I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ジェラス・ガイ」ジョン・レノン

2016.12.02

category : Beatles & Solo

John Lennon - Jealous Guy1 John Lennon - Jealous Guy2


John Lennon - Jealous Guy (1971年)



~I'm just a jealous guy...?~

先ごろ、ジョン・レノンとオノ・ヨーコがビートルズ解散後の1971年にポール・マッカートニーとその妻のリンダへ宛てた非難の手紙が約30000ドル(約330万円)で落札されたと報じられました。
この年ジョンとポールは“ビートルズが残した負の遺産”を法廷で争っただけでは飽き足らず、それぞれのソロ作品上でも激しく互いを批判し合っていたのは有名な話です。

今回の報道を知った時、ジョンがポールに宛ててメッセージしたとされる「How Do You Sleep?(眠れるかい?)」を反射的に思い浮かべましたが、正直これは“詩というより子どものケンカ”なので、もっとジョンの魅力を伝えるに相応しい“Jealous Guy”を選曲いたしました…。



~概要~

「ジェラス・ガイ」は、1971年に発表されたジョン・レノンの2ndアルバム『イマジン(Imagine)』の収録曲です。
当時シングル・カットはされておらずジョンの死後、1981年に東芝EMIが日本独自の追悼シングルとして発売しました。
また、同年にはイギリスのロック・グループであるロキシー・ミュージックがやはり追悼としてシングルをリリースしており、彼らにとって初の全英チャート1位獲得曲となっています。

本楽曲はビートルズ時代の1968年、インド滞在中に創作されたものがベースになっており、この時点からメロディーは「Jealous Guy」と同じであるものの、歌詞はヒンドゥー教に由来する超越瞑想の創立者マハリシ・マヘシ・ヨギの思想に影響されたものとなっており、タイトルも「Child of Nature」でした。
しかしすぐにジョンがマハリシに失望したためか、完成度に満足できなかったかは不明ですが同年発表の『ホワイトアルバム』のリストからは除外されています。
さらにこの曲は1969年1月の“Get Back Session”でも試みられたもののこれも『Let It Be』の選曲から漏れてており、結局その一部は2003年発売の『Let It Be... Naked』のボーナスCD『Fly on the Wall』に収録されました。

その後「Child of Nature」は、ソロとなったジョンが1971年にメロディーをそのまま生かし歌詞を書き換えて「Jealous Guy」としてようやく完成させました。
「Jealous Guy」は1988年にジョンの自伝的映画『Imagine』でも取り入れられており、その影響から本曲が再び世界的に脚光を浴びる結果につながって楽曲発表から17年経って初めてBillboard Hot 100で80位にチャート・インしています。
また、1998年にはジョンの未発表音源を集大成したCD4枚組ボックス・セット『John Lennon Anthology』の中にも本曲のアウトテイクが収められ、私はこのバージョンがオリジナルに劣らず好きです。

 
 



~Lyrics~

I was dreaming of the past
昔のことを夢で見ていたら
and my heart was beating fast
胸の鼓動が乱れ打ち

出だしから、いきなり意味深発言です。
でも【the past】っていつ、どんな思い出を指しているのでしょう…。

ヨーコは、“ジョンが(過去に)私と寝た男のリストを作っていた”と語っているそうですが、だとしたらそれを夢で見てジョンがうなされていたってコト!?
そういえば、以前にも“オトコがリストを作った曲”があったような…。
正解は、コレ♪ 


I was trying to catch your eyes
その視線を独り占めにしようとしていた
I thought that you were trying to hide
“君が姿を隠そうとしてるんじゃないか?”って

さらにヨーコによると、ジョンは一緒に暮らすようになってから彼女に全ての時間そばにいることを求め、男性用トイレの中にまで帯同させられたといいます。
これは、“少しでも目を離すとヨーコが他の男と何処かへ行ってしまうのではと恐れていた”という理由らしいのですが…。

