I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「マネー」ピンク・フロイド

2020.06.12

category : Pink Floyd

Pink Floyd - Money (1973年)

ピンク・フロイドの名盤『狂気』より。R.ウォーターズの意味深な詞&D.ギルモアのギター名演 ♪

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


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tags : 1973年 プログレ 偉大なギター プロテスト  

comment(2) 

「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」ビートルズ

2018.11.18

category : Beatles & Solo

Beatles - While My Guitar Gently Weeps1 Beatles - While My Guitar Gently Weeps2


The Beatles - While My Guitar Gently Weeps (1968年)



~概要~

「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」(以下「ホワイル・マイ~」)は、1968年11月22日に発売されたビートルズ10作目のアルバム『ザ・ビートルズ(The Beatles)』(通称;『ホワイト・アルバム』) に収録された楽曲です(A-7)。
英・米両国でのシングル・カットはありませんが、同アルバムから「Ob-La-Di, Ob-La-Da」のB面として、日本・ドイツ・フランス・イタリア・オランダ等で発売され各国でヒットを記録しています。
作詞・作曲/リード・ヴォーカルはジョージ・ハリスンで、当時クリーム(過去ログ)のギタリストとして人気絶頂にあったエリック・クラプトンをリード・ギターに迎え演奏された“泣きのギター”は特に有名です。
ジョージやエリックのキャリアに欠かせない代表曲であるだけでなく、ロックの歴史に残る名曲として絶大な人気があり、有名誌でも以下のように評価がなされています。

『ローリング・ストーン』誌
“500 Greatest Songs of All Time”136位(2011)
“100 Greatest Guitar Songs of All Time”7位(2008)
“100 Greatest Beatles Songs”10位(2011)
『GUITAR WORLD』誌
“100 Greatest Guitar Solos”42位(2008)

1968年2月、ビートルズはパーロフォンからの最後のシングルとなる「Lady Madonna」(過去ログ)のレコーディングを終えると、2月15日からインドで瞑想修行を行い(メンバーによって滞在期間は異なる)、5月30日から約5カ月近くに亘る新たなアルバムのレコーディング・セッションに入っています。
「ホワイル・マイ~」のレコーディングが始まったのは7月25日のことで、ジョージのギブソン・J-200とポールのハーモニウムを一部被せただけの素朴な音源でした(詳細次項)。
8月16日にメンバー4人が揃ったバンド編成で録音がなされ、その後も9月3日・9月5日と、第44テイクまでレコーディングが重ねられたものの納得できるサウンドが得られず、翌9月6日にジョージが友人のエリック・クラプトンを招きセッションしたことがあらゆる面で奏功し、ようやく作品が完成に至っています。


その後1971年12月の『バングラデシュ難民救済コンサート』と1987年の『プリンス・トラスト』ではジョージとエリック、リンゴ・スターが揃ったパフォーマンスが実現していますが、1971年時エリックはドラッグ中毒と盟友デュアン・オールマン急死(1971年10月29日)の影響を感じさせるものでした。
1991年には日本で12公演にも亘る『ジョージ・ハリスンwith エリック・クラプトン and his band』が催され、「ホワイル・マイ~」が目玉となっていたことをご記憶の方も多いでしょう。

ジョージの一周忌に催された2002年11月29日の『コンサート・フォー・ジョージ(Concert for George)』ではエリックがホスト役を務め、「ホワイル・マイ~」では元ビートルズのポール&リンゴに加えてジョージの長男ダーニ・ハリスンが演奏に参加し、盛大な追悼となりました。


 
 



~Lyrics~

I look at the floor and I see it needs sweeping
床を見ると、それは掃き清められるべきと気づく
The problems you sell are the troubles you're reaping
あなたが売る問題の数々は、あなたが受ける苦労の種

今月発売された『ホワイト・アルバム』 “50周年記念エディション”のプロモとして「ホワイル・マイ~」の何種類かの未発表音源が公開されており、それを聴いてみるとレコーディング過程で歌詞が一部書き換えられていったことがわかります。

上段は『ホワイト・アルバム』 に収録の最終ver.下段は音源として残っている恐らく最初期と思われる1968年5月の最終週、英サリー州イーシャーにあるジョージの家にメンバーが集まって27曲のアコースティック・デモを録音した【Esher Demo】の、[Verse 1]の同じラインを並べてみました。
何れも[sweeping/reaping]と韻を意識しているのは同じですが最終ver.は1行目の[I look at...]を反復しリズム感を重視しているのに対し、Esher Demoは歌詞に深みを感じます。




