I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「メロディ・フェア」ビー・ジーズ

2016.05.27

category : Bee Gees

Bee Gees - Melody Fair1 Bee Gees - Melody Fair2


Bee Gees - Melody Fair (1969年)



~ “若葉のころ”!?~

映画『小さな恋のメロディ』からは2年前に「若葉のころ」を特集しましたが、この映画の名曲はまだまだたくさんあります。
実のところ私にとって「First of May」は“落葉のころ”のイメージであり、今回の「Melody Fair」こそ“若葉のころ”を思い起こさせるテイストです。

5月は私にとって大好きな月であり、若葉の息吹溢れる空気は新鮮で、肌を撫でる風の感覚は「Melody Fair」と重なります。
あなた自身も“若葉のころ”に帰って、風をお楽しみください ♪



~概要~

「Melody Fair」はビー・ジーズ1969年の4thアルバム『オデッサ(Odessa)』の収録曲で、同アルバムからは1stシングルとして「若葉のころ」が英・米でヒットしていますが兄弟ゲンカのゴタゴタに巻き込まれ、以降シングル・カットはありませんでした。
作者にはバリー、ロビン、モーリスのギブ三兄弟が名を連ねていますが、こうした影響からかロビンは本曲のレコーディングには参加していません。
また、バリー・ギブによると当初ビートルズの「Eleanor Rigby」のような作品にしたいと考えていたそうで、そういえば冒頭に使われるストリングスにはその趣きが…?(ちょっとテンポがズレ気味ですが)


1971年、イギリス映画『小さな恋のメロディ(Melody)』のサウンドトラックとして「若葉のころ」をはじめビー・ジーズの楽曲が多数起用されたものの、欧米では映画自体全くヒットせず主題歌として抜擢された「Melody Fair」もほとんど注目されることはありませんでした。
ところがイギリスから遠く離れた日本では全く違った反応で、映画は1971年の配給収入で年間5位&サウンドトラック・アルバムの大ヒット、「メロディ・フェア」は「若葉のころ」とのカップリングでシングル・カットされオリコン週間3位を記録、年間では12位に入り洋楽としてはこの年最大のヒットとなっています。

お陰で、それまで日本で無名だったビー・ジーズも一気に人気を獲得し、翌年初来日でいきなり武道館公演を行う“フィーバー”ぶり(ちょっと早い?)となりました!(Live audio in Tokyo 1972
その後も「Melody Fair」は1990年代にスズキ・アルトのCMソング(鷲尾いさ子)に起用されるなど、日本では全盛期『サタデー・ナイト・フィーバー』からの「How Deep Is Your Love」(過去ログ)などと並ぶビー・ジーズの代表曲として今も愛され続けています。

 



~Lyrics~

Who is the girl with the crying face
数え切れない悲しみに
Looking at millions of signs?
泣き顔を浮かべている、あの娘は誰?

「Melody Fair」に使われる言葉は一見平易であるものの、意味的には難解です。

ここでの【signs】と2行下の【line】は韻を踏ませいいカンジですが、“彼女が見ているサイン”や“彼女が見せるべきでないライン”って何でしょう?
でも“サインを見て、(見せるべきでない)ラインを見せる”のですから、決して好ましいことではないはずです。
生きてゆく上で、誰にだって辛いこと、悲しいことがあるからこそ、この歌が愛され続けているような気がします…。


Who is the girl at the window pane,
雨を見つめている
Watching the rain falling down?
窓ガラスに映った、あの娘は誰?

映画『小さな恋のメロディ』はサウンドトラックからストーリーが組み立てられた節がありますが、まさに主人公メロディは「Melody Fair」が流れる“the girl at the window pane”のシーンから劇中に初登場しています。
ただし、このシーンに使われている「Melody Fair」はビー・ジーズによるオリジナルではなく、映画のためにアレンジされた歌詞のないインストゥルメンタルver.でした。

彼女のかわいさだけに限らずこのシーンに流れる情景描写が美しく、“風に回る色とりどりの風車”や“風に揺れる金魚の瓶”はどこか見覚えのある風景であり、私個人にとっても好きな映像です。




Melody, life isn't like the rain
…メロディ、人生は雨のように落ちるものじゃない
Its just like a merry go round.
メリー・ゴーランドみたいに、また巡るものなんだ…

