I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「ホワイト・クリスマス」ビング・クロスビー

2020.12.14

category : Christmas

Bing Crosby - White Christmas (1942年)

発表から80年近く…時代が移ろうとも、変わることなく夢に描き続けられたクリスマスへの憧憬 ♪


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tags : 1942年 静かなクリスマス 映画-60's アカデミー歌曲賞 歴史的名曲 

comment(2) 

「追憶」バーブラ・ストライサンド

2017.11.03

category : Barbra Streisand

Barbra Streisand - The Way We Were1 Barbra Streisand - The Way We Were2


Barbra Streisand - The Way We Were (1973年)



~古い歌を追憶したら、意外な真実を発見!~

秋が深まり、暦の上で立冬を迎えるこの時節は、バーブラ・ストライサンドの「追憶」がぴったり…
などと想いを巡らせていたところ、俄かに私の脳裏に甦ったのが荒木とよひさ作詞・作曲「四季の歌」の[秋]についてのフレーズでした。
子供心にも秋が“心深き人”というのは理解できましたが、“ぼくの恋人”に喩えられる【ハイネ】って何だろうと思いながら歌っていました。
なので、この際だからと調べてみると…!??

あなたは、【ハイネ】の意味をご存知でした? 



~概要~

「追憶」は1973年の映画『追憶(The Way We Were)』のために書き下ろされた主題歌であり、主演であるバーブラ・ストライサンド自らが歌った歌曲です。
作詞は1982年の映画『トッツィー』の「君に想いを」(過去ログ)の作者でもあるアラン&マリリン・バーグマン(Alan and Marilyn Bergman)夫妻、作曲は舞台『A Chorus Line』のマーヴィン・ハムリッシュ(Marvin Hamlisch)、プロデュースはTOTOのデヴィッド・ペイチのお父さんマーティ・ペイチ。

1973年9月27日に映画に先行してシングルがリリース、10月に映画が公開されると同年の北米興行収入5位に相当する大ヒットを記録しました。
年が明けた1月1日、映画のオリジナル・サウンドトラック『The Way We Were: Original Soundtrack Recording』とバーブラの15thアルバム『The Way We Were』が同日発売されるというトラブルが発生したものの、どちらもBillboard 200で20位とNo.1という成功を収めています。
そして2月、シングル「The Way We Were」もBillboard Hot 100で3週No.1(1974年の年間No.1)に輝き、バーブラに初のNo.1曲をもたらしました。

1974年4月の第46回アカデミーに於いて「The Way We Were」はアカデミー作曲賞(Academy Award for Original Music Score;マーヴィン・ハムリッシュ)とアカデミー歌曲賞(Academy Award for Best Original Song;作詞アラン&マリリン・バーグマン/作曲マーヴィン・ハムリッシュ)を、更にはゴールデン・グローブ主題歌賞(Golden Globe Award for Best Original Song)も受賞しました。
また、翌年グラミー最優秀楽曲賞(Song of the Year)にも輝いています。

バーブラを代表する曲の一つであり現在まで多くのパフォーマンスを披露したほか、2014年にはライオネル・リッチーとのデュエットでセルフ・カバーも果たしています。
そのほかのカバーはグラディス・ナイト&ピップスver.が有名で、1975年にHot 100で11位を記録しました(まったりテイスト)。
また、2008年の『Kennedy Center Honors』でバーブラの目前で捧げられたビヨンセのパフォーマンスは、“これぞ女王”の美しさです!
意外なのは(バーブラ熱の高くない)日本での人気で、松田聖子や薬師丸ひろ子、テレサ・テン、岩崎宏美、桜田淳子、尾崎紀世彦ほか多くの歌手がカバーしています。


 
 



~Lyrics~

Memories

バーブラのハミングから続くこのやわらかなオープニング・ラインは、とても印象に残ります。
出だしの言葉は当初【Daydream】(白日夢、空想)だったものの、バーブラのアイデアで【Memories】(思い出)に変更されたそうです。
どちらも心が関与して描かれることに変わりはありませんが【Daydream】だと“過去”のイメージに直結せず、詩的な憧憬を抱かせる邦題の「追憶」というタイトルが生まれることもなかったのではないでしょうか…。


