I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「想い出のクリスマス」スティーヴィー・ワンダー

2013.12.18

category : Christmas

Stevie Wonder - Someday At Christmas1 Stevie Wonder - Someday At Christmas2


Stevie Wonder - Someday At Christmas(1966年)


~au『DRAW XMAS』CMソング~

いよいよクリスマスも間近となり、TVのCMも季節を反映したものが多くなって参りました。
au『DRAW XMAS』はスマホやタブレットを振って絵を描くアプリで、“描いた花火や電飾をスワイプすると、街路樹がイルミネーションに早代わり!”??(…そんなコタぁ~ない、CMの演出です!

この素敵な演出のCMの背景に流れるのが、スティーヴィー・ワンダーのクリスマス・ソングです。
作品は当時の時代背景が反映された内容になっていて、クリスマスとは“異なる要素”がブレンドされています…。


~概要~

1967年11月、スティーヴィーは8枚目となるオリジナル・アルバムで初のクリスマス・アルバム『Someday at Christmas』を発表します。
彼はソング・ライターとしても有名ですがこの頃はまだ未熟で、アルバムのほとんどはモータウンお抱えのライターによるものでスティーヴィーが書いた曲はありません。
同名である「想い出のクリスマス」は勿論このアルバムのタイトル曲ですが、実は前年にシングルとしてリリースされた作品で、Billboard Hot 100でも24位を記録しました。
作者の1人は当時のスティーヴィーの曲を多く手掛けていたロン・ミラーで、ダイアナ・ロスの「タッチ・ミ-・イン・ザ・モ-ニング」やシャーリーンの「愛はかげろうのように」などでも有名です。

声を聴いてお感じになられた方も多いと思いますがスティーヴィーの声には若さがあり、それもそのハズ、この曲を歌った時彼は弱冠16歳でした!
まぁ…、ティーン・エイジャーにしては年輪を感じさせる歌声ですが、このオッサン臭さ(?)が入り混じりつつも不思議な魅力を放つ彼の声が、私は好きです。
彼の声を思うといつも連想するのが松任谷由実で、どこかオバチャン臭さを漂わせつつも瑞々しいその歌声に郷愁を覚えキュンとさせられてしまいます。
ちなみに、今年スタジオジブリ映画『風立ちぬ』でリバイバルした“荒井由実”時代の「ひこうき雲」は、ユーミンがまだ19歳の時の作品でした…。


~カバー曲~

「Someday At Christmas」は大ヒット作品ではありませんがメッセージ性が強く、世代を超えて多くのミュージシャンにカバーされてきました。
ジャクソン5やテンプテーションズ、ダイアナ・ロスといったモータウンの大物をはじめメアリー・J. ブライジ、ジャック・ジョンソン、パール・ジャムらにも採り上げられています。
また、2011にはこの曲をカバーしたジャスティン・ビーバーとステージで協演していて、この曲は孫のような世代のジャスティンにも受け継がれたことになるでしょうか…。


~背景~

邦題は「想い出のクリスマス」という“過去”を想起させるものですが、原題の「Someday At Christmas」は“Someday(いつか)”とあるように“未来”を指すもので、作品の内容もそれに準じています。
クリスマスをテーマとしながらも単にそれを祝うものではなく、原題のタイトルにあるように“いつか、クリスマスをこんな風に迎えられたら…”という願いが込められた歌です。
この曲が生まれた頃、アメリカが軍事介入していた“ベトナム戦争”もドロ沼化して反戦運動も広がりつつあり、作品にはそうした世相が反映されたと思われます。

ちなみに、ベトナムには戦争の最中でも旧正月に休戦をする慣例(テト休戦)があってベトナム戦争中も慣行されましたが、アメリカが参戦してからはクリスマス期間48時間を休戦する“クリスマス休戦”が持たれた時期もあったそうです。


~Lyrics~

Someday at Christmas men won't be boys
いつかのクリスマス…男たちは
Playing with bombs like kids play with toys
爆弾を玩具のように弄ぶ兵役から解放されている

ベトナム戦争を想起させる冒頭のフレーズです。
“爆弾を玩具のように弄ぶ”とありますが、アメリカが第二次世界大戦で日本全国の空爆に用いた焼夷弾を強化した“ナパーム弾”はベトナム戦争では40万トン投下され、その余りに強力な焼尽力は残酷で非人道的との批判から、公式には現在アメリカ軍は保有していないことになっています。

“men won't be boys”は直訳すると“男は少年ではないだろう”となりますが“boys”は“(自国の)兵士”という意味もあり、toysと韻を踏みながら、ここでは子どもの玩具遊びを引き合いに出しているところからすると、“Playing with bombs”を“子供じみた行為”と隠喩しているかのようです…。


Someday at Christmas we'll see a land
いつかのクリスマス…広がる大地に
With no hungry children, no empty hand
空腹の子どもや、食べ物を手にできない人はいない

食料飢餓問題…
現在でも世界の飢餓人口は9億6300万人、餓死者は一年に約1500万人に上り、うち7割以上が子どもだそうです。
このフレーズは、絵空事なのでしょうか…?(涙)


Maybe not in time for you and me
たとえ、君や僕の時代に間に合わなくても
But someday at Christmastime
いつの日か、クリスマスタイムに…

飢餓や戦争…
人類最大と言っていいこれらの課題は、この作品から50年近く経った現在も無くなってはいません。
“いつか”って、普段つい軽い気持ちで使ってしまいますがこの場合、すごく重い…。


~Epilogue~

クリスマスというと街やツリーなどがきらびやかに飾られ、家族や親しい人が集まり美味しいご馳走が楽しみな、一年で最も幸福感のある行事の一つですよネ♪
でも世界に目を転じるとこうした平穏と豊かさを享受できるのは少数であり、日本も70年位前は“焦土”だったことを忘れてはならないのだと思います。

平和と豊かさは自ずと得られる永久不変の権利ではなく、“焦土”の反省と復興への努力があったからに外なりません。
まして、資源と食料の自給率が皆無に等しいこの国の現状は、実は一旦世界的な資源・エネルギー不足が起きてしまうと崩壊する“砂上の楼閣”であるといえるのではないでしょうか?

