I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「アローン」ハート

2022.01.03

category : Heart

Heart - Alone (1987年)

今夜、大切な“Heart”を伝えるはずだったのに…“Alone”なピアノとアンのヴォーカルが切ない ♪

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


続きはこちら >>

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tags : 1987年 バラード/Rock せつない愛 ビリー・スタインバーグ&トム・ケリー 

comment(8) 

「ノーヴェンバー・レイン」ガンズ・アンド・ローゼズ

2019.10.28

category : Guns N' Roses

Guns N' Roses - November Rain (1992年)

構想8年を費やした難産は、HRというジャンルを超えた壮大な産物を産み落としました ♪


続きはこちら >>

tags : 1992年 バラード/Rock せつない愛  泣きのギター 名作MV 

comment(4) 

「恋することのもどかしさ」ポール・マッカートニー

2017.04.21

category : Beatles & Solo

Paul McCartney - Maybe Im Amazed1 Paul McCartney - Maybe Im Amazed2


Paul McCartney - Maybe I'm Amazed (1970年)



~ポール・マッカートニー ワン・オン・ワン ジャパン・ツアー2017~

23日(日)19:09、ポール・マッカートニーが羽田空港に到着、いよいよ25日からポールの来日公演が始まります!
今回は日本武道館と東京ドームでの4公演のみの予定ですが、愛妻家の彼らしくナンシー夫人を同行し、いつもの元気な笑顔をみせてくれました。

ワン・オン・ワン ジャパン・ツアーについてはポール本人から日本のみなさんにたくさんのメッセージが届けられているので、ご本人にご紹介いただきましょう♪
(…それにしてもただのプロモ動画なのに、いちいち演出が派手!?

 



~概要~

「恋することのもどかしさ」はポール・マッカートニーが1970年4月17日に発表した1stソロ・アルバム『ポール・マッカートニー(McCartney)』の収録曲です。
当時のシングル・カットはありませんでしたが、その後ポールが結成したウイングス(Wings)のワールド・ツアーで演奏され、そのアメリカ公演の模様を記録した1976年のライブ・アルバム『Wings Over America』から「Maybe I'm Amazed」のライブver.がシングルとしてリリース、US Billboard Hot 100で10位を記録しました。
(このバージョンは日本でもシングル・カットされましたが、それには「ハートのささやき」という1970年と異なる邦題が付けられていました…《写真》)

『McCartney』は、1970年4月10日のポールの“ビートルズ脱退表明”以前に制作されたものであり、収録曲は何れも彼がビートルズ在籍時に創作したものです。
しかしレコーディングの多くは音楽スタジオでさえないポール所有の別荘で、しかも楽器演奏とプロデュースを殆んど彼一人で行った荒削りなサウンドであったため、アルバム自体は当時の評論家から酷評されました。

一方「Maybe I'm Amazed」はロッド・スチュワートが在籍したフェイセズが1971年にカバーするなど評価が高く、ローリング・ストーン誌も“The 500 Greatest Songs of All Timeの338位”と、極めて高い評価を与えています(ビートルズ以外でランクインするポールの唯一の曲)。
ポール自身も“このアルバムで最高の作品”と認めているお気に入りで、ウイングス時代から彼のツアーの殆んどで演奏されてきたセット・リストの常連曲です。

時代を超えて愛され続ける要因には、ビートルズ時代に培った「The Long And Winding Road」の“哀愁”と、「Helter Skelter」の“熱情”を一つの作品の中で両立する至難を具現させていることにあるといえるのでしょう…。
こうした至難は、その対極にあるテイストを難なく歌いこなすポールのヴォーカリストとしての表現力の豊かさがあって初めて成立するものであり、それこそが甘いだけのバラードにはないこの曲の魅力となっているのです。

 
 



~Lyrics~

Baby, I'm amazed at the way
驚いてる
you love me all the time
どんなときも、僕を愛してくれる君に

“驚かせる”というと【surprise】が一般的ですがこれは特に“予期しないことで驚かせる”ことを意味し、辞書によると【amaze】は相手がおろおろしたり途方に暮れたりするくらいの驚きを与える“びっくり仰天させる”と定義されています。

