I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ヒート・オブ・ザ・モーメント」エイジア

2017.02.10

category : Asia

Asia - Heat Of The Moment1 Asia - Heat Of The Moment2


Asia - Heat Of The Moment (1982年)



~追悼 ジョン・ウェットン~

今回は1月31日に亡くなったイギリスのロック・バンド、エイジアのヴォーカリスト/ベーシストのジョン・ウェットン(John Wetton/享年67)の追悼記事です。

ジョン・ウェットンは1970年代前半からプログレッシブ・ロックの五大バンドの一つに数えられるキング・クリムゾン (King Crimson) のメンバーとして名を上げ、その後もロキシー・ミュージックやU.K.としてイギリスのロック界に輝かしい足跡を残しました。
その彼の訃報に対し、エイジアのメンバーをはじめ数多くのミュージシャン仲間から追悼の言葉が寄せられています。

一方、2014年にクリームの盟友ジャック・ブルースをギターで追悼したエリック・クラプトン(過去ログ「ホワイト・ルーム」)は、同じ時代を生きた仲間であるジョンに対しても「For John W」と掲げ、自らのギターによって彼の冥福に祈りを捧げました…。





~概要~

エイジアを語る上で必ず挙げられるのが“スーパーグループ(Supergroup)”という形容で、まさにその名に相応しい大物ミュージシャンによって構成されました。
結成当初のメンバーは…

vo/b; ジョン・ウェットン "John Wetton"(元キング・クリムゾン)
g/vo; スティーヴ・ハウ "Steve Howe"(元イエス)
key ; ジェフリー・ダウンズ "Geoffrey Downes"(元バグルス/イエス)
ds ; カール・パーマー "Carl Palmer"(元エマーソン・レイク・アンド・パーマー)

プログレ五大バンドのうち3つまでが参加という信じられない豪華な顔触れが実現したことから、当時ロック界では“衝撃”として受け止められました。
1982年3月、1stアルバム『詠時感~時へのロマン(原題:Asia)』がリリースされ、デビュー・シングルとなった「Heat of the Moment」がBillboard Hot 100で3週連続4位(年間40位)と人気を牽引すると、アルバムもBillboard 200で9週No.1(年間No.1)に輝くなど、全世界で1500万枚をセールスする大成功を収めました。

一方、本国イギリスではシングル/アルバムが46位/11位と、アメリカとは正反対の評価となりました。
そのイギリスでの「Heat of the Moment」のシングルB面曲はアルバム収録の「Time Again」だったのに対し、それ以外の国ではアルバム未収録の「Ride Easy」が選曲されており、これは作者ジョン・ウェットンにとってエイジアでのフェイバレット・ソングだそうです(私も好き♪)。
その後も「Ride Easy」はオリジナル・アルバムには収められることはなく、1986年に日本のみで発売されたEP『Aurora』や日本公演を記録したDVD『Fantasia - Live In Tokyo 2007』に収録されています。

また、「Heat of the Moment」が大ヒットした要因の一つには“斬新なPV”があります。
画面分割を巧みに用いた印象的なこの映像を制作したのは「I'm Not in Love」で有名なバンド“10cc”のメンバーでもあるゴドレイ&クレーム (Godley & Creme)で、この2人はハービー・ハンコックの「Rock It」やポリスの「Every Breath You Take」といった80年代を代表する数々の名作を生み出したクリエイターであり、覚えておいででしょうか…当ブログで過去に特集したジョージ・ハリスンの“長ぁ~い楽器のフシギな映像”「When We Was Fab」のPVも彼らによる創作なのです!


ところで、バンド名が“Asia”というだけあって何かと日本と縁のあるエイジアですが、初来日は1983年に発表された2ndアルバム『ALPHA』の後のワールド・ツアーでした。
しかしその直前に“バンドの声”であるジョン・ウェットンがアルコール中毒のため一時メンバーを外されており、そのため急遽元キング・クリムゾン/ELPのグレッグ・レイク(vo/b)を招聘し三重県志摩市の”ヤマハリゾート合歓の郷”で1ヶ月間リハーサルを積んだ上で公演が行われました。
何かと共通点の多いこの2人ですが、そのグレッグ・レイクがジョンの僅か2か月前、昨年12月7日にジョンと同じ癌闘病の末に亡くなったというのも不思議な巡り合わせというものでしょうか…。


 



~Lyrics~

I never meant to be so bad to you
君を傷つけるつもりじゃなかった
One thing I said that I would never do
それだけは、決してしないと誓ったはずなのに

いきなり“後悔の念”を匂わせるフレーズですが、これはタイトルの「Heat Of The Moment」の具現でもあります。
【heat of the moment】は“その場の勢い・ものの弾み”と訳されるように、“後悔を招く浅はかな一瞬の熱情”といったニュアンスが含まれる言葉。

男性が女性に“決してしない”と誓うことというと…? 


