I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「レディオ・ガ・ガ」クイーン

2017.03.17

category : Queen

Queen - Radio Ga Ga1 Queen - Radio Ga Ga2


Queen - Radio Ga Ga (1984年)



~3月22日は“放送記念日”~

3月22日は、1925年(大正14年)にNHKラジオ第1放送がラジオの仮放送を開始した“放送記念日”。
携帯端末でテレビが見ることができる今日、ラジオというと少し時代遅れな情報媒体のイメージさえありますが、あなたは“ラジオがどのような仕組みで音声という情報を運んでいるか”ご存知でしょうか?

 “そんなの考えたこともないョ…”

…そう呟いたのは、カレだけ? 


~概要~

「レディオ・ガ・ガ」はクイーン1984年の11thアルバム『ザ・ワークス(The Works)』からの1stシングルでアメリカBillboard Hot 100で16位、イギリスで2位、そして世界19カ国でNo.1を獲得する世界的大ヒットとなった作品です。
フレディ・マーキュリーが歌うこの曲の作者はメンバーのロジャー・テイラー(Dr)で、これが彼の記念すべき初ヒット・シングルとなりました。
1980年にシンセサイザーを導入したクイーンにとってもはやこの便利な機材は無くてはならないものとなっており、ロジャーもRoland Jupiter-8とドラムマシンを使って作曲したそうです。
当時はメンバーがそれぞれソロ作品を試みていた時期でもあり、当初ロジャーは自身のソロ用にと「Radio Ga Ga」の創作を始めましたが、これを聴いたメンバーは大ヒットを予感しジョン・ディーコンはベースラインを、フレディ・マーキュリーはトラックを再構成し歌詞やハーモニーに手を加えクイーンの作品として完成させました。

MTV Video Music Awardにノミネートされたプロモーション・ビデオを制作したのはデヴィッド・ボウイやAC/DCの一連の映像で有名なデヴィッド・マレット(David Mallet)で、彼はQueen & Davidの「Under Pressure」やクイーンの「Bicycle Race」、フレディの「I Was Born to Love You」も手掛けた人。
このビデオで特徴的なのは1927年のドイツのSFモノクロ・サイレント映画『メトロポリス(Metropolis)』を編集していることですが、これはマレットが普通のバンド演奏シーンによる内容とは違う映像を構想していた折、フレディからメトロポリスのコンセプトの提案があったことによります。
これには、同年に映画音楽の巨匠ジョルジオ・モロダーが無声である1927年の『メトロポリス』に自らが作曲したロック調の音楽を編集した映画を制作したこと、そのサウンドトラックにフレディが「Love Kills」という曲で参加したことが関係しているようです。

もう一つ、このPVの特徴として挙げられるのは“サビのフレーズで拳を高く掲げ、群衆と一体となって合唱・拍手するパフォーマンス”です。
ロジャーによるとこのパフォーマンスは“映画メトロポリスに登場する労働者たちの心のコントロールを描写するもの”でしたが、一部の音楽評論家から“極めてファシズム的”と批判されました。
しかし翌年のLIVE AIDでクイーンは観衆と一体となってこのパフォーマンスを再現し他を圧倒する支持を獲得したことで、以来彼らのライブでは欠かせない“お約束”となっています。
(ただし病状の悪化により、フレディが演じたのは1986年の『マジック・ツアー』が最後)

 
 



~Lyrics~

I'd sit alone and watch your light
一人じっと座り、その光源を見つめ続けたあの頃…
My only friend through teenage nights
十代の夜、君は僕のたった一人の友だった

この時代のティーンエイジャーの夜の過ごし方というと、居間で歌番組やドラマを見た後、自室でマンガやラジオを楽しむ…といった流れが典型だったのではないでしょうか?
でも各自がインターネットやテレビ、ゲーム、音楽に接続できるパソコンやモバイルを常に所持している現代のティーンエイジャーはどうなのだろう…
ラジオが友だちより人間の友だちの方が良いとはいえ、帰宅してからも同じ友だちとの繋がりを確かめ合わねばならないとしたら、ちょっと息苦しいかも?

