I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「ラヴァーズ・コンチェルト」サラ・ヴォーン

2017.06.09

category : ~1960年代

Sarah Vaughan - A Lovers Concerto1 Sarah Vaughan - A Lovers Concerto2


Sarah Vaughan - A Lover's Concerto (1966年)



~6月の花嫁は幸せになれる?~

“6月の花嫁は幸せになれる”という【June bride】の伝説はローマ神話の女神[Juno]に由来するといわれますが、日本の6月は【梅雨】の時期でムシ暑いし雨が多いしで、肌感覚からすると“何でこんな季節にわざわざ大事な式典を?”と思ってしまいます。
これに対しジューン・ブライド発祥の地ローマでは6~8月は1年で最も降水量の少ない時期で、農作業の繁忙期を過ぎて区切りがよいということなどから6月の結婚は人気があるようです。
(ちなみにアメリカ西海岸もこの時期雨が少ない)

でもそんな日本でジューン・ブライドの風習が受け入れられたのは、日本人にとってロマンティックな西洋文化への憧れが根底にあるせいでしょう。
一説によるとこの風習を日本で広めたのは[ホテル業界]で、梅雨の時期に減る挙式を増やすためのアイデアだったそうです。
日本人がロマンチストなのか、お仕事熱心な国民性なのかはあなたの判断にお任せするとして…? 



~概要~

「ラヴァーズ・コンチェルト」というと、日本でも音楽の教科書に掲載されるなど親しみ深い洋楽曲の一つです。
(“あ~めのしずく~♪”…でしたっけ?)
作者はアメリカのソング・ライター、サンディ・リンザー&デニー・ランドル(Sandy Linzer and Denny Randell)による作品ですが、“聴き覚えのあるメロディー”には原曲があります。
原曲となっているのは18世紀のオルガン奏者クリスティアン・ペツォールト(Christian Petzold)の『メヌエット』「ト長調 BWV Anh. 114」(かつてはJ.S.バッハの作とされていた)で、これをリンザー&ランドルがアレンジして歌詞をつけたのが「A Lover's Concerto」です。

「A Lover's Concerto」は1965年にアメリカのガール・ポップ・グループ、ザ・トイズ (The Toys) のために生み出されました。
トイズver.はBillboard Hot 100で2位と、彼女らにとって最大のヒットとなったものの「サティスファクション」でブレイクした直後のローリング・ストーンズの「Get Off of My Cloud」にNo.1を阻まれてしまいました。
ちなみに同じ週では4週No.1を記録したビートルズの「Yesterday」が首位を陥落し3位に付けており、“相手が悪かった”と言えますが、年間成績では「A Lover's Concerto」が32位で「Yesterday」38位、「Get Off of My Cloud」の65位を上回っています。

親しみやすいメロディーの「A Lover's Concerto」はシュープリームスなどのカバーがありますが特筆すべきは日本での人気で、1966年に金井克子、1967年に尾崎紀世彦、その後もザ・ピーナッツや桑田佳祐、薬師丸ひろ子らが取り上げています。
しかし日本で最も認知されているといえばやはりサラ・ヴォーンのバージョンであり、ドラマでは『不機嫌なジーン』、CMでは『三菱シャリオグランディス』ほか多数でサラの「A Lover's Concerto」が長年使用されてきました。

サラ・ヴォーンは主に1940年代~50年代に輝かしい成功を収め、“女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家”とも評される伝説の黒人ジャズ・ボーカリストです。
…なので「A Lover's Concerto」のイメージでサラ・ヴォーンにアプローチすると全く的外れになってしまうため要注意ですが、彼女は案外ビートルズやカーペンターズのような楽曲も厭わないジャズ・シンガーでもあります。
「A Lover's Concerto」は1966年のアルバム『Pop Artistry of Sarah Vaughan』に収録されており、Billboard Hot 100でも63位を記録しました。

 
 



~Lyrics~

How gentle is the rain
何てやさしい雨だろう
That falls softly on the meadow
やわからかに、そっと草原に降っている

ハッピー・ソングといえば圧倒的に“”のイメージですが、「A Lover's Concerto」はいきなりそれを覆しています。
“雨であらねばならない理由”はストーリーの続きを読めばすぐわかるものの、“softly(柔らかに)落ちる雨”のイメージには困りました。

いわゆる【天気雨】を仮定して“音もしないほど粒が細やかでまばらな雨”を想像しましたが、こういう雨は[落ちる]ような表現が相応しいのか確信が持てなかったのです。
虹が出ている時の雨って、どうでしたっけ…? 