When we have found what life's really worth
生命の本当の大切さに気づいた時
There'll be peace on earth
きっと、世界に平和が訪れる

幸せな時間と空間がある現在だからこそ大切なものに気づき、対処を考えたいですね…。


「想い出のクリスマス」/和訳&Lyrics

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Writer(s):Ron Miller and Bryan Wells /訳:Beat Wolf


いつかのクリスマス…男たちは
爆弾を玩具のように弄ぶ兵役から解放されている
ある暖かい12月、僕らの心に映るのは
人々が戦いから解き放たれた世界…

いつかのクリスマス…そこに、戦争は存在しない
みんながクリスマスについて正しく学び
生命の本当の大切さに気づいた時
きっと、世界に平和が訪れる

いつの日か…みんなの夢が叶いますよう
いつの日か…世界の人々に自由が訪れますよう
たとえ、君や僕の時代に間に合わなくても
いつの日か、クリスマスタイムに…

いつかのクリスマス…広がる大地に
空腹の子どもや、食べ物を手にできない人はいない
ある幸せな朝、人々は分かつだろう
互いが思いやる、みんなの世界を

いつかのクリスマス…そこに、涙は存在せず
誰もが平等で、恐れを抱く人もない
ある輝かしい瞬間、今日の僕らの祈りが
遠い昔話となっている

いつの日か…みんなの夢が叶いますよう
いつの日か…世界の人々に自由が訪れますよう
たとえ、君や僕の時代に間に合わなくても
いつの日か、クリスマスタイムに…

いつかのクリスマス…人は、見捨てられることがなく
憎しみは終わり、愛で満ちたものとなる
いつの日か…僕らが始める新たな世界が
みんなの希望と共に…

(Someday all our dreams will come to be)
(Someday in a world where men are free)

たとえ、君や僕の時代に間に合わなくても
いつの日か、クリスマスタイムに…
いつの日か…


最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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tags : 音楽 洋楽 和訳  訳詞 Lyrics 

コメント

「思い出」じゃぁないんだけどなぁ。

「いつの日かクリスマスに」
が正しい和訳ですよねぇ…。
まさしく「反戦」の歌。
知っているのに「出てこない」歌でした。
マイケル・ジャクソン氏がまだ「くん」だった頃の声で聴いていた歌だったのに…思い出せなかった題名の歌でした。

去年有る方のブログで見かけて「あぁぁっ!これだっ!!!」でした。
速攻、歌詞を調べて、朝から大泣きしました。

「~君や僕のいる今の時代では(変わることは)無理かもしれないけれど~」
本当にそうだし、その通りなのです。
でも、変えたいし、変わりたいし、変わると信じたい。

BeatWolfさんのクリスマスソング。
とても楽しみにしておりました♪
ご選曲。
最大に最高でございます。
また、心に沁みながら、聞き入っております。

心より、有難うございます。
(はぁ…涙が止まらん…)

2013.12.20  sunbluelovely  編集

いつか・・・戦争など暗い時代の“いつか”にはたくさんの希望や想いが入っているんでしょうね。

平和で素敵なクリスマスを迎えるために、一人ひとりが笑顔で過ごす事が必要ですね(^^)

2013.12.20  ☆dct☆  編集

Re: 「思い出」じゃぁないんだけどなぁ。

「いつの日かクリスマスに」…
まさに、そんなタイトルを付ければよかったですね。
マイケルのバージョンでお知りになったんですか?
彼のはかわいいし、似合う作品ですね。

歌詞に大泣きした作品なのですね?
たぶん、人類の歴史が始まって以来の課題といえるでしょう。
それだけに重い荷物ですが、人類は何のために
発展してきたのか試されています。

私も、よい作品を訳せて良かったです。
選曲はいつも苦労していますが、喜んでいただけて
うれしいです。

2013.12.20  Beat Wolf  編集

☆dct☆さん

“いつか”は、期限が無いので気軽に使ってしまいますが
この場合、人の命が懸かってるんですよね。
この世に生まれた誰もが笑顔で迎えられるクリスマスを、願って止みません…i-228

2013.12.20  Beat Wolf  編集

かっちりとした譜割よりも言葉の重みを優先させた歌い方をしていますね。スティービー•ワンダーの歌詞への思い入れが、リズムの崩しかたや節回しなどに現れてますね。

2013.12.21  わんわんわん  編集

わんわんわんさん

同じフレーズの繰り返しで、そのまま歌うと単調になるので歌い手は大変ですね。
若くして天才と言われた彼のセンスでしょうか…。

2013.12.21  Beat Wolf  編集

あどけない幼子の寝顔
こんな寝顔が約束される国ばかりでは無いんだな…と改めて思いました。
クリスマスソング意味も知らずに聴いてましたが、深い意味があったんですね。

スティビーワンダーの声、本当に若い!
おっさん臭さ探しました(笑)

2013.12.22  きり  編集

きりさんへ

空襲されていた時代に幼子を抱えていたお母さんは
どんなに不安だったことでしょう。
思わず、そんなことを想像してしまいました…。

当時の年齢からすると、高校生ですからね!
それでも、今のイメージからすると若さがありますよね♪

2013.12.22  Beat Wolf  編集

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