I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「しあわせの予感」ポール・マッカートニー&ウイングス

2022.05.27

category : Beatles & Solo

Paul McCartney & Wings - With A Little Luck (1978年)

あなたが欲しいのは“大きな葛籠(つづら)”、それとも“小さな葛籠”?ポールのオススメは…。


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tags : 1978年 ソフト・ロック 人生 メッセージ ウイングス 

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「スタンド」R.E.M.

2021.10.21

category : R.E.M.

R.E.M. - Stand (1989年)

人生とは、進むべき方向へ歩むこと。そのために、まず立ち上がろう。でもコンパスは忘れずに!

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tags : 1989年 ロック/ポップ メッセージ 

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「ノーバディ・トールド・ミー」ジョン・レノン

2019.11.22

category : Beatles & Solo

John Lennon - Nobody Told Me (1984年)

みんなお喋りはするけれど、誰も肝心な言葉は口にしない…ヘンテコな歌詞こそジョンの真骨頂 ♪

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tags : ジョン・レノン メッセージ  

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「サウンド・オブ・サイレンス」サイモン&ガーファンクル

2017.11.10

category : Simon & Garfunkel

Simon Garfunkel - The Sound of Silence1 Simon Garfunkel - The Sound of Silence2


Simon & Garfunkel - The Sound of Silence (1965年)



~“沈黙”に支配された声~

11月5日に76歳の誕生日を迎えたサイモン&ガーファンクルのアート・ガーファンクルが、現在来日中です(11/17まで)。
“天使の歌声”と評される声の持ち主であるアートですが、さすがに76歳ではどうだろう…
とYoutubeを探してみると、今年の映像がありました!

やっぱり天使の歌声♪   (…でも頭頂部は齢相応?)

「サウンド・オブ・サイレンス」は歴史に残る美しい曲である一方、謎の多い作品です…。



~概要~

「サウンド・オブ・サイレンス」は言うまでもなくサイモン&ガーファンクルの代名詞としてあまりに有名な作品であり、ローリング・ストーン誌“The 500 Greatest Songs of All Time 156位”にも数えられた歴史的名曲です。
ただし、ヒットに至るまで意外にも紆余曲折のある作品なので、それも併せてご紹介しましょう。

「The Sound of Silence」はポール・サイモンが21歳(1962年頃)の時に書いたものが元となった作品で、ポールは大学を卒業後6か月ほど出版社やレコード会社に本曲を含む自作曲の売り込みをかけましたが相手にされず、結局自分で歌うことを決意しました(一時「The Sound of Silence」などの権利を彼らに譲渡するつもりだったものの対立が発生し取り止めた)。
その後アート・ガーファンクルとのコンビを復活させた(1957年に【Tom & Jerry】を結成)ところをコロムビア・レコードのプロデューサー、トム・ウィルソンに見出されコーラスとアコースティック・ギターのみで構成された非常にシンプルな「The Sound of Silence」の最初の音源を含む1stアルバム『水曜の朝、午前3時(Wednesday Morning,3A.M.)』を1964年に発表しました。
しかし発売初年度の売上が3,000枚と惨憺たるものであったためポールはヨーロッパへ放浪、アートも学業の道に戻るなどS&Gはデビュー早々から解散含みの状態に陥ってしまいます。

1965年、ポールのロンドンを拠点とする音楽活動が軌道に乗り始め、BBCのラジオ番組で曲が放送され好評を博したためイギリスでソロ・アルバム『The Paul Simon Songbook』を発表、ここでも「The Sound of Silence」は“ポールのソロ作品”として再レコーディング・収録されました。
しかし“瓢箪(ひょうたん)から駒”とはこの事で、同じ頃アメリカのFM局でも「The Sound Of Silence」の人気が高まる現象が起こっていたため『水曜の朝、午前3時』のプロデューサーのトム・ウィルソンは、自身が当時担当していたボブ・ディランの「Like a Rolling Stone」のレコーディング・ミュージシャンを使って、1964年ver.の「The Sound Of Silence」を独断でエレクトリック・ギターとドラムスを加えるなどフォーク・ロック調にリミックスし直して同年9月にシングルとして発売、これが翌年1月にBillboard Hot 100で2週No.1(1966年の54位)という思わぬ大成果を挙げています。

