I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「スクリーム」マイケル・ジャクソン&ジャネット・ジャクソン

2018.03.30

category : Michael Jackson

Michael Jackson, Janet Jackson - Scream1 Michael Jackson, Janet Jackson - Scream2


Michael Jackson, Janet Jackson - Scream (1995年)



~ Scream ~

【King of Pop】マイケル・ジャクソンが人気を極めてからの人生は、まさに“悲鳴と絶叫”の連続でした。
山のようなゴシップなんてまだカワイイ方で、彼ほど生涯に於いて係争に明け暮れた個人はなかったのではないでしょうか?
今日の作品は、そんなマイケルの“心の叫び”です。

一方で今日の日本でも、国民が“scream”したくなるような出来事が相次いでいます…。



~概要~

「スクリーム」は1995年6月16日に発売されたマイケル・ジャクソンの9thアルバム『HIStory: Past, Present and Future, Book I』から同年5月31日にリリースされた先行シングルで、Billboard Hot 100の 5 位(年間56位)を記録しました。
1982年のアルバム『Thriller』の収録曲「P.Y.T.」以来10数年ぶりに妹ジャネット・ジャクソンとの共演であり、この時マイケルに肩を並べるスーパースターに成長を遂げていたジャネットとの兄妹デュエットはとても話題を呼びました。

「Scream」はそのジャネットとの共作であるだけでなく、彼女をトップ・スターに押し上げた立役者ジャム&ルイス(Jimmy Jam & Terry Lewis)が作曲・プロデュースに関わった楽曲で、サウンド的には一連のジャネット作品に近いものといえます。
2009年6月のマイケル急死後の同年9月13日に開催された『MTV Video Music Awards 2009』ではマイケルのトリビュート・コーナーが設けられましたが、ここでジャネットがパフォーマンスしたのが「Scream」でした。
ステージに設置された大きなスクリーンに「Scream」のSF(ショート・フィルム)が投影され、そこからジャネットが登場しスクリーンのマイケルとのダンス共演を再現する演出がなされ、会場を大いに沸かせました。

その兄妹共演が話題となったSFは制作費約700万ドルというギネス・ワールド・レコーズにも【史上最も費用のかかったPV】として認定された名作で、これは現在でも史上最高額です(ちなみに2位はマドンナの「Die Another Day」で610万ドル、「Thriller」は100万ドル)。
この映像は『1995 MTV Video Music Awards』で3冠を獲得(Best Dance Video / Best Choreography / Best Art Direction)、第38回グラミー賞でも“Best Music Video, Short Form”を受賞しました。
この映像の中でマイケル&ジャネットはダンス共演やテレビ・ゲームを一緒に楽しんでいますが実はコレ、マイケルによると“ビデオを撮ったのはジャネットと共演する為の口実”だったそうです!


 
 



~Lyrics~

Tired of the schemes
陰謀にもウンザリだ
The lies are disgusting
胸クソ悪い嘘ばかり

エルヴィス・プレスリーは“ドーナツの食べ過ぎで死んだ”とか、ビートルズのポール・マッカートニーは“既に死んでいる”とか、キッスのジーン・シモンズは“牛の舌を移植した”…とか!?
スーパースターには根も葉もないゴシップ(興味本位の噂話)は付きものですが、[このジャンル]に於いてマイケル・ジャクソンの右に出るスターはいないでしょう。

大衆の好奇が集まるスターのゴシップはカネになり、これらを扱うタブロイド紙はそのネタを“虚報も交えて扇情的に報道”することで部数を獲得するものが少なくなく、「Scream」はこうした加熱するゴシップに対する抗議が込められています。
欧米のタブロイド紙の低俗な執拗さは1997年にダイアナ元英皇太子妃交通事故死の原因となるなど世界でも悪名高いですが、当時“マイケルとジャネットは同一人物である”というあまりにバカバカしいゴシップさえ商売として成り立つのですから、日本ではちょっと想像し難いものがあります。


Somebody, please have mercy
あぁ、どうか憐(あわ)れみを…
'Cause I just can't take it
もう耐えられない

しかしマイケルにとってそれ以上に深刻だったのは1993年に浮上した“13歳の少年に対する性的虐待疑惑”で、これを発端として同様の疑惑や裁判沙汰が連鎖するように次々と発生、マイケルは体調を崩しDangerous World Tourや音楽活動の中止に追い込まれました。
“マイケルを全裸にして取り調べ”というのはこの時のことで、一説によるとこうした金銭目的による訴訟は2003年までに1500回あったといわれます。
仮にこの間を20年としても年に75件訴えられた計算になりますが、マイケルは“一度も有罪判決を受けたことがない”そうです。
…それにしてもこんな日常、想像できます?



