I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」バンド・エイド/30

2014.11.21

category : Christmas

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Band Aid/30 - Do They Know It's Christmas?(1984/2014)



~Do They Know It's Christmas?~

西アフリカで流行しているエボラ出血熱救済のため、イギリスやアイルランド及びアフリカ出身のスター・ミュージシャンが集結したチャリティー・プロジェクト“バンド・エイド 30”による「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」が、11月17日にリリースされました。
その顔触れは、今を時めくワン・ダイレクションやエド・シーラン、エリー・ゴールディングに1990年代に一時代を築いたシールやシネイド(シンニード)・オコナー、世界的ロック・バンドからクイーンのロジャー・テイラーやU2のボノ、コールドプレイのクリス・マーティンほかが参加しています(動画・歌詞は記事の最後)。

既にリリースされているダウンロード配信版は“5分で100万ポンド(約1億8,000万円)”の寄付金を集め、発売2日足らずで20万6,000コピー(UKのみ)を記録、これは今年UKで最も早いセールス・ペースだそうです。
CDは12月8日から発売され、その収益は全てエボラ出血熱救済に充てられることになっています。



~“Band Aid”の発生~

1984年10月、ブームタウン・ラッツ(The Boomtown Rats)のボブ・ゲルドフが東アフリカのエチオピアで発生した飢餓を伝えるBBCの報道を見て、支援を思い立ちます。
その後ウルトラヴォックス(Ultravox)のミッジ・ユーロと具体的な構想を練り上げ、チャリティ・シングル「Do They Know It's Christmas?」を作詞;ボブ/作曲;ミッジで書き上げ、そのユニット名を(絆創膏と引っ掛けて?)“Band Aid”と定めました。

11月25日、“第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン”と呼ばれアメリカを席巻していたイギリスやアイルランドのロック/ポップ・スターらがスタジオに集まってレコーディングを行い、歌詞に併記(別項)したリード・ヴォーカル以外にもバナナラマやフィル・コリンズらがバックを務め、たまたまロンドンに滞在していたアメリカ人のジョディ・ワトリーとクール&ザ・ギャングもコーラスに参加しています。
この日の模様はメディアで大々的に取り上げられ、チャリティ・イベントの宣布に大いに貢献しました。

 当時のドキュメンタリー映像

12月3日、「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」は早くもリリースされ全英5週No.1に君臨する大ヒットとなり、イギリス国内だけで370万枚のセールスを記録しました。
この数字はそれまでのウイングス「夢の旅人」の250万枚を大きく上回るイギリス歴代記録更新で、1997年にエルトン・ジョンの「キャンドル・イン・ザ・ウインド」に抜かれるまで王座を保持し続けました。

Billboard Hot 100では何故か最高13位止まりだったもののアメリカでも190万枚のセールスを記録、翌年のボブ・ゲルドフ自身の新たなプロジェクト“LIVE AID”と合わせると全世界で1億5000万ドルの収益を挙げたといわれます。
バンド・エイドの大きな成功は1985年の“USA for Africa”を始動させ音楽界にAIDブームを巻き起こしただけでなく、こうしたミュージシャンが集結し社会に訴える活動は人種差別問題や自然環境保護といった多岐の目的へも波及することにもなりました。

 Live Aid 7/13/1985



~“Band Aid”のその後~

Band Aid II

1989年にはユーロビート・ブームの中心人物“ストック・エイトキン・ウォーターマン(SAW)”プロデュースよる“バンド・エイドII”が発足。
メンバーはバナナラマ、カイリー・ミノーグ、クリフ・リチャード、クリス・レア、ジェイソン・ドノヴァンほか

 Band Aid II


Band Aid 20

2004年版の特徴は“あの大スター”がベースを弾いていることと“コノ人”が20年ぶりに復帰して“あのフレーズ”を歌っていること、ラップが取り入れられたこと♪
メンバーはクリス・マーティン(コールドプレイ)、ロビー・ウィリアムズ、ポール・マッカートニー、ボノほか。

 Band Aid 20



~Lyrics~

Do They Know It's Christmas?(1984) ~Lyricsはこちら~ (2014年版は別項参照)

Writer(s):Bob Geldof, Midge Ure /訳:Beat Wolf

クリスマスの季節がやってきた…
だから、怖がらなくていいんだよ
クリスマスには…
光を招き入れ、影を追い払おう〈Paul Young〉

僕らの世界の豊かさならば
喜びの笑顔を、より多くの人々に拡げることができる
君のその腕で、世界を包もうよ
クリスマスに…〈Boy George(Culture Club)〉

祈りを捧げよう…
人々のため
だけどクリスマスに…〈George Michael(Wham!)〉
楽しいひと時を過ごす君にとって、想像するのは難しいかもしれない
その窓の外に〈Simon Le Bon(Duran Duran)〉
不安と恐怖の世界が存在するなんて〈Simon/Sting(The Police)〉
流れる水といえば
棘の痛みの涙だけという地のことなんて〈Sting/Tony Hadley(Spandau Ballet)〉
そして、クリスマスの鐘の音は鳴り響く
哀しい運命の終幕を告げるかのように〈Sting/Bono〉
だから今夜…神に感謝しよう、その運命が君でなく彼らであったことを!〈Bono〉

〈Paul Weller (The Style Council)/Sting/Boy George...Others〉
今年のクリスマス…アフリカに雪は降らないだろう
彼らにとって最高の贈りもの…それは、今この瞬間を生きる命
草木も育たず
雨や川が潤すことのない、その地に於いて
彼らは、クリスマスどころではないだろう…

