I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「アイム・エヴリ・ウーマン」チャカ・カーン

2023.09.24

category : Chaka Khan

Chaka Khan - I'm Every Woman (1978年)

ホイットニー・ヒューストンもカバーしたディスコ・ナンバー。“持ってる女”を視覚化すると…

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tags : 偉大な曲 1978年 ダンス/Funk 情熱の愛 アリフ・マーディン 名作MV 映画90's  

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「アップサイド・ダウン」ダイアナ・ロス

2022.02.11

category : Diana Ross

Diana Ross - Upside Down (1980年)

ダイアナがスランプを自らの“Upside Down”で払拭、ソロとして最大ヒットを遂げたナンバー ♪

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


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tags : 1980年 ダンス/Funk せつない愛 ナイル・ロジャース 

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「Y.M.C.A.」ヴィレッジ・ピープル

2018.05.25

category : 1970年代

Village People - YMCA1 Village People - YMCA2


Village People - Y.M.C.A. (1978年)
西城秀樹 - YOUNG MAN (Y.M.C.A.) (1979年)



~概要~

「Y.M.C.A.」は、アメリカのディスコ・グループ、ヴィレッジ・ピープル(Village People)1978年の3rdアルバム『Cruisin'』に収録されたダンス・ナンバーです。
US Billboard Hot 100の2位(1979年の年間8位)をはじめ各国でNo.1を記録、全世界では1000万枚を超える売り上げを記録しました。
アメリカのケーブルテレビ・チャンネル『VH1』は、2000年に本曲を【The 100 Greatest Dance Songs of the 20th Century】の7位に位置づけています。

メンバーのデイヴィッド・ホードー(David Hodo/建設作業員)によると、『Cruisin'』にあと1曲必要ということでプロデューサーのジャック・モラリ(Jacques Morali)が約20分でメロディーとコーラス、アウトラインを書いた曲を、ヴィクター・ウィリス(Victor Willis/警察官)に“残りを埋めてくれ”と渡し、それにヴィクターが【Y.M.C.A.】をテーマとしたストーリーを書き加え創作された作品です。
更にデイヴィッドはそれまでの自分たちの作品については少し懐疑的に思っていたものの、「Y.M.C.A.」には“何か特別なもの”があると感じたと言葉を添えています。


日本では翌1979年2月21日に西城秀樹が「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」として日本語カバーしオリコン5週連続No.1を記録、累計売上80.8万枚を売り上げました。
この波及効果によりヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A.」もオリコン洋楽チャートで1979年1 月22日付から10週連続1位を獲得、30万枚を売り上げる大ヒットとなっています。

中でも「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」の伝説的なエピソードとして語られるのは、当時人気の歌番組『ザ・ベストテン』で史上ほかに為し得た者のない最高得点“9999点”を2度(4/5・4/12)獲得したことでしょう。
しかも同番組での歴代高得点の16位(9866点)以上を「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」が6回到達、通算でも歴代3位に当たる“9週連続1位”という圧倒的な記録を残しました。
ただし同番組の記録によると「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」は“年間7位”という意外な成績で、同年の年間1位は小林幸子「おもいで酒」(週間では最高5位だが20位以内に31週間ランク)となっています。


「Y.M.C.A.」は当時流行のディスコ・ナンバーですが今日まで世界的に長く愛され続け、特にスポーツの世界ではそれが顕著です。
トリノオリンピック開会式をはじめ、アメリカ・メジャーリーグ、ニューヨーク・ヤンキースのホーム・ゲーム(ヤンキー・スタジアム)では5回終了時に「Y.M.C.A.」が流され、グラウンドキーパーが【Y】【M】【C】【A】のパフォーマンスを行うことでも知られます。
また、日本ハムファイターズやJリーグ・川崎フロンターレの試合でも同様の観客サービスが行われており、それぞれ西城秀樹が参加してパフォーマンスを披露することもありました。


 
 



~Lyrics~

Young man, there's a place you can go.
Young man そこには、君の行く場所がある
I said, young man, when you're short on your dough.
Young man 少しぐらいおカネがなくたって