この“棚から牡丹餅”的幸運(?)によって、解散の危機にあったサイモン&ガーファンクルの二人が急きょ招集され、1966年に本シングルを含む2ndアルバム『サウンド・オブ・サイレンス(Sounds of Silence)』を発表すると、これが世界中でベストセラーを記録し、一気に彼らの人気を確固たるものとしました。
翌1967年にはダスティン・ホフマン主演の映画『卒業(The Graduate)』のテーマ曲となり、S&Gの作品群をメインとしたサウンドトラックも全米No.1に輝いています。


 
 



~Lyrics~

Hello darkness, my old friend
暗闇よ、こんにちは…僕の古い友だち
I've come to talk with you again
また君と話しに来た

イントロからの悲しくも寂しげなギターの旋律が印象的であり、出だしから“[darkness]を[my old friend]と呼ぶ主人公”について興味を覚えずにはいられないでしょう。
辞書によると【darkness】には“暗さ、暗やみ、心のやみ、無知、腹黒さ、邪悪、不明瞭、あいまい、秘密…”などネガティブなイメージの定義が並びます。
ただし、ポール自身にとって“darkness(暗闇)は集中力を高めるもの”だそうで、だからこそ[my old friend]なのでしょう。
彼は風呂場で蛇口から流れる水の音を聞くのが好きで、“「The Sound of Silence」は風呂場で電気を消して真っ暗の中で作曲した”そうです。
そんなリラックス・モードから生まれたせいか、歌の出だしは当初“【Aloha(ハワイ語の挨拶)】 darkness”だったと、アートが証言していますよ!

もちろん、本作の主人公にとって[darkness]がポールと同じ意味をもつとは限りませんが…。


And the people bowed and prayed
…そして人々は額(ぬか)ずき、祈った
To the neon god they made
自らが創り出したネオンの神に向かって

【the neon god】は現在も一般的な言葉ではないようで、恐らくポールによる造語と思われます。
これについて巷では[テレビ]や[文明]といった具体的な言及もあるようですが、定かではありません。
ただ、明らかであるのは“それはthey(people)が作ったもの”であり“人々から神の如く崇拝されている”、ということ。

そうした人々と[the neon god]との関係は、主人公にどう映っているのでしょう…。


People writing songs that voices never share
人々は、声を共にするでもない歌を書いている
And no one dared
そして、敢えて
Disturb the sound of silence
沈黙の世界を乱す者もない

「サウンド・オブ・サイレンス」について、ポールは“若者特有の感情を歌ったもの”と説明しているようですが【People】への言及も多く、これは単純に個人的な苦悩だけでなく“【社会】との苦悩”も含まれるのかもしれません。
S&Gと同時代のライバルには“プロテストソングの旗手”と評されるボブ・ディランがあり、ポール自身“ディランの存在なしにこの歌が書けたとは思わない”と認めているほど彼に強い影響を受けていました。
(※プロテストソングとは、政治的抗議のメッセージを含む歌)

このセンテンスが含まれる3番の歌詞には“形だけのコミュニケーションに終始する人々”が描かれており、“自分の意思を伝えようとも、相手の気持ちに耳を傾けようとも、そしてそんな社会の風潮に抗おうともせずただ沈黙しているだけの人々のさまを【the sound of silence】”と形容しているようにも思えます。

そんな社会に耐えきれなくなった主人公は、4番で遂にその疑問を人々へと投げ掛けますが…。



~Epilogue~

The Sound of Silence...

第2次安倍政権発足から間もなく5年、日本は『報道の自由度ランキング』で2012年(野田内閣)の22位から2017年に72位(先進7カ国中最下位)に低下したデータが物語るように、この国を覆う“沈黙の声”は拡大するばかりです。
メディアの中でも最も権力による統制の影響が感じられるのはやはりテレビで、地上波ではここ数年で政権に“もの言う”キャスターやコメンテイターが一掃され[真相究明から腰の引けた報道姿勢]が増え、安倍首相の価値観を反映した番組や出演者が増えた実感があります。

私はこれまで安倍氏の目指す【美しい日本】について[=戦前(特に明治~終戦)の制度や価値観]と認識し、そこへ向かおうとする彼の言動を注視してきました。
その指標の重要な一つとしたのが【メディア統制】で、それは戦前の大日本帝国が【メディアを支配者の利害のための広報】と成さしめることによって国民を容易に欺き、強固な支配体制を築くことを可能にしたからです。
しかし戦前にも[大正デモクラシー]があったように、全体主義に対するリベラル(自由)な精神が尊重された時代もありました。
それを一変させたのが1931年(昭和6年)の【満州事変】で、そこから[覆い隠さなければならない不都合な真実]が増え、嘘を国民に知られないためにメディア統制を強めてゆくことになるのです。