~1年経っても“森から抜け出せない”森友学園問題~

2017年2月に財務省近畿財務局の管理する大阪府豊中市の【国有地が公共随意契約で評価額の86%引きで売却された問題】が浮上し、散々国会を空転させた挙げ句疑惑が全く解明されぬまま1年以上が過ぎた今年3月、国会審議の基となった【国有地取引の決裁文書を財務省が改ざん】していたことが新たに発覚、事態が収束どころか戦後行政史に残る大事件に発展した【森友学園問題】
3月27日、文書改ざん時の財務省理財局長・佐川宣寿氏を招致し証人喚問がなされましたが、予想されたとおり①官邸及び昭恵夫人・財務大臣の指示及び影響は明確に否定、②改ざんは理財局内、③決裁文書についての自らの認知・関与は証言拒否というゼロ回答でした。

そもそも森友問題とは【国有地の不当売却疑惑】であり、1年経っても殆んど解明されないのは
佐川氏が“記録は売買契約締結をもって速やかに廃棄”と国会で虚偽答弁し証拠提出しなかったこと、
政府・与党が売却交渉時の理財局長・迫田英典氏、異例な値引きに影響を与えた疑惑が持たれている安倍昭恵首相夫人、財務省理財局と森友学園との仲介を窺わせるFAXの記録が報じられた昭恵夫人付職員(経産省)谷査恵子氏、その問い合わせを受けた理財局国有財産審理室長・田村嘉啓氏、谷氏の上司でもある経産省出身の今井尚哉首相秘書官当事者の国会招致・証人喚問を拒否したからで、
の解明は当事者ではない佐川氏は証言するに足りません。

もっとも、彼らを証人喚問したところで佐川氏と同様に政治関与なし&証言拒否の可能性が高いですが、“「刑事訴追を理由とした証言拒否」は訴追の恐れがあることを自ら認めた証”でもあるので、有識者らによる第三者機関の可能性も含めて私は意味があると思います(今回佐川氏は50回証言拒否)。


【“伝家の宝刀”の出番?】

本来、こうした大規模かつ複雑な事件こそ捜査権や逮捕権を有する【地検特捜部】に力を発揮して欲しい所ですが…

特捜部は法務省(検察庁)の一部門…つまり“安倍内閣の【内閣人事局】の影響下”にあり、一般論としても“特別捜査部は時の政権の意向に左右されやすい”と言われているようです。
現場の特捜部、特に若手検察官は使命感の篤い人たちも少なくないようですが近年の“安倍首相周辺の人物が関与した事件”である【女性ジャーナリスト準強姦事件】及び【PEZY Computingスパコン助成金詐欺事件】では安倍首相と昵懇(じっこん)の元TBS記者逮捕に届かず、【リニア事件】でも東京地検特捜部はJR東海・葛西名誉会長や安倍首相までのルートを想定していたものの、首相官邸側に人事で機先を制され単なるゼネコン談合事件で収められてしまう情勢と報じられています。

また、特捜部による経済事件や汚職事件捜査などの情報の多くは国税庁から提供される関係にあり、特捜部が元国税庁長官を逮捕することは、その関係に遺恨を残すことになりかねません。
一方で現在の特捜部には「国民が望んだ」という意識があって、証拠固めよりも世論の空気に動かされて捜査に突入するという側面もあるそうで、そういう意味で彼らの出動は国民世論の盛り上がり次第といえるのかもしれません。

果たして今回、一連の森友事件に於いて特捜部は“首相周辺にまで手を掛ける”のか、財務省“理財局だけの事件”に収めるのか、それとも官邸・財務省連合に“シッポ巻いて逃げる”のか…。
(※私が元検事や弁護士の見解を複数調べた限りでは“佐川氏を立件できる可能性は半々”で、忖度など内心の事実を立証することは司法でも難しく、判決が出るのは国民が忘れた頃になる可能性もあるそうです)



~Epilogue~

森友事件だけに拘っていては国政が立ち行かない、犯罪を立証できないものに拘っていないで他に進むべき…という意見があります。
しかし“国の有印公文書の改ざんはこの国の歴史の改ざん”であり、安倍首相が2016年5月16日の国会議事録を改ざんした問題を含め、今年になってからも相次いだ【防衛省 日報隠ぺい問題】や【厚労省 裁量労働制推進のための100件超もの不適切データ処理】、【文科省 前川喜平前事務次官の講演調査への政治家関与を否定し続けた問題】など、組織的腐敗が政治・行政に蔓延している危機を認識し、この“悪しき慣習”を断ち切る手立てを即刻講じるべきです。
現政権にその決意と資格があるか…
この間、彼らが森友事件をどのように認識し、どのように問題解決を図ろうとしてきたかを振り返ってみましょう。


森友の方がTPP11より重大だと考えているのが日本の新聞のレベル” 麻生太郎財務相

売却交渉時の理財局長・迫田英典氏⇒国税庁長官昇進後退官/不問?
文書改竄時の理財局長・佐川宣寿氏⇒国税庁長官昇進後減給20%3ヶ月/依願退官/退職金4999万円
財務大臣・麻生太郎氏⇒不問
(確かに、麻生氏にとって森友事件は“この程度”のものなのだろう…ある意味正直な人
むしろ、財務省自身が今回の改ざんを事実と認めているにも拘らず、改ざんに関わった官僚の処分を未だ殆んど行っていないことが“事件の真相を指し示している”ような気がします)