“ジョンのリスト”の話はともかく、これはホントだと思います!
レコーディング・スタジオ内にベッドを運び込んで、そこにヨーコを常駐させた人ですから…。


I was shivering inside
心は震えていたんだ
I was shivering inside
ぶるぶると…

…一方、ポールは“僕についての歌だ”と言及しています。
彼によると、ジョンはよく“みんなマッカートニーのバンドワゴン(パレードの先頭を走る楽隊を乗せた車や馬車)だ”と言っていたそうで、つまりビートルズはポールの引き立て役で、ジョンがポールに嫉妬していたと解釈しているようです。

でもヨーコにしろ、ポールにしろ、何だか自分に都合のいい解釈をしているような…? 


~Epilogue~

最後に、私Beat Wolfの抱いている勝手な解釈をお聞きください。

ポールは“ジョンは僕に嫉妬”、ヨーコは“ジョンはヨーコの身の回りにいる全ての男に嫉妬”してると解釈しているようですが、私は少し違っています。
基本的にはヨーコ説と同意ですが、私には冒頭の[I was dreaming of the past昔のことを夢で見ていたら)]が引っ掛かって仕方ありません。
ジョンが嫉妬深い男であることは周知の事実であるものの、問題は“彼が何故(病的ともいえるほど)そんなに嫉妬深くなってしまったのか”です。
そこには、彼の幼少からの生い立ちが深く関与しているのではないかと…。
(“I was dreaming of the past=昔ヨーコが男に抱かれた夢”じゃダメなのか? 


ジョンの父・アルフレッドはジョンが2歳のころ妻子を置いて姿をくらまし、これに伴い母ジュリアも他の男性の所で暮らすようになって、ジョンは彼女の姉メアリー(ミミ伯母)夫婦に預けられながら近くにある母の家とを互いに行ったり来たりして幼少期を過ごします。
こうした複雑な生育環境がジョンにとってトラウマとなっていたことは1970年の「Mother」に綴られているとおりですが、さらに彼の心に深い傷を与えたのが母ジュリアの突然の事故死であり、当時17歳だったジョンはその葬儀の間じゅう伯母ミミのひざに顔を埋めたままというほど取り乱していたそうです。

人生に於いて何度、ジョンは愛すべき人に置き去りにされてきたことだろう…


Oh my I didn't want to hurt you
あぁ…君を傷つけたかったわけじゃない
I'm just a jealous guy
ただ、僕がやきもち焼きなだけ

ジョンが大人になってからも度々その悪夢に苛まれることがあったとするなら、
何となく“やきもち”の理由も解るような気がします…。



「ジェラス・ガイ」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): John Lennon /訳:Beat Wolf


昔のことを夢で見ていたら
胸の鼓動が乱れ打ち
鎮まらない…
抑えが効かなくなってしまった
君を傷つけるつもりじゃなかった
泣かせてしまって、ごめんね
あぁ…傷つけたかったわけじゃない
ただ、僕がやきもち焼きなだけ

心細かった…
“もう君が愛してくれないんじゃないか?”って
心は震えていたんだ
ぶるぶると…
君を傷つけるつもりじゃなかった
泣かせてしまって、ごめんね
あぁ…傷つけたかったわけじゃない
ただ、僕がやきもち焼きなだけ

Whistling...

君を傷つけるつもりじゃなかった
泣かせてしまって、ごめんね
あぁ…傷つけたかったわけじゃない
ただ、僕がやきもち焼きなだけ

その視線を独り占めにしようとしていた
“君が姿を隠そうとしてるんじゃないか?”って
だからその痛みを飲み込もうと…
耐えていたんだ
君を傷つけるつもりじゃなかった
泣かせてしまって、ごめんね
あぁ…傷つけたかったわけじゃない
ただ、僕がやきもち焼きなだけ

…だから、このやきもち焼きを見守っていておくれ
決して、その視線から外すことなく…


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

いい曲ね
知らなかったです
ジョンの素直な気持ちね。
素直な歌い方にその思いが伝わって来ますね!