2011年に放送された『NHKスペシャル 日本人はなぜ戦争へと向かったのか(第3回 "熱狂”はこうして作られた)』によると、満州事変以降戦争の拡大により【挙国一致報道】に与した新聞各社の発行部数は日米開戦までで約2倍に増え、こうなると挙国一致報道は国家による単なる押し付けではなく新聞社自身の利益の源であり、もはや権力側と一蓮托生の間柄となっていたように思われます(このため新聞各社は満州事変が関東軍による謀略であることを早くから知っていたにも拘らず、終戦までその事実を一切報じなかった)。
一方、挙国一致報道に抵抗していた朝日新聞などは【国益のため】と説き伏せられ、“木造家屋が密集する日本は空襲されたら終わりである。防空演習は役に立たない”と軍部を批判した信濃毎日新聞などは【不買運動圧力】によって屈服させられました。
そして私が特に印象深かったのが、信濃毎日新聞の件の翌年に行われた
【在京大手6社の新聞記者11人による会合での会話】

記者
“信濃毎日の桐生悠々も防空演習を論じて結局やめる羽目になりましたね”
記者
“経営的圧迫と言いますか自分の新聞が売れなくなるような事は、書かない方がいいと思います”
記者
資本主や自分の同僚に迷惑を及ぼしちゃあいすまんという気持ちが記者にあるんじゃないですか”
記者
“最近は政府の禁止事項が非常に多いんですよ、非常に細かい物まで何十と来てます。いっそ禁止してくれた方が良い、そうなれば苦心して書く必要が無くなります…”


この会話、あなたはどう感じられたでしょう…
私にはまるで、これが現代の記者たちが報道圧力を受けた後の座談会として週刊誌に掲載されていたとしても、何の違和感もありません。

現に、ニュース解説で知られるジャーナリストの池上彰氏は“安倍政権になってから自民党は主なニュース番組をすべて録画して、細かい部分まで毎日のように抗議し、訂正を求め、注文をつけてくる”と証言しており、これをしつこく繰り返されるとテレビ局も“面倒くさいから文句を言われない表現にしよう”となってしまうそうです。
特に安倍氏は自民党が野党に下野した時代に『自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)』という支援組織を立ち上げており(2017年時点の会員数は約1万9000人)、これがネット上で世論誘導を行い、政権批判した番組及びそのスポンサー企業に対し[一斉に抗議・不買圧力の電話]を実行して自民党をサポートしているといわれます。


本来であれば憲法上、政府の独走を【国権の最高機関である国会】(憲法 第41条)と【違憲審査権を有する最高裁】(憲法 第81条)がこれを正すはずですが【国会の2/3は与党】、【政府に違憲を下す判事を内閣が選任するはずがない】という絶望的な現実により、機能停止に陥っています
【第4の権力・メディア】もNHKは政府が人事を支配し、民間はあらゆる懐柔と圧力によって報道を抑圧されています。
偽りの政治がやがて破たんすることは宿命ですが、それが長期に亘ると私たち国民の被害が大きくなることもこの国の歴史が証明するところです。


"Fools", said I, "You do not know
僕は言葉にして言った “愚かな…誰もわかってない
Silence like a cancer grows
沈黙は、癌を育むようなもの

多数の沈黙は、小数の声に支配されます。

この国が健全な機能を取り戻すために私たちができること…
それは、“多数が声を示すこと”です。



「サウンド・オブ・サイレンス」


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tags : 1965年 偉大な曲 フォーク・ロック メッセージ 映画-60's プロテスト  

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「ノトーリアス」デュラン・デュラン

2017.09.15

category : Duran Duran

Duran Duran - Notorious1 Duran Duran - Notorious2


Duran Duran - Notorious (1986年)



~Duran Duran "Paper Gods on Tour"~

1980年代、最も女の子に人気のあったバンド、デュラン・デュランが2008年以来9年ぶりとなる来日公演を行います。
その人気絶頂の最中にメンバー間の不和が生じ、1985年の「007 美しき獲物たち」(過去ログ)を最後にバンドが分裂して3人になってしまい、その存続さえ危ぶまれる状態に陥りましたが…それから30年経った現在も立派に活動を続けています(しかも、4人に増えてるし)!