“全容を解明し、組織を根本から立て直す。首相としてその責任を果たす” 安倍晋三首相

財務省による文書改ざんが発覚し、激しさを増す国会での追及と世論の怒りに後押しされるように、これまで政権に不都合な報道に及び腰になっていたテレビ局が一斉に息を吹き返してこの問題を取り上げるようになっていた3月15日【安倍政権が放送法4条の撤廃を検討】していることが一部で報じられました(スクープ?)。
“放送法4条はテレビ・ラジオ番組の政治的公平を義務づける条項”で、これを撤廃すると一見自由な放送が実現するように思えますが実はその逆で、政府に同調的な放送局は優遇し、同調しない放送局を冷遇する政治運用がなされると、後者は殆んど淘汰され、圧力に弱い日本の放送局は特に“事実や公平よりも政府への忠誠を慮る広報”一色になる可能性もあります。

“改めるべきは不祥事を起こした財務省や政府ではなく、新聞やテレビ”ってコト?
(麻生氏が本音を隠せないのに対し、安倍氏は本音と裏腹な見え透いたこんなウソばかり…)

しかしそれ以上に驚くべきは、その放送制度改革の担当であるはずの野田聖子総務相が3月20日の参院総務委員会で制度改革に関する安倍首相からの指示について“今日まで何もない”“私自身はまだ何も承知していないのでコメントは差し控えたい”と答弁していることです!


Michael Jackson, Janet Jackson - Scream3
安倍昭恵首相夫人

昨年3月、昭恵夫人付職員の谷査恵子氏の財務省理財局と森友学園との仲介を窺わせるFAXの記録が報じられた際、国会で菅官房長官が“谷さん個人が行ったもの”と答弁するなど、官邸には責任の全てを谷氏に負わせようとする動きがありました(※経産省ノンキャリの課長補佐クラスの谷氏が単体で財務省キャリア管理職とやりとりするなど、官僚の常識ではまずあり得ないそうです)。

これに対し“国家公務員が昭恵氏や上司の指示も受けずにこのようなことを行うはずはない”と憤ったある元経産省職員がFacebookに昭恵氏と菅官房長官を非難する投稿をした所、昭恵氏本人からこのメッセージが届いたそうです《写真》。


多くの国民にとって、誰が権力を握るかが重要なのではありません。
望むのは、一人の権力者を守るために嘘をついて公共を欺いた者が得をし、公共の正義を守るために嘘を拒否した者が損をする社会であってはならないということ。
この事件の陰に、“常識が壊された”と言って失われた命があったことを決して忘れてはならないのです。

昭恵夫人の“巻き込むことになってしまい申し訳ない”の一言にこそ、【この事件のあらゆる真相と、唯一解決への糸口】があるように思えてなりません。



「スクリーム」


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「オン・アワ・オウン」ボビー・ブラウン

2016.08.19

category : New Edition

Bobby Brown - On Our Own1 Bobby Brown - On Our Own2


Bobby Brown - On Our Own (1989年)



~2016年版『ゴーストバスターズ』~

“幽霊退治”を題材にした1980年代のSFコメディ映画『ゴーストバスターズ』シリーズが“お化粧直し”をして帰ってきました!
8月19日より全国公開されている『ゴーストバスターズ』は1984年のオリジナル映画のリブート(仕切り直し)作品であり、“主要キャスト4人の全ては女性”という設定に変更されています。
今年“4月1日”には映画の配給元であるSONY(コロンビア映画)が全面バック・アップして『ゴーストバスターズ』に登場する“ゴースト捕獲装置プロトンパックの開発に成功”キャンペーンを張って世間を騒がせました(※重ねて言いますが、“4月1日のこと”ですので…)。

ここではまず、2016年版『ゴーストバスターズ』の予告と、友近・渡辺直美・椿鬼奴・しずちゃんらがパフォーマンスする日本語版『ゴーストバスターズ』主題歌のPVをご紹介いたしましょう♪

 



~概要~

ボビー・ブラウンは黒人アイドル・グループ“ニュー・エディション(New Edition)”出身のR&B歌手で1988年にソロとして世界的に大ブレイク、日本でも巷で彼の個性的な髪型・服装を真似た若者“ボビ男”が出没し社会現象にもなったので、ご記憶の方もあるでしょう。

「オン・アワ・オウン」はそんなボビーが人気絶頂にあった頃の作品で、1984年に歴代7位の北米興行収入を挙げた『ゴーストバスターズ』の続編映画『ゴーストバスターズ2』の主題歌であり、ボビー自身も“市長公邸のドアマン”として劇中にサプライズ出演しました。
シングルは映画に合わせ1989年6月にリリース、Billboard Hot 100で3週連続3位(年間19位)を記録しています。
作者は"L.A."リード&ベイビーフェイスとダリル・シモンズ、後にボーイズIIメンの「End of the Road」で歴史に名を残すことになる3人による作品で、彼らは本作に於いてプロデュース+演奏+コーラスなど全面的にボビーをバック・アップしました。


