~

「愛を感じて」は1994年公開のディズニー長編アニメーション映画『ライオン・キング』の挿入曲としてエルトン(作曲)と、ミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』『エビータ』などの作詞家ティム・ライスによって創作された作品で、Billboard Hot 100では4位(年間18位)を記録しました。
『ライオン・キング』は映画自体記録的な大ヒット(2015年現在、映画史上最も観客動員数が多かったアニメ映画)を記録した作品ですが、エルトン&ティム・ライス作品が大半を占めるサウンドトラック・アルバムも1500万枚を売り上げ、“世界で最も売れたアニメーションのサウンドトラック”としてギネス認定されています。
興行収入は『アナと雪の女王』が上ですがインフレ調整を考慮すると、本作が上)

「Can You Feel The Love Tonight」は、劇中ではシンバ(ジョセフ・ウィリアムズ)、ナラ(サリー・ドゥオスキー)、ティモン(ネイサン・レイン)、プンバァ(アーニー・サベラ)、クリストル・エドワーズらによって歌われ、エンド・クレジットでエルトンver.が流れます。
映画で元TOTOのジョセフ・ウィリアムズがライオン役で歌うという意外な本作品ですが、エルトンver.のバック・ヴォーカルにはキキ・ディー(1976年「恋のデュエット」でエルトンと共演)やリック・アストリーが参加していることも特筆すべき点でしょう。

1994年の『アカデミー歌曲賞』には『ライオン・キング』から「Circle Of Life」、「Hakuna Matata」など3曲がノミネートされており、最終的には「愛を感じて」が同賞を受賞しています。
また、「Can You Feel The Love Tonight」は『ゴールデングローブ・主題歌賞』も受賞。
さらに1995年、エルトンは本作品によって『グラミー・最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞』を受賞していますが、この時点でキャリア26年を誇る大スターの彼にして意外にもこれが記念すべき“グラミー初受賞”でした!
(…というか、現時点でコレが唯一の受賞!

 



~Lyrics~

It's enough to make kings and vagabonds
あぁ…王侯であれ、流れ者であれ
Believe the very best
愛は、この世で最も信じるに足るものなんだ

「愛を感じて」には【vagabond】や【wanderer】、【voyager】など“流れ者”的な意味合いの言葉が幾つも使われています。
『ライオン・キング』は、動物たちの王国の王子であるライオンのシンバが陰謀によって国外に追放され放浪、やがて平和な王国の再建のために奮闘する物語。
つまり、これらは全て主人公シンバを指し示す言葉であり、同時に【warrior】や【king】は彼の背負った宿命でもあるのです。

その彼を一人前の戦士として成長させたのが仲間たちの励ましであり、ガール・フレンドのナラの存在でした。
“優しき男”には元来他者と争うことを望まぬ気風があり小さな平穏で満足しがちですが、彼が大業を成し遂げるためには“使命感を奮い立たせる何か”が必要なのでしょう…。


There's a time for everyone if they only learn
誰もが、いつかは学ぶ
That the twisting kaleidoscope moves us all in turn
千変万化のうねりが、回り巡って人を動かすことを

ちょっと哲学的なセンテンスです。
【kaleidoscope】は“万華鏡”ですが、そのまま訳しても迷宮入りするので意訳しています。
万華鏡が一定の法則によって次々と色や形を変えるように、私たちの人生も自分の意思以外の“天・地・人”の作用によって運命が左右されるものです。
それに逆らって望みを遂げるのは、至難…。




When the heart of this star-crossed voyager
星回りの悪い、この航海者の心が
Beats in time with yours
君と、鼓動を響き合わせる時…

鼓動の刻むリズムは、その一刻一刻がまさにその瞬間を生ている証です。
誰かの胸にそっと耳を当ててみると、静かにゆっくりと刻む拍動には安心と沈静を覚え、激しく乱れた拍動には不安や興奮が共鳴します。

あなたが喜ぶと私も嬉しくなり、悲しむと私も心を痛める…
それが、人間のごく自然な心の営みというものでしょう。



~Epilogue~

11月22日は、“いい夫婦の日”
“エルトンなら、何かそれに似つかわしい曲があるだろう”と、漠然とスケジュールをこの日に入れておいたのですが、いざ直前になってセットリストを見てみると、意外に使えそうな曲がナイっ!?(汗)
「Your Song」は名曲ですが、過去に取り上げているし…。
…ということで、思い切ってセットリスト以外から選曲することにしました。
過去ログ「愛は翼にのって」ベット・ミドラーも、“いい夫婦”テーマにオススメです♪)


ご存知のようにエルトンは同性愛者(正確には両性愛)であり、昨年12月にはカナダ人映画制作者デヴィッド・ファーニッシュ氏と正式に結婚したことも話題となりました。
二人は2005年、同性カップルに対しても異性間の結婚と同様の法的パートナーシップ関係を承認する『シヴィル・パートナーシップ法』の成立を機にパートナーシップ契約を結び、代理母によって男の子を儲けていますが、ナントこの子のゴッドマザー(後見人)はあのレディー・ガガです!