“雨は落ちてくるもの”であり、それを見つめているメロディ…
二番の歌詞は、【the rain】が彼女の心を映す鏡となっています。

ちなみに、デモの時点までこの1行目の歌詞は
She shouldn't cry泣いちゃいけないよ, she should smile all dayずっと笑っておいで
…だったそうです。



~Epilogue~

ビー・ジーズの「メロディ・フェア」が劇中で流れるのは、メロディが金魚を連れて街に出掛ける場面です。
その中でも特に印象に残るのが、“メロディが金魚を石の水槽で遊ばせるシーン”でしょう。
この場所はロンドンのランベス・ロード(lambeth road)沿いにあって、映画で馬車が走っているように《写真》石の水槽は“馬の水飲み場”でした。
現在は馬車が走ってないのか水槽は水が張られておらず、花が植えられているようです。(参照記事

 Bee Gees - Melody Fair3


映画を見ていて気づくのは、メロディが洋服と交換で金魚を手に入れるなど貧しい家庭に生育していること。
日本は近年“格差社会”と言われますがイギリスではそれが何世代にも亘って固定化され、“階級社会”を形成しています。
メロディの家は労働者階級でも恐らく貧しい部類で、貧しい家に生育した子は高等教育を授けられぬまま、そのほとんどは親の“水準”をそのまま受け継ぐそうです。
紛らわしいのはメロディがパブリック・スクールに通っているという設定で、イギリスで[public school]は“超お金持ちが通う私立学校”(年間学費300~600万円といわれる)であり、この設定にはかなり無理があります(欧米で酷評された一因?)。
劇中でメロディの主な悩みは“恋”でしたが、こんな風に考えてみると“彼女がやがて目にするであろうサイン【looking at millions of signs】”が見えてくるのではないでしょうか?

“笑う門には福来たる”

頭で解ってはいても悪い状況ばかり続くとその大切さを忘れてしまったり、心が怯え本来備わっている輝きさえ閉ざしてしまうものです。
ひとり取り残されたように沈んでいる時、そばにいる誰かがこんな風にささやき掛けてくれたなら…

Who is the girl with the crying face
数え切れない悲しみに
Looking at millions of signs?
泣き顔を浮かべている娘は誰?

何処かで泣きべそかいてるあなたに、“5月のやさしい風”が届きますように♪ 



「メロディ・フェア」

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comment(16) 

「FAB」ジョージ・ハリスン

2016.05.20

category : Beatles & Solo

George Harrison - When We Was Fab1 George Harrison - When We Was Fab2


George Harrison - When We Was Fab (1988年)



~“FAB FOUR”~

ビートルズの有名なキャッチ・フレーズ“FAB FOUR”の名付け親であるトニー・バーロウさんが、現地時間5月14日に亡くなりました(享年80)。
バーロウさんはビートルズのマネージメント会社『NEMSエンタープライズ』広報部の主任で、1962年から1968年までビートルズを担当していました。

もちろん今回お届けする「When We Was Fab」はこのフレーズに由来する作品であり、かつてFABの一人であったジョージ・ハリスンのドキュメントでもあります。
中級以上を自認するビートルズ・ファンなら思わずニヤッと、初心者の方も背景を知ると“ガッテン”していだだける要素が多数ちりばめられているので、どうぞお楽しみに♪



~概要~

「When We Was Fab」は1987年発表のアルバム『クラウド・ナイン(Cloud Nine)』(『All Things Must Pass』から数えて9th)の収録曲で、2ndシングルとしてBillboard Hot 100で23位(イギリスで25位)を記録しました。
作者はジョージと、映画『上海サプライズ』で運命の出会いを果たしたELOのジェフ・リンの共作で、以降ジェフはジョージの創作とビートルズ・アンソロジー・プロジェクトを成功に導く重要な役割を担う存在となります。
タイトルで“We Was”となっているのは誤植ではなく確信犯で、ビートルズはよくこの“手口”を使っていたのでディープなファンは思わずニヤリ…?

上記のとおり“FAB”はビートルズのキャッチ・フレーズに関連する言葉であり、ドラムにはビートルズの盟友リンゴ・スターを招いてレコーディングされました。
歌詞もビートルズ時代を回顧する内容となっていて、曲調やアレンジには当時のジョン・レノンの作品「I Am the Walrus」を彷彿させるパロディー風の趣きがあります。
さらにシングル・ジャケット《写真上・左》には、アルバム『Revolver』のジャケットをデザインした旧友クラウス・フォアマンを再び起用し現在のジョージと対比させるという細かい“ネタ”への徹底ぶり!