「All My Loving」や「And I Love Her」ほか、ビートルズ時代のポールによる数々のラブ・ソングが捧げられた女優ジェーン・アッシャーとは1967年のクリスマスに婚約まで至っているものの、それから僅か約7ヶ月後には婚約破棄という結果に終わってしまいました。
たぶんポールがリンダを生涯の伴侶に選んだ最大の要因はこの【you love me all the time】で、それに対しジェーンはポールの妻であることより女優である自分に価値を置いていたといわれます。
(もっとも、ジェーンの側からすると別れた原因はポールの浮気 


Who's in the middle of something
もやもやした何かの中で
That he doesn't really understand.
“答え”を見出せず、彷徨っているだけの

1967年末~1970年頃、ポールに“もやもや”を与えていたのはジェーンとの破局だけではありませんでした。

『サージェント・ペパーズ~』で“史上最高”の評価を得るもののそれは同時に次作以降への重荷を背負うことであり、ますますバンドとしての結束を必要としていた時にマネージャーのブライアン・エプスタインを亡くし、これによりそれまで彼が担ってきたメンバー間の調整やビジネス経営、著作権の管理など、実に多岐に亘る問題を彼ら自身が突き付けられることとなります。

しかし、その何れも上手く回ってはゆかず…。


you pulled me out of time,
君が、時間の外へと連れ出し
You hung me on the line
境界線にいる僕を見守り続けてくれたこと

そんな内憂外患な【time】から逃れるためにポールはこの時期“浮き名”を流すようなことも重ねていたようですが、所詮それらは一時凌ぎにしかなりませんでした。
何故なら、【on the line】にいる人を一時的に【pulled me out of time(時間の外へと引き出す)】ことはできても、最後まで【hang on(手放すことなくじっと見守る)】ことは誰にでもできることではないからです。

しかし、とうとうポールはその相手を見つけました…。 



~Epilogue~


ポールの苦悩…
それは1969年9月20日、ビートルズの長年の相棒ジョン・レノンの一言に極まりました。
この日ビートルズの4人はキャピトル・レコードとの契約更新のサインのためアップル社で会していますが、その席上で“小規模なギグからコンサートを再開したい”というポールの提案に対し、ジョンはこう言い放ちました…

お前はアホか?…もうたくさんだ、俺は辞める!

ジョンによる“脱退宣言”は契約違反のため公にはされなかったものの、これ以降彼がビートルズとしてスタジオに戻ることはありませんでした。
この事件によって、誰よりもビートルズ存続を強く願い続けてきたポールの希望は完全に断たれ、そのあまりのショックに彼はスコットランド・キンタイア岬にある自宅農場に3カ月もの間引きこもり、外部との関係を閉ざしてしまいました(このことが都市伝説“ポール死亡説”の一因となる)

僕は不安になり、偏執症になっていた。
役立たずに思え、何をしたらよいかもわからなくなってしまっていた。
夜は眠れず朝はいつまでも起きず、ひげも剃らず、ウィスキーに手を伸ばしただぼーっとしていたんだ…



Paul McCartney - Maybe Im Amazed31

そんなポールを救ったのは、1969年3月12日に結婚式を挙げたばかりの新妻リンダでした。
本来なら大スターの妻として都会で華やかな生活を送るべきところ、彼女に待っていたのは絶望に沈む夫との慣れない田舎暮らしで、ネズミは出てもお湯は出ない掘っ立て小屋での隠遁生活だったのです。

しかしリンダは衣服を着飾ったり立身出世よりも自然や動物と接することを愛し、自由で自然なスタイルの生き方を望み、家族のために世話をすることを厭わない人で、この時の田舎暮らしも“家族にとって、最良の時だった”と語っているそうです。
そんなリンダがそばで見守っていてくれたからこそポールは安心して“落ち込みに専念”し、そして立ち上がることができたのでしょう。

