I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「スタンド・バイ・ミー」ベン・E・キング

2015.05.15

category : ~1960年代

Ben E King - Stand By Me1 Ben E King - Stand By Me2


Ben E. King - Stand By Me (1961年)



~何かが宿る特別な曲・「Stand By Me」~

今回は、4月30日に亡くなったベン・E・キング(享年76)の特集です。
一方で、直近にはB.B.キングの訃報も届き、“R&Bの巨人”二人を一度に失った悲しみは遣り場もありませんが、記事を編集することで故人への敬意と追悼を捧げたいと思います(B.B.キングは次回特集予定)。

半世紀以上に亘るキャリアを誇るベン・E・キングにとっても、「Stand By Me」は“何かが宿る特別な曲”。
70歳を過ぎても現役を通した人で、2005年のハリケーン・カトリーナや2011年の東日本大震災後にも被災地を訪ね「Stand By Me」を歌いました。
伝説のソウル・マン、ベン・E・キングの冥福を祈って…。



~概要~

「スタンド・バイ・ミー」は、ベンが在籍したドリフターズを去りソロ歌手に転向した翌1961年に発表したシングルで、Billboard Hot 100で4位を記録、その25年後に映画『スタンド・バイ・ミー』の主題歌として脚光を集め1986年に同9位(1987年・年間67位)と、時を隔てて二度のTop10入りを果たした作品です。
データを挙げるまでもなく誰もが認める名曲ですが、「スタンド・バイ・ミー」はアメリカの著作権管理団体・BMIによると“20世紀にアメリカのラジオ・TV番組で最も多く放送された曲・Top 100 Songs of the Centuryの4位”に認定され、ローリング・ストーン誌“500 Greatest Songs of All Timeの122位”にもランクしています。
また、今年3月25日には「スタンド・バイ・ミー」が文化的・歴史的に重要な価値があるとして、アメリカ議会図書館に保存されることが発表されました。

本作品はベンの代表曲として有名ですが、元々はドリフターズ時代に書かれたものでした。
しかし起用されぬままグループを離脱、ソロになってデビュー・アルバム『Spanish Harlem』のセッションでプロデューサーのジェリー・リーバー&マイク・ストーラーに“あと何曲か無い?”と求められベンがピアノで弾いてみせたのが「スタンド・バイ・ミー」です。
ジェリーとマイクはそれを気に入り、作品を手直ししてシングルとして発表されました。
(マイクによると作品への貢献度はベンが50%・残りの二人がそれぞれ25%だそうで、収録アルバムは1962年の『Don't Play That Song!』


これまでもオーティス・レディングモーリス・ホワイト、トレイシー・チャップマンなどがカバーしているスタンダード・ナンバーですが、ベン・E・キングと二分する人気といえばやっぱりジョン・レノンver.ですよネ♪
ジョンver.は1975年のカバー・アルバム『Rock 'n' Roll』に収録され、Hot 100でも20位を記録しました。
この頃ジョンはヨーコと“失われた週末”を過ごした時期であり、ジョンのヴォーカルがヤケに切ないのは“そのせい”かもしれません。
また、このジョンのカバーについてベン本人は“まるで自分の曲のように歌ってくれたことが大変うれしかった”と語っているそうです。

 
John Lennon / Lady Gaga ft. Sting やっぱガガ様、“持ってる”わぁ~!



~映画『スタンド・バイ・ミー』~

…そして、多くの人にとって忘れられない記憶といえば、1986年公開の映画『スタンド・バイ・ミー(Stand by Me)』
ホラーの大家スティーヴン・キングにしてはロマンティックなタイトルですが、原作のタイトルは『The Body』…。
(映画をご覧になった方なら“The Body=○体”であることは、ピンとくるでしょ?
物語の主な舞台は1959年のアメリカで、劇中でも「Lollipop」など当時のヒット曲が用いられており、「Stand By Me」はエンディングで流れます。

この映画はホラーではないものの少年たちが○体探しに出掛けるという設定や、生々しい○体が登場するなどスティーヴン・キングらしさも見え隠れするため劇中で流れるポップな音楽が果たした役割は大きく、それが映画のヒットにも貢献したといえるのではないでしょうか…。
とりわけ、映画のタイトルにも掲げられる主題歌の醸し出す爽やかな後味が心に強く残り、そのせいか“「Stand By Me」=友情の歌”と思っておられる方も少なくないようです。





~Lyrics~

When the night has come
夜が来て
And the land is dark
あたりは闇に染まり

「スタンド・バイ・ミー」は、アメリカのチャールズ・ティンドリー牧師(Charles Albert Tindley)が作った1905年の黒人霊歌(spiritual)「Stand By Me」(ポピューラ・ソングと区別するため「Lord Stand by Me」とも呼ばれる)に基づいているという説があります。
メロディーは異なるものの、「Lord Stand by Me」の冒頭が“When the storms of life are raging, Stand by me…”で始まるように、“the storms(the night)が来てもStand by me”という主旨は共通性がありそうです。

黒人ではありませんが、同じ“King”エルヴィス・プレスリーも「Lord Stand by Me」を歌っています…。




Whenever you're in trouble won't you stand by me
君が苦しい時も、どうか離れずに
Oh stand by me, oh won't you stand now, stand
あぁ…今この瞬間、君にいて欲しい

