I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「レボリューション」ビートルズ

2015.07.03

category : Beatles & Solo

Beatles - Revolution1 Beatles - Revolution2


The Beatles - Revolution (1968年)



~ジョン・レノンが目指した“Revolution(革命)”とは?~

『サージェント・ペパーズ~』で音楽の頂点を極めたビートルズは、“次の一手”に相当頭を痛めたことでしょう。
ビートルズ後期…とりわけヨーコと恋に落ちてからのジョン・レノンというと、どこかヤル気の無さを禁じ得ないイメージですが、当初はそうではなかったのかもしれません。
自分たちのやりたいことを具現化するための会社『アップル・コア』を立ち上げ、そこからの最初のシングルを目指してジョンが制作していたのが「Revolution」(革命)というタイトルの作品だったのですから!

さて、ジョンは“革命”を成し遂げることができたのでしょうか…?



~概要~

「レボリューション」はイギリスで1968年8月30日(米は8月26日)に発売された18枚目のオリジナル・シングル「ヘイ・ジュード」(過去ログ)のカップリング曲で、「レボリューション」単体としてもBillboard Hot 100で12位(年間62位)を記録しました。
オリジナル・アルバムには収録されておらず、現在は企画盤『パスト・マスターズ Vol.2』やベスト盤『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』に収録されています。
「Revolution」はジョンが1968年2月ごろからのインド滞在中に作った曲でリード・ヴォーカルもジョンが執っていますが、複雑な経緯がある作品なので、順を追って説明いたします。


まず、“「Revolution」という作品”はアルバム『ザ・ビートルズ』のセッションで最初に取り上げられた楽曲で、当初完成版(第18テイク)は“12分に及ぶという大作”でした。
ジョンはこの作品を“アップルからの1stシングルに!”と意気込んでいましたが、“長過ぎる”とアッサリ却下されてしまいます。
そこで前半部分を「Revolution 1」(4:17)、後半部分を「Revolution 9」(8:21)に分けて「Revolution 1」をシングルにと提案すると、今度は“スロー過ぎる”と二度目の却下…。

諦めきれないジョンは楽曲をテンポ・アップし、ギターをアコースティック(エレアコ)からエピフォン・カジノに持ち替え、アンプを通さず“ギターとレコーディング機材を直接繋ぐ禁断技”に手を染め(イントロの凄まじい歪みはコレ)、“けたたましいシャウト”を演じてみせます。
さらに、ダメ押しとばかりにイギリス一と称されるキーボード・プレイヤー、ニッキー・ホプキンスを迎えるという念の入れようにより“これぞ革命!”に相応しいインパクトのあるロックの名曲に仕上がりました。
これを改めて「Revolution」と名づけ三度(みたび)1stシングルに名乗りを挙げますが、一方でこの時ポールが持ち込んだ曲こそ、あの「ヘイ・ジュード」だったのです!
同じ名曲対決でも“出せば大ヒットが約束!”な「ヘイ・ジュード」が相手とあっては、“キリスト発言の悪夢・再び!?”な危険をはらむ「レボリューション」はB面に収まるのがやっとでした。
この挫折が原因でジョンがヤル気を失くしたかはともかく、ビートルズというチームでは自分個人の本当にやりたいことはできないと痛感させられたかもしれません…。

「レボリューション」にはライブ・ヴォーカル仕様のプロモーション・フィルムが存在していますが「Revolution 1」の特徴も取り入れられており、ここでのポール&ジョージのコーラスはドゥーワップ調であること、そしてジョンの“問題の歌詞(後述)”も復活しています!
(メイン動画は、この映像にレコーディング音源を編集したものです。)

 
 



~Lyrics~

But if you go carrying pictures of Chairman Mao
だけど、君が毛主席の写真を持ち歩くなら
You ain't going to make it with anyone anyhow
誰と組もうと、どうせ上手くはいかない

毛主席=毛沢東のことであり、ジョンはこのラインが最も大事な歌詞と語っていることから、「Revolution」は“毛沢東思想”をテーマにしているものと思われます。
毛沢東思想とは…

