I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「007 美しき獲物たち」デュラン・デュラン

2017.05.26

category : Duran Duran

Duran Duran - A View To a Kill1 Duran Duran - A View To a Kill2


Duran Duran - A View To a Kill (1985年)



~Sir Roger George Moore 1927 - 2017 R.I.P.~

半世紀以上の歴史を誇るイギリスの人気スパイ・アクション映画『007シリーズ』に於いて、歴代6人中最多の7作でジェームズ・ボンドを演じたイギリスの俳優ロジャー・ムーアが、5月23日ガンのため亡くなりました(享年89)。
ロジャーの訃報に際し初代ショーン・コネリー、5代目ピアース・ブロスナン、6代目ダニエル・クレイグら歴代ボンド俳優からの追悼に加え、彼が出演したボンド作品のテーマ曲を歌ったポール・マッカートニーやデュラン・デュランからもそれぞれ哀悼の意が示されました。

本記事はロジャー・ムーアへの追悼を込めて、彼が最後に出演した1985年の『007 美しき獲物たち』のテーマ曲をお届けいたします。



~概要~

デュラン・デュランのデビューは1981年、時はアメリカの音楽専門ケーブル・テレビ・チャンネル『MTV』が開局した年であり、美しいヴィジュアルを備えた彼らはまさに“MTV時代の申し子”といえる存在で、当時女の子に最も影響力のあったロック・バンドといえるでしょう。
特に1983~84年頃は同じイギリスのカルチャー・クラブらとBritish Invasion(イギリスの侵略)の中心としてアメリカのヒット・チャートを席巻するほどの勢いがありました。

1985年、デュラン・デュランはイギリスの国民的映画[007]シリーズ第14作『007 美しき獲物たち(A View to a Kill)』の主題歌を担当しイギリスで3週2位、アメリカBillboard Hot 100で2週No.1(年間35位)に輝く大ヒットを記録、これは007主題歌史上初の快挙であり、今日までも唯一の達成です。
ちなみに、2012年にBillboardは007の50周年を記念して『007ベストテーマソング・トップ10』を発表していますが、その映えある1位こそ「A View to a Kill」であり、奇しくもロジャー・ムーア時代の作品が上位4曲を独占しました。

この頃“時の人”だったデュラン・デュランがこのタイミングで007の主題歌を歌うことはごく自然な流れに思われますが、実はその背景にはメンバーのジョン・テイラーによる“隠れた功績”がありました。
ジョンはボンド・スタイルのアストン・マーティンを所有し『007 オクトパシー』のボンド・ガールの一人 Janine Andrews と交際するなど、自他共に認める長年来の“007 オタク”で、そんな彼はあるパーティーで『007』シリーズの映画プロデューサーであるアルバート・R・ブロッコリと会う機会を得ています。
そこで、ここ数年の『007』の音楽に満足していなかったジョンは酔った勢いを借りて“いつになったらあなたの映画の主題歌をちゃんと歌える誰かを起用するの?”と、アルバートに自分を売り込んだそうです。
こうして、ジョンのこの強引な売り込みがきっかけでデュラン・デュランは“大役”を任されることになりました。

…しかしこの頃のデュラン・デュランは、メンバーが【パワー・ステーション】と【アーケイディア】という2つのユニットに分かれそれぞれ違った色合いの作品を発表するなど、音楽的にも精神的にもバラバラな状況にありました。
一方で「A View to a Kill」はデュラン・デュランと007シリーズの作曲を手掛けるジョン・バリーによる共作となっており、メンバーによると彼との連携はそれぞれ[作曲]と[オーケストラ・アレンジ]という明確な役割分担により、非常にスムーズに進行したそうです。
…それどころか、本曲のプロデュースには外遊先であるパワー・ステーションからプロデューサーのバーナード・エドワーズを参加させ、これにより“あのエフェクト”の効いたキレのあるロック・テイストと、ジョン・バリーのスリリングなオーケストラの融合が実現、見事に“007のアクション・イメージ”を代弁するサウンドに仕上がりました。

そして、同年7月13日に催された世紀のイベント『LIVE AID』当日はまさに「A View to a Kill」がHot 100でNo.1に就いた日であり、バンドにとっては最高の気分で迎えるべきステージでしたが、この日一部のメンバーは同じ舞台でパワー・ステーションとしてもパフォーマンスを披露していることが予兆であるかのように、これを最後にアンディ・テイラーとロジャー・テイラーはバンドを去ってしまいます。
結果、「A View to a Kill」はデュラン・デュランの黄金期(第4期)を形成した5人が創作した最後のシングルとなってしまいました。

 