Light the corners of my mind
思い出は、この胸の片隅まで照らすともし火
Misty watercolor memories
ぼんやりかすんだ水彩の思い出たち

【watercolor(水彩画)】は誰もが小学校で体験する画法ですが、私の場合、記憶を省みればぬり絵の延長でただ色を塗っていただけで、特に感慨はありませんでした。
でもそれは(恐らく根本的に)間違ったアプローチをしていたからで、大人になってその【Misty(霧がかかったように淡い)】なやさしい世界観に触れ、強い魅力を感じるようになりました。
画像検索してみると、これだけで[Misty]な色合いに心を癒されます…。


What's too painful to remember
思い出すには、あまりに辛すぎて
We simply to choose to forget
安易に忘却を選んでしまう

…でも、【painful(苦痛な)】が入るだけでイメージが一変! 
確かに、忘れてしまいたくなります…(予想以上に上のイメージとギャップがある)。 
【忘却】は感情を併せ持つ私たち人間に必要不可欠な機能であり、もしこんな不快なイメージが頭にこびりついて忘却(消去)できないままであったなら、精神が破綻してしまうでしょう。

 …なぁんだ、ボクが3歩歩くと忘れるのは正常な機能なんだ♪



~Epilogue~

「The Way We Were」は劇中、ケイティが同じ大学の学生だったハベル(ロバート・レッドフォード)と偶然再会し、当時の思い出に入ってゆくオープニングに使われています。
この再会が契機となって二人は結婚まで至りますがお互いの本質的な価値観の違いは致命的で、夫婦生活は長くは続きませんでした。



それから歳月が過ぎ…
相変わらずニューヨークの街で反戦運動を続けているケイティは偶然ハベルと再会しますが、彼は新たな妻を同伴していました。
かつての愛おしさが二人のまなざしやその仕草に甦る一方、そこへ戻りたい…戻ってはならないと言い聞かせるような言葉の遣り取りが印象的です。

そのエンディングに流れるフレーズ…

Whenever we remember
いつだって、思い出すのは
The way we were
二つの笑みが交わっていた日のこと
The way we were
二人で歩んだ道程…

私たちの人生は基本、【The way I am】
幸いにして、共に歩んでくれるパートナーが現れたなら【The way we are】
不幸にして、それが過去のものになってしまったなら【The way we were】

どんな道を選んでもその足取りには希望と失望、喜びと悲しみが常に表裏一体で、絶対不変の幸福などありません。
大切なのは何気ないやさしさや幸せを感じ取れる感性であり、過去の悲しみをわざわざ引っ張り出してまで現在という貴重な一瞬を悲しみ色に染めてしまわない知性です。

悲しみの記憶は“教訓”に、そして喜びの記憶は心を照らす“ともし火”に



「追憶」


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tags : 1973年 AC せつない愛 映画70's 年間No.1ソング アカデミー歌曲賞 グラミー最優秀楽曲賞 

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「愛は吐息のように~トップガンLOVEテーマ~」ベルリン

2017.08.25

category : Soundtracks

Berlin - Take My Breath Away1 Berlin - Take My Breath Away2


Berlin - Take My Breath Away (1986年)



~『トップガン』続編決定!?~

キャリア36年で数々のヒット作を輩出しただけでなく、2016年に米フォーブス誌が発表した高額年収俳優ランキングで4位(5300万ドル≒58.3億円)に入るなど、55歳にして今なおハリウッドを代表する大スターであり続けるトム・クルーズ。
その彼がブレイクするきっかけとなったのが、1986年のアメリカ映画『トップガン』でした。

近年、『ゴーストバスターズ』や『スパイダーマン』、『バットマン』、『ロボコップ』など旧作のコンセプトを生かしたままキャストなどを一新し、連続性を捨ててシリーズを仕切り直す【リブート(再起動)】が盛んに試みられていますが、『トップガン』では連続性を継続させた【続編】の計画があるそうです。