権力は腐敗するものであるから常に革命が必要であり、若者は古い者を打倒すべきである。
革命は暴動であり、一つの階級が他の階級を打ち倒す激烈な行動である。


…といった思想で、その手段としての暴力を肯定しています。
こうした思想の信奉者は“マオイスト(Maoist)”と呼ばれ、『毛沢東語録』とともに世界中に広まって学生運動やヒッピーなど特に若者に強い影響を与えました。
「Revolution」が発表された1968年頃は日本でも学生と機動隊が衝突する事件が全国で頻発していた時期で、有名な“全共闘 東大安田講堂事件”もこうした流れの一つといわれます。


But when you talk about destruction
だけど、君が破壊を語るというなら
Don't you know that you can count me out
僕を数のうちから外しておいてくれ

一般論として破壊や暴力は明白な犯罪であり“悪”ですが、毛沢東によると革命の手段としてのそれは許されます。
ジョンは「Revolution」で破壊を拒否する姿勢を示していながら、一方で「Revolution 1」では同じラインを【you can count me out “in(入れてくれ)”】と肯定しています。
この矛盾についてジョン本人は、“物事はいつか良くなると思うし、暴力的な革命を憎んでもいた。でもだんだん、他に何ができる?…と、確信が持てなくなった”と語っていますが、世界で最も影響力のある人物の言葉としては何ともリスキー!


But if you want money for people with minds that hate
だけど君が、それを嫌悪する人々のため金が必要というなら
All I can tell you is brother you have to wait
僕に言えるのは、“待つより外はない”とだけ

人の考えは千差万別であり、どんな名案にも反対意見はあるでしょう。
対立者を懐柔するか弾圧するかは権力側の考え方次第ですが、何れにしても【money】が必要…?

毛沢東が行った“文化大革命”は、言葉を換えると“毛沢東思想を用いて若者を扇動し、自らの復権を企てた権力闘争劇”だったとも言えます。
革命の名の下に、その実行部隊として組織されたのが少年らを中心とする“紅衛兵”であり、彼らの暴走を含め革命による死者・行方不明者は数百万~数千万人ともいわれるそうです。
当初世界の人々はそうした実態を知らず毛沢東思想の光の部分だけが一人歩きし、ジョンも毛沢東のバッジを身に付けるほど影響を受けていました。
その実態が明らかになるにつれ人々の評価は変わり、1972年にはジョンも“毛沢東について引用すべきでなかった”と考えを改めています。
(ただし、同年のアルバム『Sometime in New York City』の「We're All Water(ヨーコの作品)」で“毛主席とニクソンも、裸にすれば大差はない”としてアルバム・ジャケットにも写真が反映されているし、1980年の作品「Woman」にも毛沢東の詩の引用が見られる)



~Epilogue~

You say you'll change the constitution(※)
憲法を変えると、君は言う
You tell me it's the institution
君は、それこそあるべき法のかたちだと
※毛沢東を示唆しているとしたら、【constitution】は政体、【institution】は制度と捉えるのが適切だろう

憲法改正…
とりわけ、施行68年を経た現在も国民の支持が高い『憲法第9条』を変えることは、この国にとってまさに“Revolution(革命)”に等しいと言えるのではないでしょうか?
ご存知のように安倍首相は改憲論者ですがその本丸が憲法9条であり、“憲法改正するために政治家になった”と公言していることからもその本気度は歴代の首相とは全く異なります。
ただし、憲法改正には衆参両院で3分の2以上の賛同が必要であるものの参院が届かず発議が難しいため、最悪でも実効を得ようと10本の法案を“安全保障関連法案”として解釈改憲を試みました(明文改憲も諦めてはいない?)。

ところが、6月4日の衆院憲法審査会で自民・公明党推薦の長谷部恭男氏を含む3人全ての憲法学者がこの法案を“憲法違反”と断じたため事態が暗転します。
直後に『報道ステーション』が行った『憲法判例百選』の執筆者(=著名な憲法学者)198人に対するアンケートによると、[違憲;84%(127人)/違憲の疑い;13%(19人)/合憲;2%(3人)]という結果でした。
さらに、追い打ちをかけるようにこの法案に関する自民党の安倍首相に近しい若手の勉強会で、複数の議員によるマスコミに対する“圧力発言”が表沙汰になったことはご承知の通り…。