視覚効果絶大のPVはまさにその集大成であり、1988年の『 MTV Video Music Awards』で6部門にノミネートされました。
まずジョージ自身はビートルズ時代のギターやファッションと初公開の“二人羽織芸?”を披露し、ジェフやリンゴが扱う“長ぁ~い”フシギな楽器など、全編を通して遊びゴコロ満載です♪
更に“隠し味”として、通り過ぎる通行人の中にポール・サイモン(野菜を運ぶ)やエルトン・ジョン(カップにコインを入れる)など大スターをカメオ出演させています(他にはレイ・クーパー)!

そして、本作に仕組まれた“最大のネタ”が…

PVの約2:00頃、“ウォルラス(セイウチ)の着ぐるみを被った左利きのベーシスト”の登場によって急展開します!
…その10数秒後、画面を横切る男が抱えたレコード・ジャケットには“ジョン・レノン”がいるではありませんか!!
(※ジャケットは『Imagine』の裏面で、抱えている男性はビートルズのロードマネージャーだったニール・アスピノール)
もしも着ぐるみの男がポール・マッカートニーなら、二次元のジョンを加え“ビートルズ勢揃い”です♪ 《写真・下》

この件について、テレビのインタビューでジョージが“着ぐるみ男はポール”と認めたことで論争は終結…
…したかに見えましたが、後年ポールが“[着ぐるみ男はポールと言うといいよ]と、僕が提案した”と告白したため、実際にはこれが未完であったことが明かされています。
(※スケジュールの都合でポールは撮影に参加できなかったらしい)

 George Harrison - When We Was Fab3



~Lyrics~

(Fab!) Back when income tax was all we had
Fab...振り返ると、抱えていたのはtax(税金)の山

ビートルズ・ファンなら、すぐにピンときたでしょう?
…そう、ビートルズ時代のジョージの代表曲「Taxman」
【income tax】は“所得税”で、庶民から大金持ちになった彼はその税率の高さに驚いたようですが、当時イギリスの富裕層に課せられていた税率を知ると、ナルホドです…。


(Fab!) In my world you are my only love
Fab...僕にとって、君は唯一つの恋だった

ビートルズ時代のジョージの恋というと、ビートルズ屈指のラブ・ソング「Something」にも歌われた美女パティ・ボイドでしょう。
パティとジョージは1966年に結婚していますが、ご存知のようにやがて「Layla」で彼女への倫ならぬ恋に情熱を燃やしたエリック・クラプトンとのドロドロの三角関係に陥る運命が待っています…。


(Fab!) Like this pullover you sent me
君は、“着ぐるみ”を着せ
(Fab!) And you really got a hold on me
まさに、僕を支配していた

ここでの【you】は、ポールを指すと解釈しています。
【pullover】は“頭から被って着る衣服”ですが、「FAB」は「I Am the Walrus」に関連付けられた作品であることから、映画『Magical Mystery Tour』でビートルズが“着ぐるみ”を着て同曲を演奏するシーンをイメージしました。
この頃すでにジョンは燃え尽き症候群(?)状態だったため、やる気満々なポールが必然的に活動の主導権を握るようになります。
この着ぐるみ演奏のアイデアはポールによるものかは定かではありませんが、ジョージの性格からするとバカバカしいと思っていたことは想像に難くはありません。
(ただし、少なくともジョンは一番喜んでやっていたように思う)



~Epilogue~

(Fab!) Long time ago when we was fab
Fab...ずっと昔、僕らが“Fab”だった頃

【Fab】は、[fabulous]の短縮形で、その意味は…
“伝説的な、物語に出てくる(ような)、信じられないほどの、《口語》 素晴らしい,素敵な”
…といった、最上級の褒め言葉です。

ごく平凡な人生を送っている人が“伝説的な”と形容される機会はまずないでしょうが、“素敵な”だったら一生に一度ぐらい望んでもいいのかな…?


