I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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「ハーヴェスト・ムーン」ニール・ヤング

2021.09.10

category : Crosby, Stills, Nash & Young

Neil Young - Harvest Moon (1992年)

今夜、いい夢をみる前にちょっと踊りに出掛けませんか?ハーヴェスト・ムーンの明かりの下へ

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


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tags : 1992年 フォーク・ロック 優しい愛 月/星 

comment(6) 

「ムーン・リバー」オードリー・ヘプバーン

2016.09.09

category : Soundtracks

Audrey Hepburn - Moon River1 Audrey Hepburn - Moon River2


Audrey Hepburn - Moon River (1961年)



~中秋の名月~

2016年の“八月十五夜(十五夜)”は、9月15日(木)。
…ということで、今年もここで“月”の名曲をご紹介いたします。
でも今週は全国的に雨模様が続き、月曜の時点で15日木曜の予報は…。

一方、今年の夏は空梅雨から記録的猛暑の流れがあり“嫌な予感”がしていたところ、やはり“その修正のやり方は乱暴”なものであり、8月末からの台風は各地に大きな被害をもたらしました(ただし利根川上流8ダムの貯水量は9/9現在、平年比103%に回復)。
穏やかな秋となるよう、願いを込めて…。



~概要~

オードリー・ヘプバーンはアメリカン・フィルム・インスティチュート (AFI)の“最も偉大な女優3位”にも数えられるハリウッド女優であり、スレンダーで妖精のような美しさとかわいらしさを併せ持つ彼女は日本でも特に女性の憧れとして長く愛され続けました。
『ローマの休日』(1953年)、『麗しのサブリナ』(1954年)といった彼女の魅力を最大限に引き出す運命の作品とめぐり合い、一躍大スターへの階段を駆け上がったことは誰もがご存じのことでしょう。
そして1961年、再びオードリーのキャリアを語る上で欠かせない作品と出あうことになります…。

「ムーン・リバー」は、1961年のオードリー主演映画『ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany’s)』の(非公式の)主題歌です。
作詞;ジョニー・マーサー/作曲;ヘンリー・マンシーニによって創られた楽曲であり、劇中では3つのバージョンを聴くことができます。
1つは主人公ホリー(オードリー)がニューヨーク5番街にある宝石店『Tiffany & Co.』の前で朝食のパンを食べる有名なオープニングでのインストゥルメンタルver.、2つ目はホリーが劇中で歌う歌詞ありver.、3つ目はオリジナルをアレンジした「Moon River Cha Cha」です。

このうちヘンリー・マンシーニ楽団による“1つ目”の「Moon River」がシングル・カットされBillboard Hot 100の11位、これらを収録した『ティファニーで朝食を』のサウンドトラックはアルバム・チャートBillboard 200でNo.1を記録し90週間ランク・インする大ヒットとなりました。
これを受けて「ムーン・リバー」は“アカデミー歌曲賞”、グラミーでも“最優秀レコード賞”・“最優秀楽曲賞”・“最優秀編曲賞”という最高の栄誉を受賞しました。

ただし、この輝かしい栄誉には本記事の主役である“オードリーの歌唱ver.”は含まれてはいません。
何故なら、オードリーが劇中で歌った「ムーン・リバー」はサウンドトラック・アルバムには含まれていなかっただけでなく、その後もずっと正式な音源としてレコードやCDに記録されなかったためラジオでも流れづらく、一般的にはカバーの一つであるアンディ・ウィリアムスver.の方が有名になるという現象を生みました。
しかしオードリー死後の1993年、彼女が劇中で歌った「ムーン・リバー」はベスト盤CD『Music from the Films of Audrey Hepburn』に初めて収録され、2004年にはオードリーの「ムーン・リバー」が映画音楽の歴史的名曲として『アメリカ映画主題歌ベスト100』の4位に選出されています。


 