映画のプロモーションを兼ねるMVは映画シリーズ第一作の主題歌「Ghostbusters」の主要キャストによる全面的なバック・アップではなかったもののリック・モラニスが参加しており、それ以外の“サプライズ・ゲスト”が多数出演する形式は受け継いでいます。

『サタデー・ナイト・ライブ』のジェーン・カーティン、ファッション・モデルのイマン・アブドゥルマジド、女優サリー・カークランド、『スーパーマン』のクリストファー・リーヴ、『フットルース』のヒロイン ロリ・シンガー…

そして、今年日本で毎日のように報道され“見覚えのある特徴的なヘア・スタイルの男性”が『Trump Tower』と刻まれた建物から出てくるではありませんか!
…そう、共和党候補として現在アメリカ大統領選を戦っている“不動産王”ドナルド・トランプでした。

 



~旧シリーズと2016年版『ゴーストバスターズ』の関係~

1989年の『ゴーストバスターズ2』の続編となる『第3作』の構想は2008年頃から浮上していたものの、主演のビル・マーレイが脚本に難色を示し出演を辞退するなど、計画は数年に亘って難航していました。
2012年の暮れ、ようやくビルをはじめ主要オリジナル・キャスト全員の再出演が決まり、『第3作』は“年老いた旧ゴーストバスターズが新しいメンバー(うち数人は女性)に仕事を引き継がせるストーリーが予定されていた”そうです。
しかし、前2作でイゴン・スペングラー博士役(+脚本)を務めてきたハロルド・ライミスが2014年に死去してしまったため、この続編構想は幻に終わってしまいました。

その後リブート構想が持ち上がり、監督/脚本を担うことになったポール・フェイグが主人公を全て女性にするアイデアを提案、“オトコには弱いがゴーストにはめっぽう強い理系女子(リケジョ)”という基本設定が構築されました。
『ゴーストバスターズ』を継承することとなった4人の女優は何れも“コメディエンヌ”でもあり、シリーズの魅力である“ゴーストなのに笑わせる”路線は生かされています。

また、“お楽しみ”は他にもあって、旧シリーズのキャストであった ビル・マーレイやダン・エイクロイド(本作では制作総指揮)、アーニー・ハドソン、シガニー・ウィーバー、アニー・ポッツらが別キャラクターとしてカメオ出演しているのでどんな場面で登場するか、お見逃しなく♪
さらに、ロック界からはあのオジー・オズボーンが出演しており、“ラスボス(ラスト・ボスの略)”キター!! 
…と思いきや、意外にも(?)“本人役”だそうです。
オジーの場合、“オジーのままでラスボス”ってことじゃね? 



~Epilogue~

1989年の『ゴーストバスターズ2』は無数のゴーストが超常現象を起こし、人間社会を混乱させたり破壊するストーリーとなっています。
そのゴーストの源となっているのが“ピンク・スライム”とわれるスライム状の物体で、これがニューヨークじゅうの怒りや憎しみの感情に反応して肥大化し、次々とゴーストを生み出し悪の親玉“カルパチアのヴィーゴ”を蘇らせるエネルギーとなったという設定です。

しかしこのスライムは怒りや憎しみといったマイナスの感情だけを蓄積するわけではなく、愛情や音楽を楽しむといったプラスの感情も吸収できる物質であるところに、私は興味を持ちました。
つまり“スライムを善にするか悪にするかは人間次第”であり、ここでは社会に於いてマイナスの感情が多くなってしまったために悪さをするゴーストばかりが生まれてしまっただけで、醜いゴーストの多発は人間社会の鏡として描かれているのです。

この物語がフィクションであるとかゴーストの存在の是非はさて置き、これには私も思い当たる節があります。
世界的にみて、治安の悪化やテロ多発の根底には差別や利益独占による不満や憎しみがあり、地球温暖化や大気・水質汚濁による災害自然の浄化・回復力を遥かに上回る人間の欲望によって生じたものと考えられるからです。
もしもあなたがこの社会を生き辛いと思っているとしたら、それは私たち自身の心の持ち方やライフ・スタイルに内包された問題が姿を変えて警鐘を鳴らしているといえるのかもしれません。

Well I guess we're gonna have to take control
そうさ、僕らがコントロールしなければならない
(All on our own)
すべては、自分たちの力で

この地球と社会を破滅させるのも、救うことができるのも
私たち人間であることを、心に刻みたい。



「オン・アワ・オウン」


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tags : 1989年 ダンス/R&B 映画80's ゴーストバスターズ ハロウィン 

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「ビリー・ジーン」マイケル・ジャクソン

2015.06.19

category : Michael Jackson

Michael Jackson - Billie Jean1 Michael Jackson - Billie Jean2


Michael Jackson - Billie Jean (1983年)



~マイケル・没後6年~

マイケル・ジャクソンが亡くなって、もう6年…
彼の死後も毎年のように“新作(未発表曲)”が発表され、昨年の「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」(過去ログ)みたいな映像を見せられてしまうと思わず、“たとえマイケルの肉体はこの世に存在せずとも、テクノロジーの進化と共にマイケルの魂(音楽や映像)は未来永劫生まれ変わるのでは…”という錯覚に陥ってしまいそうです。

