I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と詳しい解説でお届けします♪

「フリー・フォーリン」トム・ペティ

2017.10.13

category : Tom Petty

Tom Petty - Free Fallin1 Tom Petty - Free Fallin2


Tom Petty - Free Fallin' (1989年)



~Tom Petty 1950–2017 R.I.P.~

現地時間10月2日20時40分、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのトム・ペティが亡くなりました(享年66)。
2日早朝に自宅で心肺停止に陥り病院へ搬送されたものの、その時点で既に脳の活動が見られず、夜に生命維持装置が外されたと伝わっています(11日の時点で死因は“保留”と報じられている)。

トムと同じく“アメリカの良心”を象徴するボブ・ディランやブルース・スプリングスティーン、イギリスを代表する元ビートルズのポール・マッカートニーとリンゴ・スターも哀悼の意をメッセージしました。
また、当代を代表する歌姫テイラー・スウィフトは“私にとってトム・ペティは自分が崇拝していたある種のソングライティングを代表する存在であり、彼がインスピレーションを与えてくれたお陰で「Free Fallin'」を弾けるようギターを手に取った”とその憧れの気持ちを告白しています。

以下、本記事をトム・ペティに捧げます…。



~概要~

アメリカのシンガー・ソングライターであるトム・ペティは1976年からトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ(Tom Petty and the Heartbreakers)として活動を続けてきましたが、1989年には自身初のソロ・アルバム『フル・ムーン・フィーヴァー(Full Moon Fever)』を発表しました。
本アルバムのプロデュース及び共作者には『Cloud Nine』でジョージ・ハリスンを復活に導いたイギリスのロック・バンド【ELO】 (Electric Light Orchestra)のジェフ・リンを迎えて制作されており、『Full Moon Fever』は“聴き所で満たされたアルバム”と評されBillboard 200の3位と、自身過去最大級のヒットを記録しています。

「フリー・フォーリン」はトム&ジェフが2日で完成させたとされる曲で、ギターにはハートブレイカーズのマイク・キャンベルが参加しています。
1989年9月に『MTV Video Music Awards』 でハートブレイカーズ及びGuns N' Rosesのアクセル・ローズとイジー・ストラドリンと共に「Free Fallin'」をパフォーマンスしており、その後10月にアルバムからの3rdシングルとしてリリースされBillboard Hot 100で7位(1990年の年間64位)を記録、これは彼の生涯で最も成功したシングルです。

スティーヴィー・ニックスやスパンダー・バレエのトニー・ハドリー、P!nk、Keshaほか性別や世代、ジャンルを問わず多くの歌手にカバーされていますが最も有名なのは2007年にライヴ・アルバムにも収録されたジョン・メイヤーでしょう。
翌2008年『第42回スーパーボウル』ではトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズとしてハーフタイムショーで「Free Fallin'」をパフォーマンスしました。
本曲の普遍的価値については、ローリング・ストーン誌も“500 Greatest Songs of All Time 179位”と評価しています。


トム・ペティについて、日本ではピンとこないかもしれませんが本作発表以降も長年アメリカで高い人気を維持し続けた希少なロック歌手であり、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ名義の最新アルバム『Hypnotic Eye』(2014年)も Billboard 200のNo.1に輝くなどセールスも好調で、今年はハートブレイカーズ40周年を記念した全米ツアーを行いました。
その最終公演であり、結果として彼自身生涯最期のコンサートとなってしまった2017年9月25日のハリウッド・ボウルでは「American Girl」を歌う前に“俺たちにはもうほとんど時間は残されていないけど、ここでこの曲をやる時間は残されている”という意味深な発言をしていますが、「Free Fallin'」の生涯最期のパフォーマンスがファンによって投稿されています。


  
 



~Lyrics~

She's a good girl, crazy 'bout Elvis
あいつはいい娘…エルヴィスにお熱を上げ
Loves horses and her boyfriend too
馬も、ボーイフレンドも愛してる

エルヴィス・プレスリーは、トムに音楽への興味を芽生えさせた人。
1961年の夏、当時10歳だったトム少年は特にエルヴィスのファンだったわけではありませんでしたが、彼の叔父がエルヴィスの映画のスタッフを務めており、近くで撮影(翌年公開の『夢の渚 Follow That Dream』)があるから見に来ないかと誘われたのがきっかけでした。

初めて見たエルヴィスの衝撃を、“エルヴィスは幻想のようだった。それまで僕が知っていた人間とは全然違うんだ。全身が光に包まれていて、神様みたいだった。”…トムはそう語っています。
この出来事で彼は一気にエルヴィスの虜となり翌日初めてレコード『G.I.ブルース』を購入、家族も心配するほどエルヴィスを聴き続けたそうです。


All the vampires walkin' through the valley
ヴァンパイアたちは皆、ザ・バレー(valley)を抜けてゆく
Move west down Ventura Blvd.
ベンチュラ大通りを西へと下り

トム・ペティはアメリカ東南部フロリダ州の出身ですが、バンド活動のため西海岸のカリフォルニア州ロサンゼルスに移住しており、歌詞には多くの地名が登場します。
【the valley】はロサンゼルス郡の一区[San Fernando Valley(サンフェルナンド・バレー)]を指しワーナー・ブラザーズ・スタジオやNBCスタジオなどメディア関係の会社が集中し、スターや業界人も多く住む華やかな地区です。

