I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ボヘミアン・ラプソディ」クイーン

2015.12.04

category : Queen

Queen - Bohemian Rhapsody1 Queen - Bohemian Rhapsody2


Queen - Bohemian Rhapsody (1975年)



~「Bohemian Rhapsody」40周年~

今年はクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」が1975年10月31日に発表されて、ちょうど40年。
その「Bohemian Rhapsody」が全英チャートNo.1を独走していた最中、『A Night at the Opera Tour』同年のクライマックスとしてクリスマス・イヴの夜、彼らが立ったステージがロンドンのハマースミス・オデオン(現:イヴェンティム・オデオン)でした。
その模様が最新の技術によってレストアされ、今回『クイーン——オデオン座の夜 ~ハマースミス1975』としてこの11月20日にBlu-rayはじめマルチ・フォーマットでリリースされたことを、ご存知のファンも多いことでしょう。

クイーンがバンドとして大ブレイクした瞬間の爆発力とクリスマスのお祭りムードが相まって、とても素晴らしいコンサートとなっていますが、その中から一部の映像が公開されています。

 



~概要~

「ボヘミアン・ラプソディ」は4thアルバム『オペラ座の夜(A Night at the Opera)』の先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで9週連続No.1を記録したクイーンの代名詞的作品です。
イギリスでは244万枚を売り上げ、2014年7月時点で「Candle in the Wind 1997」(同492万枚)、「Do They Know It's Christmas?」(同378万枚)に次ぐ歴代3位にランクされています(4位はウイングスの「Mull of Kintyre」)。

アメリカでもBillboard Hot 100で9位(1976年の年間18位)に入る初のTop10ヒットを記録するなど、世界的な大ヒットとなりました。
ローリング・ストーン誌“the 500 greatest songs of all timeの166位”にも選出されている楽曲であり、2002年のギネス・ワールド・レコーズ社によるアンケートでは“英国史上最高のシングル曲の1位”という結果も残っています。

作者はフレディ・マーキュリーで、ブライアン・メイによると“すべてフレディの頭の中に構想があって、彼とロジャー(・テイラー)とジョン(・ディーコン)でバッキング・トラックとしてそれぞれのパートを決めていった。”といい、ブライアンのパートであるギターについても“ヘヴィなリフはフレディが思いついた。彼が左手を使ってピアノで弾いたもので、僕はそれを参考にした。”と語っており、更には“『オペラ座の夜』の成功がなかったら、クイーンは解散していただろう。”とまで言及しています。
そんな彼は40年経った現在でも、ラジオからこの曲が流れるとボリュームを上げ、聴き入ってしまうそうです。

作品の構成は、①アカペラバラードオペラロックバラード(②のアウトロ)という多彩なジャンルから成る組曲形式で6分近い大作でありながら、そこに一片の無駄も存在せずビートルズの「ゴールデン・スランバーズ~」に勝るとも劣らない歴史的傑作です。
いくら名曲といってもライブでの再現に困るのがこのテの壮大な作品であり、1975年のハマースミス・オデオンでは[②バラード~キラー・クイーン~マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン~⑤バラード]という苦肉の策を採っていましたが、1977年以降は[②バラード~③オペラ(音声・映像)~④ロック~⑤]の形に定着しました。

「Bohemian Rhapsody」が傑出している点は音楽だけでなく映像面にもみられ、当時まだ広まっていなかった“プロモーション・ビデオ(PV)”を最新テクノロジーを駆使してクイーンのもつヴィジュアル・インパクトを最大限に引き出し、世界に反響を及ぼしました。
実は、これはTV出演のスケジュールが合わなかったため急遽2時間の撮影で制作されたそうで、新たな創造とは意外にも切羽詰まった状況から生まれるものなのかもしれません(ビートルズも、同じきっかけからPVを制作するようになった)。
ビートルズとの共通点というとフレディが弾いているピアノで、レコーディングには「Hey Jude」でポールが弾いたピアノが使用されています。

 



~Lyrics~

Is this the real life?
これは現実なのか…
Is this just fantasy?
それとも、ただの幻想?