今回来日するメンバーはアンディ・テイラー以外のお馴染みの4人…すなわちニック・ローズ(key)とサイモン・ル・ボン(vo)、ジョン・テイラー(b)、ロジャー・テイラー(dr)で、特に武道館公演では「おしゃれフリーク」で有名なシック(Chic)feat.ナイル・ロジャースが参加する予定です。
…ということで、今回はデュラン・デュランがナイル・ロジャースを迎えた作品「ノトーリアス」を特集いたします♪



~概要~

「ノトーリアス」はデュラン・デュラン1986年の4thアルバム『Notorious』からの1stシングルで、Billboard Hot 100の2位(1987年の年間25位)を記録した作品です。
1985年のライヴ・エイドを最後にロジャー・テイラーがショー・ビジネスに疲れて音楽業界を引退し実家の農場経営に専念、残った4人で『Notorious』の創作に取り掛かりますがギタリストのアンディ・テイラーの志向する音楽と他のメンバーとの隔たりは大きく、作業は途中で挫折してしまいます。
レコーディング継続を渋るアンディをスタジオに復帰させるため法的措置まで取って彼を連れ戻し作業を再開したものの、得られたのは全員にとって不快極まりない結果でしかありませんでした。

そこで結局アンディとのセッションは諦め、1983年の「The Reflex」でリミックスを担当したナイル・ロジャースの力を借りることにしました。
ナイルは優秀なギタリストであるだけでなく、80年代にはデヴィッド・ボウイの『Let's Dance』やマドンナの『Like a Virgin』を大ヒットさせた当代随一のプロデューサーであり、この選択は本作の成功の大きな要因となります。
「Notorious」のサウンドで特徴的な“ファンク”とブラス・セクションはナイルによるアイデアであり、とりわけ彼のファンクなギター・プレイには一聴で“それでいこう!”となったそうです(ただし、本曲のギターには[Additional musicians]としてアンディの名も残されている)。

また、これまでデュラン・デュランは“MTVの申し子”として数々の斬新なミュージック・ビデオを提供してきましたが、本作ではスーパー8のハンディカメラを使用するなど簡易な撮影であり、モノクロ映像や(アルバム・ジャケットにも用いられた)メンバーの黒っぽい地味な服装は、彼らにしてみれば逆に新鮮です(それでもやっぱりオシャレな映像)。
当時の心境についてサイモン・ル・ボンは“僕らは成功のためにステレオタイプなティーンのアイドルを強いられファッションやメイク、フォト・セッションに時を費やしてきたけれど、より作曲に注ぐようになった”と説明しています。
ただし、[恒例?]となっている“美女”の一人には、有名になる前のスーパー・モデル(1990年代を代表する存在)クリスティー・ターリントンが出演しているのに加え、これも有名になる前のポーラ・アブドゥルが振り付けを担当しました。

 



~Lyrics~

No-no-Notorious. Notorious...
悪名なんて、要らない

【notorious】[(悪い意味で)有名な]という意味ですが辞書によると“大学以上の水準”の単語で、日本ではあまり耳慣れない言葉でしょう。
これに対して、それこそ“有名”なのは中学校で習う【famous】で、こちらは[(良い意味で)有名な]という意味です。

実は、彼らによると本アルバムはアルフレッド・ヒッチコックの映画に触発されたものであり、収録曲のタイトルには『Notorious(汚名;1946年)』や『Vertigo(めまい;1958年)』が引用されています。
映画『汚名』では、ナチスのスパイとして国家反逆罪に処せられた父を持つ女性(イングリッド・バーグマン)が、汚名返上すべくナチ残党の捜査に助力する物語ですが…。




And who really gives a damn for a flaky bandit?
そんな危うい無法者を誰が本気で相手にする?
Don't ask me to bleed about it
そして、俺の血をアテにしないでくれ

歌詞のストーリーは映画『汚名』とは類似していないように思いますが、【悪名高い誰か】を批判しています。
デュラン・デュランは体制批判のバンドではないし[当時彼らが置かれていた状況]から、作者の一人サイモン・ル・ボンが“[who really gives a damn for a flaky bandit]は【the guitarist】への当て擦り”と言及したという話もありますが、定かではありません(wikiでは[要出典]が付されている)。