そんなマイケルの最近のニュースというと、あの“ネバーランド”が売りに出されるというハナシがありました。
先日、ジョン・レノンの豪邸が72エーカーという話題に触れましたが、マイケルの豪邸はナンと2,700エーカー!
もはや東京ドーム何個ではなく、“東京都文京区と同じ広さ”だそうです!!
マイケルは1987年にこの場所を1,950万ドルで購入したそうですが、今回1億ドル(約123億7,000万円)の価格がついているとかっ!!!
やっぱり“マイケル・ネタ”って、何事もスケールが違うわぁ…。 



~概要~

「ビリー・ジーン」は1982年12月にリリースされたマイケル・ジャクソンの6thソロ・アルバム『スリラー(Thriller)』の収録曲であり、ポール・マッカートニーとのデュエット「The Girl Is Mine」に続く2ndシングルとしてBillboard Hot 100で7週連続No.1(1983年・年間2位)を打ち立て、世界的なマイケル・ブームのきっかけとなった作品です。
また、この曲の大ヒットによりマイケルはペプシコーラのキャラクターに起用され、1984年には兄のジャクソンズと共にCMオリジナルの「Billie Jean」を披露し話題を呼びました。

1984年のグラミー(第26回)でマイケルは8冠に輝いていますが、このうち“最優秀R&Bソング”“最優秀男性R&B歌手”は「Billie Jean」によってもたらされました。
また、同曲はオールタイムでもBillboardが81位(Hot 100 55th Anniversary)、ローリング・ストーン誌は58位(The 500 Greatest Songs of All Time)にランクインしています。


「Billie Jean」を語る上で欠かせない要素の一つが、ショート・フィルム(SF)
マイケルの甘いマスクとキレのあるダンス、“光るタイル”など見応えある映像が斬新で、開局間もないMTVでヘビー・ローテーションとなり、言語の異なる世界中のテレビ局で紹介されるなど、それがマイケル・ジャクソンの魅力を爆発的に認知させる効果となりました。

ただ、当時まだアメリカ社会では黒人が軽視される風潮がありMTVも当初「Billie Jean」の放送を拒否していたそうで、マイケル所属レーベルの親会社CBSの社長が“拒否するならウチのビデオは今後MTVには提供しない、黒人差別も公にする”など丁丁発止の末ようやく勝ち取った権利だったのです。
「Billie Jean」がMTVの門戸を開けたことで、その後プリンスやホイットニー・ヒューストンなど人気が黒人の枠にとどまらない大スターが生まれ、“音楽に視覚的要素が強力な武器となる時代の到来を告げた映像”として果たした役割の大きさを考え合わせれば、このSFの成功はマイケル一個の成果ではなく、社会そのものを変えた歴史的な作品だったといえるのでしょう。

SFのストーリーは、マイケルが常時パパラッチにつけ狙われる様子が描かれており、ホテルへ戻ったマイケルを寝室まで写真撮影しようとしたパパラッチが警察に逮捕されるというオチになっていますが、これはSF独自のストーリーであり歌詞の内容は全く反映されてはいません。
(作品本来のセクシャルなテーマを和らげたかった?)


「Billie Jean」を語る上で欠かせない要素が、もう一つ♪
…そう、マイケルの代名詞“ムーンウォーク”も、この作品から生まれました!
1983年5月の『モータウン25周年記念コンサート』で「Billie Jean」をパフォーマンスした際、初めて彼のムーンウォークが披露されました。
この時マイケルは既にエピックに移籍していましたがモータウン側に出演を依頼され、その条件としてモータウンの作品ではない「Billie Jean」を歌うことを認めさせ“伝説”が生まれたのです。
ただしこの時のムーンウォークはやや継続時間が短く、同じく“爪先立ち”についても彼は“上手く出来ず満足ではなかった”と語っています。

一般的に“【moonwalk】=マイケルが編み出した技”と思われているかもしれませんが、実は“マイケルは技の名づけ親”なだけであり、それ以前は【back slide】と呼ばれ1932年にアメリカのジャズ・シンガー、キャブ・キャロウェイによって生まれたそうです。
マイケルはこの技をマスターするためにシャラマーのジェフリー・ダニエル(バック・スライドを初めてテレビ披露した)に1000ドル払って教えを乞い、5分でモノにしたと言われています。

 
 



~Lyrics~

She told me her name was Billie Jean, as she caused a scene
女はビリー・ジーンを名乗り、騒ぎ起こした張本人
Then every head turned with eyes that dreamed of being the one
男たちの誰もが彼女に頭を回(めぐ)らせ、目に妄想を浮かべた

登場する“謎の女”について、あなたも想像を巡らせたはずです。
その正体に最も迫っているのが、このセンテンスかもしてません。
女は【scene(舞台)】で【dance】を踊り、みんな(男?)が彼女の一挙一動を食い入るように目で追いかける…
…さて、女は何者? 