果たして、どんな物語になるのでしょう…。



~概要~

「愛は吐息のように」はサブ・タイトル(トップガンLOVEテーマ)が示すように、1986年の映画『トップガン(Top Gun)』の挿入曲で、サウンドトラック・アルバムからの2ndシングルとしてBillboard Hot 100のNo.1(年間27位)に輝いた作品です。
映画の音楽を担当した巨匠ジョルジオ・モロダーと、トム・ホイットロック(作詞)の共作で、このコンビは『トップガン』の主題歌「Danger Zone」やシルヴェスター・スタローン主演の映画『オーバー・ザ・トップ』主題歌「Winner Takes It All」(過去ログ)なども創作しています。
この年の北米興行収入No.1という『トップガン』の大ヒットにはシングル・ヒットを連発しBillboard 200のNo.1も記録したサウンドトラックの寄与も大きく、中でも「Take My Breath Away」は『アカデミー歌曲賞』『ゴールデングローブ 主題歌賞』の二冠を独占する活躍を果たしました。

本曲を歌うベルリン (Berlin) はその名に反してアメリカのバンドであり、だけどアメリカっぽくないニューウェーブ/エレクトロ・ポップ志向のサウンドを持ち味としています。
紅一点でメイン・ヴォーカルのテリー・ナン(Terri Nunn)は当初女優も志しており、1976年には『スター・ウォーズ』のレイア姫のオーディションを受けた経歴もあるそうです。
プロデューサーのジョルジオ・モロダーとは1984年の「No More Words」からの縁であり、そのためかベルリンより遥かに実績のあるケニー・ロギンスを差し置いてジョルジオから「Danger Zone」と「Take My Breath Away」のどちらを歌うか選択権が与えられ、ベルリンは「Take My Breath Away」を選び、それぞれの歌い手が決まりました。
作曲者のジョルジオにとって“自身のキャリアで最も誇らしい作品”と語るほどのお気に入りであり、テリー・ナンは“彼も私も当初この曲に実験的なアレンジを想定していたの。でもレコード会社と映画会社に普通のアレンジにしてくれと要請されて諦めた”と回想しています。

テーマとなっている【Take my breath away】は“(驚きなどで)息をのませる”といった意味合いで、作詞者トム・ホイットロックの口癖に由来するそうです。
但し、「Take My Breath Away」は元々『トップガン』のために書かれた楽曲ではなく、ベルリンと同じ女性ヴォーカルを看板とするThe Motelsに提供されデモ録音(未発表)されていたもので(この音源は2001年に『Anthologyland』で公開)、ベルリンが歌うことが決まってからトムが一部歌詞を書き換えています。


2004年にはアメリカの歌手ジェシカ・シンプソンが「Take My Breath Away」をカバーし、Billboard Hot 100で20位まで上昇させるヒットを記録しました。
日本では1986年に「CHA-CHA-CHA」の石井明美が「死んでもいい」(日本語詞:なかにし礼)というタイトルでカバー、1987年には「ヴィーナス」の長山洋子が「愛は吐息のように TAKE MY BREATH AWAY」でカバーしています。

また、「Take My Breath Away」は1993年に3代目ホンダ・インテグラのCMソングに起用され、一般にベルリンver.として紹介されていますが私の聴いた限りではベルリンのものではなく(The Motelsでもない)、誰のカバーであるかは不明です。


 
 



~Lyrics~

Watching every motion
この愚かな恋のゲームの顛末(てんまつ)を
In my foolish lover's game
じっと見守っている

劇中に於いてピート(トム・クルーズ)とシャーロット(ケリー・マクギリス)は非公式なパーティで出逢い、二人はトップガンの訓練生と教官(彼女は民間から派遣された専門家)の関係にあります。
ピートとシャーロットの年齢設定はわかりませんが公開時トムの実年齢は23歳、ケリーは28歳なので女性の方が年長という設定なのでしょう。
ピートは相当な自信家で、シャーロットに一度断られても化粧室まで追いかけて強引に口説こうとし、彼女も応じませんがクールにあしらう表面とは裏腹にそんな彼の魅力に惹かれてゆきます。

