I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「スリル・イズ・ゴーン」B.B.キング

2015.05.22

category : ~1960年代

BB King - The Thrill Is Gone1 BB King - The Thrill Is Gone2


B. B. King - The Thrill Is Gone (1969年)



~“The Thrill” Is Gone~

5月14日に亡くなった“キング・オブ・ザ・ブルース”、B.B.キング(享年89)。
先日来日したポール・マッカートニー(72)や前回のベン・E・キング(76)も“音楽界の歴史書”と言っていいレジェンドですが、その彼らより一回り以上年長の大先輩です!

アメリカの“National Heritage Fellowship(日本の人間国宝に相当)”であるB.B.キングにはオバマ米大統領をはじめエリック・クラプトン、ミック・ジャガー&キース・リチャーズ、リンゴ・スター、ジーン・シモンズ…ほか数え切れない著名人から追悼が寄せられ、ツアー中だったU2は1988年にB.B.キングと協演した「When Loves Comes To Town」を捧げました。
また、音楽オーディション番組『The Voice』の5月19日の放送ではクリスティーナ・アギレラ、アダム・レヴィーン、ブレイク・シェルトン、ファレル・ウィリアムスらによる「The Thrill Is Gone」のトリビュート演奏も披露されています。

 



~概要~

「スリル・イズ・ゴーン」は1969年の17thアルバム『コンプリートリー・ウェル(Completely Well)』からの1stシングルとしてBillboard Hot 100で15位(R&B3位)を記録したB.B.キング(以降;B.B.)にとって最大のヒットであり、彼のライブには欠かすことのできない代表曲です。
当時B.B.はブルースとロック、ファンクなどとの融合を試み始めていた時期で、「The Thrill Is Gone」でもストリングスを起用して都会的なサウンドを創り出したことで、一部の保守的なブルース・ファンや評論家からは当初“商業主義”との批判もあったといいます。

一方、「The Thrill Is Gone」は1970年のグラミーでB.B.に“最優秀男性R&Bヴォーカル・パフォーマンス賞(Best Male R&B Vocal Performance)”をもたらし、1998年には“グラミー殿堂賞(Grammy Hall of Fame)”が授与されるなど広く、長く愛される作品となりました。
もちろん、ローリングストーン誌“the 500 greatest songs of all timeの183位”にも選出された名曲でもあります。

あまりにB.B.のイメージが強いせいか、本作が彼のオリジナルと思っている方も多いのではないでしょうか?
「The Thrill Is Gone」はB.B.から遡ること18年…ロイ・ホーキンスが1951年に発表した作品で、当時もR&Bチャートで6位になりました。
B.B.キングver.はギター・ベースであるのに対しオリジナルはピアノ&サックス・ベースであり、どこか日本のムード歌謡っぽい趣きがあると思うのは私だけでしょうか…?

 


また、B.B.は本作品でジャンルや世代を超えて多くのミュージシャンと共演しており、エリック・クラプトンやゲイリー・ムーア、スティーヴィー・ワンダーやウィリー・ネルソン、トレイシー・チャップマン…
さらには、三大テノール・ルチアーノ・パヴァロッティまでもが一緒に歌っています!
B.B.以外にもカバーは沢山ありますが、私はアレサ・フランクリンがお気に入り♪

 
 



~Lyrics~

Thrill is gone
スリルが過ぎ去った…
The thrill is gone away
ぞくぞくさせる胸の高鳴り

「Thrill is gone」…
B.B.のパフォーマンスばかり注目されがちですが、タイトルをはじめ平易な単語から多くの妄想を誘う言葉の使い方には、作者のセンスを感じます。

【thrill】はゾクゾクが“良くも悪くも取れる言葉”であることがミソで、【gone】もいろんな場面を想定できるハズ。
正邪を併せ持つ、“諸刃の剣”のような人…
でも【thrill】に喩えられるなんて、よっぽど魅力的な女性なのでしょうね?