今月、渋谷区と世田谷区で同性カップルに対し“パートナーシップ証明書”(ただし、法的拘束力はない)発行を始めたことが報じられましたが、日本でもこうした動きが広がるかもしれません。
また、“夫婦別姓”や“再婚禁止期間”を定めた民法が違憲かを問う訴訟の最高裁判決が、来月示されます。
時代が変われば夫婦や家族のカタチは変わるものであれ、その概念の根源にあるものは今も昔もきっと変わりありません。

夫婦は家族の礎でありながら、“血の繋がらない他人同士”。
だからこそ、どんなに時が経っても忘れてはならないものがあるような気がします…。

And can you feel the love tonight
今夜、愛を感じてる?
It is where we are
それは、二人がいる場所に息づくもの



「愛を感じて」

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comment(3) 

「それが愛というものだから」ジャネット・ジャクソン

2015.11.06

category : Janet Jackson

Janet Jackson - Thats The Way Love Goes1 Janet Jackson - Thats The Way Love Goes2


Janet Jackson - That's The Way Love Goes (1993年)



~Janet Jackson Unbreakable World Tour 2015~

今年10月、7年ぶりのアルバム『Unbreakable』をリリースしたばかりのジャネット・ジャクソンが、『Unbreakable World Tour』で早くも11月19日から来日公演を行います。
ジャネットといえば近年カタール人大富豪と交際・結婚《写真・右》、彼女が子どもを望んでいたことから一時は引退説まで囁かれもしましたが一転、2015年はアルバム発表(既に全米No.1を記録)&ワールド・ツアーの年となりました!

日本公演は2002年以来13年ぶりで、今回のツアーは北米以外では日本が最初の公演となります。
キャリアの集大成ともいえる今回のセットリストの一つ、「That's The Way Love Goes」をお楽しみください♪



~概要~

ジャネット・ジャクソンは言うまでもなく“King of Pop”マイケル・ジャクソンの妹であり、1980年代後半~90年代にかけてはマイケルをも凌ぐほどの活躍を遂げた、歴代有数のセールスを誇るアメリカの女性歌手です。
前作『Rhythm Nation』で兄譲りのド派手な集団ダンス・パフォーマンスにより日本のお茶の間にもすっかりお馴染みになったジャネットは、1990年の初来日公演でも東京ドームを満杯にするスーパー・スターぶりで、翌年にはヴァージン・レコードと5000万ドルの契約金で移籍(※)、その第1弾となったのが自身の名を冠したアルバム『 janet.』でした。
(※ジャネットは1996年にヴァージンと当時の史上最高額で再契約していますが、この間彼女が発表したアルバムはこの1枚のみ!)

「それが愛というものだから」はその1stシングルとしてリリース、Billboard Hot 100で8週連続No.1(年間4位)に輝くジャネット最大のヒット曲で、これは兄マイケルの「ビリー・ジーン」をも上回る記録です。
プロデューサーはA&Mレコード時代からのジャム&ルイス(Jimmy Jam and Terry Lewis)ですが、移籍の影響かジャネットが27歳と成熟したからか、前作までのストリートが似合うノイジーなサウンドから洗練された大人のテイストへの転換が図られた作品といえます。
ベースとなっているスローな“ダウンテンポ”はジェームス・ブラウンの1974年の作品「Papa Don't Take No Mess」がサンプリングされており、それにジョージ・ベンソン風のギターを融合し1970年代を彷彿とさせるムーディーで極上なポップ・ソングとして創作されました。

こうした懐古的なサウンドとクールで抑制の効いたジャネットのヴォーカルは音楽批評家にも賞賛され、グラミーでは“最優秀リズム・アンド・ブルース楽曲賞(Best R&B song)”を受賞しました。
このテイストはブリトニー・スピアーズやアリシア・キーズ、デスティニーズ・チャイルドなど多くの歌姫に影響を及ぼしていますが、日本の宇多田ヒカルもその一人。
1999年の「Addicted To You (Underwater Mix)」には「それが愛というものだから」からギター・リフがサンプリングされていて、実はこの曲には本家・本元“ジャム&ルイス”がプロデューサーとして名を連ねています(続く「Wait & See ~リスク~」にも参加)。


