I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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「リズム・オブ・マイ・ハート」ロッド・スチュワート

2023.01.30

category : Rod Stewart

Rod Stewart - Rhythm of My Heart (1991年)

男は海を航(わた)る…その胸を激しく打ち鳴らす「Rhythm of My Heart」に突き動かされて

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


~ Lyrics ~

Writer(s): Marc T. Jordan, John Capek /訳:Beat Wolf

通りを横切り
その河は流れる
水は細く長い窪みへと落ち
やがて静かにその一生を終える
僕がまだ生きてゆくことを許してほしい
別の場所で
ヘリコプタブレードの下
隠れるように駆けている

炎は肖像の中で
より高く燃え上がり
僕の記憶の橋が
焼け落ちてゆく
愛はまだ生きているかもしれない
何処かで、どうにかして
人々が鹿だけを倒し
遠くに百の鉄鋼の町がある所

[Chorus]
あぁ、鼓動がこの胸を
ドラムのように打ち鳴らす
"I love you"の言葉と共に
湧き上がってくる
もう決して彷徨ったりしない
我が家こそ僕のいるべき場所
海と空が出あう場所
そして僕は、海を航(わた)る

写真と灯油が
この暗闇を灯す
灯してくれる
僕は今も覚えている
君の薄いブルージーンズの感触を
あの小路を駆け下りて
この目に君のすべてを焼き付けたから
Oh, baby

[Chorus]
[Refrain]
I'll be sailing

[Bridge]
あぁ、僕の全身に稲妻が走った
スロットマシンのハンドルを転じるように
愛はまだ別の場所で存在しているかもしれない
僕はただハンドルを引き戻し続ける
顔に表すこともなく 

[Chorus]



~ 概要 ~

「リズム・オブ・マイ・ハート」は、ロッド・スチュワート1991年3月26日の16thアルバム『ヴァガボンド・ハート(Vagabond Heart )』からの1stシングルで全英2位、アメリカ Billboard Hot 100 で5位(年間50位)を記録した作品です。
『Vagabond Heart 』では、代表作である『スーパースターはブロンドがお好き』以来13年ぶりとなるアメリカでの200万枚のセールス挙げた前作『Out of Order』に引き続きバーナード・エドワーズ(元シック)をメイン・プロデューサーに起用したほか、マドンナの一連の作品をプロデュースしたパトリック・レナードも一部に参加させるなど、ローリングストーン誌も“1970年代初頭以来最も魅力的な作品”との評価を与えています。

一方、本アルバムの成功に最も影響を与えたであろう「Rhythm of My Heart」のプロデューサーは、1989年の「ダウンタウン・トレイン」を大成功(全米3位)に導いたトレヴァー・ホーン(元バグルス/イエス)です。
「ダウンタウン・トレイン」はトム・ウェイツの隠れた名曲(1985年)のカバーでしたが、「Rhythm of My Heart」も埋もれていた楽曲のカバーで、作者は Marc Jordan / John Capek 、オリジナルは“オランダのエルヴィス”との異名を持つ René Shuman 1986年のデビュー・アルバムに提供された楽曲でした。

“エルヴィス”なイメージからは想像が及ばないかもしれませんが実はこの“オリジナルにも原曲”があり、それがスコットランド民謡「ロッホ・ローモンド」(【Loch Lomond】はゲール語でローモンド湖の意味)のメロディーがアレンジされているため、スコットランド家系であるロッドが共感して採用したのかもしれません。
オリジナルから原曲へ回帰させるかのようにバグパイプを取り入れてケルト風にリアレンジされ、スティーヴ・ルカサー(TOTO)のギターでロック・テイストに仕上げています。

1991年3月からは『ヴァガボンド・ハート・ツアー』を敢行、「Rhythm of My Heart」も歌唱されましたが翌年の予定されていた日本公演は、当時の奥さまレイチェル・ハンターが出産のためキャンセルとなってしまいました。
ロッドにとって21世紀の大ヒット・シリーズとなった『The Great American Songbook』のライブDVDや、2004年6月26日にバッキンガム宮殿の外でジェームス・ブラウンと共にヘッドライナーを務めたアテネ・オリンピックの国際聖火リレーに伴うフリー・ コンサート『the Olympic Torch Concert』でも、本曲がパフォーマンスされています。


 
 



~ Story ~

Where the ocean meets the sky,
海と空が出あう場所
I'll be sailing
そして僕は、海を航(わた)る

「Sailing」と言えばロッドの代表曲の一つであり、これも彼が本曲に関心を抱いた理由かもしれません。
またアルバム・タイトル『Vagabond Heart(放浪する心)』は、このフレーズを象徴しています。

