I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「カム・トゥゲザー」ビートルズ

2014.12.05

category : Beatles & Solo

The Beatles - Come Together1 Beatles - Something1


The Beatles - Come Together (1969年)



~ジョン・レノンの魅力…それは、“nonsense”~

毎年12月になると振り返らずにはいられない、ジョン・レノンの死。
前回はポール・マッカートニーによるナンセンス作家を題材にした「ペイパーバック・ライター」(過去ログ)でしたが、やっぱり“ビートルズのナンセンス作家”というとジョンを措(お)いて他にありません!

nonsense】とは有意味・無意味を問わず、常識・約束事・論理の類を無視し組み合わせることで生まれる創造のことであり、ある意味芸術とはそういうものなのでしょう。
“一見、意味を成さないでも、実は意味が隠されていることで成立する文化”なので、本日はみなさんもそのお心積もりで ♪


~概要~

「カム・トゥゲザー」は1969年10月31日(アメリカは10月6日)にリリースされたビートルズ21枚目のオリジナル・シングル(「サムシング」との両A面シングル)で、NME(ニュー・ミュージカル・エクスプレス)で5位/MM(メロディ・メーカー)で4位を記録しました。
US Billboard Hot 100では“「カム・トゥゲザー」単独”として2位(キャッシュボックス誌では3週連続No.1)を記録し、途中でチャート集計方法の変更(詳細は「サムシング」(過去ログ)参照)により「サムシング」と合算され「カム・トゥゲザー/サムシング」として1週No.1(年間4位)に輝きました。
また、2011年ローリング・ストーン誌の“The 500 Greatest Songs of All Timeで205位”・同“100 Greatest Beatles Songsでは9位”の評価を受けています。

作者・リード・ヴォーカル、共にジョン。
元々はアメリカの心理学者でありLSDなど幻覚剤の研究者ティモシー・リアリーのカリフォルニア州知事選挙出馬を支援するために作り始めた作品で、そのスローガンとしての“Come Together!”でした。
ところが程なくティモシー・リアリー自体が薬物所持により逮捕されてしまい、この話は流れています。
ジョン曰く
“ぼくはとことん努力してみたけど、できなかった。こんな曲をキャンペーンに使うわけにはいかないからね。わかるだろう?”
…ですって! 

結局この曲はビートルズの12thイギリス盤公式オリジナル・アルバム『アビー・ロード(Abbey Road)』の収録曲として1969年7月にレコーディングのためスタジオに持ち込まれることとなりました。
シンプルな音作りですがポールのベース・ラインやエレクトリック・ピアノ、リンゴのドラムスという低音をフィーチャーさせたビター・テイストのブルース調が実にクールで、反転アウトロ近くのジョージ・ハリスンのギター・ソロはかつてない高音で奏でられています。

1996年の『The Beatles Anthology 3』にはこの曲のテイク1が収録されていて、マスターver.でジョンが時折発する“Shoot”(と聞こえる)は、ここでは“Shoot me”と歌っていることが確認できますが…
後世の彼の運命を知る者にとっては、複雑な思いを抱かせる言葉です。
…それはともかく、「カム・トゥゲザー」はジョン自身“レノンの作品の中でも、お気に入りのひとつ”と語る作品であり、ビートルズ解散後1972年8月30日のニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデンで行ったコンサート『One to One』では唯一ビートルズ名義の作品としてライブで披露されました。
(※この音源・映像は、後に『Live in New York City』として商品化された)

 


「カム・トゥゲザー」はアイク&ティナ・ターナー(1970/米#57)、ダイアナ・ロス(1970)、ポール・マッカートニーがポール・ウェラー&ノエル・ギャラガーと組んだ“The Smokin' Mojo Filters”(1995/英#19)ほか多数カバーされていますが、何といっても有名なのはエアロスミス(1978/米#23)と、マイケル・ジャクソンが映画『ムーンウォーカー』(1988)で披露したバージョンですね♪
特に、“…He got, …He one, ”で音節が区切られる「カム・トゥゲザー」はまさに“マイケルの歌い方そのもの”であり、ひょっとして“マイケル独特のヴォーカル・スタイルはこの曲をヒントに生まれた?”と思わされるほど違和感がありません!

 



~Lyrics~

Here come old flattop
古びた‘ フラットトップ’ がやって来た
He come groovin' up slowly(…He got)
上機嫌で、のそのそと

flattop】は“topがflat(平ら)”になっている形状のことで、具体的には髪型から航空母艦まで広範に用いられますがギターの種類にも当てはまります。
トップ板(表側のサウンド・ホールがある方)が平ら(フラット)なギターのことをいい、アコースティック・ギターに多く見られ、ジョンやジョージが愛用したギブソン・J-200は“キング・オブ・フラットトップ”とも称されるモデルです。

一方でこの部分の歌詞についてチャック・ベリー1956年のシングル「You Can't Catch Me」の一節“Here come a flattop, he was movin' up with me”を無断で引用したとして1973年に盗作騒動が持ち上がり(創作過程で既にポールにも指摘されていた)、「You Can't Catch Me」ほか出版権者(モリス・レヴィ)所有の3曲をジョンのアルバムに入れることで和解するに至りました(1975年のアルバム『Rock 'n' Roll』に収録)。


One thing I can tell you is
一つ、言えることは
You got to be free
お前は、やがてきっと解き放たれる…

この予言めいたメッセージは、“誰から誰に”宛てられたものだろう…。
一つ言えることは、メンバーの中には“それを望む者と望まぬ者”があったこと。
結果的にこの予言が程なく実現することになりますが、果たして本当の自由を得られたのは…?