本項ではマーベリック⇒ピート/チャーリー⇒シャーロットと、それぞれ劇中の本名で表記しています)


Turning and returning
想いは巡り、また返す
To some secret place inside
この胸にある秘密の場所へと

教官という立場上ピートに冷淡な態度をとっていたシャーロットに失望しバイクで飛び出す彼を追いかけ、彼女が愛を告白する場面。
その激しい葛藤が情熱的な恋へと移り変わる流れの中に「愛は吐息のように」が使われており、あるサイトはこのシーンを“米国人が選ぶもっとも凄まじいラブシーン映画13選”の一つとして紹介しています。

シャーロットの告白の後、台本ではピートがセリフを言うはずでしたがトム・クルーズはそれをド忘れしてしまい、言葉を抜いてアドリブで彼女にキスをしてしまいました。
しかしトニー・スコット監督が逆にこれを気に入り、それが生かされてこの名シーンが生まれたそうです。




Through the hourglass I saw you
砂時計越しに、あなたの姿を浮かべてみる
In time you slipped away
…でもやがて、何も言わず消え去ってしまった

激しく燃えた二人の恋に、終わりが訪れます。
訓練中に彼の操縦する機体で発生した不慮の事故により友人が死んでしまい、パイロットとして自信を失って激しい自責の念に苛まれたピートにはシャーロットの慰めの言葉も届かず、彼女はそのまま転勤によりトップガンを去ってしまうのです。
この時、彼の心に映っていたものとは…。



~Epilogue~

…あれから31年、今年トム・クルーズはオーストラリアのテレビ番組で『トップガン』の続編の制作を発表しました。

タイトルは『Top Gun: Maverick』、監督は2013年に『オブリビオン』でタッグを組んだジョセフ・コシンスキーで、来年から撮影に入り2019年7月公開予定だそうです。
トムによると、“作品のトーンやスタイルは前作を踏襲し、作曲家ハロルド・フォルターメイヤーの同じ音楽を使う予定で(Top Gun Anthem?)、前作同様に競い合う内容が中心となり、主人公のマーベリックにはもっと成長が見られると思う”…とのこと。
前作の最後でマーベリックはトップガンの教官になることを希望していましたがそれが反映されるようで、情報筋によると“今度は彼が生意気な女性訓練生を指導する”という構想もあるようです。

“トーンやスタイルは前作を踏襲する”という言葉からすると、【教官❤訓練生】の展開も踏襲されることになるのでしょうか…?
…となると気になるのが前作でマーベリックと恋人になった女性教官チャーリー(ケリー・マクギリス)の存在で、前作の最後で彼の元に戻ってきた彼女をどう扱うのか…(それとも全く無視?)。
個人的には、マーベリックが若い女性訓練生とイチャイチャしている所に、妻となったチャーリーが“ピートぉ~(マーベリックの本名)”と恨めしそうに指を噛んで現れ、修羅場となる…という展開を期待したいのですが?

Berlin - Take My Breath Away3 …それって、まんま『ス○ュワーデス物語』じゃね


ただ、心配なのはトム・クルーズが8月12日、現在撮影中の『ミッション:インポッシブル6(仮題)』のスタントでビルの飛び移りに失敗し建物の側面に激突、足首2カ所を骨折する重傷を負ったと報じられていること。
命にかかわる事故でなかったことは幸いでしたが、完治まで数カ月を要するそうです。
新作への期待も膨らみますが、何よりそれはトム・クルーズ本人が元気であってのこと…
まずは、トムのケガの回復を祈りましょう。



「愛は吐息のように~トップガンLOVEテーマ~」


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tags : 1986年 希望の愛 シンセポップ ジョルジオ・モロダー 映画80's トップガン アカデミー歌曲賞 CM曲 

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「ビューティー・アンド・ザ・ビースト~美女と野獣」セリーヌ・ディオン&ピーボ・ブライソン

2017.02.24

category : Disney/Animation

Céline Dion and Peabo Bryson - Beauty and the Beast1 Céline Dion and Peabo Bryson - Beauty and the Beast2


Céline Dion and Peabo Bryson - Beauty and the Beast (1991年)



~実写版『美女と野獣』公開~

3月3日は、“ひなまつり”。
女の子にとって、夢のある作品はないかなぁと模索していると…ありました!