(Fab!) But it's all over now, baby blue
Fab...悲しいけれど、すべては終わったこと

シングル「When We Was Fab」のジャケット《写真》を観察すると40代のジョージの絵には目尻のシワやほうれい線が描かれており、20年という歳月の経過を痛感させます。
この作品はある意味“「Fab」だった過去の自分に対する敗北宣言”とも解釈できますが、この良い意味での諦めが自虐的ネタをパロディーで笑い飛ばす心の余裕を生み、かつての名声に囚われていた彼を吹っ切らせ復活へと導いたような気がします。

George Harrison - When We Was Fab4


Still the life flowed on and on
そして尚、人生は巡りゆく…

先月ネットで目にした記事に、43歳を迎えた女優のキャメロン・ディアスが若さと美貌を維持するためのボトックス注射や、負傷した鼻の美容整形を施していたことを告白したものがありました。
しかし“一時的に肌が滑らかになったとしても、私たちの体のすべてのパーツが日々年を取っていくことを変えることはできない”と気づき、施術をやめたそうです。
そして、最近は“すべすべした肌や自信にあふれたお尻を持つことより、よりよき母、娘、妹、妻、友人…であることにこそ価値があり大切だと感じるようになった”といいます。

奇しくも、ジョージやキャメロンがこのような心境に至ったのも、同じ40代。
40代は人生の折り返し点であるだけでなく、それまで築き上げたキャリアが問われる時期でもあります。
健康や体質面の衰えを実感する年頃であり、我武者羅(がむしゃら)からの脱皮を迫られる…。

“四十にして惑わず”

…これ、ホント? 



「FAB」

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「フィール・フォー・ユー」チャカ・カーン

2016.05.13

category : Chaka Khan

Chaka Khan - I Feel For You1 Chaka Khan - I Feel For You2


Chaka Khan - I Feel For You (1984年)



~チャカ・カーン来日公演~

5/14~20の単独来日公演と、21~22日の『GREENROOM FESTIVAL’16』に参加する予定のチャカ・カーン。
先日亡くなったプリンスはファンク界を代表するミュージシャンですが、チャカもまたグラミー受賞10回&“ファンクの女王”の異名を持つ偉大な女性R&B歌手です。
そのパワフルさはティナ・ターナーにも劣らず、ファンキーなスタイルはホイットニー・ヒューストンの「I'm Every Woman」として受け継がれ、さらにはバラードやジャズ歌手としても活躍が知られています。

今回のキーワードは、“I Feel For You”♪
さて、どんなストーリーが待っているのでしょう…。



~概要~

「フィール・フォー・ユー」は1984年のソロ5thアルバム『I Feel for You』からの1stシングルで、Billboard Hot 100で3位(1985年の年間5位)を記録した自身最大のヒット曲です。
ポップ・チャートでは頂点に立てなかったもののU.S. dance/R&Bチャートでは1位に輝き、Cash Box誌では週間No.1を獲得しています。
チャカにとってグラミーをもたらした作品の一つであり、彼女は同曲で“Best R&B Vocal Performance, Female”を受賞しました。

「I Feel for You」はプリンスの作詞・作曲であり、元々彼の1979年のアルバム『Prince』で発表された楽曲でした。
その後1982年にR&Bコーラス・グループPointer Sistersがカバーしていますが、何れもシングル・カットはされていません。
チャカは当時1982年の4thアルバム『Chaka Khan』の売れ行きが不振だったことから所属レーベルのワーナーに何としてもヒットを出すよう強く求められており、そこで同じワーナー所属で以前から大ファンだったプリンスの「I Feel for You」をレコーディングするきっかけとなりました。
ちなみにこの二人は個人的にも親交があったようで、1990年代後半にプリンスが自身のレーベル『NPG』を立ち上げるとチャカもこれに参加しています。

チャカver.の特筆すべきは彼女の力強いヴォーカルに加え、素敵なエッセンスが加えられていたことにあります。
まず特徴的なのは、チャカの名前を連呼するメリー・メル(Melle Mel)のセクシーなラップを大胆にフィーチャーしていることでしょう(当時ラップはまだ一般的ではなかった)。
そして、それに続いて入ってくるクロマチック・ハーモニカ…実はコレ、あのスティーヴィー・ワンダーによるものです!
スティーヴィーとはチャカがルーファス(Rufus)時代の1974年に彼から「Tell Me Something Good」(全米3位)の楽曲提供を受けた頃からの縁で、「I Feel for You」のハーモニカはマーヴィン・ゲイの葬儀に出席した日(1984年4月1日)にレコーディングされたものだといいます。
また、実はスティーヴィーはハーモニカ以外でも本作に貢献しており、彼が“リトル・スティーヴィー・ワンダー”時代の1963年に初めて全米No.1に輝いた「Fingertips pt. 2」の呼びかけ部分が、「I Feel for You」の間奏(約3:00頃)に“サンプリング”されています。

