「メモリー」は、バリー・マニロウ1982年の12thアルバム『ヒア・カムズ・ザ・ナイト(Here Comes The Night)』の収録曲です。 アメリカでは同年後半にシングル・カットされ、翌年1月にBillboard Hot 100で39位まで上昇しました。 ご存知のように本曲のオリジナルは1981年に初演されたミュージカル『キャッツ(Cats)』のテーマ曲ともいえる作品で、作詞は『キャッツ』の原作者でノーベル文学賞受賞者でもあるイギリスの詩人T・S・エリオット(Thomas Stearns Eliot/1965年没)の遺稿を基に演出家のトレヴァー・ナンがその一部を付け加えたもので、作曲は『ジーザス・クライスト・スーパースター』『エビータ』『オペラ座の怪人』など誰もが知っているミュージカルに携わった大御所アンドルー・ロイド・ウェバーです。
「A Dream is a Wish Your Heart Makes」は1950年にマーク・デイヴィッド、ジェリー・リヴィングストン、アル・ホフマンが『シンデレラ』のために書き下ろした作品。 “全女性の憧れ”シンデレラが歌うだけあってシェールやベット・ミドラー、リンダ・ロンシュタットなど大物歌姫もシンデレラとは異なる円熟味でカバーしているのに対し、ヒラリー・ダフやディズニー・チャンネル“Circle Of Stars”のバージョンは可愛らしい♪
『Cinderella』というとディズニーのイメージが強いと思いますが、元々は紀元前1世紀のギリシャに起源するとされ、そこから民間伝承として世界中に派生していったようです。 ディズニー版は17世紀フランスの詩人シャルル・ペローによる『サンドリヨン(Cendrillon, ou la Petite Pantoufle de verre)』を原作としており、子どもを意識したメルヘンな世界観は“魔法使い・カボチャの馬車・ガラスの靴”といったお馴染みの概念が描かれています。
The special secret of making dreams come true can be summarized in four C’s. 夢を叶える秘訣は、“4つのC”に集約される。 They are Curiosity, Confidence, Courage, and Constancy. それは“好奇心”“自信”“勇気”、そして“継続”である。 by Walt Disney
「プリテンダー」は1976年の4thアルバム『The Pretender』のタイトル曲で、2ndシングルとしてBillboard Hot 100で58位を記録しました。 レコーディングにはTOTO以前のジェフ・ポーカロなど名うてのミュージシャンがサポートしていますが、実は冒頭で紹介したCS&Nのデヴィッド・クロスビーとグラハム・ナッシュもバック・コーラスに参加しています。 また、同曲は1995年のハリウッド映画『陽のあたる教室(Mr. Holland's Opus)』にも起用されました。
プロデュースはブルース・スプリングスティーンのアルバム『Born to Run』のジョン・ランドーが手掛け(「Born to Run」曲単体のプロデュースはマイク・アペル)、ジャクソンにとって初のBillboard 200でTop10入り(5位)を果たした名作で、ローリング・ストーン誌“the 500 greatest albums of all time”の391位にランクインしています。
And when the morning light comes streaming in …やがて、朝陽が射し込む頃 We'll get up and do it again 起きて、君と僕はまた愛し合う Get it up again(※)
歌中で何度か登場する数少ないフレーズです。 【do it again】は、他では淡々と繰り返される時の流れを映し出しているのに対し、ここは前後から肯定的なニュアンスを感じさせます。 そのせいか、非常にマジメな作品に於いて唯一暴走気味! 【Get it up】は“起こす”のは言葉の通りですがスラングで、愛し合うために“男はitを起こさねばならない”… つまり、“下ネタ”になっておりまして…!?(訳は自粛)
今回私を一番悩ませたのが、すぐ上の And then we'll put our dark glasses on で、“愛し合うのに何故【サングラスを掛ける】?”という疑問でした。 でも、それに続くこの部分で【朝陽が射し込む頃】なのに【do it again(もう1ラウンド?)】挑もうとするタダならぬ執着心に気づき、“朝になろうと、サングラスを掛ければ二人の夜は終わらない!”なのだという解釈に至ったのです。