一人ゆったりラジオと気のおけない時間を過ごしたあの頃…。


You gave them all those old time stars
古い時代のスターたちのことや
Through wars of worlds invaded by Mars
火星人襲来による世界戦争

このラインは、2005年にもスティーヴン・スピルバーグ&トム・クルーズでリメイクしたことでも話題を呼んだH・G・ウェルズ原作の『宇宙戦争(The War of the Worlds/1898年)』を言及していると思われ、同作品は1938年にアメリカで“ラジオ・ドラマ”としても放送されました。

この物語は火星人が地球を侵略するSF(サイエンス・フィクション)ですが、それを知らずラジオを聴いた多くのリスナーが現実のニュースと勘違いしパニックを起こす騒ぎがあったそうです。
この事件がきっかけとなりラジオでフィクションを放送する際に一定の規制を課す法律が制定されましたが、一説によると当時“新メディア”であったラジオの台頭に危機感を抱いた新聞各社が事態を煽り立てて騒ぎを大きくしたとか、しないとか…?


All we hear is Radio ga ga
ラジオが“ga ga...”って叫んでる
Radio goo goo
“goo goo...”って魅惑してる

【Lady Gaga】の名前の由来となった、あまりに有名な一節。
レディー・ガガは本名;[Stefani Joanne Angelina Germanotta]といいますが、デビュー・アルバムのプロデューサー、ロブ・フサーリが彼女の声のスタイルをフレディ・マーキュリーに準え、彼女をスタジオに迎える際の入場曲として「Radio Ga Ga」を歌い、それをメールで「Lady Gaga」とミスして送ったところ彼女が大いに気に入り、以来その名前を名乗るようになったそうです。

ちなみに「Radio Ga Ga」の由来は作者ロジャー・テイラーの幼い息子さんがラジオを聴いていて【Radio caca】と言ったことにあります。
それを[caca(うんち)]じゃマズいからと、ロジャーが【gaga(夢中になった)】に変更したのが「Radio Ga Ga」でした。
韻を踏んだ他の言葉も実はちゃんと意味があって、【goo-goo(色っぽい)】【blah-blah(などなど/おしゃべり)】…といった具合です。



~Epilogue~

新聞や雑誌、ラジオやテレビ、そしてインターネット…
私たちは日頃、さまざまな媒体を通して実に多くの情報を得ています。
新聞はローマ帝国や中国の唐時代、ラジオ放送は1920年(アメリカ)、テレビ放送は1935年(ドイツ)、インターネットは1990年代前半(一般利用)にサービスが始まり、古いメディアは新しいメディアに領域を奪われながらもこれまで何とか共存を遂げてきました。

今回の主役であるラジオは、当時既存の新聞に比べ“無線の電波により遠方まで音波を運ぶ”という点で極めて革新的なメディアでした。
そもそも電波と音波はそれぞれ性質や周波数がまったく異なっており、これを組み合わせるために生み出された変調方法こそお馴染みのAM(Amplitude Modulation;振幅変調)やFM(Frequency Modulation;周波数変調)で、今ではやや時代遅れの感があるこの方法も、改めて考えてみると日進月歩の科学技術の世界の中で100年経っても使われ続けているのですから、むしろ凄いとさえ思えます。

「Radio Ga Ga」はもう30年以上前の作品ですが、本作が言及しているとおりこの時点で既にラジオは時代遅れを指摘されていました。
しかしこの頃音楽を聴き始めた私にとっては、まさにラジオに“gaga(夢中になった)”でした。
確かにインターネットはキーワードさえ入力すれば対象への膨大な情報へと導いてくれるし、Youtubeに接続すればすぐにでも好きな曲を聴くこともできるでしょう。

You had your time, you had the power
君は時代を築き、強い力があった
You've yet to have your finest hour
でも最も素晴らしい時を迎えるのは、まだこれからさ
Radio...

“ラジオにgaga”だった頃、私は未知なる音楽をラジオで貪(むさぼ)るように探し求めていました。
でもラジオで放送される曲は必ずしも私の好きな曲ばかりではなく、好み以外の曲にも随分と時間を費やされました。
ただ後で思うと、だからこそ元々好みの曲調だけでなく未知の領域にある“いろいろなテイスト”に触れる機会が与えられた気がするのです。
ネット検索は極めて効率が良い反面、“キーワードさえ知らないものは調べようがない”という盲点があります。
しかしラジオは他人の選曲によるため“回り道はするけれど、だからこそ思わぬ出あいがある”のがメリットなのです。

