I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「オリノコ・フロウ」エンヤ

2017.07.14

category : Enya

Enya - Orinoco Flow1 Enya - Orinoco Flow2


Enya - Orinoco Flow (1988年)



~まだ見ぬ世界の海へ、“Sail away”♪ ~

「オリノコ・フロウ」にはたくさん世界の地名が登場しますが、中にはその実在性が不確かなものも含まれています。
…そこで、クエスチョン!
次の3つうち、その実在性に疑いがあるものはどれでしょう?

アヴァロン(Avalon)
バビロン(Babylon)
オリノコ(Orinoco)

(※答えは本記事のどこかにありますので、適宜お確かめを…?



~概要~

エンヤ(Enya)はアイルランドの歌手であり、幾重にも重ねられ深いエコーの“天から祝福を授ける女神の歌声”は2000年前後の“ヒーリング・ミュージック・ブーム”の主役の一人で、現在でも安定した人気を維持しています。
「オリノコ・フロウ」は1988年の2ndアルバム『ウォーターマーク(Watermark)』の収録曲で、シングルとしても初めてイギリスでチャート・インを果たしただけでなく、3週No.1に輝きました。
その評判はゆっくりアメリカへと伝播、翌年4月にBillboard Hot 100でも24位を記録しています。

私は本曲を『ベストヒットUSA』で知りましたが、そこでエルトン・ジョンが賞賛していたことを覚えています。
1980年代末イギリスはユーロ・ビート、アメリカはヘヴィ・メタルといった“こってり”した音楽が流行だった時代、ふわふわ掴みどころのないエンヤのテイストは全く正反対でしたが、脂っこい物を食べたあと胃に優しいものが食べたくなるように、音楽トレンドもそうした転換期にあったのかもしれません…。

このエンヤの“何ともいえない不思議な味わい”を一言で言い表すのは難しいですが、敢えて表現するなら【ネクター(nectar) 】ではどうでしょう?(あくまで個人の主観です)
当時ネクターで有名な『不二家ネクター』が「オリノコ・フロウ」をCM曲に起用したことについて、これほど曲と商品のイメージが合致する例は珍しいと思いました。
ちなみに【ネクター】はギリシャ語の[ネクタル]を語源とし、“古代ギリシャの神々の不老不死の霊薬・飲みもの”とされたそうで、神々しい所もエンヤと似ているかもしれません。


PVは、アルバム『Watermark』から画中のエンヤがまるで抜け出たようなアート性を感じる映像で、第32回グラミー(1990年)で“Best Music Video”にノミネートされました(受賞はマイケルジャクソンの「Leave Me Alone」)。
オリジナルver.が余りに多重録音のためステージでの再現は不可能であり、エンヤは滅多にライブでのパフォーマンスはしませんが、2008年には「オリノコ・フロウ~ありふれた奇跡」で第59回NHK紅白歌合戦に特別出演しました。

こういった特殊な事情からカバーは手の出しづらい所ですが同じ“女神系”のCeltic Woman、“天使系”少年合唱団のLibera…に混じって“オヤジ系”Santanaがいたのは、私もビックリしましたっ!! 

 
 



~Lyrics~

不思議な感覚の曲・サウンドの「オリノコ・フロウ」ですが、歌詞も深い意味があるような無いようなで、輪をかけて不思議な内容となっています。
作詞はプロデューサー、ニッキー・ライアンの奥方ローマ・ライアンで、実は創作した当人にとっても何度も試みては挫折を繰り返して棚上げになっていた作品だったとか…?

作品のタイトルにもなっている【Orinoco】はカリブ族の言葉で[川]を意味し、コロンビア~ベネズエラには約2,060kmを流れる南米第三の[オリノコ川(Río Orinoco)]という大河が実在します(ちなみに日本一の信濃川は367km)。
一方、本曲をレコーディングしたスタジオも『Orinoco Studios』(現在はMiloco Studios)といい、ほかにも歌詞の中に[Rob Dickins]や[Ross](Ross Cullum;アルバムのプロデューサー)といった関係者が複数登場することから、こちらも意識させられる所です。


From Bissau to Palau - in the shade of Avalon
ビザウからパラオ~ぼんやり陰るアヴァロン
From Peru to Cebu hear the power of Babylon
ペルーからセブ~バビロン繁栄の力

「オリノコ・フロウ」には世界に実在、または伝説に登場する地名などが多く登場します。
【Avalon】はケルト語でリンゴを意味する[abal]に由来し、ブリテンにあるとされる“伝説の島”で、イエス・キリストがブリテン島を訪れた際の上陸地としたなど[恵みの島(Isle of the Blessed)][幸福の島]といったパラダイス的な概念で捉えられている地ですが、実在したかは諸説あるようです。

一方【Babylon】メソポタミア地方に“実在した古代都市”で、バグダードの南方約90kmの地点にユーフラテス川をまたいで繁栄していましたが、とりわけ残された伝説が【バベルの塔】(旧約聖書『創世記』)や【バビロンの空中庭園】(世界の七不思議の一つ)など、非常にユニークです。


From the deep sea of Clouds
果てない雲の海から
To the island of the moon
月の島

ここは何故か地名が示されていませんが、雲海というと近年タモリ&トミー・リー・ジョーンズ出演のサントリーBOSSのCMの舞台にもなった兵庫県朝来市の[竹田城跡]があり、雲上に浮かぶお城はまさに“ラピュタ”?