I look at you all, see the love there that's sleeping
愛を眠らせたままのあなた
While my guitar gently weeps
傍らで、僕のギターはそっと涙を零す

ジョージがインド思想に造詣が深かったことは有名ですが、彼は古代中国の儒教・五経の一つ『易経』の本も持っていたそうです。
易経は“あらゆる出来事は起こるべくして起こる”という占いの理論と方法を説く書で、これに感銘を覚えたジョージが両親の家を訪ねたとき適当に取って開いた本のページにあった言葉【gently weeps】をテーマとして創作した作品が、「ホワイル・マイ~」でした。

そういわれてみると、変更された上の[Esher Demo]のラインを含め、歌詞の随所に感じられる示唆的な言葉の表現が腑に落ちるのではないでしょうか…。


I look from the wings at the play you are staging.
あなたが演じる芝居を舞台の袖から見ていよう
As I'm sitting here doing nothing but aging
ここに座り、ただ年老いてゆきながら

1968年7月25日のセッション初日のテイクにはあった[Verse 5]の歌詞です。
(最終ver.では[Verse 1]とほぼ同じ内容に差し替えられている)
このフレーズは『The Beatles' Anthology 3』で初めて公開された音源に含まれるものですが、2006年にシルク・ドゥ・ソレイユによるラスベガスでのミュージカル常設公演『Love』に提供されたのもこのバージョンにストリングス・アレンジを加えたもので(ビートルズもサウンドトラックとしてリミックス・アルバム『LOVE』を発売)、2016年にはその10周年を記念して新たにアーティスティックなミュージック・ビデオも制作されています。
今回の『ホワイト・アルバム』 “50周年記念エディション”では1968年の同日録音された【Take 2】が公開されており、ここではジョージが歌の途中で“たぶん彼にもマイクを1本立てた方がいい”と指示を出しています。

ここでもやはり、差し替えられた歌詞の方が趣きがあるように思えます…。
そもそもが【gently weeps(静かに涙を流す)】であることを考慮すると当初の寂しげなアコースティックver.が自然で、むしろ最終ver.の強烈なエレキは【cry(声をあげて泣く)】に近い感覚といえるかもしれません。

 



~Epilogue~

11月29日は、ジョージ・ハリスンの命日。
今月23日からは、エリック・クラプトンの半生を描いたドキュメンタリー『エリック・クラプトン~12小節の人生~』が劇場公開されました。
先日クイーンの映画も公開されましたがあちらは“エンターテインメント”色が強く、こちらは“ドキュメンタリー”なので、当時の時代背景やエリックの人間関係・[黒い歴史]に知識・興味を持つファン向けの作品といえるでしょう。

 

「ホワイル・マイ~」でのジョージの“迷走”は、【gently weeps】な歌を【cry】な方向に向けようとしたアプローチにあったといえるかもしれません(初期のアコースティックだけで十分「Something」に匹敵する美曲である)。
障害となったのは[ジョージの技能不足]で、彼はテーマのような“泣きのギター”を表現しようと何度も試みたものの上手くできず、《9月3日》に居残って逆回転を用いた録音であれこれ試みましたが果たせず、エンジニアによるとこの段階で“エリック・クラプトンを参加させる”案が出たそうです。
《9月5日》には“逃亡”していたリンゴがスタジオに復帰しお祝いムードの中、一気に第44テイクまで録音されましたが結局満足できるサウンドは得られませんでした
エリックの記憶によると、“明日空いてる?”とジョージからの電話があったのはこの日だったそうです。

翌《9月6日》、二人同乗する車中で突然ジョージが“レコーディングに参加してソロ弾かない?”と持ち掛け、エリックは“ビートルズなんて恐れ多い”と固辞したものの、“だからどうした?僕の曲だ”と半ば強引に、そのままエリックをスタジオへと連れて来たようです。
そのためエリックはギターを持たず同日スタジオ入りすることになりますが、そこには直近までエリックが所有し1968年8月初旬にジョージに譲った【57年製ギブソン・レスポール“Lucy(ルーシー)”】が置かれてありました(Lucyは9/4に撮影された「Revolution」のビデオで確認できる)。

エリックにとって「ホワイル・マイ~」は初めて聴いた曲であるにも拘らず、レコーディング・セッションはわずか2テイクで完了しました。
しかも正式音源に採用されたのは最初のテイクといいますから、いくら即興に慣れているとはいえ、あれだけの“泣きのギター”を一発でやってのけるというのは、まさに“神”というほかはありません。
誘ったジョージ本人も“エリックがあれをプレイしたとき、本当に凄いと思った”と驚嘆していますが、エリック本人はNHK『SONGS』で“僕には簡単なことだった”と語っています。

