I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ザ・クリスマス・ソング」ナット・キング・コール

2016.12.16

category : Christmas

Nat King Cole - The Christmas Song1 Nat King Cole - The Christmas Song2


~ザ・Christmas Song~

“クリスマス”といえば欧米の主要な宗教であるキリスト教を代表する行事の一つですが、こと“クリスマス・ソング”に関してはキリスト教国ではない1990年代頃までの日本の方が旺盛に新作が創作されていたような気もします。
(近年は日本でも印象的な新作が生まれていないようにも思えますが…)
…とはいえ、由緒・伝統あるクリスマスにはノスタルジックなテイスト漂うゆったりとした古い歌が実によく似合うものです。

今回ご紹介する「The Christmas Song」も70年以上前に生まれた作品であり、まさにタイトルの如く21世紀の現在も変わらずアメリカ国民に愛され続けているクリスマス・ソングです。
どうぞ、素敵な歌声と共に最後までごゆっくりとお過ごしください。 



~概要~

「ザ・クリスマス・ソング」はフランク・シナトラと並ぶアメリカ・ジャズ界の巨人であった歌手/作曲家メル・トーメ(Melvin Howard “Mel” Tormé)と、当時彼とコンビを組んでいたソングライター、ロバート・ウェルズ(Robert Wells)が1945年に共作した作品です。
楽曲自体はほんの40分で出来上がったものの最初のレコーディングはそのメル・トーメではなく、1946年6月にナット・キング・コール率いる“The King Cole Trio”による最少編成でのシンプルなものでした。
しかしこの音源は所属レーベルであったキャピトル・レコードの反対に遭い発表は叶わず、40年以上経った1989年にようやく初公開されています。

1946年8月、初めてレコードとして発売されることとなる音源が“The King Cole Trio with String Choir”によって録音、その名が示すとおりここで初めてストリングス(弦楽四重奏およびハープ)が編成されました。
このバージョンは同年11月に78回転盤(蓄音機用レコード)としてリリースされ、ポップス/R&Bチャートの双方で大ヒットという成果を残しています。
1953年11月には、初めて磁気テープを使用しネルソン・リドルのフル・オーケストラを加えた3度目の録音が78回転SP盤(10インチ)/7インチ45回転盤の双方で発売されました。

1961年3月、ナットの初期のヒット作をステレオで再録音するという企画のアルバム『The Nat King Cole Story』のため、「The Christmas Song」は4度目のレコーディングが試みられ、アレンジは1953年ver.とほぼ同じだったものの円熟味を増したナットのヴォーカルとステレオ録音ということから、現在まで最も知られているのがこの1961年ver.です(1991年にはデジタル・リマスターが施された)。


ナットの“ベルベット・ヴォイス”があまりにも有名な「The Christmas Song」ですが同じ“ベルベット(The Velvet Fog)”の称号を持つこの曲の作者メル・トーメ自身が歌ったバージョンも忘れてはなりません。
それ以外にもクリスマスのスタンダード・ナンバーである本作はフランク・シナトラやビング・クロスビーといった“いかにも”な大物たちが競ってカバーしていますが、ここではナットの愛娘ナタリーとイタリアのテノール歌手アンドレア・ボチェッリがデュエットした映像と、ナットに負けない美声のアーロン・ネヴィルver.をご紹介いたしましょう。

でもリストの中にはこの曲のテイストとは正反対のイメージの意外な大物もカバーしていて、特に興味を引いたのがジェームス・ブラウンとボブ・ディラン!
強烈な個性をもつ彼らがこのスタンダード・ナンバーを歌うと、果たして…? 


 
 



~Lyrics~

Chestnuts roasting on an open fire
暖炉で炙(あぶ)られる栗
Jack Frost nipping at your nose
鼻を凍えさせるジャック・フロスト

【Jack o' Frost】は冬になると現れるというイングランドの民間伝承に登場する“霜の妖精”で、笑い声をあげて寒気をふりまき、怒ると人間を凍らせたりする恐ろしい存在とされ、霜や厳寒の擬人化表現でもあります。

1945年7月、「The Christmas Song」の作者の一人ロバート・ウェルズはカリフォルニアの焼けるような夏の暑さにウンザリし、気分だけでも涼しくなろうと寒い冬のことを思い浮かべノートに書いたのが、このフレーズを含む最初の4行だったそうです。
(…ということは、寒いこの時期はクリスマス・ソングより「あー夏休み」がいい!? 


Yuletide carols being sung by a choir
聖歌隊はユールタイドの賛美歌を唱え
And folks dressed up like Eskimos
人々は、エスキモーの装い…

ここにも、“極寒”を想起させる【Eskimos】…

【Yuletide】は、古代ヨーロッパのゲルマン民族・ヴァイキングの冬至祭だったユール(北欧語: jul、英語: yule)がキリスト教伝来によって名実共にクリスマスと一体化しそれに【tide(季節)】をくっつけた言葉で、つまり“クリスマスの季節”という意味です。
ちなみにクリスマス・シーズンというと、日本ではハロウィン明けから12/25までというイメージですが、アメリカでは“感謝祭(11月第4木曜日)”後から年を越して“1/6(公現祭)”まで続きます。


Tiny tots, with their eyes all aglow
目を輝かせたちび助たちは今夜
Will find it hard to sleep tonight
きっと、お利口になんか寝付きやしない

クリスマスの意味について日本とアメリカでは結構ギャップがあるように思えますが、[ちび助たち]にとっては日本もアメリカも変わりないようです!
子どもたちにとってクリスマスはサンタでありトナカイであり…そして最大の意味は“ソリに積んでいるもの”の中にあるに違いありません。
(…あなた自身も、覚えがあるでしょ? 