You know you done me wrong, baby
覚えているだろう? 俺にした仕打ち
And you'll be sorry someday
いつか、お前はそれを悔やむ日がくる

この【done me wrong】は【go away】と同意と思われますが、後に“It's gone away for good”とあるように、その背景ついて唯一言及されています。
ただし、ここでも【good】の懐が深く、彼女が何に釣られ離れて行ってしまったのか特定できないので“よいもの”としておきました。

ちなみに【go away】には、単純に“立ち去る”という意味もあれば、“駆け落ちする”と用いられることもありますが…。


Someday I know I'll be open armed, baby
いつか俺も、お前を祝福する日がくる
Just like I know a good man should
よき男とは、そうあるべきものだから

相手の裏切りを水に流し、それによって手に入れた幸せを心から祝福なんて容易くできるものではありません。
でもそんなナイス・ガイがフラれてしまうなんて、やっぱり“男の価値は、愛より○○”?

顔で笑って、心で泣いて…
このセンテンス、『男はつらいよ』と訳したかったなぁ…。 



~Epilogue~

この作品は“失恋のblue”を綴った歌ですが、B.B.キング自身は実生活で2度結婚し2度離婚しているようです。
1度目は1946-1952年、2度目は1958-1966で、「Thrill is gone」はその2~3年後に歌われていたことになります。
彼の結婚生活が何れも短命で終わってしまった原因は“B.B.の250回/年以上にも及ぶコンサート”だったとも言われ(独身に戻った1956年は342回/年行ったらしい!)、彼がほとんど家庭にいなかったであろうことは想像に難くはありません。
その後亡くなるまでの49年間B.B.は独身を通し、1980年代から2000年代のつい最近までテレビのショーやコンサートで300回/年ステージに立ってきたそうです。

Although, I'll still live on
それでも、俺は生き続ける
But so lonely I'll be
たった一人の孤独な道程…

私が『男はつらいよ』を引き合いに出したのには、理由があります。
主人公・車寅次郎は毎回恋をするものの結局成就することなく、またその繰り返しです。
でも全くチャンスがないわけではなく、自分から身を引いてしまうことも少なくありません。
その背景には、“旅がらすの男が、女を幸せにできるのか?”というある種の自制心が働いていたせいもあるのではないでしょうか…
;長寿シリーズの都合という説もあるが?)
…そう考えた時、この二人の男の人生に意外な共通点を見出したというワケです。
もっとも…

“B.B.キングには、婚外子が15人いる。”

…そうですけどネっ(サスガは“King”)!? 



「スリル・イズ・ゴーン」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s):Rick Darnell, Roy Hawkins /訳:Beat Wolf


スリルが過ぎ去った…
ぞくぞくさせる胸の高鳴り
スリルは行ってしまった
手の届かない、何処か遠くへと

覚えているだろう? 俺にした仕打ち
いつか、お前はそれを悔やむ日がくる

スリルが過ぎ去った…
俺の下から
スリルは行ってしまった
俺のそばから

それでも、俺は生き続ける
たった一人の孤独な道程…

スリルが過ぎ去った…
永遠という、遥か彼方へと
スリルは行ってしまった
永遠という、遥か彼方へと

いつか俺も、お前を祝福する日がくる
よき男とは、そうあるべきものだから

今、俺は解き放たれた
お前という呪縛から
あぁ、解き放たれた
お前という魅惑から

今、すべては終わり
俺に出来るのは、お前に幸あれと祈ることだけ…


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 洋楽 和訳 Lyrics 

コメント

もはや「一般常識」といってもよいほどのビッグなレジェンドたちの相次ぐ訃報。
悲しくもありますが時の流れには逆らえません。
ご冥福をお祈りいたします。

2015.05.23  わんわんわん  編集

わんわんわんさん

そうですね。
どちらとも「危ない」とは耳にしてましたが
まさか、いっぺんに来るとは…でした。

でもお二方とも、天寿を全うするまで現役でいられたことは
努力もありましょうが、本望だったのではないでしょうか…。

2015.05.23  Beat Wolf  編集

このギターの音色と声☆
いいですよねえ。

男はつらいよ!
なんとなく分かります。
相手を祝福できる人が何人いるかしら(*^_^*)

2015.05.31  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

シブい音色と声ですよね♪
「背中で泣く」カンジ…?

寅さんも、いつも背中が泣いてましたね。
少なくとも、彼はそういう人でした…。
(他人の祝福ばかり?i-229)

2015.05.31  Beat Wolf  編集

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2016.10.26    編集

鍵コメさま

ありがとうございます、そのようにいたします。(謝)

2016.10.26  Beat Wolf  編集

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