I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「カントリー・ロード(故郷へ帰りたい)」オリビア・ニュートン=ジョン

2016.03.04

category : Olivia Newton-John

Olivia Newton-John - Take Me Home, Country Roads1 Olivia Newton-John - Take Me Home, Country Roads2


Olivia Newton-John - Take Me Home, Country Roads (1973年)



~故郷へ帰りたい~

2016年2月10日現在まで2万4,608人の死者・行方不明者を出した東日本大震災の発生から、間もなく5年。
復興庁によると全国の避難者等の数は今年2月12日現在17万4,471人で、これはピーク時(34万6,987人)の1/2であるものの、一方で“5年経ってもまだ半数は避難生活のまま”という厳しい現実を示す数字でもあります。
また、同庁によると震災関連死(避難生活下での体調悪化や自殺による死)による死者数は2015年9月30日現在3,407人を数えており、特に福島県に於いては地震による直接死の数を上回っています。

昨年“シリア難民問題”が世界を揺るがし多くの関心が寄せられましたが、今この国にも5年間故郷を離れ避難生活を強いられたままの多くの人たちがいる…。



~概要~

「カントリー・ロード(故郷へ帰りたい)」はオリビア・ニュートン=ジョンの1973年のアルバム『Let Me Be There』の収録曲で、1stシングルとしてリリースされますがBillboard Hot 100では119位と全くヒットせず、辛うじてイギリスで15位を記録しています。

その後、日本では1976年に朝の情報番組『おはよう700』の看板コーナーで、アメリカ大陸を自動車で縦断する国外取材記“キャラバンII”のテーマ曲に採用されると人気に火が付き、「たそがれの恋」との両A面でシングルカットされオリコン洋楽チャートで11月29日付から15週連続1位という大ヒット(37.6万枚)となり、お茶の間の誰もが知る洋楽曲となりました。
(「故郷へ帰りたい」というタイトルなのに遠い異国を旅するテーマというのも、アレですが?

また、1995年にはスタジオ・ジブリのアニメ映画『耳をすませば』のオープニングにオリビアver.が再び採用されただけでなく、映画の主人公・月島雫が作詞し歌う(※)挿入歌/エンディングとなったことから、再び脚光を浴びたことをご記憶の方も多いでしょう。
(※実際の作詞は鈴木敏夫の娘・鈴木麻実子と宮崎駿、歌は月島雫を演じた本名陽子)
ちなみに、この日本語カバーの歌詞もオリジナルとは真逆の“…帰れない、さよならカントリー・ロード”という内容になっています!

一方「Take Me Home, Country Roads」のオリジナルはオリビアではなく、アメリカのカントリー歌手ジョン・デンバーが1971年に発表しHot 100で2位(年間8位)の大ヒットを記録した作品です。
元々この楽曲は夫婦デュオ“Fat City”のビル・ダノフ(Bill Danoff)とタフィー・ナイバート(Taffy Nivert)の共作であり、当初メリーランド近くの曲がりくねった道から着想を得たバラードとして創作したものでした。
二人はこれを人気カントリー歌手ジョニー・キャッシュの所に売り込むつもりでしたが、ジョンが気に入って歌いたがったので予定を変更し、彼に合うよう舞台をウェスト・バージニア州にするなど3人で手直ししたそうです。
ここで紹介するジョン・デンバーver.はその3人が共演した貴重な映像となっていますので、お楽しみください♪

 



~Lyrics~

Almost heaven, West Virginia
天空の地、ウエスト・バージニア
Blue Ridge Mountains, Shenandoah River
ブルー・リッジ山脈に、シェナンドー川

現在アメリカは大統領選挙・予備選の真っ最中ですが、候補者の一人ヒラリー・クリントンは2008年のウェスト・バージニア州民主党予備選の演説で“You know, like the song says, 'It's almost heaven.'”と、このラインを引用し同州で大勝利を収めたそうです。
ウェスト・バージニア州はアメリカ東部にある面積・人口共に小さな州で、すべての地域が山岳内にあることから“山岳州(The Mountain State)”とあだ名されています。
ただし、実際は「カントリー・ロード」で紹介している“[ブルー・リッジ山脈]は全く同州を通っておらず、[シェナンドー川]も僅かにかすめる程度”なのだそうです!
これは本作の作者である3人ともが同州の出身ではなく、当時十分確かめず発表してしまったために生じた誤解であり、このためジョン・デンバーは当地で歌う際は確かに同州に位置する[Appalachian Mountains(アパラチア山脈)]・[Monongahela River(モノンガヒラ川)]と言葉を替えて歌っていたそうです。

