I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ユー・ビロング・トゥ・ザ・シティ」グレン・フライ

2015.09.04

category : Eagles & Solo

Glenn Frey - You Belong To The City1 Glenn Frey - You Belong To The City


Glenn Frey - You Belong To The City (1985年)



~“ヘンリー=フライ”からの脱却~

前回のドン・ヘンリーに引き続き、今回もイーグルスのグレン・フライを特集いたします♪

イーグルスの名曲の大半はこの二人のコンビ“ヘンリー=フライ”によって生まれ歌唱されたわけですが、彼らの目標としたビートルズの“レノン=マッカートニー”と決定的に違ったのは、基本的に“ヘンリーが作詞、フライが作曲という分業によって一つの作品を完成させていた”ということです(レノン=マッカートニー作品の大半は、実際は共作ではない)。
そのため、バンドの解散はこの“名ソングライト・チームを互いに失う”ことに直結し、それぞれ新しいパートナーを見つける必要に迫られることになります…。



~概要~

グレン・フライはドン・ヘンリー同様、イーグルスが解散した1982年にソロとして1stアルバム『No Fun Aloud』を発表しています。
彼がドンに代わる“相棒”として選んだのがイーグルスの「Peaceful Easy Feeling」や「Already Gone」などに楽曲を提供していたジャック・テンプチン(Jack Tempchin)という人でしたが、この時点では決定的といえる成功は得られていません。
'84年に映画『ビバリーヒルズ・コップ』の主題歌「The Heat Is On」で初めての大ヒットを放つものの、これは全く他人の手によって書かれた作品でした。

同年グレンは2ndアルバム『The Allnighter』を発表、この中から「Smuggler's Blues」がこの年スタートした“MTV Cops”『Miami Vice』に起用(そのために作った?)されただけでなく、何と“(麻薬の)運び屋”として重要な役所でグレン本人も出演しています(シーズン1・#15「Smuggler's Blues」)!
これがBillboard Hot 100の12位を記録するヒットとなり、その年(1985)の『MTV Video Music Awards』ではグレンの役者ぶりが評価され(?)PVが“Best Concept Video”を受賞しました。
(ちなみに、この年「The Boys of Summer」(過去ログ)が“Video of the Year”、「What's Love Got to Do with It」(過去ログ)が“Best Female Video”を受賞)

『Miami Vice』でのグレン・フライの活躍は続き、シーズン2のためにグレン&ジャックが書き下ろしたのが「You Belong To The City」でした。
この曲はHot 100で2位(1985年の年間30位)を記録、グレンの「Smuggler's Blues」と「You Belong To The City」を含む『Miami Vice』はアルバム・チャートBillboard 200で11週No.1に輝くTVドラマのサウンドトラックとしては史上最大のヒットを記録しています。
「ユー・ビロング・トゥ・ザ・シティ」というと印象的なのが、イントロをはじめとする哀愁あるサックスの響きです。
これはBill Bergmanという奏者によるものですが、これを聴くと日本の「1986年のマリリン」を連想する人も多いのでは?

「ユー・ビロング・トゥ・ザ・シティ」のPVは2種類あって何れも『Miami Vice』と関連付けられおり、1つはグレン・フライを主人公にしたもの、もう一つはマイアミ・バイスの主人公ソニー・クロケット(ドン・ジョンソン)がフィーチャーされたものです。
今回は、ドン・ジョンソンの“匂い立つ色香”に目が眩みソニーver.をメインに選択しましたが、この項ではグレン・フルver.をご紹介しておきます。
また、「You Belong To The City」はペプシのCMにも起用されており、ここでもグレンとドン・ジョンソンは息の合った掛け合いを見せていますが実はこの二人、“イーグルス時代からの友人(悪友?)”なのだそうです♪

 
 



~Lyrics~

And down on the street
街路へと下り
Moving through the crowds through the midnight heat
人の群れを縫い、冷めることのない真夜中の熱を彷徨う

【heat】は熱帯夜というよりも“(眠らぬ街の)興奮”と私は解釈していますが、【heat】の抽象的な所が旨味でもあるのでそのまま“熱”としておきました。
人口が密集している都市部、特に歓楽街は時間の感覚がマヒするほど夜も煌々として人の数・動きも活発で、まさに“唸りをあげている”ようにも感じます。
あなたは、こんな風に真夜中の街を独り宛てもなく歩いたことがありますか…?


Nobody know where you're going
お前の行き先を知る者など、そこに一人となく
Nobody cares where you've been
何処から来たか、気に掛ける者もない

…でも、周りにどんなにたくさんの人がいようとその殆んどは“見知らぬ人”だし、通り過ぎる人の群れは“景色の一つ”に過ぎません。
それが、“人がいっぱいいるのに孤独を覚える都会という空間”です。

…まぁ、見知らぬ人に“何処行くの?”と声を掛けられても困りますけどネっ? 