~Lyrics~

I'm crossing you in style
いつの日か、きっと
someday
胸を張って、川の向こうへと辿り着きたい

 

OPで、ホリーが『Tiffany & Co.』のショー・ウインドウ前でパンを食べるシーンが浮かびます…。
『Breakfast at Tiffany’s』というタイトルは、“ティファニーで朝食を食べる身分になりたい”という主人公ホリーの願望を象徴するものです。
ちなみにこのシーンでオードリーが身につけているジバンシィのシンプルな黒のカクテルドレス (Little black Givenchy dress of Audrey Hepburn)は、“史上最も有名なドレス”といわれているのだとか!

“玉の輿”を夢みて近くの安アパートに暮らし、精一杯のオシャレをしてティファニーのショー・ウインドウを見つめるホリーですが、そのたったガラス一枚の向こうの世界はどう映っていたのでしょう。
このシーンで流れる歌詞のない「ムーン・リバー」は、どこか彼女を見守っているかのようにやさしい…。 


We're after the same rainbow's end
ふたりひとつの“虹の終わり”を追い求めたい
Waiting round the bend
その“入口”で待っていて

1行目は【pot of gold at the end of the rainbow(虹の先が地面に接する所に黄金入りの壺がある)】という伝説に基づいた表現と思われます…。
そして、二人は“同じ見果てぬ夢【the same rainbow's end】”を追い求める同志です。
【bend】は[曲がり目]のことですが、私は“虹の入り口”と解釈しました。

ホリーの当初の【rainbow's end】は、きっと“誰にも縛られない自由”と“Breakfast at Tiffany's”でした。
でもそれは彼女ひとりのための夢であり、実際ポール(ジョージ・ペパード)に求愛されても“人は誰のものでもないわ。私は、誰の鳥籠にも入らない”と突っぱねています。
その心の氷を解かすのも、最終的にやっぱり彼の言葉だったわけですが…。


My huckleberry friend
私のハックルベリー・フレンド
Moon river and me
あなた、そして私…

【huckleberry】は一般にマーク・トウェインの小説『トム・ソーヤーの冒険』で主人公の“相棒”として登場するハックルベリー・フィンと認識されていますが、作詞者ジョニー・マーサーの自伝によると“幼少のころ一緒に川下りをした彼の友人”をイメージしたものだそうです。
【Moon river】も、ジョージア州サバンナにあるジョニー・マーサーの実家の下を流れる“The Back River”をイメージしたものとされます。

何れにしても、作詞者ジョニー・マーサーにとって“Moon River”は幼少期に起源する現在進行形の大切な想いを象徴するものなのかもしれません…。



~Epilogue~

『ティファニーで朝食を』原作者のトルーマン・カポーティは主人公ホリー役にマリリン・モンローを据えることを条件に映画化を承諾したといわれます。
原作でのホリーは娼婦であり、“セックス・シンボル”と称されたマリリンこそ適役と思われましたが当の本人に拒否されてしまい、その代役として浮上したのがおよそそれに似つかわしくないオードリーでした。
ところがそのオードリーにも“娼婦の演技はできない”と言われ、“娼婦ではないホリー”として脚本が書き換えられた経緯があったそうです。


一方「ムーン・リバー」作曲者のヘンリー・マンシーニはマリリンをイメージした曲がどうしても浮かばず悩んでいたものの、主役がオードリーに替わった途端メロディが自然に浮かんできたといいます。
“「ムーン・リバー」はオードリーに出会ってメロディが浮かび、オードリーの声域に合わせて創ったんだ…”

そういう経緯があったせいか、オードリー自身も「ムーン・リバー」をとても気に入っていました。
彼女が劇中で歌うシーンは今でも歴史に残る名シーンとして認識されていますが、映画の制作過程に於いてある日、配給元 パラマウント映画の社長が“あの歌(オードリーが歌うシーン)は削った方がいい”と言い出し、これに対してオードリーが“いいえ、絶対削らせません”と断固食い下がったためこのシーンが残されることになったというエピソードがあります(感情論はともかく、歴史に残る名シーンと評される程のものを嗅ぎ分けられない映画会社社長の嗅覚というのも、どうかと思う)。

