I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ベティ・デイビスの瞳」キム・カーンズ

2015.10.02

category : 1980年代

Kim Carnes - Bette Davis Eyes1 Kim Carnes - Bette Davis Eyes2


Kim Carnes - Bette Davis Eyes (1981年)


~伝説の女優“ベティ・デイヴィス”~

あなたは、“ベティ・デイヴィス”をご存知ですか?
私もほとんど予備知識はなかったのですが、調べてみると彼女の舞台デビューは少し前に記事として取り上げた“満州事変(1931年)”と同じ時代、1929年のことだったそうです!
ピンと来ないのも無理はないかぁ…。

そんなベティ・デイヴィスが亡くなったのが、1989年10月6日(満81歳没)。
サスガに彼女との映画での接点はないかと思いきや、ミステリー好きの私には『ナイル殺人事件』(1978年/アガサ・クリスティ原作)がありました!
でも、歌が創られるほどの“伝説の瞳”、一体どんな女性だったのでしょう…。





~概要~

キム・カーンズは高校を卒業してすぐ小さなクラブで歌い始め、1966年にケニー・ロジャースやジーン・クラーク(The Byrds)らも参加したフォーク・グループのニュー・クリスティ・ミンストレルズ(The New Christy Minstrels)に一時参加、その後ソロとしても何枚かのレコードを出しますがヒットには恵まれませんでした。
転機は1978年にEMIに移籍した辺りで、この頃から旧友ケニー・ロジャースとのデュエットを含め徐々にヒット作も出るようになっています。

決定打となったのは1981年、往年の女優ベティ・デイヴィスをテーマにした「ベティ・デイビスの瞳(Bette Davis Eyes)」がBillboard Hot 100で9週No.1&年間No.1に輝いたことでした。
「Bette Davis Eyes」は翌年のグラミーでも“Record of the Year”“Song of the Year”の主要2部門を独占し、さらに2013年にはBillboard Hot 100の55年を総括する“The All-Time Top 100 Songs”で堂々の14位にランクされる歴史的大ヒット曲でもあります。

あまりの大ヒットのためキム・カーンズのオリジナルと思われる方も多いでしょうがカバー作品で、作詞;ドナ・ワイス / 作曲;ジャッキー・デシャノンのコンビによって生まれ、作者のジャッキーが1975年に自身のアルバム『New Arrangement』で発表したのが最初です。
このオリジナルは、多くの人がイメージするキム・カーンズver.の“セクシーさ”は強調されておらず、ゆったりとした“ジャズ・テイスト”でした。

その後、1980年『Romance Dance』の頃にドナから「Bette Davis Eyes」の紹介があったものの元々カントリー畑を歩んできたキムには魅力的な作品ではなく、この時これを断っています。
しかし翌年の『Mistaken Identity』で再びドナからのラブ・コールがあり、新しく招かれたプロデューサーのヴァル・ギャレイに“イメージを変えるチャンス”と説得されアレンジを大胆に変更、これが功を奏して大ヒットに繋がったというわけです。
その一つに、途中で連打される“ダダン・ダン”というシンセ・ドラムのリズムが挙げられますが、その響きが何を表現したものかはPVをご覧になってのお楽しみっ!? 

 



~Lyrics~

Her hair is Harlowe gold
髪は、ハーロウ・ゴールド
Her lips sweet surprise
唇は、予期せぬ甘いスコール

【Harlowe】は、1930年代に活躍し26歳の若さで夭折したアメリカの女優ジーン・ハーロウ(Jean Harlow)を指しています。
彼女の金髪は【Blonde bombshell(ブロンド爆弾)】と形容され、マリリン・モンローと共に20世紀のアメリカ女性を代表するセックス・シンボルとして有名です。
特にジーンは、西洋社会に於いて一般女性が髪を脱色する慣習をもたらせた人物としてしばしば引用されるほど影響を及ぼしました。
AFIが1999年に選定した『映画スターベスト100』女優部門22位

Kim Carnes - Bette Davis Eyes3 


She got Greta Garbo stand off sighs
グレタ・ガルボの孤高の溜息…

グレタ・ガルボは1920年代のサイレント映画時代から活躍したスウェーデン出身の女優で、1941年に僅か36歳の若さで自ら引退の道を選びました。
彼女の作品を7本手がけた映画監督からは“ある人物に対して嫉妬の目を向けるときも、別の人物に対して愛情に満ちた目を向けるときも、彼女は自身の表情を変える必要はなかった。ガルボはその眼差しだけですべてを表現することができた。”と評される実力派で、『映画スターベスト100』の女優部門第5位にランクされる歴史上重要な意味を持つ俳優です。

映画での“一人で…”のセリフが代名詞となっていた彼女は実生活でも人嫌いで知られ、その寡黙さと畏怖をも抱かせるオーラは彼女の神秘的なイメージを増幅させたといわれます。
一方、彼女は“史上もっとも美しい女性”として『ギネスブック』に掲載されたこともあるそうです。

Kim Carnes - Bette Davis Eyes4 


She's ferocious and she knows just
女は残忍で、まるで熟知している
What it takes to make a pro blush
“頬を染めるプロ”に欠かせぬものとは、何かを

う~ん…
女性のみなさんは、“その正体”を隠しておきたいのでは? 