冒頭のアカペラはメンバー4人による美しいハーモニーで構成されますが、残念ながらライブでは省略されている部分です。
PVの“暗闇に浮かぶ顔”はアルバム『Queen II』のジャケットがモチーフとなっている有名なカットで、後に様ざまな形で派生がみられました。

Caught in a landslide(地滑りに引き込まれる)
主人公にとって【this】は、抗い得ない運命のようなものだったのかもしれません。


Mama, just killed a man,
Mama...たった今、人を殺してきた
Put a gun against his head,
奴の頭に銃口を突きつけ

バラードの冒頭部分で、強いインパクトを与えずには置かないラインです。
ここで和訳に用いた【銃爪(ひきがね)】に、覚えのある方もおありでしょう?
これは世良公則&ツイストが1978年に放ったヒット曲「銃爪(ひきがね)」を引用したもので、作者・世良公則の造語といわれます。

殺人というと重要なのが“動機”ですが、ここでは何も語られてはいません。
あるのは罪悪感と未来に対する絶望、そして“Mama”…。


Easy come, easy go, will you let me go?
気ままに生きただけだ…俺を見逃してくれ
Bismillah! No, we will not let you go. (Let him go!)
ビスミッラー!いいや、お前を見逃すわけにはいかない(彼を赦し給え!)

オペラ風のパートですが[opera]は元々イタリア語で、【Scaramouch(イタリア喜劇の空威張りする道化役者)】【Galileo】【Figaro】【Magnifico】【mama mia】などイタリアに関連した言葉がたくさん用いられています。
一方【Bismillah(بسم الله الرحمن الرحيم)】はアラビア語で“神(アッラー)の御名において”という意味の言葉であり、主人公は裁きを受け、彼と周囲は赦しを乞うている様子が窺えます。

リアルタイムで歌と詞をなぞるとやり取りが面白く、何度も赦しを乞うものの終に【Never, never let you go】と言い切られてしまい、その絶望感を極端な低音の【No, no, no, no, no, no, no.】で表現しています。
主人公は落胆の心情を【Mama mia, let me go.(愛するママ、俺を助けて)】と吐露し、困り果てた彼はあろうことか魔王【Beelzebub】に助けを求めてしまう…というオチ!
“溺れる者は藁をも掴む”といいますが、切羽詰まった人間の心情がよく出ています。



~Epilogue~

ところで、本作品は「Bohemian Rhapsody」というタイトルを掲げながら、その言葉自体は歌詞中に一切登場していません。
…では、このタイトルは一体何を訴えかけているのでしょう?

【rhapsody】は日本語では一般に“狂詩曲(きょうしきょく)”と訳され、“歌をつなぎ合わせること”というギリシャ語の語源に由来する通り、さまざまな曲調がメドレーとして組み込まれていてこの曲はまさにそれを体現しています。
一方【Bohemian】は文字通り“ボヘミアに居住する人”ですが、イギリスのバンドであるクイーンが何故ボヘミア(チェコの西部・中部地方を指す歴史的地名)なのか、イマイチ腑に落ちません…。

ブライアン・メイは「Bohemian Rhapsody」について、“何のことかって? 僕らの誰もわからないよ。僕が知る限り、フレディはそのことについて話さなかったし、それを望んでもいなかった。彼の心の中には何か思うことはあったんだろうけど、彼はこういった魔法のかけらをスピンするのが大好きだった。現実を少し、ファンタジーを少しってね。いろんな解釈ができるのを楽しんでいたと思う。”と語っています。

“現実を少し、ファンタジーを少し”

私は、この言葉が最も真実に近いような気がします。
実は【Bohemian】には派生した言葉の意味があって、15世紀フランスに流入していたジプシーの多くがボヘミア地方からの民であったことから、“定住性に乏しく、異なった伝統や習慣を持ち、周囲からの蔑視をものともしない人々”のことをボヘミアンに喩えるようになったそうです。

“定住性に乏しく、異なった伝統や習慣を持ち、周囲からの蔑視をものともしない人々”

私は、この言葉に“彼の宿命”を重ねずにはいられません。
誰しも身の上について他人に語りたくないものはあるであろうし、それが世間一般の規範に反するものであったなら尚更です。
“逆境”の宿命に生まれた彼は、[Bohemian]の生きざまに自らの希望を重ね合わせていたかもしれません。