君と…〈Marilyn/Glenn Gregory(Heaven 17)〉
すべての人々に、乾杯しよう〈Paul Young〉
そして、彼ら…〈Marilyn/Glenn〉
灼熱の太陽の下に生きる〈Paul〉
クリスマスどころではない彼らに、恵みあらんことを…〈Paul/Others〉

〈Chorus〉
世界に食糧を…
クリスマスの喜びを、彼らに届けよう
世界に食糧を…
クリスマスの喜びを、彼らに届けよう
世界に食糧を…
クリスマスの喜びを、彼らに届けよう




~Epilogue~

オリジナルの1984年版と2014年版では歌詞も異なっているので、ここで一部比較してみましょう。

Well tonight thank God it's them instead of you(1984)
だから今夜…神に感謝しよう、その運命が君でなく彼らであったことを!

Well tonight we’re reaching out and touching you(2014)
だから今夜…僕らは救いの手を差し伸べ、その想いを君に伝えているんだ

1984年版でボノが叫ぶ有名なフレーズで、ロックらしい痛烈な皮肉が込められています。
ボブ・ゲルドフが書いたものですが、当初そのあまりの皮肉さに作曲者のミッジ・ユーロには反対されたそうです。
しかし“うわべだけの言葉ではなく、本音を伝えたい”というボブの強い意志によりそのまま残されました。

オリジナルは“飢え死にしてる人がいる傍らで、オマエらよく平気でご馳走なんて食ってられるな!?”と挑発的なのに対し、2014年版はかなり穏便になったような…。
30年も転がっているとカドも取れるというトコロでしょうが、“ちょっと寂しさ”を覚える方もあるのでは? 


Oh, where nothing ever grows, no rain or rivers flow(1984)
草木も育たず
雨や川が潤すことのない、その地に於いて


Where to comfort is to fear, where to touch is to be scared(2014)
慰めることを恐れ
触れることに怯える、その地に於いて


今回、ボブ・ゲルドフは“死に際の子どもたちを母親が慰めてやれない。恋人同士でも抱きしめ合えない。妻が夫の手を握ることも許されない。”と、エボラ出血熱に対するコメントを伝えています。
エボラ出血熱は現時点で人体間における空気感染は認められていないものの直接的接触は感染リスクがあり、家族と言えど患者との接触は許されません。
でも、私も患者の写真を見ましたが“出血熱”といわれる症状があまりに凄惨で、家族のあの姿と苦しみを和らげる術を持たずただ目の前でそれを見守るのも地獄…。


人類に限らず、“飢餓と疫病(伝染病)”はすべての生物にとって発祥からの宿命。
ヒトが進化すれば“彼ら”も生き残りを懸けてそれに適応するし、食糧供給が伴わず世界人口が増えると餓死者も必然的に増加します。
バンド・エイドが対峙したエチオピアの飢饉(1972~1974/1984~1985)では約100万人が餓死したといわれますが、“現在世界で飢餓に苦しむ人は10億人、うち餓死者は1年に1500万人以上”という推計もあるようです。
もちろん目先の支援は不可欠ですが、とても“善意”だけで賄える現実ではありません。
私たちは、いろんな意味で根本から考え直すべき時期に来ているのではないでしょうか?
人類、みんなで…。 



「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」(1984)

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね。


Do They Know It's Christmas?(2014) ~Lyricsはこちら~


Writer(s): Bob Geldof, Midge Ure /訳:Beat Wolf

クリスマスの季節がやってきた…
だから、怖がらなくていいんだよ〈One Direction〉
クリスマスには…
光を招き入れ、影を追い払おう〈Ed Sheeran〉
私たちの世界の豊かさならば
喜びの笑顔を、より多くの人々に拡げることができる〈Rita Ora〉
君のその腕で、世界を包もうよ
クリスマスに…〈Sam Smith〉

祈りを捧げましょう…
人々のため〈Paloma Faith〉
だけどクリスマスに…
楽しいひと時を過ごすあなたにとって、想像するのは難しいかもしれない〈Emeli Sandé〉
その窓の外に
不安と恐怖の世界が存在するなんて〈Guy Garvey〉
愛のキスが大切な人の生命を奪い〈Dan Smith〉
涙の果てに、死が訪れるなんて〈Angélique Kidjo〉
そして、クリスマスの鐘の音は鳴り響く
哀しい運命の終幕を告げるかのように〈Chris Martin〉
だから今夜…僕らは救いの手を差し伸べ、その想いを君に伝えているんだ〈Bono〉

今年のクリスマス…西アフリカに平和も喜びもなく〈Seal〉
彼らが抱く唯一の望み…それは、生きていること〈Ellie Goulding〉
慰めることを恐れ
触れることに怯える、その地に於いて〈Sinead O'Connor〉
どうして、彼らがクリスマスの喜びを知り得ようか〈Bono〉

君と…〈One Direction〉
すべての人々に、乾杯しよう〈Olly Murs〉
そして、彼らすべての…〈Bastille〉
来たるべき幾年に、乾杯〈Sam Smith〉
クリスマスの喜びを、彼らに届けよう〈Rita Ora〉

〈Chorus〉
世界に食糧を…
クリスマスの喜びを、彼らに届けよう
世界の出来事に関心を…
クリスマスの喜びを、彼らに届けよう
世界に癒しを…
クリスマスの喜びを、彼らに届けよう


「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」(2014)

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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