Baby, I'm a man,
…そうさ、僕はただ一人ぼっちの男
And maybe you're the only woman who could ever help me.
そして君は、それを救い得るただ一人の女


 ありがとうリンダ、君と出逢えて本当によかった…

…あなたにも、ポールの声が聞こえてきませんか?
(※リンダ・マッカートニーは1998年4月17日、乳癌のため天国へと旅立ちました…)



「恋することのもどかしさ」


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tags : バラード/Rock 情熱の愛 偉大な曲 ポール・マッカートニー 

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「ホワット・イット・テイクス」エアロスミス

2017.03.31

category : Aerosmith

Aerosmith - What It Takes1 Aerosmith - What It Takes2


Aerosmith - What It Takes (1989年)



~スティーヴン・タイラー、初のソロ公演~

世界的なロック・バンド“Aerosmith”のヴォーカリスト、スティーヴン・タイラーがその長いキャリアで初となるソロでの単独公演を日本で行います(4/8、4/11)。
“現役3大ロック・スター”といっていいポール・マッカートニーやミック・ジャガー、エリック・クラプトンから比べると少し若いものの、それでも3月26日に69歳を迎えたスティーヴン。
昨年(7月)はエアロスミスの盟友ジョー・ペリーがジョニー・デップやアリス・クーパーらとのユニット“Hollywood Vampires”のコンサート中に倒れ、地元の病院に搬送されたというニュースが世界に衝撃を与えました(当初は心停止と伝えられたものの、脱水症と疲労が原因だった)。

いつまでも日本を忘れず現役で来日してくれるのはうれしいことですが、“このクラス”になるとまず無事に公演が遂げられることを何より願ってしまう…。
(2014年のポールの日本公演直前での緊急入院騒ぎもあるし)



~概要~

「ホワット・イット・テイクス」はエアロスミス1989年の10thアルバム『パンプ(PUMP)』の収録曲で、3rdシングルとしてBillboard Hot 100の9位(1990年の91位)まで上昇しました。
エアロスミスといえば1998年の映画『アルマゲドン』の主題歌「I Don't Want to Miss a Thing」が特に有名ですが本曲もそうした切ないテイストのバラードで、スティーヴン&ジョーに加えてバンド外のソングライター、デスモンド・チャイルドが共作者として参加しています。
デスモンド・チャイルドは前作『Permanent Vacation』で「Dude (Looks Like a Lady)」や「Angel」の作曲に携わった人であり、本作でも複数楽曲を提供するなどエアロスミス復活の立役者の一人です。
また、同じころ彼はアリス・クーパーの『Trush』のプロデュースを担当しており、その縁からかブラッド・ウィットフォード以外の4人のメンバーもそのアルバムのレコーディングに参加しています。

アコーディオンやビートルズの「A Day in the Life」風のピアノ、アコースティック・ギターなどをフィーチャーしたハード・ロック・バンドらしからぬソフト・サウンドであり、ライブではスティーヴンがアカペラで歌い始める演出もなされてきた作品です。
こうした情感たっぷりでありながらの爽やかテイストは“エアロスミス史上最高のバラード”とファンからの評価も高く、日本の人気ロック・ユニットB'zも1991年のアルバム『IN THE LIFE』で“アメリカのロック・バンドを意識した(稲葉)”というロック・バラード「憂いのGYPSY」を発表し話題を呼びましたが、その“影響力”の大きさを感じさせます。
しかしB'zほど明白ではないものの、Mr.Childrenの「終わりなき旅」や「Everything (It's you)」にも“同じ系譜”が垣間見えるように、エアロスミスが「What It Takes」で確立したスタイルが1990年代J-Rock全盛の雛型の一つであったと言っても過言ではないのでしょう。


ミュージックビデオは2種類あって、一つはテキサス州ダラスにあるカントリー・ダンス・ホール『Longhorn Ballroom』で撮影された映像で、これは今回のメイン動画に掲載いたしました。
もう一つはアルバム『パンプ』の制作過程を撮影したビデオ作品『The Making of Pump』に収録された映像で、こちらは本項に紹介いたします。