“…なぁんだ、それだけ?”と思われたかもしれませんが、それが音楽だけなら趣味の問題で済むものの、“自分の興味・知識ある分野の範囲しか知らないし、それ以外は興味もない”というネット検索特有の習性は、社会情勢に対する認識や人格形成に於いてはどうでしょう?
特に、人生で最も多くの知識や技能、人格形成を育むべき大事な成長期に“好きなものしか見ないし耳を傾けない”という習慣を身につけてしまうのは、その後の人生に悪影響を及ぼす気がします。


“急がば回れ”もいいじゃない?
人は、思わぬ出あいにこそ胸を躍らせる
ラジオは、そんな“gaga”をたくさん与えてくれる
“I Wish”も、そんな出あいを届けたい…



「レディオ・ガ・ガ」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Roger Taylor /訳:Beat Wolf


Radio...

一人じっと座り、その光源を見つめ続けたあの頃…
十代の夜、君は僕のたった一人の友だった
そして、知るべきことすべて
君が教えてくれた

古い時代のスターたちのことや
火星人襲来による世界戦争
笑いも、涙も
空を飛べるような気分でさえも
Radio...

…だから、バックグラウンド・ノイズなんかになっちゃだめだよ
よく知りもせず、気にも懸けないくせ
君がいないと文句を言うばかりの
お嬢ちゃん 、お坊ちゃんのための背景幕になんて


君は時代を築き、強い力があった
でも最も素晴らしい時を迎えるのは、まだこれからさ
Radio...

**
ラジオが“ga ga...”って叫んでる
“goo goo...”って魅惑してる
Radio ga ga...
ラジオが“ga ga...”って叫んでる
“blah blah...”っておしゃべりしてる
やぁ、気分はどう? 
そうさ、まだ君を愛して止まない人がいるんだ

僕らがショウやスターを
ビデオで何時間も見るようになって
耳を使う必要もほとんどなくなり
歳月をを重ね、どれだけ音楽も変わっただろう

だけど、古い友を見捨てないでおくれ
僕らは、君の素晴らしさを頼みにしているんだ
だからそばにいておくれ、いつかきっと
ビジュアルに飽きて、また君を恋しく思う時が来るから


**



~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

Beat Wolfさんへ
「レディオ・ガ・ガ」クイーン
♪10代の頃、君は僕のたった1人の友だったビデオを
何時間もみるようになって 耳を使う必要もなくなり♪

今の音楽形態の変化を物語っているようですね。
CDすら買わなくなり、聴き放題何々となると...
寂しいですね。

2017.03.17  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

みすてぃむーんさんは、すぐピンときたみたいですね。
80年代はCDが非常に画期的でしたが
21世紀の現在はそれより小さなスペースに
遥かに大きな情報を入れることができるようになりました。

でも、音楽を所有しなくてもネット上で聴き放題は
功罪どちらもあるでしょうね。

2017.03.17  Beat Wolf  編集

バグルスとRCが絡みそうな予感が・・・

「君は時代を築き、強い力があった♪」ですよね~
ちょうど中学入るくらいにMTVが開局して、日本でもPV流す番組が一般化してきて・・・自分世代の人間はこの件に関しての功罪については語れないっすね。なぜなら「そこにもう存在していた」から。
現在の若者も「そこにもうある」んですからね~
ラジオに頼らずとも情報のキャッチはネットで出来る!

クイーンは肯定でも否定でもなく、ただ思った事を歌にした気がします。
(さすがに自らの音楽を「使い捨てポップス」と言い切るだけはある)

2017.03.18  地味JAM尊  編集

Re: バグルスとRCが絡みそうな予感が・・・

そうですね…
もちろん今回、バグルスも候補でした。
80年代はMTV開局によって、ラジオの地位が後退した時代でしたが
マイケルやマドンナといった「申し子」みたいなスターが登場したのですから
みんな引き寄せられちゃいますよね?(笑)

「使い捨てポップス」、この頃はクイーンもかなりポップになってましたね。
でもポップスは罪がありませんが
この年やらかした「アレ」は、世界中から大ブーイングでした…。

2017.03.18  Beat Wolf  編集

確かに「好きじゃないものも聞いた」から興味の範疇を広げられましたね~

昔キライだった曲でも、後で聞いたら凄く興味を持って聞けるようになった
ってケースは凄くたくさんありますもんね。
またMTV開局以前はやはり「FMのエアチェック」してたし、「AM放送での(洋楽に限らず)音楽との出会い」もあったし、「深夜放送(ANNとか)を聞きまくって寝不足で学校行った」とかありましたね~。確かにお世話になりまくってました。今でも出勤の際に車で聞いてたりもするし、ラジオから知る楽曲もありますからね・・・まだ自分には「オワコン」とするには早いかもしれません・・・。

ちなみに「グーグー」や「ブラーブラー」の意味は初めて知りました。「アイリス」歌ってた連中の名前やケシャのヒット曲にはちゃんと意味があったんですね・・・ホント勉強になります。まだまだこのblogにはお邪魔させていただきますね、よろしくお願いします!