実はオリジナルのジャッキー・デシャノンの歌詞とは一部異なる部分が存在し、これは単純ミスとも“故意”ともいわれるとか?
【pro blush】はオリジナルでは【crow blush(カラスの赤面)】という言葉が用いられており、20世紀初頭・アメリカ中西部で使われた俗語【could make a crow blush(人は、労せずして誰かを不安に陥れることができる)】に由来しているそうです。



~Epilogue~

ベティ・デイヴィスは1930年代から亡くなる1989年まで第一線で活躍していますが1963年までにアカデミー賞ノミネート11回という記録を誇り(現在の最多記録はメリル・ストリープの19回)、AFI『映画スターベスト100』の女優部門第2位に位置づけられています。
曲のタイトルに挙げられるように、印象的な大きな瞳と強烈な個性を武器に“ハリウッド映画史上屈指の演技派女優”として現在も若い俳優から尊敬を集める特筆すべき女優です。

ベティ・デイヴィスの有名な言葉に“男がやると尊敬される。女がやると嫌われる。”というのがありますが、これは当時の男性優位社会を皮肉ったものだそうです。
ベティが若かりし頃は、「ドント・アンサー・ミー」(アラン・パーソンズ・プロジェクト/過去ログ)に語られるように、良く言えば“男がピカピカのキザでいられた”・悪く言えば“ききわけのない女の頬をひとつふたつ張り倒す”時代であり(えっ?歌が違う!?)、まだまだ女性は抑圧されていました。
この時代グレタ・ガルボやキャサリン・ヘプバーン、そしてベティ・デイヴィスら個性的で実力ある偉大な女優を多く排出し得たのには、気が強く・男に寄りかからず自立し・むしろ彼らを引っ張るくらいのパワーを持ち合わせた彼女らの姿に世の女性たちが憧れ、励まされ、そしてまた彼女らを応援したからなのかもしれません。

Kim Carnes - Bette Davis Eyes5 

She's pure as New York snow
冷めることない小さな手は、熱情を蓄え
She got Bette Davis eyes
ベティ・デイビスの瞳を湛える女

「Bette Davis Eyes」のインスピレーションについて作者のドナ・ワイスは、ベティが“アカデミー主演女優賞”を受賞した1938年の映画『黒蘭の女(Jezebel)』を挙げています。
主人公は“気の強いわがまま娘”という設定のようですがここで参照のシーンだけでもそれが窺え、相手役のヘンリー・フォンダは“しっかり振り回されて”います!
でも“セクシーな悪女”を想像させるキム・カーンズver.に比べたら、実際はとても可愛らしい女性…?

「ベティ・デイビスの瞳」の大ヒットの後、ドナ・ワイスらの元にベティ本人から手紙が届けられたといいます。
その手紙にはドナに対する感謝と共に、“孫息子が私を尊敬するようになって、グラミー賞の時はバラの花束を贈ってくれたのよ。”という喜びの言葉も綴られていたそうです。
どんなに偉大な女優であっても、家族からのリスペクトが何よりの賜物なのでしょうね…。



「ベティ・デイビスの瞳」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s):Donna Weiss · Jackie DeShannon /訳:Beat Wolf


髪は、ハーロウ・ゴールド
唇は、予期せぬ甘いスコール
冷めることない小さな手は、熱情を蓄え
ベティ・デイビスの瞳を湛える女

女は、音楽をかけ
男の熟慮を奪い去る
ニューヨークの雪ほどに清らかで
ベティ・デイビスの瞳を湛える女


女は、男を弄び
惑わせ
さらに、もっと悦ばせる
女は早熟で、まるで熟知している
“頬を染めるプロ”に欠かせぬものとは、何かを
グレタ・ガルボの孤高の溜息…
そして、ベティ・デイビスの瞳

女は、男に家へと送らせ
“食欲”に目覚める
男を王座に寝かせ
ベティ・デイビスの瞳で“味見”する
男の上に倒れ込み
ダイスのように転がす
男の“その気”が目覚めるまで…
ベティ・デイビスの瞳(め)をした女

女は自らをさらけ出し、男を騙す
男は足も立たず、パンくずと共に投げ捨てられる
女は残忍で、まるで熟知している
“頬を染めるプロ”に欠かせぬものとは、何かを
男は、女をスパイと思うべきね
ベティ・デイビスの瞳を湛えた女を…




~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
関連記事
スポンサーサイト

tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

なんか男にとっては ちょっとイタそうな歌ですね。
男をもちあげるばかりではなく、もちさげたり、それで
手玉にとられるものなんですかねえ。
不安→安心 なんだか 恋にのめりこむことは 宗教みたいな。

キム・カーンズの歌声 適度な しゃがれぐあいですね。
しかし、編曲でこうも歌が変わるとは!同じ歌には聞こえません。80年代の歌に生まれ変わりました。 
シャキッとした女性の強烈な意志みたいな感じにも
変ったように思えました。

2015.10.06  たまくん太陽  編集

たまくん太陽さん

そうですね。
男性にとってはドキッとさせられますね。
そして、「信じて疑わない」という点に於いて
確かに宗教と似ているかもしれません。

歌い手や編曲で全く違いますよね。
特に、キム・カーンズのような独特な声だと
それだけで個性になります。
やっぱりドスのきいた声だと、迫力ありますから!

2015.10.06  Beat Wolf  編集

コメントを投稿


管理者にだけ表示を許可する
 
PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf
ジャンルを問わず、音楽が大好き♪
初めての方でも楽しんで頂けるブログを目指しています…。



この人とブロともになる

Beat Wolf 関連サイト
☆姉妹ブログ
『I Will』

☆YouTubeチャンネル
BeatWolf ~♯洋楽Lyric&和訳♪

管理画面
参加ランキング
最新記事
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.

FC2Ad