Birds high above in the trees
木立の高く、鳥たちは
Serenade the flowers with their melodies oh oh oh
美しい調べで花々にセレナーデを捧げてる

【Serenade】は特定の音楽形式のことではなく、“恋人や女性を称えるために夕方(または夜)屋外で演奏・歌唱される音楽”をいいます。
…なので、この場面の情景は明るい昼間ではなく、少し日が傾いた時間帯であるのでしょう。

愛を語るために歌が上手になったといえば、やっぱりさんですよね♪
ほかに“愛の歌い手”というとカエルさん、虫さん、…ブヒッ? (…キミ違うでしょ?


Be always true to me
いつも私だけを想い
Kept it stay in your heart eternally
いつまでも、どうかその心のままで…

…まさに、【June bride】にぴったりな歌♪
そしてこの歌は『タモリ倶楽部』[あの名物コーナー]に紹介されたことでも有名です。

2行目…
Kept it stay in your heart eternally
 “金粉してるよ ハゲてんのに…”

 そりゃぁ50年も共に暮らせば“ぬり”も厚くなるし、髪は薄くなるでしょ?




~Epilogue~

本作のテーマを構成する【concerto】は、ソロ演奏者(ピアノなど)とオーケストラという異なる要素で合奏された[協奏曲]です。
語源は【concertare】で、ラテン語では“競争する”、イタリア語では“協力する”という相反する意味が含まれており、[協奏曲]とは“異なる要素を持つもの同士(ソロとオーケストラ)が互いに競い合い、協力しあう演奏形態”を意味しています。

そして、歌詞を構成する【rainbow】もまた、[雨][太陽(光)]という異なる要素によって創り出される自然界の芸術です。
虹は、太陽の光が空気中の水滴によってプリズムの原理で屈折・反射された光のスペクトルで、雨と光以外にも観察者の位置条件(太陽と反対方向の空を向く)が揃わないと目視できません。


「A Lover's Concerto」~“愛する二人の協奏曲”

私たち人間も、[男性][女性]という二つの異なる要素で構成されています。
両性はいわゆる“ついてるもの”が違うだけでなく脳そのものが異なっており、それが故にモノの感じ方や考え方など差異が生まれるといわれます。
異質との交わりは不可解や労苦を伴うものですが、異なる音や雨と光がその困難を乗り越え音楽や虹をもたらすように、男性と女性の間にも[新たな恵み]を育むことができるはずです。

そして、それを実現させる唯一の根源こそ、【愛】
それは[永遠の愛]などという大仰なものではなく、自分が発している音、相手から伝わる音に日々耳を傾け、それを確かめ合い、調整しながら二つのものを一つにまとめ上げること。
異質の音の集まりが、そうして一つの美しい音楽へと創り上げられるように…。

And if your love is true
その時もし、想いが変わらぬ真実であったなら
Everything will be just as wonderful
生涯は、この上ない素敵なものとなる

愛とは、日々の小さな【concerto[協奏]】。
それを重ねた終着にこそ、[永遠の愛]があるような気がします。



「ラヴァーズ・コンチェルト」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


Writer(s): Sandy Linzer, Denny Randell, Christian Petzold /訳:Beat Wolf


何てやさしい雨だろう
やわからかに、そっと草原に降っている
木立の高く、鳥たちは
美しい調べで花々にセレナーデを捧げてる
あの丘の向こうを見てごらん?
あざやかな七色の虹… 
まるで天の魔法が
今日という日、二人のために
恋の始まりへと導いているみたい