しかし“クラプトン効果”は、それだけに止まりません。
ホワイト・アルバムのレコーディング・セッションはスタジオ中に怒号が響き渡り、リンゴ・スターやエンジニアのジェフ・エメリックが“逃亡”してしまうほど険悪な空気の中で行われていましたが、ジョージによると“エリックがいる間、みんな本当にお利口さんだった”といいます。
また、セッションの当初よりジョンもポールもジョージの曲に関心を示さず真剣に聴こうともせず、適当にレコーディングを済ませようとする風潮があったそうで、“あれ以来、みんなもっと本気になった。すごく真面目に仕事するようになった”と、ジョージは当時を振り返りました。
とりわけそれが顕著に表れているのはポールのベース・プレイで、ここでの彼の素晴らしい演奏はエリックのギターが刺激となったのは想像に難くなく、共演したエリック自身も“ジョンやジョージも素晴らしいミュージシャンだけど、彼らの中で最高のプレイヤーはポールだ”と、評しています。


一方、「ホワイル・マイ~」を演じた伝説の主演女優“Lucy”は1970年にジョージ宅で盗難の被害に遭い、紛失してしまいます。
1973年に転売先の楽器店からの購入者が見つかり、同等の58年型レスポールとの交換によってLucyはジョージの元へ帰って来ました。
同等品を手に入れるのにジョージ自らがアメリカまで飛んだそうで、協力してくれたギターのコレクターはジョージへの敬意を込めて1500ドルで売ってくれたそうです。
2013年に伝説の女優・Lucyのカスタム・レプリカ『GIBSON CUSTOM George Harrison / Eric Clapton Les Paul』が世界100本限定生産で発売されましたが、価格は約200万円!

世界に一つしかない本物の伝説の女優には、一体いくらの値がつくのでしょう…。 



「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」


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tags : ホワイト・アルバム ロック 偉大な曲 偉大なギター 

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「ジョニー・B.グッド」チャック・ベリー

2017.03.24

category : ~1960年代

Chuck Berry - Johnny B Goode1 Chuck Berry - Johnny B Goode2


Chuck Berry - Johnny B. Goode (1958年)



~Charles Edward Anderson Berry 1926-2017 R.I.P.~

ビートルズやローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズをはじめ多くのミュージシャンに多大な影響を及ぼしたアメリカのロックン・ローラー/ギタリスト、チャック・ベリーが3月18日に亡くなりました(享年90)。
彼の遺したものの大きさは、その訃報を受けたポール・マッカートニーの“one of rock 'n' roll's greatest poets”、リンゴ・スター“Mr. rock 'n' roll music”、ブライアン・ウィルソン“a big inspiration!”、ロッド・スチュワート“It started with Chuck Berry.”、キース・リチャーズ“One of my big lights”…という追悼の言葉が物語っています。

また、ツアー中のジーン・シモンズとボン・ジョヴィは、それぞれの公演でチャックの代表曲の一つ「Johnny B. Goode」をパフォーマンスし、彼の冥福を祈りました。

 



~概要~

「ジョニー・B.グッド」はチャック・ベリー1958年のシングルでBillboard Hot 100の8位を記録、翌年3rdアルバム『Chuck Berry Is on Top』に収録された作品です。
作詞・作曲はチャック自身、彼の創作を代表するキャラクターとなった本作の主人公ジョニー・B.グッドは「Bye Bye Johnny」(ローリング・ストーンズもカバー)、「Go Go Go」、「Johnny B. Blues」といったほかの作品にも登場しています。

一方、ロックン・ロールを象徴するギター・フレーズとして多くのミュージシャンに引用されたイントロはチャックの創作ではなく、ジャンプ・ブルースを代表する歌手ルイ・ジョーダン(Louis Jordan)1946年の曲「Ain't That Just Like a Woman (They'll Do It Every Time)」でギターを弾いた Carl Hogan のコピーといわれています。