でもクリスマスの季節がやってくると街全体が飾り付けやイルミネーションに彩られ、そしてあちこちで聴こえてくるクリスマス・ソング…
たとえ92歳になろうと、きっと私はこの素敵な雰囲気に胸を躍らせていることでしょう♪



~Epilogue~

“Merry Christmas”

日本でもこの季節になると、子どもから大人までごく普通に交わすほどこの英語の挨拶は浸透しています。
しかし日本にその慣習をもたらせたアメリカ(特にニューヨーク)では近年、公共で“Merry Christmas”が使われなくなってきています(代わりに“Happy Holidays”が使われている)。
宗教心の薄い多くの日本人にとってあまり意識しないことかもしれませんが【Christmas】は[Christ(キリスト)]の降誕を祝う[mass(ミサ/祭儀)]を意味する言葉であり、キリスト教以外の信徒に対する配慮がなされたためといわれます。

病を治す薬が命を奪う毒となるように、どんな美しい言葉でさえ悪意を込めて用いれば人を傷つけてしまうものであり、つまりは言葉を使う人次第なのです。
それだけに、近年アメリカで“Merry Christmas”が使われなくなったというのはちょっと残念な感じがします。
何故なら、通例使われる【Merry Christmas】は[I wish you a merry Christmas(あなたの楽しいクリスマスを願っています)]の気持ちを込めたものであり、そこに悪意は伴いません。
【Merry Christmas】の言葉のもつ精神こそが“あなたの幸せ”、そして“あなたの隣人の幸せ”を思いやることに繋がり、街の飾り付けやクリスマス・ソングにもその精神が反映されて、この時期特有の“クリスマスの幸福感”を醸し出す根源であると思うからです。

異教徒であれ、異国人であれ、異民族であれ、その言葉に込められた精神に差別はない…
…そう、私は信じています。
だから今年も、この記事の先にある誰かとその想いを分かち合うため、この言葉を贈ります。

Although it's been said many times, many ways
使い古された言葉ではあるけれど…
Merry Christmas to you
“あなたにとって、素敵なクリスマスでありますように”



「ザ・クリスマス・ソング」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね。


Writer(s): Robert Wells, Mel Tormé /訳:Beat Wolf


暖炉で炙(あぶ)られる栗
鼻を凍えさせるジャック・フロスト
聖歌隊はユールタイドの賛美歌を唱え
人々は、エスキモーの装い…

誰もが知っている…
七面鳥やヤドリギが、この季節に晴れやかさを添えることを
目を輝かせたちび助たちは今夜
きっと、お利口になんか寝付きやしない

だってみんな、サンタがもうすぐ来るって知ってるんだ 
ソリにオモチャとお菓子をどっさり積んでいることも
そして、こっそり見張るつもりなのさ
トナカイがどうやって空を飛ぶのか

…だから、ささやかな言葉を贈ろう
1歳から92歳までの“子どもたち”へ
使い古された言葉ではあるけれど…

“あなたにとって、素敵なクリスマスでありますように”


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 クリスマス 

コメント

ナットキングコールとは渋いですね~!娘さんのナタリー・コールの歌は若き日によく聴きました。

2016.12.17  ローリングウエスト  編集

Beat Wolf さん、こんばんはー
Nat King Coleは、情感込めて伸びやかな歌い方で本当に上手ですね。
天声の才能ですねぇー!!
愛娘ナタリーもスラッとしたスタイルでとても女らしい声に歌い方です。
目ヂカラもすごいです。

クリスマス・ソングと共にいよいよ、クリスマスが近づいてきましたね。

去年は「我が家でクリスマス」でしたよね~♪

2016.12.17  みすてぃむーん  編集

ローリングウエストさん

ナットの声は渋いですね。
でも娘さんも、負けず劣らずの美声の持ち主ですよね♪

2016.12.17  Beat Wolf  編集

みすてぃむーんさん

お父さんの艶のある声は余人をもって替え難く
まさに「天声」と言うべきものです♪
一方、愛娘ナタリーも父に負けていません。
美声も然る事ながら、あの透き通った「目ヂカラ」!(笑)
…すごい父娘です。

そう、去年は「我が家でクリスマス」でした。
「ザ・クリスマス・ソング」も古い時代の歌ですが
この時代の歌ってゆったりして、いつ聴いても心を癒します~♪

2016.12.17  Beat Wolf  編集

Beat Wolfさん、こんばんは。
“Merry Christmas”ですね(*^。^*:)
その言葉のもつ精神が幸せに繋がり飾り付けやクリスマス・ソングにも
その精神が反映されクリスマスの幸福感”を醸し出す根源って
よくわかります。
ナット・キング・コールの歌声はクリスマスの幸福感を歌いあげて
いますね(^^♪
サンタがもうすぐ来るのだからクリスマスは家でしなければと思えます~~

2016.12.20  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

“Merry Christmas”
素敵な言葉ですよね♪
挨拶として気軽に使っていますが
言葉の意味を考えると、相手を気遣うことでしょ?
確かにクリスマスは元々キリスト教徒だけのものだったかもしれませんが
そういう思いやりって、宗教に関係なく人類共通にあるべき精神です。
そして、その理想に最も近づけたのがクリスマスの幸福感なのだと思います。

そうそう、良い子にしてないとサンタさんが来てくれませんからね?(笑)

2016.12.20  Beat Wolf  編集

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