 



~Lyrics~

Girl, before I met you I was F.I.N.E. Fine
おまえに出逢うまで、こんなんじゃなかった
but your love made me a prisoner, yeah my heart's been doing time
おまえの愛が俺を虜にし、心は囚われたまま

実はここでの[F.I.N.E.]は本作『パンプ』収録の「F.I.N.E.」という曲に引っ掛けており、[heart's been doing time]も前作『パーマネント・ヴァケイション』の「Heart's Done Time」との関連によるものと考えられます。
また、この部分以外にも[leave your life to the toss of the dice]は『パンプ』の「Love in an Elevator」の歌詞に関連させています。

こういう“お遊び”を見つけるのも、ファンにとっては楽しいものです ♪


It was easy to keep all your lies in disguise
おまえにとって嘘を装うなど、いと容易いこと
'Cause you had me in deep with the devil in your eyes
だって、その瞳の中の悪魔に魅入られた男が相手なのだから

【催眠】は“意識レベルから批判能力を除外する潜在意識レベルに誘導すること”ともいわれるそうですが、この場合もそれと似ているのかもしれません。
つまり元々“特定の願望”を潜在意識に持っている人は常にその願望を叶えたいと思っているわけで、その気持ちが強いほどそれを実現させる(あるいはその可能性を信じられる)外的刺激に誘導され易いというわけです。

 …まぁオレたちの世界じゃ、常識だけどね?


You spent me up like money,
おまえは銭金のように俺を浪費し
then you hung me out to dry
干上がらせた

【money】の喩え…
…だからといって、干上がらせてはいけませんね!?
お金の使い方の表現に消費・投資・浪費がありますが、簡単に図式化すると[消費]は支払=効果、[投資]は支払<効果、[浪費]は支払>効果、といった概念でしょうか…。
でも、どんなお金持ちも浪費ばかりではいつか破産するように、愛情も浪費ばかりではやがて破綻を来します。

そんなふうに求めてばっかりじゃ…”って、JUDY AND MARYも言ってるし? 



~Epilogue~

「I Don't Want to Miss a Thing」と並び、
エアロスミスの最高傑作バラードの一つに数えられる「What It Takes」…

「I Don't Want to Miss a Thing」は、本来“目の前の君があまりに愛おしくて、一瞬たりとも目を離したくない”という微笑ましいラブ・ソングですが、どうしても映画『アルマゲドン』で娘の命を守るために自ら死地へと赴く父(ブルース・ウィリス)の心情と重なってしまうため、究極的な切なさを覚えてしまいます。


Tell me what it takes to let you go
おまえを忘れるために、どうすればいい?
Tell me how the pain's supposed to go
この胸の痛みを消し去るため、どうすれば…

一方、「What It Takes」は“別れた君があまりに愛おしくて、一瞬たりとも心から離れない”切なさでしょうか…。
その苦しさから逃れるため、【what it takes(何が必要?)】と問い掛けているわけです。

ある者は、“飲んで、飲んで、飲みつぶれて寝むるまで飲んで”
またある者は、“泣いて、泣いて、泣きつかれて寝むるまで泣いて”…(河島英五「酒と泪と男と女」

 …あなたは、どっち派? 

また、『好きだった人を忘れるために有効な手段』(NTTドコモ「みんなの声」)についてのアンケートによると1位は“次の恋をする”(10682票)、2位は“連絡先を削除”(3172票)、3位は“忙しくする”(2775票)という結果で、“思いっきり泣く”は4位でした(ただし“酒を飲む”は圏外で、有効な手段ではない?)。

この結果を大別すると凡そ相手との“物理的接触を断つ”こと、“思い出す機会を断つ”ことが有効なようで、
つまり本気で忘れたいならこの2つを断つことが必要と考えられますが…


Tell me that my lovin' didn't mean that much
俺の愛など、大した意味もなかったと
Tell me you ain't dyin' when you're cryin' for me
たとえ俺のために涙することがあろうと、死ぬほどの苦しみもないと言っておくれ…

ナンダカ、彼は一筋縄ではいかなそう…? 