~Lyrics~

Meeting you, with a view to a kill
心に殺意を秘め、お前と見(まみ)える
Face to face in secret places, feel the chill
恐怖と興奮を背に、人知れず相見(まみ)える

本作の原作はイアン・フレミングの『バラと拳銃(From a View to a Kill )』という短編集で、映画では語呂が悪いとの理由から[From]を省いて『A View to a Kill 』としたそうです。
また、劇中で誰かが映画タイトルをセリフにするのがこのシリーズの恒例となっていますが、今回は飛行船から見下ろすサンフランシスコ湾の眺望をメイデイ(グレース・ジョーンズ)が“What a view!(なんて素晴らしい眺め)”と感嘆した場面、そこに透かさずゾーリン(クリストファー・ウォーケン)が“...to a kill”と付け加える形でフレーズを完成させています。

ゾーリンはこの地に人工的な大地震を起こし都市を壊滅させる計画を企てており“...to a kill”はそういう意味と考えられますが、【kill】には[うっとりさせる]というニュアンスもあるため、“大量殺戮=うっとりさせる”という彼の残虐的な内面まで匂わせる一言であるような気もします。

ちなみに、歌詞で使われている【view】も単に[眺望]といった意味ではなく“計画・目的”といった意味合いを意図していると思われ、007が敵対する女性に相対する際の複雑な心境をイメージさせます。


Night fall covers me,
夜の闇がこの身を隠そうと
but you know the plans I'm making
お前は俺の心などお見通し

『007』シリーズの魅力は何といってもジェームズ・ボンドと敵対側が繰り広げる、ハラハラするド迫力の戦い…
任務の遂行のためには、互いの生死は問いません。

一方で、“お約束の楽しみ”は美しい【ボンド・ガール】とのドキドキのラブ・シーン…
しかし名うてのプレイボーイであるジェームズの“物色”の対象は、女性であれば敵味方を問いません!
映画を見ている私たちにとっては彼の前に美女が現れたら、たとえ敵であろうと最終的に二人が“いい関係”になることは、誰もがお見通しですよね? 


Still oversea,
海の向こう
could it be the whole world opening wide
世界を股にかけた駆け引きとなるだろう

今回はシベリア(実際はアイスランドとスイス)やフランス、アメリカなどを舞台としてストーリーが展開しており、前半の目玉の一つはエッフェル塔で007とメイデイが繰り広げる追跡劇です。
そして「A View to a Kill」のPVは、このシーンに沿わせるように、デュラン・デュランのメンバーがそれぞれの役割を演じて展開します。

近未来的な装置を備えた車から映像を交信するロジャー・テイラーと、カメラマンに扮しながら情報収集するニック・ローズ。
一方、携帯型カセットプレイヤーに偽装した爆破装置を操るサイモン・ル・ボンと、展望台の望遠鏡を利用するスナイパーのジョン・テイラー、そしてアコーディオンを武器とした盲目の暗殺者アンディ・テイラー。
最後は任務を完了させ、すっかり007気取りのサイモンが、ついうっかり…!? 



~Epilogue~

…さて、1973年から1985年まで約12年間/7作もの長きに亘りジェームズ・ボンドを演じたロジャー・ムーア。
しかし1927年生まれの彼は、実は初代ボンドのショーン・コネリーより年長であり、役を受け継いだ時すでに46歳、最後の作品となった『007 美しき獲物たち』では57歳でした。
このため本作が同年の世界興行成績5位を挙げたにも拘らず、“これ以上やったら殺される”と言ってボンド役を降板したそうです(本作のボンド・ガール、タニア・ロバーツの母親より自分が年上だったことにショックを受けたという説もある)。

Duran Duran - A View To a Kill3

…そして、私が物心ついた時ボンドだったのがロジャー・ムーアであり、エレガントでユーモアがあって物腰柔らかな英国紳士という私にとっての“ジェームズ・ボンドのイメージの雛型”となったのが、彼でした。
このキャラクター像はそれ以前の概念だった[ボンド=タフでワイルドなショーン・コネリー]の殻を打ち破るために正反対の路線を目指したといわれますが、一方でそれはロジャー生来の持ち味でもあったようです。
そのことは、それぞれが決して仲の良くない007シリーズの制作者たちとも親交を築けていることや、記者への応答で“アクション映画は楽だ。覚えるセリフは少ないし、危険なシーンは代役がいる”と発言をしてもユーモアと解され問題視されることのない彼のエピソードからしても、その人柄を物語っています。