One thing lead to another, we were young
二人は若く、それが引き金となって
And we would scream together songs unsung
歌にもならない悲鳴を上げる破目になったのさ

「Heat Of The Moment」の歌詞は作者であるジョン・ウェットンの実情を綴ったものであり、当時の彼の恋人ジルとの関係を基に創作されました。
ただし実際に別れたわけではなく、そうならないために“僕が間違ってました、ごめんなさい”をしたそうです!
その甲斐あって(?)後に二人は結婚を果たし… … … (10年後に離婚)

 …なぁ~んだ、謝っても結局同じじゃん!
 う~ん(返す言葉がない)…。


You can concern yourself with bigger things
興味の対象は、より大きなもの…
You catch a pearl and ride the dragon's wings
真珠を手にし、竜の翼に乗ること

“恋に恋する乙女”も、やがては“真珠に恋する女”へと変わるということか…

 …でも“竜の翼に乗る”は、「The Neverending Story」(過去ログ)みたいでステキな夢ね?
 フッ…ガキにゃ解るまいけどオレたちの“小悪魔ちゃん”なんか、こんな風に言ってるぜ!
   “ルパンはあたしにとって、可愛い操り人形♪” by 峰不二子
 …ドラゴンが操り人形!?

これは“純粋さを失ってしまった”のか、はたまた人として“学習・経験を積み重ねた成長”か…。 



~Epilogue~

And now you find yourself in '82
…そして'82年、君は気づく
The disco hot-spots hold no charm for you
ディスコはもう心躍る場所ではなくなったと

この年代を経験した方は、何となく“あの社会現象”を引き合いにしているとピンとくることでしょう? 
大ヒットや大流行した文化は時代の象徴でもありますが、それだけに後世からみると“古臭い”とか“時代遅れ”の標的とされるものでもあります。
それはディスコに限らず、エイジアもその宿命からは逃れ得ないようです…。

2005年、「Heat Of The Moment」はアメリカのコメディ映画『40歳の童貞男(The 40 Year Old Virgin)』の劇中歌に使われていますが、この主人公(スティーヴ・カレル)は21世紀になっても1982年の『Asia』のポスターを後生大事に部屋に飾ってあるキャラクターとして描かれており、彼が女性から相手にされない一つの象徴としてエイジアがネタとなっています。
ただし、当のジョン・ウェットンはそういう作品の使われ方を許容しているばかりか、この映画の大ファンなのだそうですよ!

 


It was the heat of the moment
それは一瞬の熱情
Telling me what my heart meant
心の奥が、訴えかける

目映いばかりに光を放って燃えた熱情…
たとえそれはただ一瞬の興奮に過ぎなかったとしても、その小さな火種が心の奥にある限り
またいつか、きっとすべてを熱く灯す炎となって甦ることだろう。



「ヒート・オブ・ザ・モーメント」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): John Wetton, Geoff Downes /訳:Beat Wolf


君を傷つけるつもりじゃなかった
それだけは、決してしないと誓ったはずなのに
その失意を呈した眼差しが
僕の顔から、笑みを拭い去った…

二人でダンスを踊った頃のこと、覚えてる?
事の起こりは、情況を一変させる事件だった
二人は若く、それが引き金となって
歌にもならない悲鳴を上げる破目になったのさ

[Chorus:]
それは一瞬の熱情
心の奥が、訴えかける
The heat of the moment 
君が瞳に浮かべた一瞬の熱情

…そして'82年、君は気づく
ディスコはもう心躍る場所ではなくなったと
興味の対象は、より大きなもの…
真珠を手にし、竜の翼に乗ること

[Chorus:]