プロデューサーのクインシー・ジョーンズは「Billie Jean」というタイトルが、4大大会シングルス・ダブルス・混合ダブルス合わせ通算39回優勝を誇るアメリカ・女子テニス界のスーパースター、Billie Jean Moffitt(King)を連想させると指摘しましたが、マイケルは“実在の人物ではない”と退けたそうです。


For forty days and forty nights
四十日四十夜
The law was on her side
法は彼女の味方

つい先日、俳優の榎木孝明さんが“30日間の不食”をしたことで話題になりましたが、イエス・キリストは“四十日四十夜の断食”を実行したとされます。
“40は旧約聖書に於いて特別な準備期間を示す数字”であり、『ノアの方舟』の洪水も40日、『十戒』のモーセが彷徨ったのも40年でした。
マイケルは彼女との“四十日四十夜”の試練を乗り越えて、「Billie Jean」&『Thriller』という大輪を咲かせた…

…って、コレはマイケルの実話ではありませんでしたねっ!? 


She showed a photo of a baby crying
赤ん坊の泣いてる写真を
His eyes looked like mine (oh, no!)
“目がそっくり”と差し出した(そんなバカな!)

コワい… 
男性にとって、最もゾッとするシチュエーションでしょう!?
「Billie Jean」がヒットした同年、日本ではドラマ『スチュワーデス物語』が大ヒットし、教官(風間杜夫)の元婚約者(片平なぎさ)が何かある毎に“アナタのせい”とばかり歯で手袋を引っぱがし義手を見せて、世間を震撼させていましたが…。

「Billie Jean」の面白いのは【dance】という言葉にダブル・ミーニングを持たせている点で、それを男は“踊っただけじゃないか?”女は“子どもができることしたじゃない?”…という構図が仕組まれているコト!



~Epilogue~


“「ビリー・ジーン」はマイケルの実体験では?”

作品が発表された当初から、そんな疑惑はありました。
マイケル・クラスのス-パースターなら“言い寄って来る女性は星の数”であることは言うまでもなく、世間が“独身で健康な男ざかりがそれに乗らない方が不自然”と考えるのも無理はありません。
ただ、マイケルの性格からすると初見でそんな関係になるのは考え難く、あるとすれば“既に信頼または好意を寄せている人”ではないでしょうか?

…そういう意味で昨年“DNA鑑定で99.9%マイケルの子”と報じられたアメリカの歌手ブランドン・ハワード(Brandon Howard)は、真実味がありました。
彼の母ミキ・ハワード(Miki Howard)は80年頃マイケルの父ジョセフ・ジャクソンがマネージャーを務めていた歌手で、マイケルの2歳年下です。
ブランドンはマイケルのように人好きするかわいい顔立ちであり、生年月日は1981年4月2日で“「Billie Jean」と時期が合致”します。
2010年のブランドンのデビュー作『Genesis』からの「Dancefloor」はタイトルからして「Billie Jean」を想起させるし、その映像はドコかで見覚えが…?




Billie Jean is not my lover
ビリージーンは、恋人じゃない
But the kid is not my son
それに、子どもは僕の息子じゃない

…ブランドンの件は、“オークションで落札したマイケルの歯科用品から採取したDNAによる鑑定である”こと、“リーク元がゴシップ・サイトのTMZである”こと、“ミキ・ハワードが‘私はBillie Jeanじゃない’と否定”していることなど考え合わせると、鵜呑みにはできません。


「Billie Jean」が誰であれ、物語であれ実話であれ、遺された作品は耳で楽しみ目で楽しみゴシップで妄想できる“究極の玩具”。
それこそがマイケルが目指した創造であり、エンターテインメントです。

彼はいつだって、人々を楽しませ驚かせるため、日夜血のにじむ努力と創意工夫の限りを尽くしてきました。
そのため、生前は彼自身にとって苦しいことも多かったでしょう。
でも天使となった今は、俗人(私)がこんな風に妄想しているのを、“ぜ~んぜん違うもんね~♪”
…なんて、子どものような悪戯っぽい笑顔でツッコミをいれているかもしれません。

…そうだったら、うれしいな? 



「ビリー・ジーン」


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「サムデイ」マライア・キャリー

2014.09.26

category : Mariah Carey

Mariah Carey - Someday1 Mariah Carey - Someday2


Mariah Carey - Someday (1991年)



~マライア・キャリー、6度目の日本公演~

10/4・10/6に行われるマライア・キャリーの日本公演は、実に8年ぶり6度目。
この間マライアは結婚(2008年)→流産→双子出産(2011年)とプライベートも忙しく、待ちに待ったニュー・アルバム『Me. I Am Mariah... The Elusive Chanteuse』も昨年7月にミュージック・ビデオ撮影中に胸と肩を骨折するアクシデントに見舞われ発売延期、ようやく今年5月にリリースされるという激動ぶりでした。

今回の公演はそのアルバムから『The Elusive Chanteuse Show』と名付けられ、日本からワールド・ツアーがスタートいたします!
参考になるセットリストがないので、例によって私の独断と偏見による選曲でのお届けです♪