一方で、本作品は“ゴスペルの王”ジェームズ・クリーヴランド(James Cleveland)の「Oh Lord, Stand By Me」に基づいているという説もあります。

There's trouble all in your home(Oh Lord, oh Lord, stand by me)

…これもやはり、“troubleに見舞われてもStand by me”という主旨に共通性がありそうです。




All the mountains should crumble to the sea
すべての山々が海に崩れようとも
I won't cry, I won't cry
泣いたりしない

また、旧約聖書・神(ヤハウェ)への賛美の詩が収められた『詩篇(Psalm)』(46:2)には、次のような記述があります。

Therefore we will not fear,
though the earth give way and the mountains fall into the heart of the sea,

このゆえに、たとい地は変り、山は海の真中に移るとも、われらは恐れない。
(口語訳;日本聖書協会)

ここまで“3つの「Stand By Me」”をクローズアップしてきましたが、これらの作品は何れも聖書に発想の源があると考えられます。
アメリカに奴隷として強制連行されたアフリカ人たちは彼ら独自の言語・宗教などを剥奪される一方、奴隷主(白人)の文化を押し付けられる形でキリスト教への帰依が始まりました。
しかし、次第に彼らは黒人霊歌やゴスペルといった独自の文化を生み出すことで、差別や貧困の苦痛からの救いを見出してきたのです。
彼らが歩んできた歴史に思いを致すと、彼らにとって信心と音楽がどれほど大切なのかを、私たち日本人にも理解できるような気がします。



~Epilogue~

「Stand By Me」の源泉には、“神への敬慕”が感じられます。
でもこの歌には【God】や【Lord】など、神々しい言葉は添えられてはいません。

Just as long as you stand, stand by me
ただ君が、そばにいる限り

この作品に於いて、敬慕の対象は【you】。
その人がいる限り、視界を暗闇に奪われようが、たとえ空が天から落ちて来ようが怖くはない…
…そんな風に思わせる“心強い誰か”です。

So darling, darling
だから、愛する人よ

作者であるベン・E・キングは「Stand By Me」について、“妻へのまっすぐな思いを歌った曲”と語っています。
ゴスペルなど【Lord】の厳かさに比べ、【darling】が入ると急に世俗的になってしまう感もありますが、この歌の本当に素敵な所はそこにこそあるのではないでしょうか?

【stand by】は“そばにいる”のほかにも“援助する・(いざという時に)頼りになる人”という意味も含まれ、“苦しい時も、楽しい時も、そばにいて助け合って生きてゆこう”と歌っているからです。
そんなかけがえのない存在に対し“神を称え、敬う心で君を想い慕う”という最上級の愛情が込められているからこそ、主人公の気持ちに強い共感を覚えるのだと思います。

大切なのは、“その力”を信じ抜くこと。
神サマは、畏れ敬わなくっちゃ♪
日本でも、よく言うでしょ…

“うちのカミさんがねぇ~?” 


「スタンド・バイ・ミー」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s):Ben E. King, Jerry Leiber and Mike Stoller /訳:Beat Wolf


夜が来て
あたりは闇に染まり
月だけが、唯ひとつの光であろうとも
怖くはない
あぁ…恐れたりしない
ただ君が、そばにいる限り


だから、愛する人よ
そばにいておくれ
あぁ…君にいて欲しい
僕のそばに

たとえ、見上げる空が
転がり落ち
すべての山々が海に崩れようとも
泣いたりしない
決して涙は零さない
君が、そばにいる限り



だから、愛する人よ
そばにいておくれ
あぁ…今この瞬間、僕のそばに
君が苦しい時も、どうか離れずに
あぁ…今この瞬間、君にいて欲しい
僕のそばに


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 洋楽 和訳 Lyrics 

コメント

Stand by me 映画のせいか友情の歌だと思い込んでいました。
奥さんへのlove songだったとは。
確かに、対象が変わることで友情であったり、愛情であったり、畏敬であったり。
だからこそ不思議な力があるんでしょうね(*^_^*)

聞いた人が感じとる、それが力になる。
歌(音楽)は深いですね。

2015.05.24  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

やっぱりそうでしたか!
あの映画を見たら、直感的に友情を歌ってると思いますよね?
でも私が作者や歌手だったら、本来の意図と違って理解されても
それで誰かが幸せになったのなら、嬉しいと思うでしょう。

きっと、ベン・E.キングも同じはずです。
そういう包容力があるからこそ、みんなこの曲が好きなのだと思います。i-228

2015.05.24  Beat Wolf  編集

お久しぶりですm(__)m

名曲ですよねv-354

映画もテレビ放映ですが見たことがあります。
随分前ですが(^^;

今は亡き、若かったリバー・フェニックスが初々しいですねv-290

2015.06.11  chiyuki  編集

chiyukiさん

曲を聴くと、映画を思い出すでしょ?
それが、名曲というものなのだろうね。
でも実はこのテの映画なら、私は『グーニーズ』の方が好きv-354

リバー・フェニックスはこの映画でも呆気なく死んじゃったけど
現実でも、ずいぶん早く亡くなってしまったね。

2015.06.11  Beat Wolf  編集

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