それがアンディに向けられたものであるかはともかく、メッセージはかなり辛辣です…。



~No-no-Notorious. Notorious~

…さて、今のこの情勢で【notorious】という言葉に触れると、私は現在この国周辺を騒がせている男たちの動静を憂えずにはいられません。
世界一好戦的(建国以来235年で214年戦争に参加)で7100発の核弾頭(2015年4月現在)を保有するアメリカに対する北朝鮮の[綱渡り]が、①積み上げた弾道ミサイル実験の成果により“アメリカ本土に届く?届かない?”というレベルまで達し、②その58%が軍事行動を支持するアメリカ国民と③低支持率をV字回復させたいトランプ大統領の利害が一致した時、もはやいつ戦争に突入してもおかしくない段階に入っていると思われるからです。

そうなると効いてくるのが昨年3月29日に施行された『安全保障関連法』で、これによって“日本が直接攻撃を受けなくても同盟国が戦争を始めた場合、その相手国に武力行使できる”【集団的自衛権】行使の法的根拠(合法でも違憲)があるためアメリカに要請されれば事実上参戦は不可避であり、時事通信は北朝鮮の6回目の核実験後の日米首脳電話会談で“両首脳は2国間の断固たる相互防衛の約束を確認した”とホワイトハウスが発表(9/3)した旨を報じています。
相互防衛⇒これが事実なら、安倍首相はトランプ大統領と、北朝鮮に対し共同して防衛にあたることを既に(口)約束したことになる)

…つまり、“米朝戦争の始まりは日朝戦争の始まり”を意味するのです。


ここで大きなギャップを感じるのは、現時点で既に“アメリカ世論の58%が軍事行動を支持している”という点で、恐らく殆んどの国民が戦争を望まない日本人(裏付けのデータを求めて検索してみましたが、“何故か”日本のメディアは日本がこの戦争に参加することへの賛否について世論調査をしていない模様)との感覚の違いです。
しかし“ミサイルの射程に入る前に叩いてしまいたいアメリカ”と、“既に200発のノドン・ミサイルが照準を合わせられている日本”では、北朝鮮と戦争をした場合の想定被害が全く異なるため、歴然たる温度差が生じるのは無理もありません。
10000km以上遠く離れた極東で繰り広げられる戦争はアメリカにとって国益となり得ても、想定被害が甚大な日本は万が一でも戦争になってはならないのです。

特に日本には原子力発電所が26か所(廃止・解体中を含む/2017年2月現在)あり、もし北朝鮮がこれらの原発にミサイルを撃ち込んできたらどのような被害になるのでしょう?
東日本大震災で原発事故を起こした福島第一原発の吉田昌郎所長は事故処理の現場で、“東日本全体が放射能に覆われ、東日本壊滅のシナリオを想定した”と語っています。
たった一つか二つの原発事故だけで現実に日本の半分を壊滅させ得るとしたら、多数の原発を一斉にミサイル攻撃されたらどうなるか…想像してみてください。
トランプ大統領はアメリカが無事ならばそれでよいかもしれませんが、そのために祖国を失うリスクを負うのは私たち日本人であり、安倍首相の言動の一つひとつは国民をその危険から遠ざけるものでなくてはならないはずなのです。



~Epilogue~

これまでアメリカはブッシュ政権以来、北朝鮮の核兵器について【包括的、検証可能かつ不可逆的な放棄(CVID)】という目標に基づき交渉を行ってきましたが、ことごとく失敗してきました。
北朝鮮の最大の目標は言うまでもなく【体制保証】ですが、今年5月にティラーソン米国務長官が“北朝鮮が核廃棄の意思を示せば侵略はしない。体制も保証する”とまで発言しているにも拘らず、北朝鮮は核実験やミサイル発射を止めることはありませんでした。

しかし、そのやり方でオバマ政権は何も成果を上げられなかったように、アメリカを信じていない北朝鮮が[命綱と頼む核兵器]を自ら手放すはずなどありません
相互に不信を内包する交渉は、相手に【不可逆的な核放棄】を求めるならばこちらも【在韓米軍の不可逆的撤退】など体制保証の明確な根拠を提示し、その上で段階的・同時進行で互いの遂行を一つずつ確認しながら結果を積み上げてゆくしかないのではないでしょうか…。
ただし、在韓米軍が撤退したら韓国がミサイル増強で戦力を補うことになるので、“増やさないからその分、北も減らせ”という交渉をして欲しいものです。
米ソ両国合わせて6万発保持した核兵器を、9千発まで削減した歴史に倣い…。