「Y.M.C.A.」は【Young Men's Christian Association(キリスト教青年会)】の略語であり、キリスト教主義に基づいた教育・スポーツ・福祉・文化などの分野で様々な事業を展開する世界最大規模の非営利団体で、1844年にイギリスで誕生し1880年(明治13年)には日本にも『東京YMCA』が組織されました(現在では全国主要都市にYMCAが置かれている)。

Y.M.C.A.の事業の一つに宿泊施設があって、非営利事業なので料金が比較的安価です。
ただし若者の教育や交流活動を目的の一つとしている施設のため、一般ホテルのような完全個室だけでなくバス・トイレが共同であったり、ドミトリー(相部屋)の部屋もあります。


They have everything for young men to enjoy,
若者を楽しませる全てが揃っていて
You can hang out with all the boys...
みんな仲良くなれるんだ

日本のYMCAでは“互いを認め合い、高め合う【ポジティブネット(Positive Net)】”をコンセプトに掲げ、“したい何かがみつかり、誰かとつながる。私がよくなる、かけがえのない場所。”を提供すべき価値としているそうで、そういう開かれたコミュニケーションを旨としているからこそ、広く異質と交わることも可能といえます。

一方で、外国人や異文化の人たちとじっくり語り合えるのはとてもよい人生経験ですが、見知らぬ人との相部屋はセキュリティ面で不安に思う人も少なくないでしょう。
とりわけ女性にとってそれは気軽に参加し辛い要素であり、そうなると必然、宿泊客の中心は【the boys】ということに…?(もちろん、女性限定施設もある)


It's fun to stay at the Y.M.C.A.
Y.M.C.A.にお泊りすると、楽しいよ

YMCAが“若い男性がいっぱい集まる宿”となればそれは一つの特徴であり、“それを目当てに集まる人”も…
すなわち“YMCAはゲイの人にとって貴重な出会いの場”であり、それが本作の隠れたテーマです。

ヴィレッジ・ピープル自体ゲイ・マーケットをターゲットに売り出されたグループであり、もう一つの代表曲「Go West」も“Go West(ゲイの聖地)”というメッセージが込められています。



~“ヒデキ”の情熱が結実させた「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」~

アイドルがこんな歌を歌えるわけ無いだろう!

それが、「Y.M.C.A.」のカバーとシングル化をレコード会社に直訴した際の担当者の反応でした。
西城秀樹と「Y.M.C.A.」の出あいは1978年、CM撮影のため訪れたロサンゼルスのホテルでラジオから流れる「Y.M.C.A.」を聴いて、そのノリのよさに“絶対歌いたい”と心を奪われたことでした。
彼はすぐさまこの曲のレコーディングを決意しますが、「Y.M.C.A.」はゲイ・ソングであったことから、レコード会社の猛反対を喰らったというワケです。

しかし彼は諦め切れず、コンサートのステージで歌うことを試みます。
まずマネージャーのあまがいりゅうじ(天下井隆二)に依頼して“健全な若者応援歌”を印象づけるようタイトルを「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」とし、ゲイ色を取り払った日本語歌詞(訳詞)とアレンジ(大谷和夫)に創り替えました。
また、振付師・一の宮はじめと相談して【Y】【M】【C】【A】の人文字を考案、スポーティーなイメージを強調させる振り付けを取り入れました。

こうして迎えた1979年1月4日からの大阪・厚生年金ホールでの新春コンサートで「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」が初披露されると、ファンから予想を上回る反響がありファン・クラブにも問い合わせが殺到、これにはレコード会社も方針を翻し急遽シングルの発売(同年2月21日)を決定せざるを得ませんでした。
ところが既に生産中のレコードを中止させ、新たなレコードを20日でプレスしなければならないという強行スケジュールであったため工場から無理とのクレームが入り、説得のため西城自らが工場を訪問し各所に頭を下げて回り「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」を実際に歌ってみせて工場側の協力を取り付けたそうです。