チャカプリンススティーヴィー… 
この3人の力が集結して作品が生み出されたというだけでも凄いことですが、実はこの3人が揃ってライブで「I Feel for You」をパフォーマンスしている貴重な映像(BET Awards, 2007)を見つけたので、ご覧ください♪

 
 



~Lyrics~

Chaka, Chaka, Chaka...

まず、聴く者を“おやっ?”と思わせるのが冒頭のこの部分でしょう?
歌手本人の名前を連呼する歌詞というだけでもインパクトありますが、とりわけ“まるで機械の故障のような”このフレーズはコミカルでさえあります(ドリフも“このテ”をギャグに使っていたような…)。
ただしこれはリアルにMCのメリー・メルが手を滑らせミスしたことにより生じた音であり、それをプロデューサーのアリフ・マーディンが“面白い!”とそのまま残したものだったのです。

一方、“Chaka, Chaka”言われるチャカ本人は、バカにされているみたいで好きではなかったとか…。 


Let me rock you
“ロック”させて
That's all I wanna do
それが、望むすべて

この作品のラップはダンス・ミュージックの“ノリ”を伴い囁かれてこそクールなのであって、単に文字に起こしても興がないので今回あえて訳しませんでした。
ただ、作品の趣旨が端的に表れているここだけ、触れておきましょう。

クイーンの有名曲に「We Will Rock You」がありますが、「I Feel For You」での【rock you】とは全く異なる意味であることは曲調から何となくわかるでしょ?
【rock】は動詞だと“揺する”という意味であり、これは2つの作品とも共通しています。
問題は“何を揺するか”ですが、「I Feel For You」は“funk”であり、“作者はプリンス”であることを考え合わせてみるとご理解いただけるのではないでしょうか…。

…えっ? 答えを教えて!?
どうしても知りたい方にだけ、こっそりヒントを教えてあげましょう! チョットだけョ~? 


I wouldn't lie to you, baby
あなたに嘘はつかない
It's mainly a physical thing
だって、カラダすべてが反応してしまうの

“見ているだけで胸の奥まで熱くなる”のですから、嘘はつけませんね?
この作品では【physical/physically】といった言葉が重ねて使用されており、恋に於ける肉体面の重要さが強調されています。
一方で、一般には“心から~(愛してる)”と表現するように、恋愛というと精神活動の最たるイメージがあります。

でもよく考えてみると、心臓がドキドキするのも体が熱くなるのも身体活動の一つだし、それらを司っているのは脳やホルモンの生理機能…
案外“I love you”の言葉より、肉体的な反応の方が信用できるかもしれません!



~Epilogue~

I feel for you...

【feel】は一般的に“感じる”ですが、詳しく調べてみると以下のような意味があります。
[感じる、思う、意識する、触って確かめてみる、苦しむ…]
また、【feel for】だと次のような意味もあります。
[手探りで捜す、心を汲む、同情する、共鳴する、苦しみを共有する、好きだと思う…]

何となく、【feel】という言葉の持つニュアンスがわかるでしょ? 
気になる誰かが現れるとその人を[意識]し、[触って確かめ]たい願望を抱き、たとえそばにいない時でも四六時中相手のことを[好きだと思う]ものです。
ところが歳月を重ねるにつれ、たとえ毎日そばにいても感慨を覚えることも無くなり、“○○元気で留守がいい”の境地…。


I feel for you
いつの時も、あなたを感じてる
I think I love you
愛しく想うこの気持ち

【feel】の果たす役割には、まだまだ続きがあります。
“昨日のfeel”がただありのままを感じるだけで幸せだったとして、“今日のfeel”はそれでは満足できません。
恋が愛への昇華を遂げるためにはきっと、【feel】の進化が不可欠です。
“感じる”から、相手のことを[手探りで捜す]つもりで[心を汲み][苦しみを共有]する次元へと…
その感じ方こそが、目指すべき愛の領域なのだから。

…【feel】って、大切でしょ? 



