I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「君こそすべて」シカゴ

2016.01.08

category : Chicago & Solo

Chicago - Youre The Inspiration1 Chicago - Youre The Inspiration2


Chicago - You're The Inspiration (1984年)



~シカゴ、来日&ロックの殿堂入り~

あなたは、【XXXVI】という数字を見掛けたことがありますか?
これは1969年のデビューから47年目を迎えるアメリカのロック・バンド、シカゴの最新アルバム『Chicago XXXVI: Now』(2014年)のタイトルに刻まれる“ローマ数字”です。
そんな彼らが1/9~1/16に、4年ぶり【XIV】度目の来日公演を行います。

シカゴというと、2016年はもう一つ大きな出来事があります。
4月に催される『ロックの殿堂』式典に於いて、オリジナル・メンバー7人の“殿堂入り”が決まっているからです。
ただし、これは“キャリア47年、30曲以上のTOP40ヒット、全世界で1 億2,200万枚のセールス”を誇る彼らにとっては当然の栄誉であり、驚くべきは“今まで殿堂入りしていなかった方”にではないでしょうか?
むしろ私がここで言っている“大きな出来事”とは、“その式典にオリジナル・メンバーのピーター・セテラが出席し、一緒にパフォーマンスする「25or6to4(長い夜)」らしい?)”というコト!
ピーター・セテラは1985年にバンドを脱退した“バンドの声”ですが、当時彼と外のメンバーに生じた深い溝を知る私にとっては“二度と戻ることはない”と思っていたからです。
(詳しい経緯については、過去ログ;「グローリー・オブ・ラヴ」を参照)

…そんなゴタゴタはともかく、一時代を築いたシカゴの名バラードをお楽しみください♪



~概要~

「君こそすべて」は“ブラス・ロック”バンド、シカゴが1984年に発表したアルバム『Chicago 17』の収録曲です。
3rdシングルとなった「君こそすべて」はBillboard Hot 100の3位(1985年の年間37位)に輝き、2曲連続3位は前作『Chicago 16』も遂げられなかった快挙であり、70年代の全盛期にも劣らない“第2黄金期”の到来を確信させるものとなりました。
しかしこの時バンド内では修復不可能な亀裂が生じ、これによって「You're The Inspiration」の作者であり声であるピーター・セテラが脱退、一転してグループは“解散の危機”に陥ってしまいます。

その危機を救ったのがメンバーより20歳近くも若い新加入のヴォーカリスト、ジェイソン・シェフでした。
ピーターに近い声質を持ったジェイソンはピーター時代のシカゴのレパートリーをカバーするヴォーカリストとして、以降「You're The Inspiration」を歌い継いでいます(もちろん、今回のツアーで本作を歌っているのもジェイソンです)。
一方、作品発表直後にピーターはバンドを脱退してしまったため“ピーター+シカゴ”によるライブは恐らく実現しておらず、オリジナルの声であるピーターの歌はソロとして彼のライブで披露され、1997年にはR&Bグループ“Az Yet”をフィーチャーしてセルフ・カバーもなされました。

「You're The Inspiration」は元々はシカゴのために着想されたものではなく、きっかけは“ケニー・ロジャースのために曲を書いて欲しい”というデイヴィッド・フォスターからピーターへの依頼でした。
しかしイタリアで“Inspiration”を得て創作されたこの曲をケニーは採用せず、結局少し手直ししてシカゴの作品として発表されることになったというわけです。
“イタリアでInspiration”については興味深いエピソードがあるので、改めて【Epilogue】の項で詳しく触れたいと思います…。

 
 



~Lyrics~

You know our love was meant to be
わかっているね…二人の愛は運命であり
The kind of love that lasts forever
永遠に続いてゆくものなんだ

「You're the inspiration」には、【know】が随所に用いられています。
そういう点からすると、これは“確信的な愛”なのでしょう。

ところで、PVの冒頭に登場するカップルに見覚えありませんか?
もちろん本物ではありませんが、まるでこの頃人気急上昇だったビリー・アイドルとマドンナ!?
彼らのファッション、追いかけた方もおられることでしょう…♪ 