'Cause you belong to the city
何故なら、お前は都会に生き
You belong to the night
夜の世界に身を置く男

“都市に対する帰属”なんて普段ほとんど意識もしない私ですが、それがどんなに恵まれていることか痛感させられる出来事がありました。
内戦が続くシリアなどからの難民が、遠く離れたヨーロッパへ多数流入している問題です。

ご存知のように2011年に始まったシリアの内戦は、その混乱に乗じて過激派組織ISILが勢力を拡大させるぐちゃぐちゃな戦況となっており、国際社会はこれを阻止できてはいません。
たとえISILを壊滅できたとしても、それで一番助かるのは元々の内戦の原因である“アサド・独裁政権”という笑えない構図…。

シリアの人々は、何処に帰属を求めればよいのだろう…。



~Epilogue~

「You Belong To The City」は『Miami Vice』のために書き下ろされた作品であることから、この歌はドラマの主人公ソニー・クロケットに向けてメッセージされていると仮定して、私はストーリーを構築しました。
ソニーは中南米との玄関都市マイアミで麻薬を取り締まる警察官ですがその手法の大半は“おとり潜入捜査(売人に偽装しての捜査)”で、普段の彼はヨットに住まいしヴェルサーチを纏(まと)いフェラーリを乗り回すなど警官というより見た目売人と同じような暮らしをしています。
彼には妻子があるものの、それが仕事とはいえ彼のそうした異常な世界に理解が得られず別居、後に離婚に至ってしまうのです。

そのため、常に社会の暗部の中に身を置いていること、犯罪者を捕まえるため囮(おとり)という“虚偽”を用いた捜査手法、明けても暮れても破天荒な毎日の繰り返しで家族を不幸にしてきた自分への葛藤…
お洒落で軽快なアクション・ストーリーの陰には、彼が抱える“生身の人間の苦悩”も込められています。


Concrete under your feet
無機なるコンクリートに根差し
It's in your blood, its in your moves
それがお前に流れる血の宿命、そして原動

海や山、空など自然が創り出す風景は何処か心をホッとさせるのに、コンクリートの造形物は芸術的な建築美を理解できても心が癒される感じがしないのは、何故?
自然豊かな森林を歩いていると、何層にも堆積した腐葉土と枯れ葉がふかふかして“生きている自然”を実感できるのに、コンクリートに囲まれた都会では踏みしめる大地に生命の力を想像することはできません。

そう考えると、私たちは知らずのうち自然によって心を癒されているのだと、改めて思いました。
でも都市にだって、コンクリートの僅かな隙間を縫って根を張り花を咲かせるタンポポのように、“生きることの意味”を教えてくれる自然があります。

“どこに生きようと、どんなに小さかろうと、僕らは精一杯生きるものなんだ”って…。



「ユー・ビロング・トゥ・ザ・シティ」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Glenn Frey · Jack Tempchin /訳:Beat Wolf


陽が沈み
夜の帳(とばり)が下りる頃
お前の新たな一日が、また始まる
月が昇り
音楽が叫ぶ頃
代わり映えない四方の壁に嫌気を覚え
部屋を出て
街路へと下り
人の群れを縫い、冷めることのない真夜中の熱を彷徨う
唸りを上げる往来
悲鳴を上げるサイレン
行き交う顔は、夢うつつ…

お前の行き先を知る者など、そこに一人となく
何処から来たか、気に掛ける者もない


何故なら、お前は都会に生き
夜の世界に身を置く男
ネオン・ライトの下、暗闇の河がその住処(すみか)  
この街に生まれ
無機なるコンクリートに根差し
それがお前に流れる血の宿命、そして原動
ストリートに生きる男…

お前は別れを告げ
旅に出た 
自分の過去から逃れようと…
そして、戻ってきた
違和感を抱えたまま
いろんなことがあった…だけど、変わったものなど何一つもない 

お前は、未だ自分の行き先を見つけられぬまま
夢うつつで人の群れを彷徨っている…



肌で感じること
舌で味わうこと
目で見ること
顔を上げ、向き合うことも
耳で聞くことだってできる
お前は“それ”に近づきつつあり
そうなることを望んでいる
お前なら、“それ”に手が届く

You belong to the city
You belong to the night...


~Let's Singin'~
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tags : 音楽 洋楽 和訳 Lyrics 

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ジャック・テンプチンが只今、初来日中!

イーグルズやグレン・フライの大ヒットを書いたジャック・テンプチンが只今、初来日中!

今日、22日(金)、京都のジットク。075-841-1691 Open 17:30 Start 19:00

26日(火)はツアーの最後は下北沢のGarden。03-3410-3431 Open 18:00 Start 19:00

Peaceful Easy Feeling, Already Gone, Slow Dancing (Swayin’ to the Music), 他たくさんの素晴らしい曲を演奏してもらいます。
Tom Waits, Glenn Frey, Chris Hillman, Johnny Rivers, についての話もたくさん聴けます。 Funky Kingsの話も、もちろん!

詳細:
http://buffalo-records.com/newstopics/info/JackTempchin.html
Facebook: https://www.facebook.com/events/432850360243813/

よろしくお願いします!

2016.01.22  ダグラス  編集

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