「ホワット・イット・テイクス」


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tags : 1989年 バラード/Rock せつない愛 

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「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」ホワイトスネイク

2015.10.23

category : 1980年代

Whitesnake - Here I Go Again1 Whitesnake - Here I Go Again2


Whitesnake - Here I Go Again (1987年)



~Whitesnake 来日~

今年デイヴィッド・カヴァデールのディープ・パープル時代の楽曲をセルフ・カバーしたアルバム『The Purple Album』が日本のオリコンでTop10入りを記録したイギリスのロック・バンド、ホワイトスネイク。
そのホワイトスネイクが『THE PURPLE TOUR』で現在、来日中です(10/20~11/2)。

正直“HRのヴォーカリストが還暦を過ぎてステージに立つ”ということ自体想像するのも難しいですが、この9月に64歳を迎えたデイヴィッド・カヴァデールは今年のパフォーマンスを見る限りまだまだ“現役”のようです♪





~概要~

ホワイトスネイクは日本でもとりわけ人気の高いロック・バンド“ディープ・パープル(Deep Purple)”に1973~76年頃在籍したヴォーカリストデイヴィッド・カヴァデールが、脱退した翌年に結成したバンドです。
しかしデイヴィッドを語る際ディープ・パープルやホワイトスネイクの名を挙げるより、日本のみなさんには木村拓哉をフィーチャーした“『タマホーム』CMソングの元歌を歌っている人”と言った方が分かり易いのではないでしょうか?
元歌はデイヴィッドがヴォーカルを務めたディープ・パープルの「Burn」で、このCMを歌っているのは元ポイズン/MR.BIGのリッチー・コッツェンによるカバーですが、驚くほどデイヴィッドの歌声と似ています)



「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」は1987年の7thアルバム『白蛇の紋章~サーペンス・アルバス(Whitesnake)』からの2ndシングルで、Billboard Hot 100のNo.1(1週/年間7位)を獲得したホワイトスネイクの代表曲です。
元々は1981年にデイヴィッドと当時のギタリスト、バーニー・マースデンによって作曲され、翌年5thアルバム『Saints & Sinners』の収録曲として全英34位を記録しました《写真・右》。
このオリジナルver.には元ディープ・パープルのジョン・ロード(key)とイアン・ペイス(但し、映像でドラムスをプレイしているのは元レインボーのコージー・パウエル)も参加しており、特にジョン・ロードのキーボードが“淋しげなテイスト”を演出しているのが特徴といえるでしょうか…。

1987年、移籍先のゲフィン・レコードの要望により再録音された「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」は“ドラマティックなテイスト”に生まれ変わり、悲願である全米No.1を成し遂げました。
ここからのシングルver.《写真・左》はアルバム/PVとは違うアレンジが施され“ポップなテイスト”となっており(音源も別)、そのことを知らずPVをイメージしてシングル・レコードを購入した私は思わず“コレじゃない…”とガッカリした思い出があります。

PVは同時代のボン・ジョヴィ「アイル・ビー・ゼア・フォー・ユー」やバッド・イングリッシュ「ホエン・アイ・シー・ユー・スマイル」と同様HR/HMのカッコよさだけでなく、女性も楽しめる洗練された映像美が見所となっています。
デイヴィッドをはじめイケメンというより“美しい”と形容すべき面立ちと長い髪を誇るメンバーですが、実はアルバムのレコーディングに携わったメンバーのほとんどはこの直前に解雇されており、シングルver.の演奏とPV出演は新メンバ-によるものということになります。
また、デイヴィッドとやたらイチャイチャしているセクシー美女はアメリカのモデル/女優タウニー・キタエン(Tawny Kitaen)で、この頃「Still Of The Night」や「Is This Love」などホワイトスネイクのPVに出まくっていました。
映像の雰囲気からお察しの通り二人は“ただならぬ仲”であり、1989年に結婚を遂げるも2年後に破局…という、何とも“ロックなカップル(?)”でした!