2016.12.02  carmenc  編集

Beat Wolfさん、こんばんはー
やきもちですかー
女の2文字は見慣れているせいか、そうなんだと
何となく思ってしまいますが、男は収まりが悪い?
男性のやきもちとはどんなやき方でしょうか?

ジョンには長く生きて、もっと曲が聴きた
かったです(>_<)

2016.12.02  みすてぃむーん  編集

carmencさん

おぉ、さすがに一聴して、ジョンの心中を察しましたか!
でも歌詞を考えると、「どうして嫉妬するようなことになったのか」
って思わされませんか?
…次は、その辺を探ってみたいと思います。

2016.12.02  Beat Wolf  編集

みすてぃむーんさん

「嫉妬」という字を見慣れているせいか、やきもちというと女性が浮かびますが
内心は男性も変わらないのではないでしょうか…。
でも、それとは関係なく「男疾 男石」の字からは
「やきもち」のイメージが浮かばないと思いません?(笑)

ジョンには長く生きて欲しかったですが
もし生きてたら、どんな問題発言していただろうと楽しみです!?(笑)

2016.12.02  Beat Wolf  編集

Beat Wolfさん、こんばんはー
ジョンのやきもちなど、あまり知らずにこの曲調と
メロディーを聴いているとわりと穏やかで好きです~♪

ポール説とヨーコ説は、これまでの両親の別れや置き去り感を
考えるとと身近なヨーコの方に思えてきますけれど...(笑


手紙の落札をする人って、変わっています。

2016.12.05  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

穏やかなのは、ジョンが気持ちを素直に出しているからではないでしょうか…。
誰だって欠点があって失敗もするけれど、「迷惑掛けて、ごめん」の気持ちが込められています。

みすてぃむーんさんはヨーコ説でしたか!
でもこの歌がそうかはともかく、ジョンがポールの才能に脅威を感じていたのはあると思います。

…まぁ、ほとんど印字ですけどね?(笑)
でも私は、ジョンの歯とか髪の毛のオークションの方がもっと理解できません…。(汗)

2016.12.05  Beat Wolf  編集

過去のトラウマに振り回されている自分をコントロールできず、悔やんでいる。
だからこそ、自分を責めながら自分を癒しているのかな?

ヨーコもポールも、自分に自信がある(自分を愛してる)からこそ出てくる言葉なんでしょうね。

ジョンとヨーコをバイオグラフィーワークで学んだことがあります。
2人は出会ったことで世界が変わった!?
難しい(^_^;)

2016.12.06  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

経験はプラスに働くこともあれば、マイナスになることもあります。
マイナスのために過剰反応してしまうこともありますが
☆dct☆さんなら、上手にコントロールできそうですね♪
でもヨーコやポールなら、「自分が失敗するはずはない!」
と、もっと強気かもしれません!?(笑)

ジョンとヨーコの出会いによって、二人の人生は劇的に変わりました。
特にジョンの生い立ちからすると、「ヨーコじゃなければだめだった」と思います。
でも、政治の利害は彼らの活動の外にありますから…。

2016.12.06  Beat Wolf  編集

ジェラスガイはジョンのソロで3本指に入る大好きな曲です。この時期はジョンレノンの哀悼記事が増えますね。今年は本当にロック界の巨星が次々と亡くなる悲しき年となりました。 デビッド・ボウイ、グレン・フライ、モーリス・ホワイト、ジョージ・マーチン、キース・エマーソン、プリンス、レオンラッセル・・・、そしてグレッグレイク・・、時は確実に流れています。

2016.12.10  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

そうですね、私も大好きな曲です。
確かに今年は巨星が次々と亡くなりましたが、プリンスの世代は別として
60-70年代のヒーロー達は70歳を越えたりしてるので、これからは毎年一定数
亡くなってゆくことを覚悟しなければならないのでしょう。
寂しいことですね…。

2016.12.10  Beat Wolf  編集

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