…やがてその美貌も色褪せ、君は一人きり
一体、どれほどの夜を電話のそばで費やすことだろう
君自身、望んだものとは何?
十代の頃、大きく胸を膨らませたもの…

[Chorus:]


~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

Beat Wolfさん、こんばんはー
ヒート・オブ・ザ・モーメント
(一瞬の熱情)人生はこれに振り回される
一瞬の熱情から 興味の対象は 
より大きなもの...真珠、...
なんだろぅー

2017.02.10  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

みすてぃむーんさんのお好きな写真も、まさに「一瞬の熱情」ではありませんか?
素敵な対象に出あうと、この一瞬を一枚の写真に収めたい…
そんな風に想いが込み上げてくるのも、「一瞬の熱情」だと思います。

そういう意味で、写真のブログは
撮影者の「一瞬の熱情」を記録したアルバムとも言えるのかもしれませんね?(笑)

2017.02.10  Beat Wolf  編集

あはは偶然というか、必然というか・・、小生も全く同じ記事を公開しております!やはりグレッグレイク、ジョンウエットンと訃報が連続したのでエイジアの「ヒートオブザモーメント」を書かざるをえませんよね~!気が合って最高の気分です!あわせて先日、天王洲アイルで展示されている「デビッドボウイ大回顧展」を見に行った来ました。本当に素晴しかったので一般記事で2月16日に公開いたします。たまにはまたこちらにも是非遊びに来られて下さい。

2017.02.12  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

結構選曲は迷いましたが、結局これにしました。
訃報はある程度あるものと覚悟はしていますが
2人とも少し早いですね。

デヴィッド・ボウイは偉大さを知っていたつもりでしたが
亡くなってからのメディアやネットの反応で
改めて多くの人に愛されていたのだと実感しました。

2017.02.12  Beat Wolf  編集

Beat Wolfさん、こんばんは。
ベーシストのジョン・ウェントンの訃報記事だったのですね。
エリック・クラプトンのギターの冥福の祈りは静寂な感じでいい音色です。

社会現象となってもやがては時代後れでエイジアもその宿命....

訃報というのは、とても悲しいものですね。

2017.02.13  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

近年は追悼記事ばかりで、申し訳ありません。(汗)
エリック・クラプトンはしゃべりのプロでなく
ギターのプロなので、そっちのほうが感情表現が
上手にできるのかもしれませんね。

でも流行りとか時代後れは他人が言っていることであって
自分が好きならそれが一番だと思います。
ましてや流行は「業界の都合で決められる」とも言われますし?(笑)

2017.02.13  Beat Wolf  編集

ASIA IN ASIAのビデオが家にあり

初めて見た時(当時中学生)に、「Vo.ちがうじゃん」とショックを受けた記憶があります。まさかアル中だったとは・・・。
しかし40years~Virginの主人公・・・笑えないな~(Virginではないけど)。過去のお気に入りを未だ引きずっているってのは一緒だ~。
そして、嫁のHeats Of Every Momentsに常に謝ってるのも、ジョン・ウェットンと一緒だ~(離婚にはなってないけど)。

2017.02.14  地味JAM尊  編集

Re: ASIA IN ASIAのビデオが家にあり

おぉ、ビデオを所持してらしたのですね!
大物の代役とはいえ、ヴォーカルが違うと違和感があります。

40years~Virginが心にかかりましたか!
…こうして82年のエイジアを特集している私も同じです。
でも男って、昔のヒーロー物とか気になっちゃいますよね?(笑)

それに反して、世の嫁サマは年を重ねて強くなるばかり…?
早めに「降参」するのが得策です!(笑)

2017.02.14  Beat Wolf  編集

純粋さ、失いたくないですね〜(*^_^*)
幾つになっても(笑)

地に足をつけて生きていくには、純粋さは奥にしまって。。。不二子になる(笑)

いつか心の奥の火種がすべてを熱く灯す炎となって甦ると信じたいですね(*^_^*)

2017.02.20  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

☆dct☆さんはまさに、「いつまでも純粋」キャラだと思っていましたが…

…えっ?
「不二子」になるのですか!?(汗)
確かに心の中の熱い火種を持ち続けたいですが…
「不二子の火種」って\\\・・・?(笑)

2017.02.20  Beat Wolf  編集

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