本作はローリング・ストーン誌“500 Greatest Songs of All Time”7位、同誌“100 Greatest Guitar Songs of All Time”1位にも選ばれるロックン・ロールのスタンダード・ナンバーの一つであり、エルヴィス・プレスリーやビーチ・ボーイズ、ジミ・ヘンドリックス、AC/DC、プリンスなどロック界を代表するスターたちがカバーしています。
ジョン・レノンが“ロックン・ロールに別名を与えるとすれば‘Chuck Berry’だ”と言及するほど彼を敬愛して止まないビートルズは彼の「Roll Over Beethoven」や「Rock & Roll Music」(過去ログ)を正式にレコーディングしているものの、「Johnny B. Goode」はそれが為されてはおりません。
ただし1960年代前半にBBCラジオで定期的に行っていたスタジオ・ライブでこれを披露しており(ヴォーカルはジョン)、この音源は1994年に発売された『Live at the BBC』に収録、またジョンは後年アメリカの人気トーク番組『マイク・ダグラス ショー』で憧れのチャックとの共演が実現しています。


そして、多くの人にとって「Johnny B. Goode」の魅力を再認識させられたのがマイケル・J・フォックス主演の1985年の映画『Back to the Future』ではなかったでしょうか?
ここではチャックのバージョンを背景に流すのではなく主人公マーティがダンス・パーティで歌唱する形が採られていますが、マイケル・J・フォックスのパフォーマンスが圧巻で、このシーンで本曲を知り、好きになった方も少なくないはずです(ただし実際の歌とギター音源はポール・ハンセンという人のもの)。

また、この映画はマーティが1985年から1955年にタイムスリップするというストーリーとなっていますが、創作と現実を巧みに織り混ぜた“小ネタ”が秀逸です。
1955年は現実にチャックが「ジョニー・B.グッド」を発表する3年前という設定であり、劇中では未来からやって来たマーティが歌うこの曲に閃きを覚えたマーヴィン・ベリーというギタリストが従兄弟のチャック・ベリーに演奏の模様を電話で生中継するシーンが組み込まれており、“「ジョニー・B.グッド」はマーティの歌からチャックにもたらされた”というジョークとなっています。

加えてここでマーティはチャックの代名詞でもある“ダックウォーク”のパフォーマンスを披露していますが、調子に乗った彼はベンチャーズのクロマティック・ラン奏法(テケテケ)やピート・タウンゼントのウインドミル奏法、ジミ・ヘンドリックスの背面弾き、エドワード・ヴァン・ヘイレンのライトハンド奏法、果ては機材を破壊する未来の過激なパフォーマンスにまで発展させてしまい、会場全体の冷たい視線を浴びてしまうことになります。
その場を後にする彼が放つ“みんなにはちょっと早かった。君たちの子供は気に入るよ”の捨てゼリフは、日本人にとっては植木等の“お呼びでない?お呼びでないね…”を思い起こさせる親しみ易いオチではないでしょうか…? 

 
 




~Lyrics~

Deep down in Louisiana close to New Orleans,
ルイジアナをずっと南に下り、ニュー・オーリンズの程近く
Way back up in the woods among the evergreens
枯れることもない緑の森へと道を遡ると

ルイジアナ(州)とかニュー・オーリンズ(都市)といわれてもピンとこない方も多いと思いますが、【evergreen(常緑樹)】が物語るようにアメリカ南部・メキシコ湾に面した温暖で水が豊かである一方で標高が低く、有名な2005年の“ハリケーン・カトリーナ”上陸の際は1,500人以上の死者を出しました。
また、ニューオーリンズは“ジャズの発祥地”とされ、ジャズ以外にもさまざまな音楽が息づいている土地柄です。


There stood a log cabin made of earth and wood,
土と丸太の掘っ建て小屋があって
Where lived a country boy named Johnny B. Goode
ジョニー・B・グッドってカントリー・ボーイが住んでいる

“【log cabin(丸太小屋)】に土?”と疑問に思い確認のため調べてみたのですが、確かに土も使うようです。
丸太小屋はアメリカでは開拓精神の象徴で、その建築法を新大陸に伝えたのはスウェーデン人でした。
私は丸太だけで組み立てると思い込んでいましたが、木材の隙間を埋めるために泥や木屑などを用いたりするそうです。

日本では[ログハウス(log house)]の名称が一般的ですが、英語ではより小さなものを【log cabin】として区別されており、ジョニーの暮らしぶりが詳しく伝わってきます…。


Oh, the engineers would see him sitting in the shade,
機関士たちにとっても、それはいつもの光景
Strumming with the rhythm that the drivers made.
機関車との“リズムの協奏”に

【driver】というと運転手が一般的ですが、ここは“(車・列車などの)駆動輪”を想像しました。
【strum】は“軽くかき鳴らす”という意味で、ジョニーがギターの名手になれた背景にはこうした日々の“機関車相手の猛特訓”があったからなのかもしれませんね? 