マンシーニは言います…
“この曲はその後千回以上も録音されたけれど、いつもオリジナルを聴きたくなる。オードリーは心を込めて歌っていて、歌詞に魂が感じられるんだ。彼女の歌う「ムーン・リバー」が一番好きだ”

マンシーニはこの曲でオードリーと出逢って以来、33年間ずっと彼女に片想いをしていたという説もあります《写真》。
もしこれが本当だとしたら「ムーン・リバー」は“一人の男の、手の届かぬ女への慕情”であり、その“主人公はマンシーニ”“【Moon River】はオードリー”だったという仮説も成立し得るのかもしれません。
そして彼はオードリーがこの世を去った翌年、1994年に彼女の後を追うように70年の人生を終えています。

最後にご紹介するのは1961年に作者であるマンシーニとジョニー・マーサーが録音したデモver.
マンシーニのオードリーへの想いを歌詞に重ね合わせ、お聴きください…。

Audrey Hepburn - Moon River3  

Moon river, wider than a mile
Moon River...きらめく川面が、1マイル彼方まで広がっている
I'm crossing you in style someday
いつの日かきっと、胸を張って川の向こうへと辿り着きたい…



「ムーン・リバー」


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tags : 1961年  月/星 映画-60's グラミー最優秀レコード賞 グラミー最優秀楽曲賞 アカデミー歌曲賞 歴史的名曲 

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「デザート・ムーン」デニス・デ・ヤング

2013.09.17

category : Styx

Dennis DeYoung - Desert Moon1 Dennis DeYoung - Desert Moon2


Dennis DeYoung - Desert Moon(1984年)


~9月19日は“十五夜”~

もうすぐ、十五夜。
十五夜のことを“中秋の名月”とも呼びますが、これは中秋(旧暦8月)の十五夜(15日の夜)前後が満月になるということに由来し、2013年は9月19日がそれに当たります。
…ということで、今回はお月さまを見上げたくなるような、そんな素敵な“月の歌”です♪


~概要~

デニス・デ・ヤングはアメリカのプログレッシブ・ロックの系譜に属するバンド“スティクス(Styx)のヴォーカリスト(&key)でした。
得意の“泣き節”「ベイブ」に加え、特に日本では“ドモ アリガト…”の日本語を用いた「ミスター・ロボット」が有名で、近年も日本の映画『ロボジー』の主題歌としてミッキー・カーチスらが歌って話題となりました。
この1983年はシングル・アルバム共に好調だったにも関わらず、同時にメンバーの亀裂によりバンドは立ち行かなくなってしまいます。

それでは…ということでリリースされたのが1984年のデニス初のソロ・アルバム『Desert Moon』でした。
タイトル曲でもあった「デザート・ムーン」は1stシングルとしてカットされ、Billboard Hot 100で10位を記録しています。
「ベイブ」に連なるサスガの泣き節で、こうしたしっとりした作品の方がデニスには佳曲が多いし彼の声質に合っているといえるでしょう…。


~Story~

「Desert Moon」は直訳すると“砂漠の月”で、これはアメリカの人気SF小説シリーズ『デューン/砂の惑星(Dune)』にヒントを得ているといわれ、スティングが俳優として出演した映画化作品が公開され話題となったのも、ちょうどこの年(1984年)でした。

ただしデニス自身によると“Desert Moon”は現実の場所や月を指すのではなく、“心の中にある何処か”を意図しているようです。
そのストーリーに、少し触れてみることにいたしましょう…。