前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

これは、問題視されている『日本国憲法第9条2項』
この文章を“自衛隊の存在と矛盾しない”と読解するとしたら、きっと国語のテストで落第してしまうでしょう?
明らかに、実態と矛盾があります。
しかし、一方で国民のほとんどは“国を守る”自衛隊が必要だと思っているはずです。
そういう意味で、憲法改正を望むのは間違いではありません。


ちなみに、2012年4月27日に出された“自民党の憲法改正草案の9条2項”では…

2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

…という風に改められていて、草案Q&Aには“この「自衛権」には、国連憲章が認めている個別的自衛権や集団的自衛権が含まれていることは、言うまでもありません”と明記されています。


いずれにしても、今回一連の流れからつくづく思ったことは、沖縄の正式な選挙で選ばれた知事が自民党の利害に反するからと会わなかったり、憲法学者と国民の大多数が違憲の疑念を持っているにも関わらず無視して法案成立を強行したり、“沖縄にある二つの新聞はつぶさないといけない”とか“マスコミを懲らしめる”という考え方の人たちに、憲法改正をして欲しくはありません。
68年間平和を守ってくれた憲法に敬意を寄せず、沖縄の民意である首長を侮り、権力に驕って国民の“自由と民主主義”を省みようとしない人たちだけには。

I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it.(※)
私はあなたの意見には反対だ。だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る。
(※フランスの哲学者ヴォルテールの言葉として有名ですが、定かではないらしい)

憲法は、そういう志を持った人にだけ、書き換える資格が許される…



「レボリューション」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s):Lennon-McCartney /訳:Beat Wolf


革命を望むと、君は言う
…なぁ、そうだろう?
誰もが皆、世界を変えたいと願い
それこそが、あるべき進化なのだと
…なぁ、そうだろう?
誰もが皆、世界を変えたいと願う…

だけど、君が破壊を語るというなら
僕を数のうちから外しておいてくれ


いずれ上手くいくって、わからない?
Alright, alright

真の解決策を手に入れたと、君は言う
…なぁ、そうだろう?
誰もが皆、そのプランを見たいと願い
君は、僕に寄付を乞う
…なぁ、そうだろう?
みんな、できることはやっている…

だけど君が、それを嫌悪する人々のため金が必要というなら
僕に言えるのは、“待つより外はない”とだけ



憲法を変えると、君は言う
…なぁ、そうだろう?
誰もが皆、君の頭を変えたいと願い
君は、それこそあるべき法のかたちだと
…なぁ、そうだろう?
それより、君は自分の心を解き放った方がいい…

だけど、君が毛主席の写真を持ち歩くなら
誰と組もうと、どうせ上手くはいかない



Alright, alright...


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

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tags : 音楽 洋楽 和訳 Lyrics 

コメント

レボリューション1ドゥワップ調面白いですね(*^_^*)

憲法第9条絶対に変えてはいけない、守り続けることが私達の使命☆
戦争で亡くなって行った方や家族。自分の国だけでなく戦った相手国の人々のためにも。
もう再び起こすべきことではない。
何故こんなに簡単なことが守れないんだろう。

2015.07.08  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

ドゥーワップ、面白いでしょう♪
(革命なのに、呑気?i-239

中谷防衛大臣は、「現在の“憲法をいかにこの法案に適用させて”いけばいいのか…」
…なんて支離滅裂な発言していてビックリさせられるのですが(こんな論理、恥ずかしいから海外で口走らないで!)
彼らにとっては、「常識」なのでしょう。
野党の方が常に国民の大多数の民意を反映しているなんて
この国を支配しているのは一体、何者なのでしょう?

2015.07.09  Beat Wolf  編集

感動

異議なし! Revolutionと憲法をからめてること誰か書いてないかなあで見つけました。 まったく同意したいです。 ぼくは右でも左でもない立場で地域九条の会でときどきギター弾いてます。今度これを弾こうかと思っていて検索した次第です。

2017.06.19  水田X  編集

Re: 感動

ありがとうございます。
Revolution、強いメッセージが込められていますよね。
私も、ただ公平公正な政治を願っています。
憲法なら、尚更ですよね。
「雑念」が混じった改憲なら、しない方がマシです。

2017.06.19  Beat Wolf  編集

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