先に“ニュー・オーリンズは音楽の町”ということをご紹介しましたが、このように日常何気ない生活の音一つひとつが音楽に繋がっているとしたら、当地に暮らす人々の音楽への“おおらかな愛着”を伝えているようで、とても素敵なフレーズに思えました。



~Epilogue~

チャック・ベリーはミズーリ州セントルイス生まれで両親は建設請負業と教師という中流家庭に育ち、美容・理容の資格を取得するなど学歴に相違点はあるものの、「ジョニー・B.グッド」はチャックの人生の断片を織り交ぜた創作であるといわれています。
彼は1953年にジャズ・ピアニストのジョニー・ジョンソン(Johnnie Johnson)率いるバンドに加入していますが、タイトルの一部である【Johnny】は彼に由来するもので、ちなみに後年ジョニー・ジョンソンは自ら「Johnnie B. Bad」という作品を発表しました。
また、それに続く【B.】は自身の[Berry]、【Goode】はチャックが実際に住んでいたセントルイスの通り[2520 Goode Avenue]から採られているそうです。


それから、間もなく60年…
チャックに憧れロックの世界に足を踏み入れたポール・マッカートニーやミック・ジャガーが70代半ばにして今も世界を駆け巡り、そして90歳のチャック自身も今年6月16日にニュー・アルバム『CHUCK』のリリースを控え、新曲「Big Boys」の音源を公開しており、ここでの彼のギターと歌声はとても90歳とは思えません!

「ジョニー・B.グッド」が“今これからの少年”を主人公としていたように、当初ロックは若者の夢と希望を代弁するものでしたが、[創造者]であるチャック自らが更なる道を拓いてくれたことによりロックは“90歳でも現役でいられる”ことが証明されました。
時代は変わり、移ろうのがその宿命であるとはいえ、それは同時に古い時代の常識を打ち破る“新たな可能性”をもたらすものでもあります。
それは、私たちが少年の日に芽生えさせた夢を90歳になっても抱き続けることができるという希望であり、また難病・パーキンソン病を患ったマイケル・J・フォックスを再びステージに甦らせることでもあるのです。


Go, Johnny, go, go...
Johnny B. Goode

この作品は、そんなあなたへの応援歌
あの日芽生えた夢を、いつまでも大切に…




「ジョニー・B.グッド」


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tags : 1958年 ロック 偉大なギター 映画80's マイケル・J・フォックス  

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「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」ガンズ・アンド・ローゼズ

2017.01.06

category : Guns N' Roses

Guns N Roses - Sweet Child O Mine1 Guns N Roses - Sweet Child O Mine2


Guns N' Roses - Sweet Child O' Mine (1988年)



~スラッシュ、“奇跡”のGN'R復帰!!~

1987年のメジャー・デビューから30周年を迎えるアメリカのロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼズ(以下GN'R)が1/21~29の予定で日本公演を行います。

GN'Rの日本公演は約4年ぶりですが、今回特筆すべきは1996年以来袂を分かっていたギタリストのスラッシュがバンドに復帰していることで、ヴォーカルのアクセル・ローズとの確執を知るファンにとってはまさに奇跡のプレゼントとなりました!
更に今回のツアーにはオリジナル・メンバーのダフ・マッケイガン(b)も参加しており(北米・南米ツアーでは散発的にスティーヴン・アドラー(dr)もゲスト出演)、1998年以降本当に久しぶりにGN'Rらしい顔ぶれが揃ったツアーといえます。

今回はGN'Rの復活を祝し、名曲「Sweet Child O' Mine」を特集いたします♪



~概要~

「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」はガンズ・アンド・ローゼズ1987年8月の1stアルバム『アペタイト・フォー・ディストラクション(Appetite for Destruction)』の収録曲で、アルバムが異例のロング・セールスを展開する中、その1年後の翌年8月に3rdシングルとしてカットされ、Billboard Hot 100で2週No.1(年間5位)を記録しました。
また、この大ヒットにより本曲は1989年の『American Music Awards』で“Favorite Pop/Rock Single”を受賞、オールタイムでもローリング・ストーン誌“500 Greatest Songs of All Timeの198位”をはじめ各媒体で高い評価を得ている楽曲です。


リード・ギタリストのスラッシュによる印象的なギターは“80年代最も有名なギター・リフの一つ”で、ローリング・ストーン誌“The 100 Greatest Guitar Songs of All Timeの63位”にも選出されています。