2015年に、本ブログでディズニー・アニメの名作『シンデレラ』の実写版について特集しましたが(過去ログ「夢はひそかに」)、今春4月21日からはこれもディズニー屈指の人気作『美女と野獣』の実写版が公開予定です。
その最大の注目ポイントは何といっても“Beauty”と形容されるヒロイン(ベル)を誰が演じるかであり、そしてその大役を担うのがハリー・ポッター・シリーズの“ハーマイオニー”エマ・ワトソンということで、今からワクワクしておられる方も多いことでしょう。

まずは、その予告編からどうぞ♪





~概要~

「ビューティー・アンド・ザ・ビースト~美女と野獣」は、1991年のディズニー・アニメ映画『美女と野獣(Beauty and the Beast)』の表題曲です。
タイトルからして“Beauty”と“Beast”がデュエットしそうなイメージですが、この映画でヒロイン・ベルの声を演じたアメリカの女優ペイジ・オハラの歌唱は“あまりにブロードウェイ的”としてディズニーに却下されてしまいました。

これにより実際の劇中で歌っているのはBeastの召使い“ポット夫人”で、それを演じているのはトニー賞・ミュージカル主演女優賞の受賞歴もあるイギリスの女優アンジェラ・ランズベリー
彼女はテレビ・ドラマ『ジェシカおばさんの事件簿』でお馴染みの人ですが(私は個人的に『ナイル殺人事件』のミセス・サロメ・オッターボーン役が強烈な印象)、1991年時点で66歳となる彼女がこの歌を歌うことについて自身でも戸惑いがあったといわれます。
ただし、“息子の愛の成就をやさしく見守る母心”のような彼女の「Beauty and the Beast」はレコーディングに立ち会ったスタッフの涙を誘い、2004年のAFI『アメリカ映画主題歌ベスト100』で62位にランクインするなど高く評価されている歌唱です。

一方、ディズニーは映画の宣伝用に「Beauty and the Beast」をシングルとしてリリースすることを決め、カナダ人歌手セリーヌ・ディオンを雇いレコーディングを試みるものの彼女の知名度不足を心許なく思い(『Unison』がヒットする前?)、「愛のセレブレーション」(過去ログ)などデュエットで多くの実績のあるR&B歌手ピーボ・ブライソンと組ませることにしました。
このバージョンは映画のエンド・クレジットで使用されBillboard Hot 100で9位(1992年の年間64位)とヒットし、1992年のセリーヌのアルバム『Celine Dion』にも収録されています。

1992年3月、第64回アカデミー授賞式では劇中で歌ったアンジェラ・ランズベリーとシングルver.セリーヌ&ピーボの豪華メドレーが実現、「Beauty and the Beast」は“アカデミー歌曲賞”を受賞しました。
また、翌年2月の第35回グラミーではセリーヌ&ピーボver.が“最優秀ポップ・パフォーマンス賞デュオ/グループ”を受賞しています。


2017年、ディズニーの実写版『美女と野獣』のテーマ曲を歌っているのはアリアナ・グランデ&ジョン・レジェンド
アリアナ(Ariana Grande)は2013年のデビューからBillboard 200で2作連続No.1を達成した23歳のシンガー・ソングライターで、親日家としても知られます。
ジョン(John Legend)は今年の第89回アカデミー賞で最多の6部門を受賞したミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』にも出演している人気のR&B歌手/ピアニストです。
ところで、この劇中では誰が「Beauty and the Beast」を歌っているのだろう…。


 
 



~Lyrics~

Tale as old as time
時の歩みほどに悠久の物語
True as it can be
それは、この上ない真実

時間と同じほど古い物語…
“Big Bang(138億年前)”まで遡るかはわかりませんが、せいぜい100年しか生きられない人間の一生からすると“絶対的真理”のようなものを感じます。
私たちが知る、そんな悠久の物語とは何だろう…。