~概要~

「サムデイ」は1990年の1stアルバム『マライア(Mariah Carey)』 からの3rdシングルで、Billboard Hot 100で 2週連続No.1(1991年の年間13位)を記録したダンス・ナンバーです。
マライアのデビューに纏わる因縁については過去に「アイ・スティル・ビリーヴ」ブレンダ・K・スターで詳しく述べていますが、その時トミー・モトーラに渡したデモ・テープの中の1曲が「サムデイ」でした。

この曲はバージョンが多いので、幾つかご紹介してみましょう。


アルバム/New 7" Straight バージョン

まずは、最初に発表された“アルバム・バージョン”です。
マライアの“デモ・バージョンにソニー側はラフ”と判断しアレンジを変更しましたが、“作者であるマライアとBen Marguliesは逆にソニー側のアレンジを洗練され過ぎ”と満足してはいなかったとか…。
「New 7" Straight」(右)はシンセブラスが特徴ですが、私は圧倒的にアルバムver.の方が好きです。

 


PV

「サムデイ」には公式PVが存在しますが、私はこのバージョンのアレンジが好みではないので敢えてメインからは外しました。
音源はShep Pettiboneがリミックスした“new 7" jackswing”が使われていて、映像には“バケツを叩くパフォーマンス”で有名なニューヨークのストリート・ドラマーLarry Wrightが出演しています。




MTV Unplugged

恐らくマライア自身最も気に入っているのが、1992年の『MTV Unplugged』でも披露したバージョンではないでしょうか?
黒人女性コーラス隊をフィーチャーしたゴスペル色の濃いアレンジその後のライブでもパフォーマンスされ、1999年に発売されたマライアのベスト・ビデオ集『#1's』に収められたのもこのバージョンでした。
今回のメイン映像はこうしたライブの中から、1993年の『Mariah's Thanksgiving NBC Special』の模様を選んでいます。





~Lyrics~

You were so blind to let me go
アタシをソデにするなんて、ドコに目が付いてるの?
You had it all but did not know
アナタは全て持ち合わせたオトコだけど、分かってないわ

デビュー曲からマライアのことは知っていましたが、実は当初あまり好きではありませんでした。
しかしこの曲のサディスティックな歌詞とマライアのパワフルなヴォーカルを初めて聴いた時、ビンタを食らわされたかのようにハッとして彼女のことが気になり出したのです…。
(※私は、決してMではありません!)


No one you'll find will ever be
いつまで経っても見つかりっこない
Closer to all your dreams than me
アタシほど、アナタの理想に適うオンナなど

一句できました♪
ウラウララ ドコから来るの その自信

“ウララ”…!?
…でも才色兼備のマライアじゃ、ケチの付けようもありませんネ? 


And you're thinking That you might be coming back to own me
甘い考えで、元の鞘に収まろうなんて
Just think again
ヤメてよね

ますます前回のジェッツが可愛く思えてしまう!?
でも何でこのヒト、こんなにムキになってるのでしょうね?
そんなひどいヤツのことなんか、もう相手にしなくてもいいハズなのに…。
う~む…? 



~Epilogue~

みなさんの理想の相手は、どんな人でしょう?

ルックスが良くて、優しくて、健康で、お金持ちで…
挙げたらキリがありませんが、たった4項目でさえそれを満たす相手は物理的に少数だし得るのはもっと難しいのが現実ですよね?
逆の言い方をすると、それが備わっている人は“引く手数多(あまた)”ということになります。

主人公の女性は、そんな高い競争率を勝ち抜いた“勝ち組”だったのでしょう。
しかし、彼女を待っていた運命は…。


Someday ooh someday
One you gave away will be the only one you're wishing for

かつてソデにしたオンナが、アナタを焦がす唯一となる


“number one”はその瞬間で移り変わっても、“only one”はこの世にたった一つだけ。
だから一番になれたからといって、それが必ずしもオンリー・ワンに成り得るとは限りません。
競争を勝ち抜いた彼女は確かにNo.1だったでしょうが、その時点では2番手3番手とは僅差の勝利だったかもしれないでしょう?

No.1が、揺るぎないオンリー・ワンになるためには“熟成”が必要で、それは時間と知恵を費やして築き上げられるお城のようなもの。
壁の一つひとつを二人が力を合わせて塗り固める毎に、他人が入り込む余地のない堅固な城塞へと近づいてゆく…
…そんな風に、少し気長に考えてみるのもイイのかも?

どうせ、“一生の付き合い”になるならば…。 



Mariah Carey - Someday (From Mariah Carey (Live))


続きはこちら >>

tags : 1991年 ダンス/R&B ゴスペル 失恋 

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「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」マイケル・ジャクソン

2014.05.27

category : Michael Jackson

Michael Jackson - Slave To The Rhythm1 Michael Jackson - Slave To The Rhythm2


Michael Jackson - Slave To The Rhythm (2014年)



~マイケル・ジャクソンの“新曲”映像~

5月18日、アメリカの3大音楽賞の1つ『the Billboard Music Awards』に於いて、マイケル・ジャクソンの新曲「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」が彼のホログラムによってパフォーマンスされ、世界をアッと言わせました!