~Epilogue~

5月16日深夜、急性心不全のため63歳の若さで亡くなった歌手の西城秀樹さん。

ご存知のように西城さんはこれまで2003年と2011年、2度の脳梗塞発症により構音障害や運動障害が生じ入院・治療・リハビリの連続でした。
特に2度目の脳梗塞の時はその病気の恐ろしさを知っていた上、それまでの努力が水の泡で治療とリハビリをゼロからやり直さなければならないことが何十倍ものショックだったそうです。
しかし現実の再発の後遺症は1度目より遥かに厳しいもので、ボールを持ち上げるといった単純なことさえできなくなった自分と向き合わねばならないことや、“そんな西城秀樹”に対する周囲の突き刺さるような好奇の視線が何よりも辛かったといいます。

ヤングマン プライドを捨てて すぐに行こうぜ

“西城秀樹”であらねばならないと思うことが無駄に疲れる原因だと気づいた西城さんは、西城秀樹というキャラクターを脱ぎ捨てて一患者として“ありのままの自分”を見てもらおうと改心し、とても気持ちが楽になったそうです。
以前の自分は“100と言われて120やってきた”所があって、でも“コップの水は目一杯入れるより7~8割に入れた方が運びやすいし飲みやすい”ことに、病気をして初めて気づいたといいます。

“自分をさらけ出すのは恥ずかしいよ。でもさらけ出したから、みんなも涙してくれたんじゃないかな。
来年はもっとよくなったぼくの姿をみんなに見せたいな”
 西城秀樹



西城さんは後遺症が顕著になった2度目の脳梗塞以降もステージに立ち、さまざまな活動を続けてきました。
国民の憧れのスターが変わり果てた痛々しい姿をメディアに晒すことは、ある意味それまで築き上げた“輝かしい伝説”に自ら泥を塗り、ファンを失望させる恐れがあります。
しかし、それは“現実から逃げる生き方こそ西城秀樹を汚す”という彼一流の美学であり、自分を偽らず病と闘い抜く意思を示すことが、心から彼を応援してくれる家族やファンに応える最善だったと思うのです。

“病状も心情も、よくなったり悪くなったり、刻々と変化していくが、それをすべて受け入れよう。
現状を肯定するところからしか、前へは進めない。”
 西城秀樹

今まであまり考えたこともありませんでしたが、こうして西城さんの闘病を辿ってみると、「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」の歌詞“西城さんの生き方そのもの”だったように思えます。
オリジナルの「Y.M.C.A.」自体ゲイというマイノリティを勇気づけるものですが、逆境にある人にとって非常に強いメッセージ性があることに気づかされました。
また、誰しもが病気や老化といった苦況に置かれるものであることを考えると、これは全ての人に当てはまるテーマです。


4月25日、自宅で意識を失い“早ければ4日。もっても1週間”と告知され、それでも22日間頑張り続けた西城さん。
後遺症や全ての苦痛から解き放たれた昭和の大スター西城秀樹は、おもいっきり手足を伸ばして、天国から私たちに歌いかけていることでしょう…

ゆううつなど 吹き飛ばして
君も元気出せよ


 



「Y.M.C.A.」


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tags : 1978年 歴史的名曲 ダンス/Funk LGBT 日本で人気 追悼 

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「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」ビー・ジーズ

2018.01.12

category : Bee Gees

Bee Gees - You Should Be Dancing1 Bee Gees - You Should Be Dancing2


Bee Gees - You Should Be Dancing (1976年)



~バリー・ギブ、ナイトを叙勲~

前回のリンゴ・スターに引き続き、今回もバリー・ギブのナイト叙勲による特集です。
ご存知のようにビー・ジーズは[ギブ三兄弟]を中心としたファミリー・ユニットですが2003年に三男モーリス(53歳没)、2012年には次男ロビン(62歳没)が既に他界しており(ちなみにメンバーではない歌手で四男のアンディも1988年に30歳の若さで夭折している)、生存している唯一のメンバーである長男バリーは“この栄誉に対し、弟たちは僕と同じだけ貢献がある”といった趣旨のコメントをしています。