Certain as the sun
東から昇る
Rising in the east
太陽ほどに、確かなもの…

…これなら、ずっと昔からの絶対的真理といえるでしょう!
でもそれについて“回っているのは地球の方”と一般的に理解されるようになったのは、ここ200-300年ほどのことのようです。

 西から昇ったお日様がぁ~♪
 …ったく、しょうもないんだから。
 でも、地球の反対側のオーストラリアなら西から昇るノダ!
 …えっ!? ぇえとぉ…。

(※西から昇りません!


Both a little scared
二つの心は、わずかな恐れに
Neither one prepared
想いを解き放てずにいた
Beauty and the beast
美しきものと、猛きもの…

…相手は恐ろしい野獣だし、そもそもベルは捕らわれた父の身代わりで彼の城にやって来たのですから、無理もありません。
でも彼女のその恐れの気持ちを解くきっかけとなったのが、森で狼に襲われたとき彼に助けられたことでした(ヒーローとヒロインが親密になるハリウッド映画の“お約束”! )。

荒れ果てた土にいきなり種を蒔いてもよい作物が育たないように、わだかまりのある相手との間に信頼を育むことは容易ではありません。
人と人の関わりも、心を拓(ひら)く過程が必要…。



~Epilogue~

この物語の妙味は【Beauty(美しいもの)】と【Beast(けだもの)】という、一般的に交わるはずのない両者が愛を育むことに尽きるといえます。
通常、良好な人間関係を築くためにはお互いの趣味や関心・価値観など“共通点”が多いほど有利といえますが、容姿も心ばせも美しい娘ベルと、わがままで狂暴な野獣(王子)…
似ても似つかぬ二人は、どうして心惹かれあう関係を育むことができたのでしょう?


Bittersweet and strange
ほろ苦さと面妖が出逢い
Finding you can change
自らの過ちを学び
Learning you were wrong
自らも、変わり得ることに気づく

猛々しく粗暴な野獣はベルの優しさに触れることで心の安らぎを覚え、彼女によって拓かれた心には思いやりと人を愛する感情を芽生えさせてゆきます。
その変わりゆく心と、それに出逢えた悦びこそが作品のテーマ曲「Beauty and the Beast」であり、二人はこの曲と共にダンスを踊り、互いの心に芽生えたぬくもりを確かめ合うのです。

“理解し合うためにはお互い似ていなくてはならない。
しかし愛し合うためには少しばかり違っていなくてはならない…”


フランスの詩人、ポール・ジェラルディ(Paul Géraldy)の言葉です。
人は、異なる性質が力を合わせてようやく“一個”となれるよう、神さまがお創りになられたのかもしれません。
【Beauty】だけでは身の安全を保てず、【Beast】だけも心の安らぎを得られない…

それこそが、古(いにしえ)から脈々と営み続けられた“BeautyとBeastの宿命”ではないでしょうか? 



「ビューティー・アンド・ザ・ビースト~美女と野獣」


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tags : 1991年 デュエット 映画90's ディズニー アカデミー歌曲賞 

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「ムーン・リバー」オードリー・ヘプバーン

2016.09.09

category : Soundtracks

Audrey Hepburn - Moon River1 Audrey Hepburn - Moon River2


Audrey Hepburn - Moon River (1961年)



~中秋の名月~

2016年の“八月十五夜(十五夜)”は、9月15日(木)。
…ということで、今年もここで“月”の名曲をご紹介いたします。
でも今週は全国的に雨模様が続き、月曜の時点で15日木曜の予報は…。

一方、今年の夏は空梅雨から記録的猛暑の流れがあり“嫌な予感”がしていたところ、やはり“その修正のやり方は乱暴”なものであり、8月末からの台風は各地に大きな被害をもたらしました(ただし利根川上流8ダムの貯水量は9/9現在、平年比103%に回復)。
穏やかな秋となるよう、願いを込めて…。