…とはいうものの本作は当地で熱烈に歓迎されており、「Take Me Home, Country Roads」は2014年に公式にウェスト・バージニア州の4番目の州歌となっています。


All my memories gathered 'round her
思い出すのは、彼女にまつわることばかり
Miner's lady, stranger to blue water
鉱夫に囲まれ、青海原を知らぬ女性(ひと)

歌に度々登場する【her】は、どうやら主人公の思慕の対象者であることが理解できるでしょう。
これを男性のジョン・デンバーが歌うと“初恋の相手”かもしれないし、女性のオリビアだと“お母さん”…なのかもしれません。
また、[her]に限らず歌に登場する風景の一つひとつが“故郷=母のぬくもり”のイメージと重ねられているような気もします。

ウェスト・バージニアは国内第2位の石炭生産量を誇る一大産地であり、内陸にあるため【blue water(海)】には面していません。
【Miner's lady】は、[her]を母とするか娘とするかで随分イメージが変わってきそう…?


Dark and dusty, painted on the sky
暗く、塵まみれの空気が覆う空
Misty taste of moonshine
ぼんやりとした味の“ムーンシャイン”

ウェスト・バージニアは森林や自然の豊かな土地ですが“炭鉱の町が故に、空が【Dark and dusty】”とイメージしました。
【moonshine】は“密造酒”のことで、アメリカでは特に“ウィスキー”が多いようです。
自己流で造った酒なので当然ちゃんとした製品の味には程遠く、【Misty(かすみのかかった・薄ぼんやりとした)】という表現から察するに、正直あんまり美味しくはないのでしょう。
でも、その独特な風味だからこそ“郷愁”を誘うものなのかもしれません…。



~Epilogue~

つい先日、震災後の被災地に生きる一人の男性(58)についてのニュースを見ました。
建物の9割が被災し死者・行方不明者827人を出した宮城県女川町に暮らす彼は、津波で22年間連れ添った奥さまが行方不明となってしまいました。
彼女の捜索はダイバーに任せるより外はなかったものの、“人任せではいけない”と一念発起し自ら潜水士の国家資格を取得。
行方不明者捜索チームに参加し活動を続けてきましたが、現在もまだ彼女を発見できてはいないそうです。

ここまできたら、無事でないことは解かっている。
でもこのまま冷たい海でというのも可哀そうだし、最後(津波に飲まれる直前)のメールに‘帰りたい’とあったので、今でも帰りたいだろう。
だから迎えに行きたい。遺骨の一部でも連れて帰りたい。



Country Roads, take me home
カントリー・ロード、連れて行っておくれ…
To the place I belong
私の、あるべき場所


…そして、ここにも“故郷へ帰りたい人たち”がいます。

7月には参議院選挙があり、巷では安倍首相はそれに合わせ2014年12月に改選したばかりの衆議院も解散し“衆参ダブル選挙”にする腹づもりと囁かれているからです。
もちろんこれについて首相本人は否定し続けていますが、“それが自民党に有利であるなら必ずやる”でしょう。
そういう状況にある現在、殆んどの国会議員の関心を占めているものは“選挙”です。

しかしあなたは任期中の国会議員であり、国民のため第一に果たさねばならない職務があることをどうか忘れないでください。
今この瞬間も震災の苦しみと闘い、心の傷を負ったままの国民がたくさんいることを…。



「カントリー・ロード(故郷へ帰りたい)」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Bill Danoff, Taffy Nivert, John Denver /訳:Beat Wolf



カントリー・ロード、連れて行っておくれ…
私の、あるべき場所
ウエスト・バージニアの、母なる山へ
導いておくれ、故郷へと続く道…

天空の地、ウエスト・バージニア
ブルー・リッジ山脈に、シェナンドー川
そこでの人々の営みは、今ある木々よりも古く
あの山々の歴史より浅い
微風のように、ゆったりとした時の流れ…



