I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「フォー・ノー・ワン」ビートルズ

2014.05.19

category : Beatles & Solo

Beatles - For No one1 Beatles - For No one2


The Beatles - For No one (1966年)


~日本公演は全中止、ポールの回復を祈る~

ポール・マッカートニーの『OUT THERE JAPAN TOUR 2014』の全公演が、中止となってしまいました。
15日夕方に来日、翌16日にリハーサルが入っていたものの体調不良を訴え欠席、“ウイルス性炎症”と診断されたためです。
ウイルス性炎症とはウイルス感染に起因する病の総称で、一部報道によるとウイルス性腸炎のような症状が見られ腹部などに違和感があったといわれます。
主催者によると病状は重篤ではなく“3時間のライブができるだけの声が出ない状態”だそうで、そういう意味では一安心といったところでしょうか…。

この事態に対しポールは“早期再来日公演を強く希望”しているそうで、主催者と検討を続けているそうです。
ただ、今回の日本公演の主目的であった“国立競技場の最後を飾る”大役を果たすためには解体工事が始まる7月までに実行される必要があり、ツアーの日程から考えると28日の韓国公演~6月14日から始まるアメリカ・ツアーまでの間しかないでしょう。
もちろん全てはポールの健康が回復しての想定であり、今回日本公演中止が決まった以上ちゃんと入院し治療に専念して欲しいと思います。
何よりポールが元気でいてくれさえすれば、チャンスはまた訪れるのですから…。



~概要~

「フォー・ノー・ワン」は1966年8月5日発売のビートルズ7作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『リボルバー(Revolver)』の収録曲です。
シングル曲ではないので個別のチャート指標はありませんが、ローリングストーン誌が選んだ『100 Greatest Beatles Song』では40位と好位置に付けています(ちなみに41位は「ゲット・バック」)。

作者/ヴォーカル共にポールによる作品で、1966年の初めごろ恋人のジェーン・アッシャーとスイスにスキー・バカンスを楽しんだ際バスルームで生まれたそうです。
当時ビートルズはまだライブはやっていたものの1965年は45回のみで、プロモーションもわざわざ自分達が世界のテレビ局を回らずビデオに任せることを覚えた(プロモーション・ビデオは、こうして生まれた)ことで、メンバー各自プライベートな時間が増えた時期でした。
レコーディング機材も著しい発展を遂げ、メンバーが揃わなくても各自“録り置き”できるようになったためバンドとしての互いの存在意義が薄れていったのもこの時期といえるでしょう。

「フォー・ノー・ワン」はそうした象徴的な作品の一つで、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンは演奏に参加していません(ただし、ジョンは“ポール作品でもお気に入りの一つ”と評している)。
ヴォーカル/ギター/ベース/ピアノをポール、ドラムス/マラカス/タンバリンをリンゴ・スターが担当し、印象的な“フレンチ・ホルン”にはアラン・シヴィルが起用されました。
バロック調を感じさせるのは“クラヴィコード(鍵盤楽器の一種)”で、これもポールが演奏しています。
『リボルバー』は革新的なレコーディングが試みられたアルバムですが、素朴と思えるこの作品でも実はポールのヴォーカルには手が加えられていて、テープ速度を若干遅くして録音されました。


残念ながらこの曲はビートルズのライブで演奏されたことはありませんが、その後ポールがソロで何度か取り上げています。
まず代表的なのは1984年のポール主演映画『ヤァ!ブロード・ストリート』のセルフ・カバーで、ここではストリングスをアレンジしてメロディーの美しさを引き立たせ、オリジナルと甲乙つけ難い完成度といえるでしょう。

 映画『ヤァ!ブロード・ストリート』より


また、近年もライブで披露されています♪



さらに、今回発見した中にはポールがスタジオでギター1本で歌う映像もありました。



~Lyrics~

Your day breaks, your mind aches
夜が明け、君の心は疼き始め
You find that all her words of kindness linger on
あの娘の優しい言葉を、求め煩(わずら)う

冒頭のフレーズ。
“You”は“She”と別れてからも、彼女のことが忘れられません。
“ kindness”ですから、“ラブラブ”な言葉ではなく日常の何気ない“思いやり”を思い返しているのでしょう。
せつないストーリーの予感…?