Duran Duran - A View To a Kill4

また、ロジャー・ムーアの出演作で私の大好きな映画に1981年の『キャノンボール』があり、ここで彼は“ロジャー・ムーアを自称し、怪しげな特殊装備を施したボンド・カー(アストンマーティン・DB5)を乗り回すボンド・オタクの御曹司役”を演じていますが、本物のボンドがリアルタイムでヒーローである自分のパロディーを演じるというこの気の利いた演出は、彼のキャラクターと心の広さがあって初めて実現したといえるのでしょう。

[007=万能の人]というイメージがありますが、ロジャーのボンドは必ずどこかに[完全ではない隙(⇒人間らしさ)]みたいなものがあり、それが彼独特の魅力に繋がっている気がします。
しかし彼についてそれ以上に意外なのは、ボンドが最も得意とするはずの[運動とラブ・シーンが苦手]というコト!
それさえも“ラブ・シーンは全部スタントマンが演じている”と自らジョークにするユーモア精神は、ボンドには決してなれそうもない私たち凡人の人生にも良い教訓になりそうです。
そんな彼にとっても、ガンとの闘いは苦しかったことでしょう。
長い間、本当にお疲れさまでした。
…そして、ありがとう。

Duran Duran - A View To a Kill5
Sir Roger George Moore R.I.P.



「007 美しき獲物たち」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


続きはこちら >>

スポンサーサイト

tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 映画 

comment(6) 

「ルール・ザ・ワールド」ティアーズ・フォー・フィアーズ

2017.05.19

category : Tears For Fears

Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World1 Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World2


Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World (1985年)



~Everybody Wants To Rule The World~

【rule】とは物事を執り行う上での規則であり、対象となる人すべてに公平・公正であるべきものです。
しかしソウル・オリンピック水泳の鈴木大地選手が“バサロ泳法”で金メダルを獲得したり、長野オリンピック・スキージャンプで[日の丸飛行隊]が大活躍すると、その後突然国際ルールが日本に不利な基準に変更されるなど、案外“ruleとは誰かの思惑によって移り変わる[unfair(不公平)]なもの”という一面もあります。

…そして、それはスポーツに限らず一国のruleを定めた【法律】も同様であると痛感させられます。
衆院を通過した【共謀罪(政府称;テロ等準備罪)】法案は金田勝年法相が“保安林でのキノコ狩りや、花見で地図・双眼鏡・メモ帳などを持っているとこれに抵触する可能性がある”旨の例を示すなど、国民にとってこれまでの法認識とは著しいギャップを強いられる法案であるにも拘らず、問題が解決されぬままスケジュールありきで審議が打ち切られてしまっているからです。

“Everybody Wants To Rule The World”
私たちの大切な人権を著しく奪う可能性を秘めた法律がまた一つ、生まれようとしている…。



~概要~

ティアーズ・フォー・フィアーズ(以下;TFF)は1981年にデビューしたイギリスのバンドで、ローランド・オーザバル(Roland Orzabal)とカート・スミス(Curt Smith)の2人の友人関係が礎となっています。
「Everybody Wants to Rule the World」は1984年の2ndアルバム『シャウト(Songs from the Big Chair)』の収録曲で、Billboard Hot 100では2週No.1(年間7位)に輝きました。
本曲を歌っているのは主にカートですが、作者はローランドとイアン・スタンリー(key)、プロデューサーのクリス・ヒューズで、当初の歌詞は[everybody wants to go to war]だったそうです。

日本を含め、多くの国では「Shout」が1stシングルを飾っているのに対しアメリカでは「ルール・ザ・ワールド」を持ってきているように、この曲は明確にアメリカのマーケットを意識した作品でした。
アルバム制作が大詰めに入り、残り1曲をどうするとなった時点で候補が3曲あり、その中からプロデューサーのクリスが推したのがローランドの作りかけだった「ルール・ザ・ワールド」だったそうです。
しかしローランド本人はあまり気に入ってはおらず後ろ向きだったものの(実際イギリスでは24位という成績に終わっている)、“アメリカ人はドライブ・ミュージックが好きらしい”という理由により選曲され、3日で仕上げてアルバムが完成しました。
こうした歌詞の世界観とは全く関係ない[ドライブ・ミュージック]というコンセプトはPVにも大いに反映され、本曲のアメリカでの大ヒットに一役買うこととなりました。

また、TFFの活躍した1985年は20世紀最大のライブ・イベント『LIVE AID』が発生した年であり、もちろん彼らも参加の予定があったもののツアー・メンバーの調整がつかず参加は叶いませんでした。
その埋め合わせかどうかはわかりませんが、翌86年に同じボブ・ゲルドフが発起人となったチャリティー・スポーツ・イベント『Sport Aid』ではテーマ・ソングとして本曲が採用され、TFFは「Everybody Wants To Run The World」という替え歌を提供しています。