メンバーとジャムセッションをしていた時スラッシュがドラマーのスティーヴン・アドラーとジョークを入れながらギターのウォーミングアップを始めたところ、すぐさまリズムギターのイジー・ストラドリンがそれに食いつきコードを加え、ダフ・マッケイガンがベースライン、スティーヴンがビートで呼応する…といった具合に、1時間もしないうちに当初の遊び半分とは“何か違うもの”となって曲が生まれていったそうです。
そして、一連の経過を2階で聴いていたアクセル・ローズもまたこれにインスパイアされて歌詞を書き始め、翌日の午後にはそれを完成させました。

また、「Sweet Child O' Mine」の創作に影響を与えたものとしてスラッシュは、ジェフ・ベックやクリーム、レッド・ツェッペリン、更にはマンフレッド・マンズ・アース・バンドの「Blinded by the Light」やGerry Raffertyの「Baker Street」を挙げています。
一方2015年、オーストラリアの音楽テレビ・チャンネル『MAX』は「Sweet Child O' Mine」が、1981年にAustralian Crawlが発表した「Unpublished Critics」との類似性を指摘しました。


PVはMTVでヘビー・ローテーションされ本曲の大ヒットに大きく貢献、年度末の『MTV Video Music Awards』でも“Best Heavy Metal Video”に輝いた名作です。
今回メインに提示したVEVOの映像はオリジナル(アルバムver.)から1分ほど短縮して編集されたものであり、特にスラッシュのギター・パートを大幅にカットしていることはファンにとってはかなり違和感があると思うので、本項で別途“フル・バージョンのPV”を追加させていただきます。

ちなみにこの映像に出演している女の子たちは何れも当時メンバーが付き合っていたガールフレンドたちであり、それぞれアツアツぶりを披露しているのですが…
イジー・ストラドリンだけは彼の愛犬(ロットワイラーという犬種;フル・バージョンの冒頭に出演)を連れて来ており、“とイチャイチャ”していますョ!? 


「Sweet Child O' Mine」は、1999年に映画『ビッグ・ダディ』のサウンドトラックのためにシンガー・ソングライターのシェリル・クロウによってカバーされました。
映画はゴールデンラズベリー賞に5部門ノミネート(うち最低主演男優賞を受賞)される評価でしたが、「Sweet Child O' Mine」を歌ったシェリルはグラミー “Best Female Rock Vocal Performance”を受賞しています。

 
 



~Lyrics~

She's got a smile that it seems to me
アイツの微笑みは
Reminds me of childhood memories
オレに幼い日の記憶を甦らせる

彼女の微笑みはどんなだろう…
きっとあなたも、妄想を膨らませたことでしょう。

実は、これは実在する女性がモデルとなっていて、それはこの人!

Guns N Roses - Sweet Child O Mine3 Guns N Roses - Sweet Child O Mine4

Her hair reminds me of a warm safe place
アイツの髪は、あたたかく安全な場所を思い出させる
Where as a child I'd hide
幼い頃、身を隠し

この美女はエヴァリー・ブラザースのドン・エヴァリーの娘さんで名前を Erin Everly といい、当時アクセルが付き合っていた恋人で、「Sweet Child O' Mine」はアクセルが彼女への想いを綴った歌だったのです。

この歌の他にもエリンに纏わる興味深いエピソードがあって、1989年10月にデヴィッド・ボウイがGN'Rのミュージック・ビデオ撮影現場を訪れた際、デヴィッドがエリンに“ただならぬ関心”を示したためアクセルは彼にパンチを食らわせ、セットから叩き出す事件があったといいます(デヴィッドが謝罪し、すぐに仲直りしたらしい)! 

アクセルは血の気の多い男ですが、よほどエリンに惚れていたのでしょう…。


Where do we go?
オレたち、どこへ行くのだろう
Where do we go now?
いま、どこへ向かってるというのか…

何やら深い意味がありそうな、なさそうな…
強い余韻を与えずには置かない最後の一節は、意外にもプロデューサーの“曲の最後にブレイクダウンを入れよう”という提案により、アクセルが何気なく呟いた一言から生まれました。


1990年4月28日、アクセルとエリンは遂に結婚の夢を実現させたものの、その僅か10カ月後には離婚…というドタバタ劇を演じてしまいました。
俺たちの中の子どもは最高の友達だった。
でもほかの時には、お互いの暮らしを粉々にぶち壊してしまうんだ…
” by Axl



~Epilogue~

一説によるとアクセルは幼いころ実父に棄てられ(家を出て行った)、義理の父には身体的虐待・性的虐待を受けた原体験があったため、人間不信で精神不安定な性格が形成されたといわれます。
そんなアクセルにとって信条的に許せないものが“幼児虐待”で、GN'Rの相棒スラッシュとの20年に亘る確執の発端は“その事”に対する認識のギャップだったという説さえあります。