一方、日本の安倍首相は9/7に韓国・文在寅大統領に“異次元の圧力を科すべき”と働きかけ、9/17のニューヨーク・タイムズ紙(電子版)で“北朝鮮と対話をしても無駄骨に終わる”と北朝鮮への圧力を最大限に強めるべきと訴え掛けたと報じられており、彼がこういう言葉の一つ、またひとつ発する度に平和国家であるはずの日本のイメージが棄損され、この問題も和平が遠ざかるように思えて暗澹(あんたん)たる気持ちにさせられます。

そもそも彼はこうして経済制裁を訴えるほど熱心に、北朝鮮との平和的対話にこれまで心血を注いできたかいささか疑問ですが、同9/17にティラーソン米国務長官がCBSテレビで“外交努力が失敗すれば、軍事的選択肢しか残らなくなる”と言及しているように“経済制裁とは、戦争も辞さない国の最終的外交手段”であり、アメリカはよくても日本は戦争を選択肢に入れた外交を行使すべきではありません。
本来であれば【憲法9条】を掲げた日本が北朝鮮問題の関係国として、また人材不足を指摘されるトランプ政権の外交を補うべく、[北朝鮮の非核化を平和的手段で]という共通の目標を持つ中国やロシアと大いに連携できるはずですが、戦争も辞さない安倍首相では中ロ両国から協力を引き出すのは難しいでしょう。


また、国内に於いても北朝鮮の脅威を不必要に煽る情報操作の動きが何気ない報道に見受けられます。
例えば8/29・9/15の2度に渡って北朝鮮のミサイルが発射されましたが、この時のNHKの報道は以下のとおりです。

政府は、北朝鮮から発射されたミサイルが15日午前7時4分ごろ、日本の領域に侵入し、
午前7時6分ごろ、領域から出て、午前7時16分ごろ、襟裳岬の東、およそ2000キロに落下したと発表しました。


一見何の問題も無いように見えます…
しかし【領域に侵入】は一般に用いられるのには問題ない言葉ですが、[国家領域]を表す時には注意しなければならない言葉で、その場合“領域とは、領土・領水・領海・領空”の意味を持ち、ここでは[日本の領域]と特定しているのでこれは【(ミサイルが)日本の領空に侵入】いう意味が込められています。

また、【領空】は地表から高度100km以下(100km以上は宇宙)という定義であり、これに対して9/15のミサイルは高度800kmと推定されていることから、これを[領空]とするのは正しくありません(…だから領域というあいまいな言葉にした?)

問題は、これは【政府が発信源の情報】であるため戦前の[大本営発表]と同じ構図(政府の発表を流すだけの報道)に陥り易いことで、そういう意味で同じく政府が発信源のJアラート(全国瞬時警報システム)の運用の仕方にも【支配側の意図】が感じられました。


私が細かいと思われるかもしれませんが、【日本の領域に侵入】は些細でも、国民に【(ミサイルが)日本の領空に侵入した】と思い込ませるのに非常に有効な言葉のトリックであり、北朝鮮の脅威を恐れ、怒り、森友・加計問題を忘れさせ、内閣支持率を回復させるのに絶大な効果を挙げたことは結果が示すとおりです。
ただ、憂慮すべきはメディア(大手ほど)で、こうした国民の素朴な疑問に応える報道姿勢はこの間ほとんど見られず、ただ政府の言いなりに伝え、衆目を引くミサイルの映像を繰り返すだけで、これは報道自体が劣化してしまったのか或いは【圧力・忖度】で封じ込められてしまったのか…。
民主主義を成立させるためには主権者に正しい情報を届けることが不可欠であり、また国民の意向を正しく為政者に伝え、彼らが不正を行わないか監視するのもメディアの大事な役割です。
そして…

私は、日本国民の一人として全く北朝鮮との戦争を望みません。
憲法はそれを認めないし、自衛隊は他国を侵略し得る戦力を保持していません。

どうか日本国政府は国民の意思を正しく理解し、それを反映させる政治を遂行するよう、強く願います。



「ノトーリアス」


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tags : 1986年 ニューウェイヴ ファンク メッセージ ナイル・ロジャース  

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