 



~【共謀罪】とは?~

冒頭に示したように、ルールを変えることは物事の概念を一変させ得るインパクトがあり、法律が変わる(加わる)ことは世の中全体のありようを根底から変え得るものです。
しかし【共謀罪】について、何故これまで3回も廃案になるほど危険視されてきたのでしょう…
私たち国民みんなにとって今が重要な分岐点となると思うので、少し丁寧に調べてみました。


“すべての人間は、生まれながらにして自由”というのは有名な『世界人権宣言 第1条』ですが、実際に私たちの自由は社会秩序を保持するためにさまざまな[rule]によって制限されており、2017年(平成29年)2月1日現在日本国の【法令(法律+命令)】数は8,305あるそうです。

これを犯したものが[犯罪]であり、これを実行して遂げたものが[既遂](殺人罪など)、実行して遂げられなかったものが[未遂](殺人未遂罪など)の罪となります。
また、実際に犯罪そのものに着手していなくても、犯罪を計画し準備を実行した時点で検挙・処罰可能にする(例えば、殺人を行う目的で包丁を買うなど)【予備罪】が用意されているものあります。
日本には殺人、身代金目的拐取、強盗、内乱、外患、私戦、放火、通貨偽造など70以上の予備罪が既に整備されている)

今回安倍政権が提出した[共謀罪]こと【テロ等準備罪】法案(正式名称;組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)は、“(テロリズム集団を含む)組織的犯罪集団が犯罪の[予備]を実行する前段階[準備行為(資金の用意・現場の下見)]を行った時点で検挙・処罰可能にすることを目的”とし、“2人以上の者による共謀で適用”となります。
政府や法務省その新設理由に大規模テロや組織犯罪の多発、オリンピック警備を挙げており、国民に対して“国際組織犯罪防止条約(パレルモ条約)締結のためにテロ等準備罪が必要”と説明してきました。


ただし5/16の『報道ステーション』の取材によると、パレルモ条約に入るための国連の[立法ガイド]を書いた国際刑法の専門家ニコス・パッサス教授は、この条約について以下のように説明しています。

条約はマフィアなど犯罪組織の物理的(経済)利益を取り締まる目的で制定された
テロのような思想に由来する犯罪は条約の趣旨から外れているため、テロは対象犯罪から除外されている
条件を満たしていなくても条約批准は可能(そもそも国連には条約の適否を審査する機関は存在しない)
凶悪なテロに対する国連決議は既に機能しており、日本もその主要な条約13本を既に批准、法整備まで完了している
日本の現在の法体系で、オリンピックのテロ対策として対応できない点は見当たらない

法律うんぬんより、署内で8000万円盗まれるような警察であることの方が心配だなぁ…。 



~懸念される点~

テロ等準備罪法案についてはさまざまな分野から懸念や問題点が指摘されており、法律の専門組織である日本弁護士連合会も“テロ等準備罪は共謀罪です 名前を変えてもその危険性は変わりません”と、この法案に反対の立場をとっており、その理由を以下のように挙げています。

犯罪組織やテロ犯罪と無縁の犯罪も対象とされている
 (※この点について、共謀罪の取りまとめ役である自民党法務部会長・古川俊治参院議員も、この法案がテロだけが取り締まりの目的ではないことを認める発言をしている)

判断は捜査機関が行い、一般市民も対象となり得る
 (※この点についても、古川俊治参院議員が沖縄の基地反対や原発反対運動などに共謀罪を適用させる可能性があることを、同じテレビ番組で明言している。
また、盛山正仁法務副大臣“何らかの嫌疑がある段階で一般の人ではないと考える”と衆院法務委員会で答弁しています。

準備行為を対象に入れたことは、犯罪の何ら歯止めにならない

捜査は通信傍受(盗聴)の拡大につながり、監視社会を招く
(これについては5/20放送の『報道特集』で、共謀罪がまだ施行されていない現時点でさえ想像以上に市民への監視が進んでいる実態に私は衝撃を覚えましたが、これも【改正通信傍受法】による弊害でしょうか…)
岐阜県大垣市では大垣警察署が地元の行政や事業に不都合な考え(風力発電・護憲・反原発など)を持つ市民を調査し、実際に彼らがその運動に参加していない(イベントがあることさえ知らない)さえ問わず、その思想信条や学歴・病歴・最近の動向・人間関係などの個人情報を極秘で収集し、さらに事業者側と対処を計るためその個人情報を提供していたことが発覚し、市民から訴訟を起こされていた…というのです!

警察という組織が守るべき安全・安心って、何? 