Nothing really matters to me.
大したことじゃない
Anyway the wind blows.
どのみち、風は吹く…

“彼”に吹いたのは、どちらへ導く風だったのでしょう…



「ボヘミアン・ラプソディ」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s):Freddie Mercury /訳:Beat Wolf


[Acappella]
これは現実なのか…
それとも、ただの幻想?
押し寄せる土砂に飲み込まれ
目の前の現実から逃れられないでいる

目を見開いて
空を仰ぎみるがいい
こんな哀れな男でも、同情なんて要らない
いつだって気の向くまま生きてきたんだ
良きにつけ、悪しきにつけ
どのみち風は吹く、大した問題じゃない
俺にとっては…

[Ballad]
Mama...たった今、人を殺してきた
奴の頭に銃口を突きつけ
銃爪(ひきがね)を引いたら、呆気なく死んだ
Mama...人生は始まったばかりというのに 
もう終わりさ、すべて台無しだよ

Mama, ooh…
あなたを泣かせるつもりじゃなかったけれど
…明日の今頃、俺が戻らなくても
何事もなかったかのように、生きておくれ

もう手遅れさ、終幕の時がきた
背筋は恐怖に震え
全身が疼いて止まないんだ
さよなら…みんな、もう行かなくちゃ
あなたを後に残し、現実と向き合わねばならない

Mama, ooh…(どのみち、風は吹く)
死にたくないよ
あぁ…俺なんか、生まれてこなきゃよかったんだ!

[Opera]
一人の男の小さな人影…
スカラムーシュ…道化者よ、ファンダンゴを踊っておくれ
突然の霹靂、そして稲妻…
なんと、なんと恐ろしい!
(Galileo) ガリレオ…
ガリレオ・フィガロ
マニフィコ…

誰にも愛されることのない、哀れな男
貧しい家に生まれ落ちた、惨めな男
この奇怪な宿命から、彼を救い給え

気ままに生きただけだ…俺を見逃してくれ
ビスミッラー!いいや、お前を見逃すわけにはいかない(彼を赦し給え!)
ビスミッラー!いいや見逃さん(赦し給え!)
ビスミッラー!いいやダメだ(赦し給え!)
いいや、赦さん(赦し給え!)
決して、決して赦しはしない…
No, no, no, no, no, no, no.
あぁ…何てこった!(愛するママ、俺を助けて…)
ベルゼブブよ、悪霊を追い払っておくれ
俺のために…

[Rock]
そうやってお前は石を投げ、唾を吐きかけるつもりなのか
俺を愛してると言いながら、見殺しにすると?
あぁ、お前がそんな仕打ちをするなんて
ここから逃げなくちゃ…今すぐに!

(Oh, yeah, oh yeah)

[Ballad]
大したことじゃない
誰にでも起こり得ることさ
大したことじゃない…
俺にとっては

どのみち、風は吹く…


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

お久しぶりです(^^)
ボヘミアンラプソディは狭い車の中でも聴くのですが、右から左から「ママミア…」とても気持ちがいいです。フレディの曲は多彩で本当に素晴らしいですよね。惜しい人を亡くした…いつも思います。

2015.12.09  きり  編集

きりさん

お久しぶりです。i-179
クイーンのサウンドは厚みがあって
良い音響で聴くと迫力がありますよね。

ジョン・レノンや尾崎豊など、強烈な個性を持つ人は
早死にする例が多いですね…。

2015.12.09  Beat Wolf  編集

うん、これこれ!
いい歌声(*^_^*)

聞き惚れちゃいますね。

何かことが起きた時に、きっと“これは現実なのか、幻想なのか”と思うんでしょうね。
最後は、どのみち風が吹く^ ^って考える。

2015.12.11  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

そうそう、クイーンはコレですよね!
この歌声とハーモニーがナンとも言えません。

悪いことだった場合、幻であって欲しいって思いますよね!
でも、最後は「泣く泣く」諦める…?i-229

2015.12.11  Beat Wolf  編集

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