I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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「それが愛というものだから」ジャネット・ジャクソン

2015.11.06

category : Janet Jackson

Janet Jackson - Thats The Way Love Goes1 Janet Jackson - Thats The Way Love Goes2


Janet Jackson - That's The Way Love Goes (1993年)



~Janet Jackson Unbreakable World Tour 2015~

今年10月、7年ぶりのアルバム『Unbreakable』をリリースしたばかりのジャネット・ジャクソンが、『Unbreakable World Tour』で早くも11月19日から来日公演を行います。
ジャネットといえば近年カタール人大富豪と交際・結婚《写真・右》、彼女が子どもを望んでいたことから一時は引退説まで囁かれもしましたが一転、2015年はアルバム発表(既に全米No.1を記録)&ワールド・ツアーの年となりました!

日本公演は2002年以来13年ぶりで、今回のツアーは北米以外では日本が最初の公演となります。
キャリアの集大成ともいえる今回のセットリストの一つ、「That's The Way Love Goes」をお楽しみください♪



~概要~

ジャネット・ジャクソンは言うまでもなく“King of Pop”マイケル・ジャクソンの妹であり、1980年代後半~90年代にかけてはマイケルをも凌ぐほどの活躍を遂げた、歴代有数のセールスを誇るアメリカの女性歌手です。
前作『Rhythm Nation』で兄譲りのド派手な集団ダンス・パフォーマンスにより日本のお茶の間にもすっかりお馴染みになったジャネットは、1990年の初来日公演でも東京ドームを満杯にするスーパー・スターぶりで、翌年にはヴァージン・レコードと5000万ドルの契約金で移籍(※)、その第1弾となったのが自身の名を冠したアルバム『 janet.』でした。
(※ジャネットは1996年にヴァージンと当時の史上最高額で再契約していますが、この間彼女が発表したアルバムはこの1枚のみ!)

「それが愛というものだから」はその1stシングルとしてリリース、Billboard Hot 100で8週連続No.1(年間4位)に輝くジャネット最大のヒット曲で、これは兄マイケルの「ビリー・ジーン」をも上回る記録です。
プロデューサーはA&Mレコード時代からのジャム&ルイス(Jimmy Jam and Terry Lewis)ですが、移籍の影響かジャネットが27歳と成熟したからか、前作までのストリートが似合うノイジーなサウンドから洗練された大人のテイストへの転換が図られた作品といえます。
ベースとなっているスローな“ダウンテンポ”はジェームス・ブラウンの1974年の作品「Papa Don't Take No Mess」がサンプリングされており、それにジョージ・ベンソン風のギターを融合し1970年代を彷彿とさせるムーディーで極上なポップ・ソングとして創作されました。

こうした懐古的なサウンドとクールで抑制の効いたジャネットのヴォーカルは音楽批評家にも賞賛され、グラミーでは“最優秀リズム・アンド・ブルース楽曲賞(Best R&B song)”を受賞しました。
このテイストはブリトニー・スピアーズやアリシア・キーズ、デスティニーズ・チャイルドなど多くの歌姫に影響を及ぼしていますが、日本の宇多田ヒカルもその一人。
1999年の「Addicted To You (Underwater Mix)」には「それが愛というものだから」からギター・リフがサンプリングされていて、実はこの曲には本家・本元“ジャム&ルイス”がプロデューサーとして名を連ねています(続く「Wait & See ~リスク~」にも参加)。


MVでは、“恒例?”となっている派手なダンスを前面に押し出したパフォーマンスは封印し、友人や恋人たちとゆったり過ごすホーム・パーティー風の映像となっています。
また、『MTV Video Music Awards』にもノミネートされたこの映像には、当時まだ無名だったジェニファー・ロペスも出演しているので、刮目(かつ もく)してご覧ください♪

 




~Lyrics~

Like a moth to a flame
炎へと舞い
Burned by the fire
その身を焦がす蛾のように

日本でも“飛んで火に入る夏の虫”と言いますが、これもそうした蛾の習性から生まれたことわざです。
蛾に限らず多くの昆虫には光刺激に反応し移動する“走光性”があり、太陽や月明かり(真上からの平行光)では正常に機能するものの、火や照明器具による光(点光源)を浴びると感覚に狂いが生じ、光源に向かって螺旋を描いて飛行してしまいます。