She wakes up, she makes up
彼女は目を覚まし、化粧をする
She takes her time and doesn't feel she has to hurry
時間をかけ、急き立てられることもなく

同じ別れの当事者なのに、“She”はごく普通の朝を迎えているのが対照的です。
オフコースの歌に“愛のない毎日は自由な毎日”というフレーズがありますが、彼女はまさにその呪縛から解き放たれ生き生きしているように思えます。
別れた後に限らず時間やお金を得ると、女性は貯蓄や自分磨きという未来に備え、男性は酒やギャンブルなど“その時限り”に浪費してしまう…
…そんなイメージは、偏見? 


You want her, you need her
君は彼女を求め、必要としている
And yet you don't believe her when she says her love is dead
“愛は終わった”という彼女の言葉を信じることなく

こういう状況の場合、“ソッポ向かれた方”は何処に気持ちを向ければ良いのでしょう?
彼の場合、彼女の言葉を全く聞き入れることができずちょっと心配…。
でもこの歌のように、傍で優しく見守ってくれる友人がいると心強いですね。



~Epilogue~

実は、この作品のタイトルは当初「Why did it Die(何故それは死んだのか)」でした。

この頃のポールは「フール・オン・ザ・ヒル」にも見られるように、哲学っぽい詩の世界に挑んでいたのでしょう…。
私は“ it=love”と解釈していて、「Why did it Die」だと“謎かけ”し過ぎて解ってもらえないし、あからさまに“love”を使うと安っぽいので「For No one」にしたのかもしれません。
言葉単独としては「For No one(誰のためでもなく)」の方が格段に美しいのですが、主題としては「Why did it Die」の方が作者の想いをより反映していると思います。

すなわち「Why did it Die」を、“サビの最後の一行A love that should have lasted yearsに対する問い”と捉えて二つを添えてみると…

A love that should have lasted years
何年と続いたはずの愛
Why did it Die
何故それは死んだのか

この“幻のタイトル”を頭に置いて作品に触れると、また違った世界が見えてきませんか?
“その答え”については、みなさんがそれぞれ妄想してくださいネ♪ 


早く元気になってね、ポール… 


「フォー・ノー・ワン」

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Lennon–McCartney /訳:Beat Wolf

~Lyricsはこちら~


夜が明け、君の心は疼き始め
あの娘の優しい言葉を、求め煩(わずら)う
もはや、彼女は君を必要としていないのに…

彼女は目を覚まし、化粧をする
時間をかけ、急き立てられることもなく
もはや、君を必要とすることもない…


そして、彼女の瞳の中に君は映っていない
あの涙の後ろには、愛の欠片ひとつ残っていない
泣いたりしない
“何年と続いたはずの愛”などと…

君は彼女を求め、必要としている
“愛は終わった”という彼女の言葉を信じることなく
まだ、自分が必要とされていると思ってる



君は家に留まり、彼女は出て行く
彼女は言う、“ずっと昔知っていた誰かは、もういない
必要としていない”と…

夜が明け、君の心は疼き始め
やがて、あの娘の言葉で頭がいっぱいになる
彼女を忘れることもならず…




最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 洋楽 和訳  訳詞 Lyrics 

コメント

ポールの日本公演中止は残念ですね。

2014.05.20  わんわんわん  編集

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2014.05.21    編集

わんわんわんさん

ポール自身も、残念だったと思います。

2014.05.21  Beat Wolf  編集

匿名さま…

韓国公園も中止となり、ホントに心配になってきました。
ちゃんと入院してるのだろうか…。
私はそう容易く行けない環境にあるので、悔しいです…。

2014.05.21  Beat Wolf  編集

天才

ポール・マッカートニーは300年にひとりの天才。
現代のモーツァルトだと思っています。
生きているうちに、また日本に来てほしいですよね。

2014.05.22  つかりこ  編集

Re: 天才

いろんな楽器もこなせるし、音楽に関しては
まさに「天賦」を感じます。

正直、喉の衰えは隠せないので
今回のチャンス(代替)を逃すと、難しくなるかもしれませんね…。

2014.05.23  Beat Wolf  編集

素敵な曲ですね。
男と女の違いを感じられる詩。

ポールに国立競技場の最後飾って欲しいですね☆
無理は禁物ですが、ある意味奇跡的に回復して欲しい。

2014.05.24  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

やっぱり男女の違いですか…。
でも、ポール自身はこの女性のようなタイプかも?

韓国も中止になっちゃいましたからね…。
日本でやるとなると、韓国でもやらなきゃならないでしょうね…。

2014.05.25  Beat Wolf  編集

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