思い出すのは、彼女にまつわることばかり
鉱夫に囲まれ、青海原を知らぬ女性(ひと)
暗く、塵まみれの空気が覆う空
ぼんやりとした味の“ムーンシャイン”
目には、涙の雫…



ある朝、彼女の声がする
私を呼ぶ、その声が…
流れるラジオは、遠い故郷を憶(おも)わせ
この道の向こうへと、心は急き立つ
昨日、帰るべきだった…




~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

こんばんは~
「カントリー・ロード」は軽やかで爽やかで、優しい声で、
曲調からギター片手にジーンズの方がロングドレスよりもと
思ったりもします。
♪天空の地、ウエスト・バージニア微風の
ように、時の流れ・・・この道の向こうへと心は浮き立つ♪

埃ぽっい道路で心弾むように歌うシーンのイメージがわいてきます。
歌は一緒に歌いたくなるメロディーですね^^

2016.03.04  みすてぃむーん  編集

ウワオ!
今日ジョンデンバーのを聴いてウルッとしてました。その内載せるつもりになって。
偶然にビックリ!
ジブリの「耳を澄ませば」以来。カントリーロードは雫と聖司を思い出すようになってますが…

2016.03.04  carmenc  編集

みすてぃむーんさん

「カントリー・ロード」…
「ウエスト・バージニアって、どこ?」的な
ローカルなご当地ソングですが、日本でも有名な曲ですね♪
確かに、「ギター片手にジーンズ」が似合うカンジで
「作者本人」は、まさにそんな恰好で歌ってます。

歌詞をいろいろ挙げていただきましたが、実はこの歌
結構メンドクサイ歌です。
(だって、「ウエスト・バージニア」って言われてもイメージ湧かないでしょ?(笑))
「埃ぽっい道路」的なイメージかは、乞うご期待!?

2016.03.04  Beat Wolf  編集

carmencさん

本来、オリジナルのジョン・デンバーですよね!
私は、オリビアで初めて知りました。

「耳を澄ませば」バージョンは、歌詞が面白いですね。
その辺も触れたいと思います。

2016.03.04  Beat Wolf  編集

こんばんは~
同じ曲でも、ジョンの方はカントリー色と素朴さとリズムで、オリビアは女性の
綺麗な声で、曲は編曲次第で変化しますね。リズムがよくて覚えやすい曲ですー。

でも今晩は、被災地のこと阿部総理のことヒラリーさんのことでミックス味に
なってしまいました。 3、11ですね。
♪天空の地、ウエスト・バージニア
ぼんやりとした味の“ムーンシャイン”目には、涙の雫・・・♪

2016.03.07  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

そうですね、歌う人によってテイストが全然変わりますよね。
ジョンの方はそれこそカントリー・テイストですが
オリビアはゴスペル風のコーラスを入れています。

衆議院の任期がまだ2年以上残っていって
被災地ではまだ苦しんでいる人が沢山いるのに
わざわざ解散して、選挙してる場合じゃないと思ったのです。

“ぼんやりとした味のムーンシャイン”…
“みすてぃむーんさん”も、味わい深いテイストを隠し持っておられるのでしょうね?(笑)

2016.03.07  Beat Wolf  編集

故郷へ帰りたい。
私も、被災地に生きる一人の男性のお話みました。
奥さんを連れて帰りたい!
その想いだけで、潜水士の資格を取り潜っている。

自民党も、安部首相も何を考えているのか?
政治家になりたいと思った初心に戻って欲しいものです。(最初から間違っていたのなら、どうしようもないですが)

同じ歌も、歌い手によって違いますね☆
どちらも素敵です☆

2016.03.11  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

私も偶然このニュースを見て、是非知っていただきたいと思いました。
家族を失った方にとって心の傷は消えることはありませんが
行方不明の場合は、もっと苦しいことでしょう。
彼らにとって、「まだ震災は終わっていない」のです。
為政者には、まずそのことを優先して考えて欲しいと思いました。

まず、楽曲が良いのでしょうね♪
素朴ですが、心に響きます。

2016.03.11  Beat Wolf  編集

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