MVでは、“恒例?”となっている派手なダンスを前面に押し出したパフォーマンスは封印し、友人や恋人たちとゆったり過ごすホーム・パーティー風の映像となっています。
また、『MTV Video Music Awards』にもノミネートされたこの映像には、当時まだ無名だったジェニファー・ロペスも出演しているので、刮目(かつ もく)してご覧ください♪

 




~Lyrics~

Like a moth to a flame
炎へと舞い
Burned by the fire
その身を焦がす蛾のように

日本でも“飛んで火に入る夏の虫”と言いますが、これもそうした蛾の習性から生まれたことわざです。
蛾に限らず多くの昆虫には光刺激に反応し移動する“走光性”があり、太陽や月明かり(真上からの平行光)では正常に機能するものの、火や照明器具による光(点光源)を浴びると感覚に狂いが生じ、光源に向かって螺旋を描いて飛行してしまいます。

高等生物を気取っている私たち人間も、一旦“恋の光”を浴びると平衡感覚を失い、危険の認知に関わらず光源に向かって真っすぐ吸い寄せられる習性があるのかもしれません…。 


I'm gonna take you places
連れて行ってあげたい
You've never been before and
あなたの、まだ知らない世界

昔、夏休みの楽しみの一つに、心霊体験を元にした再現ドラマ特集があって…
エっ? “ソッチの世界”(※)じゃない!?
(※1997年まで日本テレビ系昼帯枠の特番として放送されていた『あなたの知らない世界』)

…まぁ、そりゃそうだっ? 
人はそれを“天国”と呼ぶのだろうけれど、きっとそれは「Heaven Is A Place On Earth」とはまた趣きが異なります。
あなたなら、どんな世界へと導いてくれますか…?


I like to watch us play and
二人の営みすべてを見届けたいの、そして…
Baby, I've got on what you like
あなたの望みのままに、この身を任せる

“この身を任せる”なんてキレイにまとめていますが【get on(乗る)】ですから、本当はその反対!? 
詞全体を見通しても、“かなり積極的な姿勢”が窺えます。
この辺はジャネットが20代後半という年齢に入ったことも影響があるのでしょう。

お姫さまのようにただ“愛される”だけでなく、相手が望むことをしてあげる“愛する”悦びに目覚めたのかもしれません。
思いやりでした行為によって相手が喜んでくれると、最高の気分になれますよね♪ 
 逆に喜んでもらえなかった時、最悪の気分ですが?)



~Epilogue~

官能的でロマンティックなテイストは「それが愛というものだから」の魅力といえますが、楽曲は当初“失恋トーン”だったそうです。
ジャネットがインストゥルメンタルを初めて聴いた時、それに興味が湧かずジャム&ルイスに方向性を改めるよう要望したといわれます。
その修正版のテープを持ってジャネットはバカンスへと発ち、2週間後に帰国した彼女は興奮して言いました…

“これ、大好き!こんなの聴いたことない!絶対ヒットするわ、すぐ完成させましょう!”
出発前とは打って変わった態度ですが、彼女によると“もうコンセプトは考えてある”といいます。
それが…

“That's the way love goes”


…現実のジャネットは、これまで2度の離婚歴があります。
3人目のダンナさまは9歳年下で、何といっても“資産10億ドル”といわれる大富豪(ジャネット自身も同等の資産がある)!
アラブの大富豪というとカンドゥーラ(白いマキシ丈のワンピース)とクゥトラ(頭に被る布)といったお馴染みの民族衣装を思い浮かべますが、《写真・右》を見ると彼は(西洋文化的に)お洒落なカジュアルを着こなす、かなりのイケメンです!

「それが愛というものだから」以降のジャネットというと何かとセクシーさが強調され、2004年スーパーボウルのハーフタイム・ショーでの“事件”も含め、かなり大胆な肌の露出が話題となることもありました。
ところが、今年公開された『Unbreakable』からのシングル「No Sleeep」のMVでは体のラインを隠すような全身布で覆われた衣装を纏っており、現在行われているツアーの衣装も同じ傾向が見られるようです。
これはイスラム教徒であるダンナさまへの配慮とも、既にジャネット自身がイスラム教に改宗したためともメディアで言及されています。



新曲「No Sleeep」は“一緒にいる時、二人は眠らない”と大切な人との時間を愛おしむ女性の心情を歌った作品ですが、新婚の彼女のメッセージが誰に宛てられているかは、言うまでもありませんね?
誰もがジャネット夫婦のように異なる文化と宗教を越えて深く愛し合えるものではありませんが、現在の彼女の変化の中に、その秘訣を見出すことができる気がします。

That's the way love goes
それが、愛というものだから

試練を乗り越えた現在のジャネットなら、私たちをもっと深い“愛の世界”へと導いてくれることでしょう…。



「それが愛というものだから」

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