ビー・ジーズといえば、やっぱりバリーのファルセットと兄弟ならではの息の合ったハーモニー…
「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」は、まさにビー・ジーズの魅力がいっぱい詰まった作品です。



~概要~

「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」は1977年の映画『サタデー・ナイト・フィーバー(Saturday Night Fever)』で、ジョン・トラボルタが圧巻のダンス・パフォーマンスを演じるシーンが有名ですが、実はこの映画のために書かれた楽曲ではなくビー・ジーズ1976年のアルバム『チルドレン・オブ・ザ・ワールド(Children of the World)』に収録された作品でした。
同アルバムからの1stシングルとしてカットされ、同年9月に自身3作目となるBillboard Hot 100のNo.1(年間31位)に輝いています。

ビー・ジーズは前作『Main Course』でそれまでのソフト・ロック路線を「Jive Talkin」などディスコ路線に転換し大成功を収めていますが、所属レーベルの都合により『Children of the World』ではプロデューサー(アリフ・マーディン)の変更を余儀なくされてしまいます。
そこでリンゴ・スターの「You're Sixteen」(過去ログ)を成功に導いたリチャード・ペリーが選ばれたものの2日で決裂、結局前作に携わったスタッフの中からこれと思った2人(Albhy GalutenとKarl Richardson)が担当することとなり、不安の中での再出発でした。
しかし「You Should Be Dancing」が大成功を収めたことで不安は一掃、以降ビー・ジーズ及びバリー・ギブ関連作品に欠かすことのできない共同制作者( Gibb-Galuten-Richardson)として13曲の全米No.1シングルの輩出に関与することになります。

『Saturday Night Fever』サウンドトラックへの参加はビー・ジーズのデビュー以来のマネージャーであり、同映画のプロデューサーでもあったロバート・スティッグウッドの依頼によって『Children of the World』のレコーディングの最中にもたらされたものでした。
当初の要望では[新作4曲]でしたが、実際にはイヴォンヌ・エリマンが歌った「If I Can't Have You」を含む新作5曲に、既発の「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」と「ジャイヴ・トーキン」(映画本編では使用されていない)を加え計7曲を提供、(結果として)うち6曲が全米No.1に輝くという前代未聞のモンスター・アルバムが生まれる原動力となりました。

「You Should Be Dancing」は1999年にイギリスのクラブDJ[Blockster]にカバーされ全英3位を記録、2012年のアメリカ人気テレビ・ドラマ『glee/グリー』でのダレン・クリス(Darren Criss)らによるパフォーマンスも印象深いカバーです。


 
 



~ジョン・トラボルタの悲劇!?~

映画『サタデー・ナイト・フィーバー』の中で「You Should Be Dancing」の見事なダンス・パフォーマンスを披露し、世界にディスコ・ブームを巻き起こした俳優ジョン・トラボルタですが、実は意外な事実があります。

トラボルタの経歴を遡ってみると[幼少よりダンスを習った]とあるもののダンサー志望というわけではなくデビューはブロードウェイのミュージカルで、役者として何年も踊っていましたがこの映画に臨むまで【ディスコ未経験】だったそうです。
それでも通常であれば高度な技能を要するダンス・シーンにはプロのダンサーを代役に立てて問題はないはずですが、『サタデー・ナイト・フィーバー』ではダンサーの代役を使わない方針だったため、“トラボルタの悲劇”が始まります。

ダンス・レッスンの初日に振り付け師から「You Should Be Dancing」の振り付けが示されると、それはまるで運動選手並の要求水準で、トラボルタ本人は恐ろしくなってプロデューサーのロバート・スティッグウッドに“絶対できない”と降板の電話を入れたものの逆に説得されて続投することとなりました。
しかしギャップを埋めるためにはかなりの筋力と運動能力の上積みが必要であり、昼3kmのランニング&夜3時間のダンス・レッスンという数カ月を乗り越えて9kgの減量と体力UP&振り付けの習得を果たしたそうです(トラボルタは当時の心境を“調教されてる馬の気分”と表現している)。