そして主人公が何を願い彷徨っているかは、言及するまでもないでしょう。
【海と空が出あう場所】は“水平線”であり、彼の願う場所は“物理的にかなり遠く”、また他の言及から“かなり長期間そこから離れた状態にある”ことを想像させます。
過去ログ「ウェスタリング・ホーム」ケルティック・ウーマンでも同様の心情が綴られていましたが、慣れ親しんだ風土を離れ陸続きでない海の遠い異郷へ旅立つ際に抱く“心細さ/慕情”は、同じ島国に生きるあなたにも覚えがあるかもしれません…。


Running under cover of a helicopter blade
ヘリコプター・ブレードの下、隠れるように駆けている
Where they're downing only deer, a hundred steel towns away
人々が鹿だけを倒し、遠くに百の鉄鋼の町がある所

本歌詞にはこうした唐突感ある言葉が点在しますが、「Rhythm of My Heart」のPVには【ヘリコプター】がフィーチャーされ、“戦地へ派遣された兵士と故国に残された家族の物語”が描かれており、その真意についてロッドは2004年のロイヤル・アルバート・ホールでのライブで次のように語っています。

この曲を、長い苦しみにある兵士たちに捧げる。イラクだけでなく、世界中の戦闘に参加しているすべての兵士たちだ。我々の自由を守るため永続的に駐留している…この曲は彼らのためにある

原曲とされるスコットランド民謡「Loch Lomond」の歌詞は、国教会(プロテスタント)が主流の議会がカトリックであるステュアート朝のイングランド国王ジェームズ2世(スコットランド国王・ジェームズ7世)を追放し、プロテスタントである彼の娘メアリー2世とその夫ウィリアム3世(ウィレム3世)をイングランド国王に即位させた『名誉革命』後、両者の戦いに敗れたスコットランドの反革命勢力(ジャコバイト)の悲哀を歌ったものと解釈する説が有力です。






~ Epilogue ~

ロッド・スチュワートの怒り「プライベート医療はガラガラなのにスキャンを受けられず死んでいく人がいる」

1/27の在英国際ジャーナリスト・木村正人氏のレポートを読んで、私は暗然とさせられました。
イギリスは年金受給年齢までの国民への保険料を義務付ける代わりに原則無料の国民保健サービス(NHS)を保証していますが、ボリス・ジョンソン首相(当時)が推進させた『ウィズコロナ政策』の“必然の帰結”である「コロナ蔓延」とコロナ患者の大量積み残しに伴う「医療逼迫」が続いており、「検査を受けようとする患者の40%が4週間以上、13%が12週間以上待たされ」(昨年11月の時点)、「3年前から予約待ちで医者に診てもらえない患者」もあるそうです。
(1/30倉原優・呼吸器内科医の記事によると、イギリスでは2022年12月時点で、救急搬送されるまでに平均93分
加えて急激な光熱費高騰・インフレにより、“ウィズコロナの尻拭い”を押し付けられている看護師や医療従事者らの昇給がインフレに追いつかず、彼らの中には慈善団体のフードバンクに助けを求めるほど生活が困窮する事態に陥っている人もあるといいます。

こうしたイギリスの実情を訴える国民の声を放送していたスカイ・ニュースの視聴者コーナーに、ロッド・スチュワート本人が電話を掛けてきて、「昨日プライベート診療所(富裕層の有料医療)で毎年のメディカルスキャンを受けた。プライベートはガラガラなのに、スキャンを受けられずに死んでいく人がいる。バカげている。誇りに思うこの国で何年も暮らしているが、これほどひどい状況は見たことがない。私は看護師の味方だ。長い間、保守党の党員だったが、血まみれの政府は今すぐ退陣し、労働党に任せるべきだ」と憤ったというのです。


国家政府の究極の使命とは、“株主”である「国民の生命・財産を守ること」です。

故に、国家政府の責務はそれを覆す脅威(ウイルス)を国民から遠ざける(接触させない)こと、万が一国内に侵入を許しても速やかに撃退(根絶)し、国民の生命・財産を無駄に損失させないことです(ウイルスとの共存が長期間になるほど人的・経済的損失は拡大)。
施策評価の指標として各国の『人口あたりのコロナ死者数』を比較してみると、1.アメリカ/2.ブラジル/3.イギリスは「世界で最も多く自国民を死なせた政府」であり(これら3国は世界平均の3.7倍自国民を死なせた)、つまり最も悪い施策を行った政府です。
(特にアメリカの死者数113.5万人は、第二次世界大戦の40.5万人/南北戦争の62万人/スペイン風邪の62.5万人を上回る建国史上最悪の失政

これら多く自国民を死なせた政府が採ってきた施策こそ、「国家政府の使命」にも、「防疫の鉄則」にも反する『ウィズコロナ(コロナとの“無期限”共生)』です。
本来であれば自らの失政への反省を礎に、その使命・鉄則に立ち返った施策へと改善されるべきですが、改善どころか、世界の趨勢は、最も多く自国民を死なせた“失政”が勢いを増しているのは何故でしょう…。

Guns N' Roses - Welcome To The Jungle

金融危機や物資の高騰、戦争、疫病…
『乱世』は「一般多数にとって地獄」ですが、だからこそ「一部少数にとって楽園」であったりもします。
世の中は「正義が勝つ」…わけではなく、寧ろ「邪な強者の欲望に弱者の正義が敗北」し動いている方が多いような気がするのは気のせい?