高等生物を気取っている私たち人間も、一旦“恋の光”を浴びると平衡感覚を失い、危険の認知に関わらず光源に向かって真っすぐ吸い寄せられる習性があるのかもしれません…。 


I'm gonna take you places
連れて行ってあげたい
You've never been before and
あなたの、まだ知らない世界

昔、夏休みの楽しみの一つに、心霊体験を元にした再現ドラマ特集があって…
エっ? “ソッチの世界”(※)じゃない!?
(※1997年まで日本テレビ系昼帯枠の特番として放送されていた『あなたの知らない世界』)

…まぁ、そりゃそうだっ? 
人はそれを“天国”と呼ぶのだろうけれど、きっとそれは「Heaven Is A Place On Earth」とはまた趣きが異なります。
あなたなら、どんな世界へと導いてくれますか…?


I like to watch us play and
二人の営みすべてを見届けたいの、そして…
Baby, I've got on what you like
あなたの望みのままに、この身を任せる

“この身を任せる”なんてキレイにまとめていますが【get on(乗る)】ですから、本当はその反対!? 
詞全体を見通しても、“かなり積極的な姿勢”が窺えます。
この辺はジャネットが20代後半という年齢に入ったことも影響があるのでしょう。

お姫さまのようにただ“愛される”だけでなく、相手が望むことをしてあげる“愛する”悦びに目覚めたのかもしれません。
思いやりでした行為によって相手が喜んでくれると、最高の気分になれますよね♪ 
 逆に喜んでもらえなかった時、最悪の気分ですが?)



~Epilogue~

官能的でロマンティックなテイストは「それが愛というものだから」の魅力といえますが、楽曲は当初“失恋トーン”だったそうです。
ジャネットがインストゥルメンタルを初めて聴いた時、それに興味が湧かずジャム&ルイスに方向性を改めるよう要望したといわれます。
その修正版のテープを持ってジャネットはバカンスへと発ち、2週間後に帰国した彼女は興奮して言いました…

“これ、大好き!こんなの聴いたことない!絶対ヒットするわ、すぐ完成させましょう!”
出発前とは打って変わった態度ですが、彼女によると“もうコンセプトは考えてある”といいます。
それが…

“That's the way love goes”


…現実のジャネットは、これまで2度の離婚歴があります。
3人目のダンナさまは9歳年下で、何といっても“資産10億ドル”といわれる大富豪(ジャネット自身も同等の資産がある)!
アラブの大富豪というとカンドゥーラ(白いマキシ丈のワンピース)とクゥトラ(頭に被る布)といったお馴染みの民族衣装を思い浮かべますが、《写真・右》を見ると彼は(西洋文化的に)お洒落なカジュアルを着こなす、かなりのイケメンです!

「それが愛というものだから」以降のジャネットというと何かとセクシーさが強調され、2004年スーパーボウルのハーフタイム・ショーでの“事件”も含め、かなり大胆な肌の露出が話題となることもありました。
ところが、今年公開された『Unbreakable』からのシングル「No Sleeep」のMVでは体のラインを隠すような全身布で覆われた衣装を纏っており、現在行われているツアーの衣装も同じ傾向が見られるようです。
これはイスラム教徒であるダンナさまへの配慮とも、既にジャネット自身がイスラム教に改宗したためともメディアで言及されています。



新曲「No Sleeep」は“一緒にいる時、二人は眠らない”と大切な人との時間を愛おしむ女性の心情を歌った作品ですが、新婚の彼女のメッセージが誰に宛てられているかは、言うまでもありませんね?
誰もがジャネット夫婦のように異なる文化と宗教を越えて深く愛し合えるものではありませんが、現在の彼女の変化の中に、その秘訣を見出すことができる気がします。

That's the way love goes
それが、愛というものだから

試練を乗り越えた現在のジャネットなら、私たちをもっと深い“愛の世界”へと導いてくれることでしょう…。



「それが愛というものだから」


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tags : 1993年 ニュージャックスウィング 情熱の愛 グラミー ジャム&ルイス 

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