 
 



~Lyrics~

I don't know where I'm goin'
何処へ向かっているかなんて、わからない
But I sure know where I've been
ただ、そこに俺が存在したことははっきりしている

あなたには、“それ”が分かりますか?
人生に何が待ち受けているかなんて予見は至難なことですが、自分の興味関心が職業となり、理想の人が伴侶となり、無病息災で天寿を全うする…
そんな思うままの人生を辿れる人は、ごく稀なことでしょう。
後ろを振り返り足跡を鑑(かんが)みると、自分がどれだけ過ちを犯してきたかがはっきり記されています。
だけどそれこそ、あなたがこの世に存在した証…。


I never seem to find what I'm looking for
どうやら、俺には見つけられそうもない
Oh Lord, I pray you give me strength to carry on
おぉ神よ、弛まぬ力を与え給え

“探しものは何ですか? 見つけにくいものですか?”
…そんな風に、神サマが声を掛けてくれたらいいのに!

“苦しい時の神頼み”とは人間の心理を見事に言い表したことわざですが、“探しもの”が見つからない時って世の中の災厄が自分だけ降り注いでいるような…そんな気分になるでしょう?
でもそれは、すぐ身近にあるのに何故か当人だけ見えておらず、呆れた誰かが“目の前にあるじゃん!”って教えてくれたりするものです。
“人生の探しもの”も、案外そうやって見つかるものかもしれません…。


Like a drifter I was born to walk alone
流離(さすらい)人の如く、唯ひとり歩む宿命の下
An' I've made up my mind, I ain't wasting no more time
決めたんだ…もう時を無駄にはしない

1982年のオリジナルとはアレンジが違うと先述しましたが、実はこの歌詞の一部も【hobodrifter】と変更されています。
その理由についてデイヴィッド本人は“[hobo]を【homo(ホモ)と誤解されるから】”と、コメントしているようです。
意味としてはどちらも“渡り歩く者”といったニュアンスがあって大差はありませんが、このフレーズに於いては【drifter】の方が圧倒的に音の響きがカッコいいような気がします。

“孤独を生きる星の下に生まれた”といえば不幸な人のように思えますが、私たち人間は誰もがそんな宿命を背負って生きているのかもしれません…。



~Epilogue~

この歌は、何らかの理由で孤独の道を歩む決意した男の物語です。
タイトルの「Here I go again」はその心情を端的に表していると思われますが、歌詞全体を見渡すとそこには“よし、もう一度やってやる!”という意気込みより、“仕方ない、またやり直そう…。”という迷いと傷心が内包されているようにも感じ取れます。
一方、音楽的要素に耳を傾けてみると82年ver.は淋しげで“後者”を、87年ver.は力強さが増して“前者”の心情を代弁しているようにも思えるのです。

“人生楽ありゃ苦もあるさ”
長い人生、時が変われば境遇も心情も変わるもの…。


Here I go again on my own
ここからまた一人、始めるさ
Goin' down the only road I've ever known
歩むべき、唯一つの道を下り

「Here I Go Again」は、デイヴィッドが1974年に結婚した最初の妻Julia Borkowskiとの破局の際の心情を綴ったものともいわれます。
また、この頃そうした家庭内の不安定が影響してか彼はドラッグに溺れ、仕事でも人間関係や金銭問題にトラブルを抱えバンドも空中分解…といった公私共にどん底な時期にあったようです。
時が移り、新たな恋人タウニーと出会い、痛めていた喉の手術も成功し3年振りに制作されたのがアルバム『Whitesnake』でした。
実生活に光が射せば物事の解釈も楽観的になるもので、孤独を歌ったはずの「Here I Go Again」が“よし、もう一度やってやる!”に変わったとしても無理からぬことでしょう。
(…にしても、PVでのタウニーとのイチャイチャはやり過ぎ!?


Here I Go Again...
あなたはこの言葉に、どんな想いを込めますか?



「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」


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tags : 1987年 HR/HM バラード/Rock 負けない心 

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