~Epilogue~

“ルールを制する者は世界を制す”

法治国家であるこの国に於いて、まさに“法律こそが力の根源”です。
そして、言うまでもなく民主主義国家であるこの国の主権者は国民一人ひとりであり、“政治家や役人ら公人はその権利の代行人に過ぎません”。
しかしその代行職を家業のように何世代にも亘って受け継いできた者にとって、委ねられたその絶大な権力は“代々当家に与えられた特権”と錯覚しているかのようにも見えます。

特定秘密保護法、マイナンバー法、改正通信傍受法(盗聴法)、そして共謀罪法…
これまで安倍氏は“自分たちの権利の取り分”を増やそうと、実に精力的に国民から権利を奪う法律の数々を成立させてきました。
[マイナンバー法]で資産~病歴まで高度な個人情報を統合し、[盗聴法][共謀罪法]でこれまで非合法だったやり方で個人の思想信条や人間関係までも簡単に盗み出すことを可能とする一方で、[特定秘密保護法]で国民の知る権利を奪い政府や国に不都合な真実を隠ぺい。
強大な権力の“おこぼれ”にすり寄る“お友だち”が列をなし、権力を畏怖する小心者は“忖度”によって保身を図り、そうして富と権力が自分に集中するルール作り…。


治安か、人権か…
国民にとってはその何れも大事なものであり、それだけの対比なら十分論議に値するテーマです。
しかしルールを取り決める“安倍氏とその周辺に纏わる人々”の言動をみていると、その職務が純粋に国民のため公正に執り行われているのか疑念を抱かずにはいられません。

安倍首相夫人と親しい関係にあった森友学園が、異例の8億円値引きで国有地が払い下げられた問題。
このとき格安で国有地売却した責任者(財務省理財局長)は、実は安倍氏と同郷の官僚で、土地取引の直前、異例なほど頻繁に官邸に出入りしていたといわれます。

最大96億円の助成がなされるという、安倍首相の“腹心の友”が理事長を務める学校法人[加計学園]問題。
52年間に亘って認可が下りなかった獣医学部の新設が首相自らが座長を務める国家戦略特区によって“異例の経過”で承認され、ここでも“総理のご意向”という名フレーズを生みました。

しかしこの頃となると、どんなに閣僚スキャンダルや致命的な不祥事を連発しようと“神がかり的に内閣支持率は下がることもなく”、共謀罪審議を中継しないNHKをはじめメディアの報道も政権問題にはシラケ気味となりました。
奇しくも、森友に国有地売却した安倍首相と同郷の財務官僚が2016年6月に“国税庁長官”に就任していることは、ただの偶然?
 オレ様に手を出すと、腹を空かせた“番犬”がオマエの稼ぎを骨までしゃぶりに行くからな!) 

そして、最近『週刊新潮』がスクープした“準強姦事件・逮捕状もみ消し疑惑”
“その男”は元民放テレビ局記者で、安倍氏とは一緒に靖国神社に参拝するなど親しい間柄であり、事件発覚までメディアにも出て安倍氏擁護の論調に勤しんでいました。
2015年に女性への準強姦罪容疑を起こし逮捕状が出されたものの(警視庁案件)、“菅義偉官房長官の秘書官を務めた経歴のある警視庁刑事部長(当時)の決裁で逮捕は取り消された”といわれています。

…別に、悪口のために列挙したわけではありません。
もしもこれらが事実だったとしたら“公の最高権力者はどれだけ私のために権力を行使しているか”ということであり、最高公人なのだから“証拠はない、悪魔の証明はできない”と蓋をするのではなく、どうか自ら率先して主権者に対し納得ゆくまで説明してください。
特に最後の、準強姦罪容疑について一旦逮捕状が出されたにも拘わらず、政権の意のままにそれを取り下げる警察組織…
彼らが共謀罪の巨大な権力を扱う未来を想像すると、ゾッとします。
(逆に、余りに強大な権力を握った警察が暴走し、弱みを握られた政権が操られるという説もある)


Turn your back on mother nature
たとえ母なる自然に背いても
Everybody wants to rule the world
人は、誰もが世界を我がものとしたい

共謀罪に纏わる不公正は、これだけではありません。
安倍政権は一般国民に著しい人権侵害を強いる法律を押し付けるにも拘らず、彼ら政治家に関する『公職選挙法』『政治資金規正法』などを共謀罪の適用対象から外しているそうです。
つまり政治家とその関係者が組織的に選挙違反を計画し、政治資金規正法に触れることを共謀しても、彼らだけは問答無用で捜査もされなければ、処罰の対象にもならないのです。

あなたは、共謀罪の正義を信じますか?