「フィール・フォー・ユー」

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「ハイウェイ・スター」ディープ・パープル

2016.05.06

category : Deep Purple

Deep Purple - Highway Star1 Deep Purple - Highway Star2


Deep Purple - Highway Star (1972年)



~ディープ・パープル武道館伝説、再び!~

1968年デビューのハード・ロック界のレジェンドでありながら、今なお創作&ツアーをこなす“現役”として精力的に活動を続けるディープ・パープルの日本公演が、間もなくスタートします(5/9~18)。
ディープ・パープルはこの4月8日、奇しくも“武道館つながり”のチープ・トリックと共に『ロックの殿堂』入りを果たしており、現在ニュー・アルバムも制作中でメンバーのイアン・ギランは“しばらくツアーから離れていたのでバンド内のエネルギーは爆発寸前なんだ、覚悟しておいてくれ!”といった趣旨のメッセージを日本のファンに伝えているそうです。

残念ながらオリジナル・メンバーのジョン・ロード(2012年に死去)やリッチー・ブラックモア(諸々の事情…)は参加していませんが、イアン・ペイス〈Ds.〉/イアン・ギラン〈Vo.〉/ロジャー・グローヴァー〈B.〉など「ハイウェイ・スター」当時のメンバーは今も健在です。
今回のツアーでは1972年・伝説の武道館の再現が試みられる趣向もあるそうで、もちろん「ハイウェイ・スター」も披露されることでしょう♪





~概要~

「ハイウェイ・スター」はディープ・パープル1972年の6thアルバム『マシン・ヘッド(Machine Head)』の収録曲でシングル・カットはありませんが(日本はされた)、彼らの代表曲の一つとして認識される楽曲です。
この曲は1971年、ポーツマスに向かうツアー・バスの中でリッチー・ブラックモアがアコースティック・ギターでリフを弾いているとそれにイアン・ギランが即興で歌詞を付けていくという形で生まれ、最終的にメンバー全員によって仕上げられました。

ディープ・パープルというと“ハード・ロックの親玉”というイメージがありますがデビュー当初は“アート・ロック”を志向しており、ジョン・ロードやリッチー・ブラックモアはクラシック音楽の影響を強く受けた音楽家です。
1970年の「Deep Purple in Rock」からハード・ロックに転向していますがそうしたクラシック・テイストはその後も見られ、「ハイウェイ・スター」でも間奏のオルガンやギター・ソロにはJ・S・バッハ風のコード進行を応用していることをジョン・ロードが語っています。


当時本国イギリスで揺るぎない人気を確立していた彼らは多忙を極めイアン・ギランが肝炎を発症するなど体調管理もままならず、同じく人気が高まっていた日本では1972年5月に予定されていた公演が延期される事態が生じ、8月にようやく初来日が実現しました。
この時の公演の模様を日本限定販売として録音されたのがライブ・アルバム『Live in Japan』であり、オリコン14位を記録しています。
ジャケットが日本武道館のステージを写したものであるため武道館ライブの音源であるかのように思われがちですが実際にはトラックの半分以上は大阪フェスティバル・ホールのものであり、「ハイウェイ・スター」もその一つでした。

しかし、これが予想以上に出来が良かったためタイトルを『Made in Japan』として海外でも発売されることとなり、イギリスで16位/アメリカBillboard 200で6位と、世界的大ヒットに至っています。
なお、このアルバムはローリング・ストーン誌“50 Greatest Live Albums of All Time 32位”に選定されるなど、今なお名盤と評されるライブ記録であり、メイン動画はその映像です。

 



~Lyrics~

Nobody gonna take my car
誰も、オレの車を捕えられはしない
I'm gonna race it to the ground
レースできっちりカタをつけてやる

作品の舞台となっている【highway】は日本では“高速道路”という認識で用いられることが多いですが、欧米では“(都市や町を結ぶ一般道を含めた)主要幹線道路”を指します。
つまり主人公はプロのレーサーではなく、俗にいう“走り屋”なのでしょう。

でも欧米の走り屋はスケールが違って、アメリカでは1970年代にNYからLA(約4,528km)までアメリカ大陸横断自動車レース“キャノンボール”(非合法)が行われており、近年これを模したヨーロッパの公道5000kmを走るラリー“ガムボール3000が毎年行われているそうです(もちろん非合法)!