You should know, everywhere I go
わかっていておくれ…僕は何処にあろうと
You're always on my mind, in my heart, in my soul
その意識の上に、慈しみの中に、心の奥の真ん中に、いつも君がいることを

ここはお気に入りのセンテンスで、特に拘ってみました。
【mind】【heart】【soul】は何れも[精神活動]に関連する言葉ですが、それぞれ少しニュアンスは異なります。
【mind】は思考・認識など“知性が司る心”【heart】は愛情・悲しみといった“感情が司る心”【soul】は霊魂・魂など“人格の根源的な部分の心”…と定義して言葉を置き換えてみました。
(ちなみに、【spirit】意志が司る心

二人の間には、自由に会えない何らかの背景がありそう…。
通常【heart】だけで十分なのに、【soul】と【mind】をどうしても加えたかった主人公の気持ち、よくわかります。


And I know, yes I know that it's plain to see
そうさ、答えははっきりしてる
We're so in love when we're together
一緒にいると、愛しさが止まらないんだ

【know】が確信的であるのは、“そのせい”でしょう♪
好きな人がそばにいると気になったり、構いたくなったり、何かをしてあげたい気持ちが自然と湧き上がってくるものです。
それこそが愛情であり、苦痛になりません。
でも、相手のお茶が空になっているのも気づかなかったり、お代わりを頼むとめんどくさそうなのは…? 



~Epilogue~

【inspiration】は、普通に日本語でも“インスピレーション”で通じてしまう言葉です。
この場合のニュアンスを日本語にすると、“直観的なひらめき・霊感”といったところでしょうか…。

作者のピーター・セテラは「You're The Inspiration」の創作過程に於いて、イタリアを訪問しています。
出発時点ではタイトルも定まっておらず、美しい大理石が用いられたバロック様式の部屋で寝そべり“Michelangelo you should know, Michelangelo.(ミケランジェロ、あなたなら知っているはず)”と書いていると、“You're The Inspiration”が浮かんだらしい…

“…何のこっちゃ?”と思って調べてみると、ミケランジェロの絵画にはレオナルド・ダ・ヴィンチの『ダ・ヴィンチ・コード』ならぬ“ミケランジェロ・コード”と呼ぶべき謎が秘められているとする説があることを突き止めました!
それは、有名なシスティーナ礼拝堂天井画の中の『アダムの創造』の部分で《写真》、右側にいる“神が描かれた周辺が人間の脳(断面図)を暗示しているのではないか”という説。
つまり、“神が最初の人類たるアダムに生命を吹き込んだ”とされる『創世記』のエピソードを描いた極めて宗教的なこの作品に於いて、ミケランジェロは“神は天上にいるのではなく、人間の脳の中に存在する”という科学(解剖学)的見地によるメッセージを込めたというのです。
教皇の後援を受けながら神に対する概念を覆すかのようなメッセージが込められているとすれば非常にスリリングなことであり、そんな妄想を楽しんだ末ピーターは“You should know, Michelangelo.”の境地に至った?(…という、私の勝手な妄想です

Chicago - Youre The Inspiration3 Creazione di Adamo


何だか宗教臭い話の内容になってきましたが【inspiration】はまさに“神の啓示”のようなものであり、自分の意識や意思の中から生まれるのではなく外部から“魂が吹き込まれる【in-spirit】”ような不思議な感応を表す言葉です。
そのため、鼓舞(させる人[事])、激励(となる人[事])、感動、(突然の)すばらしい閃き、感化、刺激、第六感
…のように、心や感覚など内面に対する様ざまな作用をカバーしているだけでなく、“息を吸い込むこと”など生きてゆくことに不可欠な生理現象にまで意味が及んでいます。

You're the meaning in my life
君は、僕が生きる意味そのもの…
You're the inspiration
そして、“インスピレーション”

…こう考えてみると、「You're the inspiration」が「君こそすべて」になったのも頷けるでしょう?
【inspiration】は心の中の実にさまざまな作用を内包しており、それをたった一つの日本語に変換してしまうと折角の奥深さを限定してしまうことになるので、ここでは敢えてそのまま“インスピレーション”としておきました。
そこから先のストーリーは、あなたの【mind】【heart】【soul】の中に…


You're the inspiration... 