いとも簡単に高度な技の数々を繰り出しているように見えますが、僅か2分という短い映像にはトラボルタの涙ぐましい努力が集約されています…。





~Epilogue~

ビー・ジーズというと当初、映画『小さな恋のメロディ』のサウンドトラックに集約されるピュアなテイストを持ったコーラス・グループというイメージでしたが、1970年代半ばに当時流行だったディスコ路線に転換しており、ファンの一部から“商業主義”と批判を浴びました。
しかし同時代に顕著な成功を収めたアバ(ABBA)やカーペンターズの例をとってみても、彼らに共通するのは【当時の象徴であっただけでなく、後世も耐え得るしっかりした楽曲・サウンドを創作していた】という事実です。

「You Should Be Dancing」を一聴すると直感的に印象づけられるのはラテンやファンク (funk)のリズム系で、従来のビー・ジーズの魅力とは対極のフィーリングにあるように思えます。
しかしそうしたリズム系の音一つひとつに耳を凝らしてみるとモーリスのベース・ラインやCSN&Yのスティーヴン・スティルスが参加したというパーカッション、トランペットなどアレンジが絶妙であり、非常に洗練されていることがわかるでしょう。
また、ヴォーカル・パートのみの音源を聴いてみるとハーモニーの美しさはやはりビー・ジーズならではであり、どれだけ音を重ねたのだろうと思わせられるぶ厚いサウンドはミキシングに10人がかりを費やしたというからオドロキです。



80年代を象徴するマイケル・ジャクソンも考え合わせると、一時代を築いた人たちの音楽や映像に対する拘(こだわ)りはある種異常であり、だからこそ後世を含む多くの人々に共感され得る創作が生まれたのだと改めて実感させられました。


What you doin' on your back, aah?
そんな風に仰向けになって何しているの ...aah?
You should be dancing, yeah
それより、踊るべきさ

心躍らせる映像とフレーズ…
その陰にあるトラボルタやビー・ジーズの努力と創意も、どうか心にとどめていてくださいね。



「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」


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tags : 1976年 ダンス/Funk 映画70's サタデー・ナイト・フィーバー 

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「スリラー」マイケル・ジャクソン

2016.10.21

category : Michael Jackson

Michael Jackson - Thriller1 Michael Jackson - Thriller2


Michael Jackson - Thriller (1984年)



~発表!“有名故人の長者番付 2016”~

先日、アメリカ『フォーブス』誌が今年の“有名故人の長者番付”を発表しました。
この1年間(2015年10月~2016年10月)で最も稼いだ上位5人を並べてみると…

5位 プリンス – 2500万ドル(約26億円)
4位 エルヴィス・プレスリー – 2700万ドル(約28億円)
3位 アーノルド・パーマー – 4000万ドル(約41.5億円)
2位 チャールズ・シュルツ – 4800万ドル(約50億円)

さすがに誰もが知っている有名人が並んでいますが、彼らを退け頂点に立ったのは誰だと思います?
…と、その前に最も稼いだ現役のスターを報告しておくと、1位はやはりテイラー・スウィフトで1億7000万ドル(約175億円)でした!

さて、故人の第1位は大方の皆さんのご想像通り、マイケル・ジャクソンです。
でもその金額がオドロキで、マイケルの1年間の収入は推定“8億2500万ドル(約860億円)”!!
ただしその内7億5000万ドル(約780億円)は、彼が権利を所有していたビートルズ楽曲を含むソニー・ATV・ミュージックの出版カタログの売却によるもので、でもたとえそれを差し引いたとしても約80億円の収入があったことになるのですから、どっちにしろ1位だったことに変わりません。
しかし先日50歳での妊娠が明らかになったジャネット・ジャクソンといい、凡人にとってこの2人は“何もかも信じ難い兄妹”ですね!?