私はコロナ・パンデミックがこれ程まで損失を拡大させたのは、リーダーである米英が世界をミスリードしたからと認識していますが、他を圧倒するその政治力・資金力を連携すれば世界へ供給する情報と世論を操作するなど容易なことです。
何より「パンデミック下でワクチン・薬剤は外交・安全保障の重要なカード」であり、『コロナを世界に蔓延』させることは「ワクチン・薬剤を米英に依存する国々との外交を圧倒的優位に」させ、「有効なワクチン・薬剤を開発できない中国・ロシアとの覇権争いを有利に」します。
また、次々変異するコロナのワクチンは敵対国でない限り自国で開発するよりアメリカのワクチンを買った方が効率的であり、今後も「ワクチンの独占的利権が同国に莫大な富を長期間もたらし続ける」のでしょう。

強者が邪な利益を得る一方、常に損失するのは強者の令(いいつけ)に従うしかない弱者です。

私は、世界のコロナ対処を『放火魔』の類いと評価しており、彼らがそれぞれ私的利益のため放火(ウイルスを拡散)し、町一帯を焼く火災(パンデミック)に発展、まだ燃えている家がある(ウイルスが残っている)のに中途で消火を止めさせ(規制の緩和)、必然的に火災は終わらず(第1~第8波…)、消火が追い付かないと火事を放置(医療崩壊・患者の自宅放置)、費用が嵩む・もう無理と職責を放棄し自分で消せ(「新型コロナを2類→5類」で検査・治療を患者負担)、仕方なく個人のできる範囲で防火活動(マスク着用)に努めているのに、火災(失政の証であるパンデミック)がいつまでも続いているようで目障りだから止めろ(マスク外せ)


妊婦や患者の医療難民化を防げ!コロナ5類議論に欠けたもの【山岡淳一郎のニッポンの崖っぷち】


『ウィズコロナ』を推進するコロナ対処を指揮する責任者は、「コロナが風邪並みのリスクになるまでの時間軸を人民に示す義務」があります。
リスクの出口は数年先か、100年先か、10000年先か…
どんなに理想的な計画であろうと、確たる成算と『時間軸』を明示せず、権力者の甘い願望だけで出口の見えない洞穴へと足を踏み入れることは、太平洋戦争や原発政策の“稚拙な絵空事”の焼き増しに過ぎません。

コロナとの共生ウイルスに更なる変異機会を与え、既存株に代わる新株はより強い感染力/免疫回避力を有し、長期戦になる程より強毒性の変異株が発生するリスクが高まります。
…より強毒性の変異株が発生した時、「コロナはただの風邪」と刷り込まれた世界の人々が果たして素直に強い制限に従ってくれるのでしょうか?

全てのコロナ規制を撤廃したイギリスの皆保険制度の崩壊は、それに後追いする日本への警鐘です。



Rod Stewart - Rhythm of My Heart (Official Video)

最後までお読みいただき、ありがとうございました ♪
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tags : 1991年 ソフト・ロック ケルト 郷愁 新型コロナ  

コメント

ロッドって90年代も頑張っていたんですね!70年代ヒットの面影も感じられる曲です!世界的なブレイクを果たした「マギー・メイ」、アコースティックギターとマンドリン響きが美しいノリのいいナンバー、幅広いファンを掴んだ名曲「今夜は決めよう」などが最高ですね!

2023.02.07  ローリングウエスト  編集

ローリングウエストさん

むしろこの頃アンプラグドなどヒットを連発し、第2黄金期でした。
70年代ネタはローリングウエストさんに敵いませんが…。

2023.02.07  Beat Wolf  編集

こんにちは。

ロッド・スチュワートって、こういうと何ですが、むさくるしいロック歌手というイメージではなく、ロック・スターです。それにしてもあのハスキーボイスであのルックスですから人気があるのも分かります。騎士道精神が残っていた古き良き時代のイギリスを連想させる雰囲気があります(プライベートは何も知りませんが)。
イギリスの医療制度はコロナ禍以前からその理想と現実が乖離していたようです。

2023.02.10  忠      編集

忠さん

ロック歌手は一般にそういうイメージなのですね。
彼は歌手以前は日雇いなどしていましたが、もし歌手で成功しなかったらずいぶん違う人生だったのだろうと思います。
イギリスの医療制度はコロナ禍以前からその理想と現実が乖離していたのですか。
イギリスより貧しい日本がそれを真似たらどうなるか心配です。

2023.02.10  Beat Wolf  編集

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