スラッシュが1991年にマイケル・ジャクソンの「Black Or White」でギターをプレイしたことはあまりに有名ですが、当時GN'Rのマネージャーを務めていたダグ・ゴールドスタインは、“スラッシュがマイケルのトリビュート・コンサートに参加したことが2人の不仲の原因”と考えているようです。
何故ならアクセルは上記の原体験から幼児虐待が絶対許せない立場であり、この頃マイケルによる幼児虐待の噂があってアクセルはこれを有罪と信じていたため、彼の意向に賛成してくれるであろうスラッシュがマイケルを支持するかのような行動を取ったことは、アクセルを大いに失望させたというのです。


Sweet child o' mine
あぁ…
オレの心に甦る幼い記憶

Sweet love of mine
オレの心に灯る愛しい女

本来、人生で最も【sweet(愛しい)】な記憶に恵まれるべき幼少期…
しかし“[雷や雨]から身を隠すように過ごしてきた”というアクセルにとってそれは、必ずしもsweetな日々ではなかったことでしょう。
そして、幼少期に降り続いた[雷や雨]の記憶はやがて止むことない“暗黒の雲”となって心を覆い、外界にあるもの全てを黒く映し出す…。

【Sweet child o' mine(子どものように純粋で安らかな心)】
は幼い日に憧れた[晴れわたる青い空]であり、今もって辿り着きたい理想の境地。
でもきっと、それはアクセル一人の力だけで辿り着くことは不可能だったに違いありません。
…だからこそ、【Sweet love(=エリン)】を必要としたのでしょう。
(だからこそ、もっと大事にすべきだった…)


「Sweet Child O' Mine」
大人も、こんな風に誰かと交われたらいいのに…





「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」


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tags : 1988年 HR/HM 偉大な曲 偉大なギター 名作MV 

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「アンド・ユア・バード・キャン・シング」ビートルズ

2015.05.08

category : Beatles & Solo

The Beatles - And Your Bird Can Sing1 The Beatles - And Your Bird Can Sing2


The Beatles - And Your Bird Can Sing (1966年)



~And Your? Bird? Can Sing~

5/10~5/16までの一週間は、“愛鳥週間”
野鳥保護思想普及のため、1950年(昭和25年)に鳥類保護連絡協議会により設立され現在に至ります。
この季節、暑からず寒からず私たちにとっても活動し易い天候になりましたが、身近な鳥たちも何だか嬉しそうですよね?

ビートルズの「アンド・ユア・バード・キャン・シング」は、まさに鳥たちがじゃれ合っているような楽しいロック・ナンバー♪
でも、意外に“ウラ”のある作品です!
ポイントは、“birdの正体? 誰のbird?” …



~概要~

「アンド・ユア・バード・キャン・シング」は、ビートルズが1966年8月5日に発表した7作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『リボルバー(Revolver)』の収録曲です(シングル・カットはナシ)。
作詞/作曲・ヴォーカルはジョン・レノン、コーラスはポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンが務めていますが、ポールは歌詞を手伝ったと言っています。

イントロからの印象的なギターはビートルズ屈指のギター・フレーズであり、ここではジョージに加えポールが参戦して厚いサウンドを生み出していて、ビートルズとしては唯一アメリカの雑誌『Guitar World』“100 Greatest Guitar Solos”の69位(対象はジョージ/2008年)にランクされました。
(※メンバー以外による演奏では、「While My Guitar Gently Weeps」のエリック・クラプトンも42位に入っている)

爽快で分かり易い曲に対し歌詞は意味深で全体を通して一つのストーリーを描くのは無理があり、解釈も意見が分かれるものがあります(詳細後述)。
『リボルバー』の頃になるとポールがクラシック、ジョージがインド音楽、ジョンがドラッグの影響が顕著になりライブ向きではない作品が占める中、「And Your Bird Can Sing」は数少ないライブ向きのロック・ナンバーでしたが、結局この曲がライブで歌われることはありませんでした。


一般的に「And Your Bird Can Sing」といえば“ギターの名曲”という印象が強いと思いますが、1996年のアウトテイク集『The Beatles' Anthology 2』では、また別の魅力を聴かせてくれています。
本作品のマスターは、1966年4月26日に上記の編成でレコーディングされたtake10。
これに対し“Anthology ver.”は4月20日のtake2で、全編を通して“ジョン&ポールのツイン・ヴォーカル(の多重録音)”で歌われているのが特徴です。