~概要~

「スリラー」は1982年12月1日に発売されたマイケル・ジャクソンの6thソロ・アルバム『Thriller』からの“7thシングル!”で、その発売はアルバム・リリースから実に約1年2か経過した1984年1月23日のことであり、これがBillboard Hot 100で4位(年間78位)を記録したことにより、彼は“同一アルバムから7曲連続Top10入り”という前人未到の快挙を成し遂げました。
1984年の第26回グラミー賞では『Thriller』関連が“8冠”に輝いたことで有名ですが、このうち「スリラー」のパフォーマンスによってマイケルは“Best Male Pop Vocal Performance”を受賞しています。


「Thriller」の作者はマイケルではなく、前作での「Off The Wall」や「Rock With You」の作詞・作曲を手掛けたロッド・テンパートン(Rod Temperton)で、マイケルのプロデューサーであるクインシー・ジョーンズにその才能を買われたライターでした。
その彼が今年10月6日に亡くなった(享年66)との報道があり、その追悼の意味からも今年のハロウィンは「Thriller」を特集しようと思いました。

Michael Jackson - Thriller3 Rod Temperton 1947-2016

ロッドによると作曲にインスピレーションを与えたのはジャクソンズのファンク・ナンバー「This Place Hotel」だそうですが、1981年のリック・ジェームス「Give It To Me Baby」の方が近いものがあるようにも思えます。
また、権利の折り合いがつかず実現はならなかったものの『Thriller』のセッションでは日本のYMOの1979年のヒット曲「BEHIND THE MASK」(作曲;坂本龍一)のカバーが試みられており、何処となく「Thriller」にはそのエッセンスが含まれているような気も…?
マイケルの歌う「ビハインド・ザ・マスク」は、2010年に未発表曲集『MICHAEL』で初めて公開)
一方、作品の当初のタイトルは「Starlight Sun」や「Give Me Some Starlight」だったものの、“子どもたちにアピールできるものにしたい”というマイケルの意向から「Thriller」に改められた経緯があったそうです。

「スリラー」というとマイケルのライブの定番曲ですが初披露は意外と遅く、発表から5年近く経った1987年の『Bad World Tour』でした。
ちなみに、世界で最初にそのパフォーマンスを目にする栄誉に浴したのが日本で、ジャンボ・ジェットのチャーター機で来日したりチンパンジーのバブルス君にまで話題が及ぶなど日本中が大騒ぎとなり、さらに翌年も再来日するなどこのツアーで計23公演を行い、祖国アメリカを除けば世界的に突出した数の公演を日本で行っています。
しかしツアーの歴史を振り返ってみると「Thriller」の生歌を聴けたのはこの2年間だけで、残念ながら1992年の『Dangerous World Tour』以降は口パクとなってしまったようです。






~Lyrics~

There's no escapin' the jaws of the alien this time (they're open wide)
“エイリアン”による“死の恐怖(jaws)”から逃れる術はない
This is the end of your life
…もはや、一生の終わり

【thriller】は、スリルを与える人・物・創作(小説・映画…)のことです。
そうしたテーマのせいか、この作品には“thrillerな映画のタイトル”が随所にちりばめられています(※あくまで、私の解釈です)。
『Alien/エイリアン(1979年)』や『Jaws/ジョーズ(1975年)』をはじめ『Second Chance/第二の機会(1953年)』『Grizzly/グリズリー(1976年)』『The Ghoul/ブラッディ ドクターローレンスの悲劇(1975年)』などがあり、結果としては『Creature/クリーチャー(1985年)』も含まれるでしょうか…。


So let me hold you tight and share a killer, diller, chiller
だからキツく抱きしめさせて?…ゾクゾクするほどステキなことを分かち合おう
Thriller here tonight
今夜、ここで…

SFでマイケルの“遊び”に振り回されっぱなしのガール・フレンドを演じているのは、オーラ・レイ(Ola Ray)《写真・左》。
1980年6月号のプレイメイト(雑誌『PLAYBOY』のモデル)として脚光を浴びた人で、他には『48時間』や『ビバリーヒルズ・コップ2』にも出演しています。
劇中では仲良しの二人ですが、2009年5月にはこのSFへの出演料が十分支払われていないと係争にまで発展しており、その騒ぎの中マイケルが突然死去してしまいました(6月25日)…。