「ルール・ザ・ワールド」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


続きはこちら >>

tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

comment(14) 

「ウォーキング・オン・サンシャイン」カトリーナ&ザ・ウェイヴス

2017.05.12

category : 1980年代

Katrina The Waves - Walking On Sunshine1 Katrina The Waves - Walking On Sunshine2


Katrina & The Waves - Walking On Sunshine (1985年)



~心に輝く一つの太陽~

カトリーナ&ザ・ウェイヴスとかいわれて耳慣れない方も多いかもしれませんが、曲名やバンド名は知らなくても歌を聴けば思い出せることって、よくあるでしょう?

実は「ウォーキング・オン・サンシャイン」は、『ザ・一発屋 2リターンズ われらが青春の日々』という企画盤CDにも収録されていた作品。
“一発屋”というカテゴリに入れられていることについて不本意に思われる方もおられるでしょうが、時代の流れと共にいずれ褪せゆく宿命にある流行文化の中に於いて、たとえ一つでも人々の心にインパクトを与えることができたというのは、考えてみればとても名誉なことです。

この時代に流行した幾つかの文化を思い出しながら、お楽しみください…。



~概要~

「ウォーキング・オン・サンシャイン」を歌っているカトリーナ・レスカニックはアメリカ人ですがお父さんの仕事の関係で1976年頃からイングランドに移住、程なくボーイフレンドのヴィンス・デ・ラ・クルーズらとバンド活動(Mama's Cookin')を始めます。
1981年頃ドラムスのアレックス・クーパーが過去に所属していた【The Waves】の中心人物だったキンバリー・リューを勧誘し、その後バンド名も【Katrina & The Waves】となりました。

1983年、彼らはLPを制作しレコード会社に売り込むも、契約してくれたのは大西洋を越えたカナダのマイナー・レーベルAttic Recordsだけでした。
同年カナダで発売されたこのデビュー・アルバムは『Walking on Sunshine』といい、タイトルからわかるように実は「ウォーキング・オン・サンシャイン」はこの時初めて発表された作品です。
(このアルバムにはバングルスが1984年にカバーすることになる「Going Down to Liverpool」も収録)

更にもう1作キャリアを重ね1985年、ついにアメリカ大手キャピトル・レコードと契約、カナダ時代の2枚のアルバムから10曲を選曲しリミックスしたのがアルバム『Katrina and the Waves』でした。
もちろん「Walking on Sunshine」もこれに収録されましたが、この時点で「Going Down to Liverpool」と共に新しくレコーディングし直され、本曲は1stシングルとしてリリース、Billboard Hot 100で9位(年間75位)と大ヒットを記録しています。

しかし日本の多くの方が知る彼らの活躍は恐らくここではなく、1987年に“あの映画”の挿入曲として起用されたことではなかったでしょうか?
その映画とは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で当時世界のアイドルとなっていたマイケル・J・フォックス主演のコメディー映画『摩天楼はバラ色に(The Secret of my Success)』です。
このサウンドトラックにはナイト・レンジャー(主題歌「The Secret Of My Success」)やパット・ベネター、バナナラマなど錚々たる顔ぶれが揃っているにも拘らず、恐らく多くの人にとって最も印象的に残っている曲は「Walking on Sunshine」だったかもしれません。
(但し、本曲は『摩天楼はバラ色に』のオリジナル・サウンドトラックには収録されていない)

 



~Lyrics~

I used to think maybe you loved me,
あなたは私を好きかも…って思っていたけれど
now, baby, I'm sure
今じゃ、確信してる

『摩天楼はバラ色に』の主人公ブラントリー(マイケル・J・フォックス)は就職に困って遠い親戚のおじさんが社長を務める会社のメール・ボーイとして採用されますがある日、社内で絶世の美女クリスティ(ヘレン・スレイター)と出逢い一目惚れしてしまいます。
ブラントリーは何とか彼女とお近づきになろうとするも、何せ自分はブルーカラーの下っ端、相手は会社の重役で洟(はな)もひっかけてもらえません。
そんな彼にとっての、“起死回生”とは…? 




And I just can't wait till the day
…だからその日を待ちきれなかったの
when you knock on my door
あなたがこの扉をノックしてくれるまで

一方“待ちきれなかった”のは、美しさを持て余し気味の社長夫人。
ブラントリーが彼女の運転手に配置されると彼を気に入り、熱烈にアタック!
…あれっ、でもこの二人の関係って…!? 