~概要~

オードリー・ヘプバーンはアメリカン・フィルム・インスティチュート (AFI)の“最も偉大な女優3位”にも数えられるハリウッド女優であり、スレンダーで妖精のような美しさとかわいらしさを併せ持つ彼女は日本でも特に女性の憧れとして長く愛され続けました。
『ローマの休日』(1953年)、『麗しのサブリナ』(1954年)といった彼女の魅力を最大限に引き出す運命の作品とめぐり合い、一躍大スターへの階段を駆け上がったことは誰もがご存じのことでしょう。
そして1961年、再びオードリーのキャリアを語る上で欠かせない作品と出あうことになります…。

「ムーン・リバー」は、1961年のオードリー主演映画『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany’s)』の(非公式の)主題歌です。
作詞;ジョニー・マーサー/作曲;ヘンリー・マンシーニによって創られた楽曲であり、劇中では3つのバージョンを聴くことができます。
1つは主人公ホリー(オードリー)がニューヨーク5番街にある宝石店『Tiffany & Co.』の前で朝食のパンを食べる有名なオープニングでのインストゥルメンタルver.、2つ目はホリーが劇中で歌う歌詞ありver.、3つ目はオリジナルをアレンジした「Moon River Cha Cha」です。

このうちヘンリー・マンシーニ楽団による“1つ目”の「Moon River」がシングル・カットされBillboard Hot 100の11位、これらを収録した『ティファニーで朝食を』のサウンドトラックはアルバム・チャートBillboard 200でNo.1を記録し90週間ランク・インする大ヒットとなりました。
これを受けて「ムーン・リバー」は“アカデミー歌曲賞”、グラミーでも“最優秀レコード賞”・“最優秀楽曲賞”・“最優秀編曲賞”という最高の栄誉を受賞しました。

ただし、この輝かしい栄誉には本記事の主役である“オードリーの歌唱ver.”は含まれてはいません。
何故なら、オードリーが劇中で歌った「ムーン・リバー」はサウンドトラック・アルバムには含まれていなかっただけでなく、その後もずっと正式な音源としてレコードやCDに記録されなかったためラジオでも流れづらく、一般的にはカバーの一つであるアンディ・ウィリアムスver.の方が有名になるという現象を生みました。
しかしオードリー死後の1993年、彼女が劇中で歌った「ムーン・リバー」はベスト盤CD『Music from the Films of Audrey Hepburn』に初めて収録され、2004年にはオードリーの「ムーン・リバー」が映画音楽の歴史的名曲として『アメリカ映画主題歌ベスト100』の4位に選出されています。


 



~Lyrics~

I'm crossing you in style
いつの日か、きっと
someday
胸を張って、川の向こうへと辿り着きたい

 

OPで、ホリーが『Tiffany & Co.』のショー・ウインドウ前でパンを食べるシーンが浮かびます…。
『Breakfast at Tiffany’s』というタイトルは、“ティファニーで朝食を食べる身分になりたい”という主人公ホリーの願望を象徴するものです。
ちなみにこのシーンでオードリーが身につけているジバンシィのシンプルな黒のカクテルドレス (Little black Givenchy dress of Audrey Hepburn)は、“史上最も有名なドレス”といわれているのだとか!

“玉の輿”を夢みて近くの安アパートに暮らし、精一杯のオシャレをしてティファニーのショー・ウインドウを見つめるホリーですが、そのたったガラス一枚の向こうの世界はどう映っていたのでしょう。
このシーンで流れる歌詞のない「ムーン・リバー」は、どこか彼女を見守っているかのようにやさしい…。 


We're after the same rainbow's end
ふたりひとつの“虹の終わり”を追い求めたい
Waiting round the bend
その“入口”で待っていて

1行目は【pot of gold at the end of the rainbow(虹の先が地面に接する所に黄金入りの壺がある)】という伝説に基づいた表現と思われます…。
そして、二人は“同じ見果てぬ夢【the same rainbow's end】”を追い求める同志です。
【bend】は[曲がり目]のことですが、私は“虹の入り口”と解釈しました。