本来ビートルズのグループとしての魅力はデビュー前から“このスタイル”であり、「Please Please Me」「From Me To You」「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」など一連の大ヒットは、“二人のハーモニーが生み出した魔法”といえるのではないでしょうか…(※リンクは過去ログ)。

とりわけ、ここに紹介するAnthology ver.では素晴らしいコーラス・ワークを聴かせてくれるものの、何故か冒頭からジョンとポールの笑いが止まらず、正式版には成り得ないと承知してか終始じゃれて遊んでいます。
でも、その空気感こそがビートルズの魅力であり、私は“マスターのツイン・ギター+Anthologyのツイン・ヴォーカル、それとAnthology ver.のエンディングの口笛をリミックスした音”を是非聴いてみたいのです!

 
And Your Bird Can Sing (Anthology Version) / THE BEATLES CARTOON Ep35a



~Lyrics~

You tell me that you've got everything you want
欲しいものは全部手に入れたと、君は言う
And your bird can sing
それに、愛しい小鳥が歌ってくれるって…

この歌はミック·ジャガーと、当時の恋人マリアンヌ・フェイスフル(Marianne Faithfull)について言及しているという説があります。
すなわち【Youはミック】・【birdはマリアンヌ(birdはスラングで娘・恋人を指す)】であり、当時ジョンはミックに美人の恋人マリアンヌのことを散々自慢されたツッコミをネタにした…というハナシ。
マリアンヌは1964年に「As Tears Go By(涙あふれて)」(ミック&キース作であり、翌年ローリング・ストーンズも歌っている)など歌手としてヒットも放っているので【bird can sing】に該当し、“清楚なロリータ”として人気で【green(うぶ)】だった…というワケ。


You say you've seen Seven Wonders
七不思議をその目に入れたと、君は言う
And your bird is green
それに、小鳥は緑色だって…

一方で、これはポールがネタという説もあります。
ビートルズは1964年に全米ツアーを行いボブ・ディランに会っていますが、その際マリファナを勧められ彼らは初めて薬物の世界を“トリップ”しました。
この時ボブは何か“ありがたい話”を教えてくれたそうで、これに感銘を覚えたポールは忘れないようにメモを取ったものの、翌日その紙を見ると“There are seven levels(7つのレベルがある)”としか書いておらず、全く役に立たなかった(幻覚中に書いたため)…というエピソードから【Seven Wonders(七不思議)】が用いられた…というハナシ。

ちなみにこの日ボブが話したseven levelsとは、インド起源の神秘的身体論“7つのチャクラ”のことだったらしいですが…。


You tell me that you've heard every sound there is
音という音は全部耳に入れたと、君は言う
But you don't get me, you don't get me
だけど、その手は僕に届かない …届かない!

ここは説明の便宜上、不連続のセンテンスを並べました。
ミックにしろ、ポールにしろどちらも上昇志向の塊のようなところがあり、当時ポールは新たな音楽やサウンドを求めてあちこち探し回っていたし、ミックも何度となく熱心にビートルズのレコーディングを見学に訪れています。

当初、本作品のタイトルは「You Don't Get Me」と名付けられていました。
ミックかポール、あるいは別の人物に向けたメッセージかは定かではありませんが、やはり実質的に本作のテーマはここにあるといえるのでしょう。
個人的には、ポールに対し“どんなに必死で研究に励もうと、僕には追いつけないよ”と言っているようにも思えるのですが…。



~Epilogue~

地球上には声を持つ生物は実に数多く存在しますが、一般に人間が聴いて美しいと感じる鳴き声は案外数少ないものです。
中でも鳥類は【sing】と形容されるほどの“美声”の持ち主も多く、古今東西人々に愛されてきました。
また、一部の鳥類は歌うだけでなく“しゃべる”も得意で、その分野では他の追随を許さぬ…
…というか、本職の名優も真っ青な長ゼリフをしゃべることができるのネっ!? 




でも鳥って、歌えて・しゃべれるだけじゃなく…
“踊れる”んですよ!

…えっ、何のためって?
それはモチロン…

“キミのためさ。”

Look in my direction
こっちを見てごらん
I'll be 'round, I'll be 'round
僕がいる… そばにいるから

 極楽鳥の求愛

“たとえキミが振り向いてくれなくても、ボクはきっとそこにいる…。”


オトコの心意気、見せてもらったよ。 だけど…
最後の“それ”

フィニッシュは、それで正しかったのか? 
(ちょとコワイぞ…)



「アンド・ユア・バード・キャン・シング」


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tags : 1966年 偉大なギター コーラス  サイケデリック リボルバー 

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