一方【the island of the moon】は[マダガスカル]、という説があります。
マダガスカル島は月の形をしてないし何故だろうと調べてみると、“古いアラブの地図にマダガスカルは[Gezirat Al-Komor(月の島の意味)]の名前がつけられていた”という記述がありました。


We can steer, we can near
きっと往ける、近づける
With Rob Dickins at the wheel
ロブ・ディケンズの舵取りと共に

突如出現するのは歴史上の人物…
…ではなく、エンヤが所属するワーナー・ミュージックUKの当時の社長です。

1986年、エンヤはBBCのドキュメンタリー番組『The Celts』(日本ではNHKで『幻の民ケルト』として放送)のサウンドトラックを担当しそのサントラ盤『Enya』(BBC/Atlantic)がアイルランドで大ヒットしましたが、これを最も高く評価したのがディケンズ社長でした。
音楽や芸術性は君の自由、制作方針も干渉しない、期限も求めないからウチに来ないか?

ディケンズは次のように語っています…
時にはお金のために契約することもあるし、音楽を創るために契約することもあるけれど、これは明らかに後者だった。僕自身がこの音楽に携わりたかったんだ

そうして制作されたのが、アルバム『Watermark』でした。
エンヤが本作にどんな気持ちを込めたか、窺い知れるでしょ? 



~Epilogue~

先日、南極大陸にある5800平方キロメートル(三重県とほぼ同じ面積)・重さ1兆トン超の氷塊が分離して史上最大級の氷山になったというニュースが報じられました。
また、先月インドでは47℃まで気温が上昇し360人以上が死亡、ヨーロッパでは記録的高温により森林火災が相次ぎ、カナダでも東京ドーム5000個分の森林が焼失するという、“地球温暖化”の影響と懸念される被害も相次ぎました。

日本でも、まだ梅雨なのに早くも全国各地から猛暑日の便りが続々と届けられ(※7月19日、関東甲信まで梅雨明け)、一方で記録的豪雨による甚大な土砂災害も生じました。
1990年頃から一部の専門家の間で指摘され始めた“地球温暖化”は、20年以上経った現在では私たち一般人にさえ実感として認識されるほど顕著な気候変動となってきましたが、気象庁が1876(明9)から記録し続けた東京の7月の月平均気温のデータを見ても、最初1876~1885年の10年間の平均値は24.6℃、最新2007~2016年の10年間の平均値は26.5℃で、140年で約2℃近く上昇していることがわかります(※年平均気温でも13.7⇒16.6℃と、約3℃近く上昇している)。


一方、地球温暖化の問題は猛暑だけではありません。
実は私たちが住む地球には優れた“自動空調装置”が備わっており、それがない太陽からほぼ等距離の月の1日の温度変化は昼110℃→夜-180℃(赤道付近)であることを考えると、どれほど地球の空調装置が私たちの生命を守ってくれているかがわかります。
その空調装置とは地球表面を覆っている“大気と海”で、これらが太陽光を和らげ急激な温度変化を防ぐ役割を果たしているのです。

地球表面の約71%を覆う海は、気温が上昇すると[水循環]によって水を蒸発させて気化熱を奪い、水蒸気が雨(雪)となって地表を冷やす…を繰り返し温度調節していますが、米航空宇宙局(NASA)は水循環の効果がなかったら地表の温度は67℃まで上昇すると予測しています。
しかしこの自動空調にはシステム上避けられない弱点があり、度の越えた温度の上昇には度の越えた海水の蒸発を発生させ、当然それに比例して降水量も増大させてしまうことで、今回の九州豪雨も東シナ海の水温上昇が原因であった可能性が指摘されています。

地球温暖化の厄介な点は“気温上昇”だけに止まらず、それによる極地の氷河融解で“海水面の上昇”を招き、そこへ“台風や暴風雨を頻発・強大化させる”ことにあるといえます…。


“奇跡の星”と称される地球は、この広い宇宙に稀なる“生命の楽園”を築き上げました。
しかしその楽園の防御システムだけでは対処し切れず、いま“嵐”が訪れようとしています。
嵐の原因は? …嵐を免れる手段は? …それを実行できるのは?
“生きものみんなの地球”のため、私たちみんなが利害を捨てて優先して手だてを講じねばならない段階に来ているように思います。

Let me sail, let me sail
航(わた)らせ給え
Sail away,sail away, sail away

私たちに、航(わた)る星など他にないのだから…。



「オリノコ・フロウ」

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tags : 音楽 Lyrics 和訳 洋楽 

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