 

It's gonna break the speed of sound
音速も超える
Oooh it's a killing machine
恍惚のマシーン

【the speed of sound】は“音速”であり、速度単位はマッハ(Mach)です。
自動車レースをテーマとした1967年のアニメに『マッハGoGoGo』というのがありましたが、果たして自動車が音速を突破することは現実に可能なのでしょうか?[マッハ1=1,224km/h(高度0m/気温15℃)]

国際自動車連盟 (FIA) によるこれまでの最高速度記録は1997年にイギリスのスラストSSC (Thrust SSC)が記録した1,227.985km/hで、これはマッハ1.016と人類初の“超音速”を達成しているものの時間制限に遅れたため公認はされていません。
ちなみに、この車両は全長16.5m/全幅3.7m/重量10.5tで“ジェット戦闘機のエンジンを2基搭載”するという私たちがイメージする自動車の概念とは全く別モノであり、“翼のないジェット機”といった方が当てはまりそう…?
また、現在もこのプロジェクトは継続しており、後継車ブラッドハウンドSSCはロケット技術を投入し1,609km/hを目指し開発が進められているそうですよ!(興味のある方は《動画・右》をどうぞ♪)


Nobody gonna take my girl
誰も、オレの女に触れさせはしない
I'm gonna keep her to the end
命尽きるまで、オレのもの

1番では【it】だったものが、2番では【my girl/her】に変わっていますョ!
車好きの中には“愛車に恋人と匹敵する愛情”を注ぐ人もいると聞きますが、この場合の[her]は…?
収入に不釣り合いの高価な車や過重な改造など、そのあまりの熱心さに大抵の女性は嫉妬するか呆れるかのどちらかでしょうネ?

でも、車好きの男性にとって“車=オレ”であり、“かっこいい車=かっこいいオレ”なのです!
女性に置き換えるなら、“ブランド物への執着心”を想像すると彼の気持ちも理解できるのでは? 



~Epilogue~

ディープ・パープルは、日本でも歴代屈指に愛されたハード・ロック・バンド。
驚異的な演奏テクニックはアマチュア・バンドにとって大きな目標となってきただけでなく、インパクトのあるサウンドは度々CMに起用され、更にいろいろな形にカバーされたりして親しまれてきました。

「Highway Star」のカバーといって多くの方が恐らく真っ先に思い浮かべるのは、王様「高速道路の星」でしょう。
英語詞を直訳し原曲に乗せて歌うという直訳ロックのスタイルは独特のコミカル感があり、カラオケでは“最強のネタ”として盛り上がったのでは?
また、リコーダーやウクレレを用いて原曲のハード・ロックとは正反対のかわいいテイストを開拓した栗コーダーカルテットver.も忘れられません。

…でも何れのカバーも非常にユニークであり、こういう発想って日本人にしかできないと思いませんか?
日本人は没個性的だなんて言われることがありますがそれは表面に出さないからであって、頭の中には面白い創造がいっぱい詰まっているのだと再認識させられます♪




さて…
ゴールデン・ウイークも終わりましたが、“五月病”は無事越えられましたでしょうか?
それにしても、今年は山口県の山陽道や福島県の常磐道をはじめ大きな交通死亡事故が相次ぎました。

重大な交通事故といえば真っ先に“スピードの出し過ぎ”を思い浮かべますが、近年は高齢者や運輸ドライバーの過重労働による“思いがけない事故”も増えています。
交通事故の大半は自分の能力を超えた無理を強いることによって生じるものですが(高齢・疲労もこれに入る)、これからはこうした他者による“巻き込まれ”にも十分注意する必要がありそうです。
事故は自分が起こしても、巻き込まれても、死んでしまった人が一番損をしますから。

Alright hold tight
いいぞ、しっかり食らいつけ
I'm a highway star
オレたちがハイウェイ・スターだ!

夜に輝くお星さまは空の彼方にあってこそ美しいものですが、人間の【star】はこの地上で生きてこそ輝くことができます。
自動車運転はその全ての一瞬が生命と運命の輝きを奪い得るものであることを、どうかお忘れなきよう…。



「ハイウェイ・スター」

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