「真実が欲しい」は、ジョン・レノンが1971年に発表した2ndアルバム『イマジン(Imagine)』の収録曲です。 2000年に『Gimme Some Truth - The Making of John Lennon's "Imagine" Album』というこのアルバムのレコーディング映像を編集したDVDがリリースされ、Wikiによると“ここ十年程は「Gimme Some Truth」と書かれることが多い”とありますが、本記事では1971年のオリジナルに準じて「Give Me Some Truth」と表記しています。
作者はもちろんジョン、元々はビートルズ時代1969年1月の【Get Back session】に起源する作品です。 ビートルズとしてレコーディングも試みられるものの未完成に終わっており、公式な発表はありませんが当時ポール・マッカートニーらとのリハーサル音源が残されています。
ソロとしてのレコーディングは1971年5月25日にAscot Sound Studiosで行われ、ジョージ・ハリスン(g)やニッキー・ホプキンス(key/「Revolution」に参加)、クラウス・フォアマン(b/『Revolver』のジャケット)、アラン・ホワイト(d/プラスティック・オノ・バンド)らビートルズに所縁のあるメンバーが参加しました。 5月28日には「Give Me Some Truth」のジョンのリード・ヴォーカルのオーバーダブがなされていますが、このレコーディングの様子は上記DVDにも編集されています。 ちなみに、この映像と映画『イマジン』をHDリマスターしたDVD/ブルーレイが、この10月5日に発売されました。
~Lyrics~
「Give Me Some Truth」は特殊な言葉や日常で使わない難しい言葉のオンパレードなので、そうした言葉と背景について触れておきましょう。
No short-haired, yellow-bellied, ショートヘアでなく、臆病な Son of tricky dicky's “トリッキー・ディッキー”の下僕が
【tricky dicky】は、実在の人物です。 [dick]はニックネームで、Dick ← Rick ← Richard という特殊な形態による短縮です。 (一説によると13〜14世紀のイギリスで名前の最初の一字を別のアルファベットに変えて韻を踏む事が流行し、そのまま定着したらしい) つまり[Richard]という名前の人を指し、【Tricky Dicky】は当時のアメリカ大統領リチャード・ニクソン(Richard Nixon)のあだ名でした。 共和党のニクソンはリベラル派の対立候補をことごとく[共産主義者]のレッテルを貼って攻撃する戦略をとったため、民主党から【ずるいディック】の汚名を返されたといわれます。
Gonna mother hubbard soft soap me ハバードおばさんになって、俺を丸め込もうとする Money for dope, money for rope ドープ(麻薬)としてのカネ、ロープ(囲い込み)のためのマネー…
これに対して、小文字(goods)が混じった[Trade Agreement on goods]の文字列を【物品貿易協定(TAG)】という一括(くく)りの略語にする外務省の日本語訳はいかにも不自然です。 加えて、[a United States-Japan Trade Agreement]が“(今回の)日米貿易協定は一つである”と明言しているにも拘わらず、わざわざ【TAG】と【他の重要な分野(サービスを含む)】の二種類・別物であるかのような表現をしているのは、確信的誤訳を感じます(外務省が間違って訳すはずはない)。