I feel alive, I feel the love,
生きてる…愛してるって実感する
I feel the love that's really real
本物の愛を

「Walking on Sunshine」は、劇中ではブラントリーが社内で“二足のわらじ”を履き替え走り出した場面で使われています。
一方“私生活”でも“二刀流”が形成され始めるなど、戦士に昼も夜も休息の暇などありません。
“The Secret of My Success”は、こうした彼の弛みない努力が実を結んだ成果だったというワケです…。

…ホンマかいな? 





~Epilogue~

映画『摩天楼はバラ色に』は、大都会での成功を夢みる一人の青年が“裸一貫”から大成功を手にするサクセス・ストーリー。
その秘訣について、主題歌「The Secret of My Success」は次のように語っています。

The secret of my success is I'm living 25 hours a day
成功の秘密は、“1日に25時間生きること”

どこかで聞いたようなフレーズですが“努力”を代弁したある意味ベタな回答で、実際劇中の主人公が公私に亘って“二刀流”を繰り広げるさまは、まさに歌のとおりです。


一方、「Walking on Sunshine」の主人公は“自分は愛されている”という確信によって、心が躍っているような印象を受けます。
しかしそれに反してPVに描かれる空は“曇天”で、一人半袖で笑顔を振りまきロンドンの街を闊歩するカトリーナ以外のメンバーは厚ぼったいコートの襟を立てて、何だか寒そうです。
(それにしても、カトリーナの“アメカジ+【CONVERSE】”ファッションに心が躍る方も多いのでは? 

この点はよく指摘されるギャップですが、現実のお天気には曇りや雨、雪の日もあれば嵐の日もあります。
雨の日もあるからこそ、“人智”の大切さがあるような気がします。


Now I'm walking on sunshine, whoa
今、お陽さまの光を浴びて歩いてる...
And don't it feel good
それって、ステキじゃない?

空に輝く太陽は、お天気次第
“心の中のSunshine”は、あなた次第



「ウォーキング・オン・サンシャイン」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


続きはこちら >>

tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 映画 

comment(12) 

「イン・ザ・モーニング」ビー・ジーズ

2017.05.05

category : Bee Gees

Bee Gees - In The Morning1 Bee Gees - In The Morning2


Bee Gees - In The Morning (1971年)



~「Morning Of My Life」をいつまでも~

5月は、私の大好きな月。
暑くもなく寒くもなく、若葉が溢れ風が爽やかで、空にはそよそよ鯉のぼり…
でもそんなやさしい季節が巡ってくると、必ず心に浮かんでくる映画があります。

…それにしても前回のピンク・フロイドのブキミな映像を創った同じ人が、この映画の脚本を書いたなんて信じられないでしょ?
まぁ、その2つを続けて取り上げる本ブログも相当“ツンデレ”ですが…? 



~概要~

「イン・ザ・モーニング」は1971年公開の映画『小さな恋のメロディ(Melody/S.W.A.L.K)』の挿入曲として有名ですが、実は日本でよく知られるこのバージョンがオリジナルではありません。
元々は1965年にバリー・ギブが書き、翌66年ビー・ジーズの『Spicks and Specks』のセッションで演奏されたのが最初の録音で、この音源は4年後(1970年)の編集盤『Inception / Nostalgia』に収められるまで未発表のままでした。

そのため最初のレコード化はビー・ジーズによってではなく1967年6月にRonnie Burnsという人によってなされ、同年Esther and Abi Ofarimもドイツでヒットさせたほか、68年にはニーナ・シモンもジャズ・アレンジでカバーするなど複数の歌手によって歌われました。

その後1969~1970年中頃のビー・ジーズは分裂状態で、心機一転再起を目指し3兄弟が集結した1970年9月30日のセッションで「In The Morning」は再レコーディングされています。
そしてこの時の音源が『小さな恋のメロディ』のサウンドトラックに収録され、本曲のもつ静かなテイストは朝焼けを背景に映画のイントロダクションとして印象的な演出効果を果たしました。
残念ながら映画自体は欧米でヒットしなかったため、この映画に起用されたビー・ジーズの珠玉の楽曲の数々が脚光を浴びることはありませんでしたが日本は例外で映画もアルバムも大ヒット、「In The Morning」もシングルとしてオリコン36位を記録しています。


 
 



~Lyrics~

In the morning when the moon is at its rest,
朝、お月さまがおやすみする頃
You will find me at the time I love the best
僕の一番好きなこの時、二人は出逢う

2行目の【find】は、1966年の最初の録音では【see】だったのが改められたものです。
2番の同じラインに揃えたのか…でも、【find】だからこそ“見つける⇒出逢う”ニュアンスが強まった気がします。

スクリーンでの二人の出逢いは、ダニエルが覗いた女の子たちのバレエのレッスンの中にいたメロディに一目惚れしたことでした。
このシーンのメロディの女性としての美しさ、ダニエルが恋に落ちる瞬間に見せる大人の表情、そんな親友の表情から彼が彼女に夢中となり自分が取り残される不安を抱いたオーンショー…
短いシーンの中で、3人の表情の移ろいが印象的です。

Bee Gees - In The Morning3


In the daytime I will meet you as before.
お昼は君と会おう…昔みたいに
You will find me waiting by the ocean floor,
海の底で待ち合わせして

素朴なギモン…
何で、わざわざ[海の底]で会うの? 