Michael Jackson - Thriller4 Michael Jackson - Thriller5

For no mere mortal can resist
すでに命運尽きた人間に
The evil of the thriller
悪霊の使いに抗う術はない…

この作品に無くてはならない不気味なナレーションの締めくくりのラインで、この言葉を最後に“男”は不敵な高笑いと共に部屋を去って行きます。
“男”の名はヴィンセント・プライス(Vincent Price)《写真・右》、かつて“三大怪奇スター”と称された戦後のアメリカ・クラシック・ホラー映画の第一人者です。
その名の通り『肉の蝋人形』や『ハエ男の恐怖』といった“いかにも”な出演作を歴任し、彼を敬愛して止まないティム・バートンの『シザーハンズ』への出演が遺作となりました。



~おまけ映像 笑って許して?(笑)~

 
 



~Epilogue~

そして、「Thriller」といって忘れてはならないのが世界で最も有名といっていいミュージック・ビデオ。
ミュージシャンにとって売りモノは音楽であって、MVはプロモーションのための手段に過ぎないという認識を大きく変えたのがポピュラー音楽専門チャンネル『MTV』の開局であり、マイケル・ジャクソンでした。
マイケルは自身のMVを“ショート・フィルム(短編映画)”と捉えており、詞は脚本で、それを音楽と映像で極限まで表現し切ることを目指していたのです。
そうして出来上がったのが約14分にも及ぶSF「Thriller」で、彼はこの短い映像(MVとしては普通の3倍ありますが)のために50万ドル(当時のレートで1億1500万~1億2000万円)の制作費をつぎ込み(普通のMVの10倍)、映画『狼男アメリカン』の監督であるジョン・ランディスと特殊メイク担当のリック・ベイカーを雇い、ゾンビがフォーメーションを組んで繰り広げるダンスと斬新で迫力ある映像を融合し、誰もがアッと驚くクオリティにまで昇華させました。


“Due to my strong personal convictions,
これは私個人の強い信念に基づくものであって、
I wish to stress that this film in no way endorses a belief in the occult.”
決してオカルト信仰を支持するものではないことをお断りしておきます。

これは歌詞ではなく、SF「Thriller」冒頭に記される免責事項
キリスト系の教会の多くが“ハロウィンは世俗のイベントでありその習俗がキリスト教的ではない”と認識しており、一部の教会からは“ハロウィンは子どもたちに世の悪魔や闇を‘楽しみ’として誤った方向に導くもので、これはオカルトである”といった否定的な見解もあるそうです。
「Thriller」についてもこれと似た見解があり、映像の公開時そのオカルト性や暴力的なシーンが含まれると批判を受けました。
特にジャクソン家は“エホバの証人(Jehovah's Witnesses)”の信徒であり、当時マイケルもこれに属していたため、“ゾンビやクリーチャーは教義に反する”とエホバの証人の指導者から抗議され、SFに免責を入れたともいわれます(こうした軋轢のせいか、マイケルは1987年に教団とは縁を切ったらしい)。


2009年…
マイケルの生涯最後の公演になるはずだった『THIS IS IT』
ここでも、「スリラー」は披露される予定でした。
そのために3D化した新たな映像まで制作し、マイケルの生のパフォーマンスと、飛び出す3D映像を合成して観客のド肝を抜くステージを計画していました。
ここに紹介するのは、新たな映像と『THIS IS IT』でのマイケルのリハーサル映像を編集したものです。



That it's a thriller, thriller night
まさにそれがスリラー、スリルが訪れる夜
'Cause I can thrill you more than any ghost would dare to try
何故なら、僕がどんなゴーストよりゾクゾクさせてみせるから


天が遣わしたちょっとイタズラなエンターテイナーと、ドキドキ・ハラハラのハロウィンをお楽しみください♪ 



「スリラー」

お急ぎの方は“Short Version”をどうぞ♪


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tags : 1984年 ダンス/Funk グラミー 名作MV ハロウィン 

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Author:Beat Wolf
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