これを見たマイケルの兄ジャッキーは…
“美しかったし、信じられないね。本当にマイケルがそこにいるのかと思ったよ。ちょっと涙ぐんじゃった。”と賞賛し
幼少からマイケルを近くで見てきたライオネル・リッチーは…
“あれは怖かったね。だってあれはマイケルだったんだから、驚いちゃったよ。”と、あまりのリアルさに戸惑ってしまったようです。

この映像は翌日YouTube上で公開され、既に1000万回以上も再生されていますよ!



~概要~

「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」はマイケル・ジャクソンが遺した未発表音源を素にリミックスされ、2014年5月13日(日本盤は5月21日)にリリースされたコンピレーション・アルバム第二弾『Xscape(エスケイプ)』の収録曲です。
今やエピック・レコード会長でCEOとなったL.A.リードと、1990年代に名プロデューサーとして馳せたベイビーフェイスらの手による作品で、1980年代後半『Bad』のセッションで初めてレコーディングが試みられました。
その後『Dangerous』を経て1998年にようやく“マイケル存命中の最終形”に至るも、このバージョンは2001の『Invincible』で発表されることはありませんでした。

マイケルが他界した翌年の2010年に「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」はネット上に流出して話題となりましたが、
2013年には『Xscape』に収録される可能性もあったジャスティン・ビーバーのヴォーカルをミックスしマイケルとコラボした「Slave 2 The Rhythm」までもが流出してしまい、結局今回のアルバムに収録されることなく幻となってしまいました(現に、『Xscape』のティンバランドがプロデュースしていた)。
また2014年2月、ソニーの新作スマートフォンXperia Z2のオンラインCMに起用され注目が集まりました。

話題となっている映像はシルク・ドゥ・ソレイユの公演『Michael Jackson THE IMMORTAL World Tour』のディレクターの元に持ち込まれ、『Dangerous』のアートワークをモデルに創作されました。
振り付けを担当した同公演のタラウエガ兄弟が“マイケルのダンスの動きについては、マイケルの世界に留めた”と語るようにマイケルの動きの忠実な再現に重点が置かれたようで、準備に5~6ヶ月を費やしたそうです。
何でもこうした映像による“ホログラムショー”の大規模ツアーも企画されているようで、コチラもいろんな意味で波紋を呼んでいるとか…!?



~Lyrics~

She dances in these sheets at night
女は踊る…夜、シーツの中で
She dances to his needs
女は踊る…男の求めるがままに

この歌の多くは、“She(dances)~”の形で綴られています。
家庭で、職場で男に抑圧された女が主人公という設定で、実際にもこの詞に共感する女性は多いことでしょう。

【dances】という言葉が繰り返されますが本来の意味をそのまま充てるのではなく、その場面に相応しい意味を想像してくださいね。
さて、この場合…
訳さないでおきましょう!


She danced the night that they fell out
女は踊った…その夜、二人は喧嘩し
She swore she'd dance no more
“もう二度と踊らない”と誓った

オリジナルやアルバムのバージョンには存在し、今回の映像のバージョンではカットされている部分です。
ただ、それまで女がずっと抱いていたであろう“情動”を実行する重要な転換点でもあるので、ストーリーとしては外せません。

“懸命を尽くしているのに、報われない…”
そんな思いに駆られたことはありませんか?
その時、女は“それ”を実行します…。


She let out a cry and swallowed her pride
やがて叫びを揚げ、湧き上がる情動を飲み込んだ
She knew she was needed back home, home
女には分かっていた…“帰らねばならない”ことを、home…

とうとう家を飛び出した女でしたが、彼女には自分のプライドよりも大事なものがあったことに気づきます。
もしここで自分が逃げ出したら、残された“それ”はどうなるのだろう?
たとえ今、この身が解放されたとしても失ったものの大きさに、きっと心は“それ”に囚われるに違いない…。
そう思いを至らせた瞬間、必要としてくれる人がいる場所こそ自分が身を置くべき“拠り所”なのだと再確認したのでしょう。
女性とは、母とは…。



~Epilogue~

Slave To The Rhythm
リズムの奴隷

…どういう意味?
マイケル自身のコトを歌っているなら“ナルホド!”って思えるのですが、主人公は“She”ですから…。

【rhythm】はギリシャ語の“流れ”を語源とし、大まかに言うと“規則的な間隔で繰り返される”といった意味合いがあります。
【slave】は一般的な“奴隷”以外にも、“献身する人”という意味もあります。
思えば、女性(お母さん)は定時に家族を起こし、ご飯を食べさせ、家族の日常を支えるために献身的に働き、彼らの規則的な生活のリズムを保つ役割も果たしていることを、誰もが心当たるでしょう。
それを毎日なんて…。

Slave To The Rhythm
家族の平穏な時間を守る人

私たちの平穏な日常は、彼女らの存在無しにはあり得ません。
忌まわしげなこの言葉が、このように解釈できる日が訪れますように…


「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」


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tags : 2014年 ダンス/R&B LA/ベイビーフェイス 

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