まず、物語は列車で一人の女性(少女?)に出逢うことから始まります。
それをきっかけに、主人公の男性は初恋や若い(幼い?)頃を振り返る…という展開。
二人がお茶を飲みながら語り合うクダリは現実か想像なのかは私には断定できませんが、ミステリアスな“Desert Moonへの旅の入り口”と想定するとちょっとワクワクしませんか…?
間奏を挟んで、男はDesert Moonへの旅を振り返りますが、彼は一体この旅で何を得たのでしょうネ…。


~私たちにとっての“Desert Moon”~

子どもは生まれついた瞬間から、大人を目指して日々成長します。
大人のすることを何でもマネしながら、時に“大人って正しいの?”と葛藤したりして。
そう、大人って必ずしも正しくないですよねっ!
ある意味、大人とは“妥協の産物”であり、その蓄積が現在の自分であるワケですが…。

子どもって、ただ大人に劣るだけの存在なのでしょうか?
彼らは、自分の中にある“子ども”を否定する事で大人へと成長を遂げるものです。
そのせいか、大人になってからも“子どもは大人の未熟形”と認識する人も多いでしょう。

でも、子どもは大人に劣った存在ではありません。
大人には無い、優れた能力を持ち合わせています。
何故なら、多くの人は大人への成長と引き換えに“大切なそれ”を失ってしまうから。
それを極力損わず成長した大人の例がたぶんスティーヴン・スピルバーグや宮崎駿らで、彼らは“子どもの心”で“大人の技術”を巧みに操り作品を創作してきました。

しかしこれはクリエイターではない私たち一般人の、より良い人生にも大切な要素であり、デニスはそれを“Desert Moonに置き去りにしてしまった”と歌っています。
そして、こう付け加えました。

All the words we meant to say
互いに伝えたかった全ての言葉や
All the chances swept away
押し流された全てのチャンスは
Still remain on the road to the dune
まだ、砂丘への途にある…


19日は、満月の十五夜…
あなたもDesert Moon行きの列車で、出掛けてみませんか?
忘れていた、大切な何かを取り戻すために…。

よいお月見日和を願っております♪



「デザート・ムーン」




Writer(s):Dennis DeYoung /訳:Beat Wolf

~Lyricsはこちら~


“ねぇ、この列車はデザート・ムーン行き?”
女の子の言葉はそれだけだった
でも、見知らぬ彼女のその声には
聴き覚えがあった
振り返って確かめようとしたけれど
その姿はもう、そこにはなかった
すると、彼女は雨の中に立っていて
懸命に僕の名前を呼ぼうとしていた
人はいう…“初恋は、忘れ得ない想い出”なのだと

ウェイターは、小さなカップに二人の想い出を注ぐ
僕らはずっと尋ねたかった言葉が上手く言えず
叶わなかった夢について語り合った
突然、出発を告げるホイッスルが夜の静寂を支配し
二人の夢の時間を振り払うように
時を置かず、最終列車は月へ向かって走り出した…


あの夏の夜
あの頃…僕らはまだ若く
何でも叶うと信じてた
結局、果たせず
夢みていただけの
夢追い人
でも、焦っていたんだ
はやく大人になりたくて…
だから、純粋な心を置き去りにしてしまった
デザート・ムーンに
夢みていただけなんだ
ただ、夢追い人として

On Desert Moon…
Desert Moon

あの夏の夜のささやきは、今も耳に残り
まだ心の片隅に、こだまし続けている
あの夜、二人は砂漠への列車を待っていた
互いに伝えたかった全ての言葉や
押し流された全てのチャンスは
まだ、砂丘への途にある…

*

あの一瞬は過ぎ去り
時は移り変われど
夢が消え去ることはない
それを強く望んでいる限り
そこに夢追い人がある限り
夢を追う、すべての人よ

On Desert Moon…
Desert Moon


過去の“月”作品…
「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」クリストファー・クロス

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

tags : 1984年 AOR ピュアな愛 月/星 

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Author:Beat Wolf
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