 ダニエル、待った?
 メロディ…ここなら、誰も二人の邪魔はできないね
 それじゃあダニエル、ご飯にする? お風呂にする? …それとも、“寝る?”

 …コぉラぁ~! 二人がそんなハシタナイ会話するかぁ~っ!!
(※もちろん、劇中にこんな会話はありません)



Another day to swing on clothes lines
また別の日は、物干し綱でブランコしよう
May I be yawning
あくびなんかして…

月へとデートしたり、一緒にブランコしたり…
3番の歌詞がとてもステキです。
でもどんなに楽しいからって、夜遊びが過ぎてはいけませんよ?

もう一刻も離れていたくない二人は、遂に学校をサボって海岸と遊園地にデートに出掛けてしまいます。
“子どもは遊びを通して成長する”といいますが、この“「二人だけのデート」から持ち帰ったもの”は大人の想像をはるかに超える答えでした…。

Bee Gees - In The Morning4



~Epilogue~

In The Morning...
この作品は“朝”をテーマとしていますが、あなたは朝がお好きですか?

“1日のうちで好きな時間帯”を問うあるアンケートによると1位は深夜(43%)/2位が晩(23%)と夜の時間帯が全体の66%を占めるなど圧倒的に多く、4位・明け方(7%)/5位午前中(6%)/10位・朝(1%)と朝の時間帯は14%と少数派です。

確かに早朝は空気がきれいで静かですが、多くの人が活動を始める頃は準備や通勤など一日のうちで最も慌ただしい時間帯で、満員電車に押し込められるのは誰にとってもストレスになります。
本ブログでは過去に「マニック・マンデー」を取り上げましたが、やはり週(仕事)の始まりである月曜は不人気で、静から動へ転じなければならない朝が【manic(躁病の)】扱いされてしまうのは宿命といえるのでしょう。

でもそれだけに、朝が好きな人は朝の魅力を堪能できる早朝に起床する習慣を身につけている人であり、それを維持できるということは時間や気持ちのコントロールも上手で、人の意見に流されずダラダラ長い時間を仕事に費やさない“デキる人”のイメージがありますが…ちょっとホメ過ぎ? 


tis the morning of my life
それは、人生のはじまり

日本で「In The Morning」というタイトルで知られるこの曲は、欧米では1971年のバージョンが「Morning Of My Life」と呼ばれています。
【the morning】は朝以外にも“初め(初期)”の意味があり、【the morning of life】だと“人生の夜明け,青春時代”という意味合いにもなります。
「In The Morning」は【the morning】【the daytime(昼間)】【the evning(晩)】という三部構成となっており、【the morning=青春時代】と解釈すると、それぞれ意味する年代も浮かび上がってくるはずです。

映画『小さな恋のメロディ』は11歳の少年少女が展開する伝説的な純愛物語として有名ですが、一方で墓地での初デートで“50年夫婦として連れ添うこと”について言及するなど、単なるおままごとの恋愛にはない長い人生を想定した大人びた一面もみられます。
(もっとも、現実的なのはいつもメロディであり、ダニエルは思いついたらすぐ実行せずにはいられないタイプ)
大人は子どもを“大人の未熟形”と見なし一段劣った存在と考えがちですが、それは間違いなのです。

子どもたちが遊びの中で見せるあの笑顔…
“心の中にある、大人が忘れてしまった大切なもの”を、甦らせよう 

Another day to swing on clothes lines
また別の日は、物干し綱でブランコしよう
In the morning
“あの頃”に戻って...



「イン・ザ・モーニング」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


続きはこちら >>

tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 映画 

comment(12) 

プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf
ジャンルを問わず、音楽が大好き♪
初めての方でも楽しんで頂けるブログを目指しています…。



この人とブロともになる

Beat Wolf 関連サイト
☆姉妹ブログ
『I Will』

☆YouTubeチャンネル
BeatWolf ~♯洋楽Lyric&和訳♪

管理画面
参加ランキング
最新記事

全タイトルを表示
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.

FC2Ad