ホリーの当初の【rainbow's end】は、きっと“誰にも縛られない自由”と“Breakfast at Tiffany's”でした。
でもそれは彼女ひとりのための夢であり、実際ポール(ジョージ・ペパード)に求愛されても“人は誰のものでもないわ。私は、誰の鳥籠にも入らない”と突っぱねています。
その心の氷を解かすのも、最終的にやっぱり彼の言葉だったわけですが…。


My huckleberry friend
私のハックルベリー・フレンド
Moon river and me
あなた、そして私…

【huckleberry】は一般にマーク・トウェインの小説『トム・ソーヤーの冒険』で主人公の“相棒”として登場するハックルベリー・フィンと認識されていますが、作詞者ジョニー・マーサーの自伝によると“幼少のころ一緒に川下りをした彼の友人”をイメージしたものだそうです。
【Moon river】も、ジョージア州サバンナにあるジョニー・マーサーの実家の下を流れる“The Back River”をイメージしたものとされます。

何れにしても、作詞者ジョニー・マーサーにとって“Moon River”は幼少期に起源する現在進行形の大切な想いを象徴するものなのかもしれません…。



~Epilogue~

『ティファニーで朝食を』原作者のトルーマン・カポーティは主人公ホリー役にマリリン・モンローを据えることを条件に映画化を承諾したといわれます。
原作でのホリーは娼婦であり、“セックス・シンボル”と称されたマリリンこそ適役と思われましたが当の本人に拒否されてしまい、その代役として浮上したのがおよそそれに似つかわしくないオードリーでした。
ところがそのオードリーにも“娼婦の演技はできない”と言われ、“娼婦ではないホリー”として脚本が書き換えられた経緯があったそうです。


一方「ムーン・リバー」作曲者のヘンリー・マンシーニはマリリンをイメージした曲がどうしても浮かばず悩んでいたものの、主役がオードリーに替わった途端メロディが自然に浮かんできたといいます。
“「ムーン・リバー」はオードリーに出会ってメロディが浮かび、オードリーの声域に合わせて創ったんだ…”

そういう経緯があったせいか、オードリー自身も「ムーン・リバー」をとても気に入っていました。
彼女が劇中で歌うシーンは今でも歴史に残る名シーンとして認識されていますが、映画の制作過程に於いてある日、配給元 パラマウント映画の社長が“あの歌(オードリーが歌うシーン)は削った方がいい”と言い出し、これに対してオードリーが“いいえ、絶対削らせません”と断固食い下がったためこのシーンが残されることになったというエピソードがあります(感情論はともかく、歴史に残る名シーンと評される程のものを嗅ぎ分けられない映画会社社長の嗅覚というのも、どうかと思う)。

マンシーニは言います…
“この曲はその後千回以上も録音されたけれど、いつもオリジナルを聴きたくなる。オードリーは心を込めて歌っていて、歌詞に魂が感じられるんだ。彼女の歌う「ムーン・リバー」が一番好きだ”

マンシーニはこの曲でオードリーと出逢って以来、33年間ずっと彼女に片想いをしていたという説もあります《写真》。
もしこれが本当だとしたら「ムーン・リバー」は“一人の男の、手の届かぬ女への慕情”であり、その“主人公はマンシーニ”“【Moon River】はオードリー”だったという仮説も成立し得るのかもしれません。
そして彼はオードリーがこの世を去った翌年、1994年に彼女の後を追うように70年の人生を終えています。

最後にご紹介するのは1961年に作者であるマンシーニとジョニー・マーサーが録音したデモver.
マンシーニのオードリーへの想いを歌詞に重ね合わせ、お聴きください…。

Audrey Hepburn - Moon River3  

Moon river, wider than a mile
Moon River...きらめく川面が、1マイル彼方まで広がっている
I'm crossing you in style someday
いつの日かきっと、胸を張って川の向こうへと辿り着きたい…



「ムーン・リバー」


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tags : 1961年  月/星 映画-60's グラミー最優秀レコード賞 グラミー最優秀楽曲賞 アカデミー歌曲賞 歴史的名曲 

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