あなたは、この一行にどんな想いを込めますか?



「君こそすべて」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Peter Cetera, David Foster /訳:Beat Wolf


わかっているね…二人の愛は運命であり
永遠に続いてゆくものなんだ
だから、君とこうしていたい
今夜…そして、時が終わりを告げるまで

わかっていておくれ…僕は何処にあろうと
その意識の上に、慈しみの中に
心の奥の真ん中に、いつも君がいることを
Baby...

[Chorus:]
君は、僕が生きる意味そのもの…
そして、“インスピレーション”
生きている実感をもたらす
僕の“インスピレーション”
どうか、そばにいて欲しい
…その言葉を聞かせておくれ
世界の誰より君を必要としている、この僕に…

そうさ、答えははっきりしてる
一緒にいると、愛しさが止まらないんだ
だから、君とこうしていたい
今夜…そして、時が終わりを告げるまで

わかっていておくれ…僕は何処にあろうと
その意識の上に、慈しみの中に
心の奥の真ん中に、いつも君がいることを

[Chorus:]


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

おはようございます~
「心の奥の真ん中に・・・君は僕が生きる意味
そのもの・・・インスピレーション」と
歌の熱い気持ちが詞に幾度も込められ表現されているのですね。
2曲目の動画の画像が綺麗で、愛がいっぱいす~♪

2016.01.09  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

「心の奥の真ん中に・・・インスピレーション」
スルドい!(汗)

ご指摘の部分は、この作品の一番大切なメッセージなので
私も少々拘りました。
説明すると長いので解説記事、ぜひ読んでくださいね。

…そう、2曲目の動画はとてもラブラブでしょ♪

2016.01.09  Beat Wolf  編集

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2016.01.09    編集

匿名さま

了解です♪

2016.01.10  Beat Wolf  編集

こんばんは^^
人格の主要部分の心がheart、soulでそれにmind(思考と認識と知性)
spiritt(魂が司る心)を詞に考慮すると、歌詞に込めた真意が分かるの
ですね。インスピレーション(直感的なひらめき)で、この恋に当てはめられるということですね。
詞は奥が深くて大人の恋の心情です。
この楽曲が世界で成し遂げたセールスからとっくに殿堂入りしていて
良かったですよね。

Beat Wolfさんの大変、熟考された記事ですね(^_^)v

2016.01.12  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

つまり、【heart(愛してる)】だけでは足りず
「【mind】でも、【soul】にも君がいるよ」と
伝えたかったのだと解釈しています。(テンコ盛りでしょ?)

「You're the inspiration」
君は僕の【inspiration】(元気をくれて、励まし、感動をくれて、すばらしい閃き…)
…こちらもテンコ盛り!(汗)

あとは「思うがまま」、お好きな言葉を充ててくださいね。
(欲張って詰め込み過ぎると詩興を削ぐので、ご注意!i-278

2016.01.12  Beat Wolf  編集

“Michelangelo you should know Michelangelo”
何のこっちゃで、調べるBeat Wolfさん素敵!

神は天上にいるのではなく人間の脳の中に存在する・・・

探し求めているものは、自分の中に☆
神も自分自身も、全て自分の中に
愛そのものだと思います。

Knowですね(*^_^*)

2016.01.13  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

お褒めいただき、恐れ入ります…。(笑)
ピーター・セテラがイタリアへ行ったのでミケランジェロから
【inspiration】を得ようとしたのは理解できますが「知っているはず」は
ミケランジェロに詳しくない私には全く分からなかったのです。

神は、人間の想像が生み出したのか、何処かに絶対的に存在するのか
科学の発達した現在も証明できるものではありませんが、何れにしても
「探し求めているものは、自分の中に」と思って日々を生きる方が
より良い人生を送れそうな気がしますね♪

2016.01.13  Beat Wolf  編集

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