2017.03.21  地味JAM尊  編集

Beat Wolfさんへ。
レディー・ガガって名前は面白いと思ってたのですが、メールでミスして
送ったのがそうなったのですが。知りませんでした。

♪古い友を見捨てないでおくれ、君の素晴らしさを頼みにしているんだ 
ビジュアルに飽きて、また君を恋しく思う時が来るから♪
う~んネットは浸透しているので...
君を恋しく思いながら、進化の波ーいえ、ラジオを聴いていない
せいですね~♪

2017.03.21  みすてぃむーん  編集

Re: 確かに「好きじゃないものも聞いた」から興味の範疇を広げられましたね~

正確に言うと、「知らない歌手・曲」という意味です。
当時は洋楽を聴き始めたばかりで、ほとんど知らない曲ばかりでしたから。
そんな中で「お宝めっけ!」な曲と出あった時、本当にうれしかったです。

やっぱりANNですね♪
小学校の時はみんなテレビ・ネタなのに、中学生になったら話題が深夜ラジオになって
何だか「深夜」の文字がアダルトな雰囲気を醸し出していました。
ネタも、子どもにはちょっとアブナイのがありましたし?(笑)

車もそうですが、ラジオって「ながら」に便利ですよね。
パソコンみたいに「さあ、やるか」で始めるのではなく、気軽なのがいい…。

ga-gaもgoo-gooも赤ちゃん言葉ですがスキャットとして入れたかもしれないし
でも表記した意味もあって、そう解釈するとサビの部分の意味が通ると思います。

2017.03.21  Beat Wolf  編集

みすてぃむーんさん

意外な経緯でしょ?
でも【gaga(夢中になった)】の意味を知ると、ナットクです♪
それにしても[caca(う○ち)]じゃなくてよかった!(汗)

ラジオって古臭いイメージかもしれませんが
そのイメージを逆手に取って「アンティーク(風?)ラジオ」はいかがでしょう?
(ホンモノは高いので!(笑)
デザインや色合いを含め、昔のものは何となく心にやさしい感じがしますね♪
きっと、みすてぃむーんさんも「また君を恋しく」なりますよ?(笑)

2017.03.21  Beat Wolf  編集

小生、クイーンは初期3部作に嵌っておりましたが、ボヘミアンを最後にあまり聴かなくなってしまいました。しかしこの曲を初めて聞いた時は本当に雰囲気が変わったなあと結構衝撃的でした。イエスのロンリーハーツも同様・・、拘りを持っていた70年代アーティストが80年代のお洒落POPな音楽路線を変えざるをえなかった当時の時代背景を感じます。

2017.03.23  ローリングウエスト  編集

この曲から、ラジオの良さ。
今の時代の出会いかたについて。
無駄と思えることからの奇跡。
到底自分が出会うはずのない世界。

必要ですよね〜(*^_^*)

2017.03.23  ☆dct☆  編集

ローリングウエストさん

当時私はボヘミアン~を「聴いたことがある」程度で
この曲は初めてリアルタイムで聴いたクイーンでしたが
それでも随分イメージと違うと感じました。

エイジアやイエスを含め、70年代の全盛期を知るファンからすると
彼らの変節は許せなかったことでしょう。
いろいろあったにせよ、現在までバンドを続けているというのは
素晴らしいことですね。

2017.03.23  Beat Wolf  編集

☆dct☆さん

ラジオの良さは、「声と音」ですね。
もちろんインターネットは何でもできますが
ラジオから流れる「音のぬくもり」に、何とも言えない魅力を感じます。

それと、全く知らないのに「一聴惚れ」してしまう曲に出あった時のときめき!?
…必要です!(笑)

2017.03.23  Beat Wolf  編集

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