He got walrus gumboot
‘ セイウチ’ のゴム長靴を履き
He got Ono sideboard
Onoという‘ サイドボード’ を手に入れ

主人公“He”はここまで得体の知れない人物として描かれていますが、ここではかなり具体的です。
walrus】は、“本人”が「I Am the Walrus」って言ってるでしょ?
(「Glass Onion」ではその当人が“…The walrus was Paul”とも歌ってますが!?
まず【bag production】は、当時ジョンとヨーコの人権提唱“Bagism(バギズム※)”が想定され、“Bag Productions Ltd”はそのPR会社

また、「カム・トゥゲザー」のレコーディングは1969年7月21日から始まっていますが、同年3月20日にジョンは“ヨーコという伴侶”を得(結婚)、“Ono”というミドルネームを手に入れました(本名;John Winston Ono Lennon)。
その後二人はスコットランドにバカンスに出ていますが、道中7月1日に自動車事故に遭いジョン17針・ヨーコ14針を縫う怪我で6日間入院を余儀なくされています。

The Beatles - Come Together2 
Bagismとは、袋の中では肌の色・性別・外見など偏見や固定観念に捉われずに価値判断できるという提唱)



~Epilogue~

「カム・トゥゲザー」の歌詞は極めて“ナンセンス”であり、私が1980年代に購入したアルバムの対訳(吉成伸幸さん)には“対訳不可能”と記されてあった程です。
今回、意味深だったり意味不明(的)な言葉を歌詞中に ‘ ’ マークで記してみたら、“ ‘ ’ だらけ”になっちゃいましたっ!  アッチョンブリケ…
詞が4節から成っていることから、それぞれ“ビートルズ4人を個別に皮肉っている”という説や…

He say one and one and one is three
奴は嘯(うそぶ)く“1+1+1=3…
Got to be good looking
一目華やかなればこそ
'Cause he's so hard to see
その実像は、測り難い…”

妄想は妄想を呼び、“3人しかカウントしていないから、ポールは死んでいる!?ポール死亡説)”という都市伝説にまで発展したり…。
ちなみに、ポールの1964年の未発表曲には「One and One Is Two」という作品があります。


今回、私は全体のストーリーを描かず意訳を抑えできるだけ言葉のままに和訳しました。
そのため意味が難解で、“何が何だか、サッパリ…?”という方も多いでしょう。
しかし、ここまでナンセンスな言葉が並ぶと全体を一つのストーリーに当てはめるのは訳に無理が出るし、第一折角の“ナンセンスの妙味”を消してしまうことになります。

「カム・トゥゲザー」のために私はいつも以上にたくさん調べ、想像を働かせましたが、語り切れなかったその成果はまだこの胸の中に山ほどあります。
例えば、詞中にある【armchair】という言葉は肘掛け椅子という本来の意味が派生して“armchair detective;素人探偵”とか“armchair athletes;似非(えせ)スポーツマン”といった“本当は、実情に疎いさま”を皮肉る意味合いも含まれるのです。
そう考えると、その言葉の周辺の情景もずいぶん違って見えてきませんか?
…それこそが、“ナンセンスの妙味”!

「カム・トゥゲザー」にはまだまだ“ツボ”が隠されているので、あなたも自分なりのツボを探し当ててみてくださいネっ♪ 




「カム・トゥゲザー」



Writer(s):Lennon–McCartney /訳:Beat Wolf


古びた‘ フラットトップ’ がやって来た
上機嫌で、のそのそと
目玉をギョロつかせ
奴は、‘ 聖なるローラー’
髪は膝まで伸び
‘ 道化者’ は
ただ、己の享楽を貪(むさぼ)る

靴磨きもしないボロ靴で
フットボールを興じ、‘ 垢だらけの爪先’ は
まるで…‘ 猿の指’
‘ コカ・コーラ’ を打ち、奴は嘯(うそぶ)く
“お前を知るは俺、俺を知るはお前…
一つ、言えることは
お前は、やがてきっと解き放たれる…”

‘ Come together’
今すぐに、俺の元へ…

奴は‘ 袋屋’ で
‘ セイウチ’ のゴム長靴を履き
Onoという‘ サイドボード’ を手に入れ
‘ 背骨にひびを入れた’
奴の膝下に跪き
‘ アームチェア’ に抱かれ
その、病みに触れるだろう

Come together, right now, Over me

奴は‘ ローラー・コースター’
札付きで
‘ 泥水を啜(すす)る’
‘ 麻薬フィルター’ は、こう嘯く
“1+1+1=3…
一目華やかなればこそ
その実像は、測り難い…”

Come together, right now, Over me
Come together, yeah…


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 洋楽 和訳 Lyrics 

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