いま、私はあなたのもの
今日この日から、永遠に
だから、ちゃんとやさしく愛してね
あなたに、あらゆるすべてをあげるから

でも長い夜、私をひとりぼっちにして
泣かせたりしないでね
いつも私だけを想い
いつまでも、どうかその心のままで…

いつの日か、きっと二人はこの地に戻る
すべてが始まった、この草原へ
そして雨の中、また二人
梢の上の、あの鳥たちの歌を聴きに出掛けましょう


…そしてあなたは私を腕に抱き
もう一度、“愛してる”ってささやくの
その時もし、想いが変わらぬ真実であったなら
生涯は、この上ない素敵なものとなる




~Let's Singin'~

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

コメント

Beat Wolfさんへ
梅雨入りの6月の曲は力強くも
「A Lover's Concerto」
♪なんてやさしい雨だろう♪リズムカルで
情感に溢れて上手な歌唱力ですね。

2017.06.10  みすてぃむーん  編集

みすてぃむーんさん

これは聴いたことおありでしょう?
あちらは梅雨はないのでしょうが、ちょうどよい選曲となりました。
60年代のこういうテイストは、私は好きです

さて、梅雨の季節…
みすてぃむーんさんのカメラはどちらに向けられているのでしょう…?(笑)

2017.06.10  Beat Wolf  編集

黒人女性ジャズボーカリストといえば距離を置いていた小生ですが、これを機会に聴いてみようかなあ・・。ソプラノからコントラルトまで幅広いレンジに、美しいヴィブラートの掛かった、オペラ歌手にも匹敵する幅広い声域・・、これはまさに実力派!

2017.06.13  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

そうですね…
でもこの歌を基準にそう思われたなら
まずyoutubeでいろいろ聴いてみてからの方がよいと思います。
基本、「ジャズボーカリスト」ですから!(笑)

2017.06.13  Beat Wolf  編集

うひょ~メッセージが直球すぎるぜ

と、枯れ落ちて「金粉してるよ、ハゲてんのに…」の方が心に刺さってしまう夫婦生活ですが。
「日々の小さな協奏」か・・・意識してないけどなっちゃってるんでしょうね、終着に向けての「永遠の愛」に。
ところで「雨の歌」なのに雨を感じさせないのは、ロニー・ミルサップの「Smoky Mountain Rain」思い出しますね~どっちも爽やかな感じで!

2017.06.14  地味JAM尊  編集

Beat Wolfさんへ
サラ・ヴォーンは1940年代~50年代に成功を収めた
“ジャズ・ヴォーカリストで伝説の人だった
のですね。
歌はどこかで耳にしたことがありましたが、本人の
写真と曲名も今回知りました。
この曲はメロディーもリズムもスピードも
よくって、年齢は分かりませんが時々低いくて
太い声になる時は女性の声には聴こえなくて
驚いたりして、でもとても上手で出だしから
いいですね。
♪ How gentle is the rain
That falls softly on the meadow~♪

けれども6月の雨はあまり降っていないです ;

2017.06.14  みすてぃむーん  編集

Re: うひょ~メッセージが直球すぎるぜ

…金箔パックを顔に貼っているのを見たことがあります。
金額分の効果があるのかはわかりませんが?(笑)
でも「日々協奏」してる意識は大事だと思います。
たぶん殆んどの男性はそういう意識ないと思いますけど?

雨を感じさせないといえば…
CCRの「Have You Ever Seen The Rain」でしょうか?(笑)

2017.06.14  Beat Wolf  編集

みすてぃむーんさん

ポール・マッカートニーが60年代~ですから
ポールさえ「ハナタレ」扱いの大御所ですよ?(笑)
歌はCMとかよく使われるので、どこかで聴き覚えがあるはずですが
学校でもよく歌ったり演奏されています。
メロディーもリズムもよく、日本人好みですが
サラ・ヴォーンは普段こんな爽やかな歌い方じゃなく、deepなのです。

6月も暑かったり寒かったり、変な天候ですね。
でも「雫に濡れた花」や「雨上がりの虹」はこの季節
格別美しいので、雨も悪くはありません♪

2017.06.14  Beat Wolf  編集

雨も良いかな?って気がする曲ですね。

愛とは、日々の小さな「concerto」・・・理想です。

これから降る雨も、優しい雨だといいなあ☆

2017.06.15  ☆dct☆  編集

☆dct☆さん

「雨」といえば嫌う人も多いですが
「潤い」といえば、大切なものだと思えるでしょ?
(特に女性には 笑)

雨はドカッと降らず、少しずつ降って欲しいですね。
災害や水不足になりませんよう。

2017.06.15  Beat Wolf  編集

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