一方、当地はポルノ産業の要地でもあり、[女の子たちに群がるヴァンパイア(吸血鬼)]って“そういう男たち”のことを仄(ほの)めかしているのかもしれません。


I wanna glide down over Mulholland
マルホランドの空をグライドし下りたい
I wanna write her name in the sky
空に、あいつの名前を描きたい

マルホランドは正確には[Mulholland Drive]といい、ロサンゼルス北部の山を横断する曲がりくねった山道です。
ハリウッドを一望できる人気の“ドライブ・スポット”であり、夜景はまた格別でしょう。

「Free Fallin'」のPVにもそれらしき映像が組み込まれており、2001年のデヴィッド・リンチ監督の映画『マルホランド・ドライブ』の舞台となったのもこの地です。





~Epilogue~

「Free Fallin'」の魅力を端的に象徴しているのが、トム・クルーズが主演した1996年の映画『ザ・エージェント(Jerry Maguire)』
この映画は、スポーツ選手の代理となって契約交渉を行う【スポーツ・エージェント】(agentは[代理人])の物語で、以前は日本で耳慣れない職業でしたが、プロ野球の野茂英雄選手のメジャー移籍時にクローズアップされた団野村氏や松井秀喜選手のアーン・テレム氏といった名前に覚えがある方も多いでしょう。

トム・クルーズ演じるジェリー・マグワイアは一流事務所に所属するやり手のエージェントでしたが、自分たちが目先の金儲けばかりに囚われる余り本来あるべきエージェントの使命やあたりまえの人間性さえも失っていることに気づき、クライアントの数を減らし一人ひとりへのケアの充実を図る運営を提案すると、事務所側の返事は彼の解雇でした。
ジェリーはその信念に基づき独自の起業を決意するものの、彼の誘いに応じついて来てくれたのは事務員とクライアントそれぞれ1人だけでした。
そんな彼が初めてドラフトの目玉新人のクライアントを獲得できた帰りの道すがら…



このシーンが素敵です!
…いろいろあった彼の気持ちを想像しながら聞いてくださいね?

車のラジオからローリング・ストーンズの「Bitch」(下ネタ系の歌)が流れ、口ずさもうとしますが違和感からすぐチャンネルを変えてしまいます。
続くセンチメンタルなメリリー・ラッシュ「Angel of the Morning」、静かなグラム・パーソンズ「She」でもなく…
次のチャンネルから流れてきたのがこのフレーズ…

And I'm free, free fallin'
そうさ、自由…
Yeah I'm free, free fallin'
何に縛られることもなく、俺は墜ちてゆく

ジェリーの表情は一変し、運転しながら全身で喜びを溢れさせ絶唱しています! 
(ただしこの交渉は騙されていたことが後に判明する)


【free fall】は[自由落下]で、厳密には物体が空気抵抗などの影響を受けず重力の働きだけ(真空)で落下する現象です。
この概念から解釈すると、自由とは束縛からの解放であり、その瞬間から物体は重力に従い落下することになります。
それを人間の事情に置き換えるなら、“人は自由に任せると堕落する運命にあり”、[それを留まらせるためには何らか手段を自前で用意する必要がある]ということでしょうか…
これだけだと自由に何の得もないことになりますが、“自由の最大の魅力は希望”であり、束縛・固定されていないので[何処へでも行けるし努力次第でより高い次元へと浮揚することも可能]です。

確かに身体的成長の止まった大人の能力は訓練しないとただ衰える一方であり、だからこそ[free]でなく【Free Fallin'】として“落ちてしまわぬよう、もがき続ける必要がある”という応援のメッセージを込めたのではないでしょうか…。
何故なら、それこそが“生きるものが背負わねばならない宿命”だから。
時代が変わってもこの歌が新しい世代に歌い継がれるのには、そんな理由があるのかもしれません。

ただ、「Free Fallin'」の歌詞を見ていると何か不自然さがあって、スッキリしません。
その原因は3番の歌詞で、試しにこの部分を抜いて1・2・4番だけで構成するとストーリーがスッキリするのです。
1・2・4番では[a good girl]と[a bad boy]の物語で、3番だけ[the good girls]と[the bad boys]と複数形で表され全然別の話になっていることに気づきます。
これは個人的見解ですが、“「Free Fallin'」はトム・ペティの若かりし頃の淡い恋の歌で、照れ隠しに3番を入れたのでは?”…と。

そう考えてみると、あなた自身は全然解き放たれていなかったのでは…トム? 
(そういえばPVで[a good girl]が見つめる写真の男性って、たぶん若い頃のトム・ペティ?)



「フリー・フォーリン」

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「トゥルー」スパンダー・バレエ

2017.10.06

category : 1980年代

Spandau Ballet - True1 Spandau Ballet - True2


Spandau Ballet - True (1983年)



~不都合な[true]と、好都合な[false]の駆け引き?~

【true(真実の)】には“好都合なもの”もあれば、“不都合なもの”もあります。
2017年7月、「True」のヒットで知られるスパンダー・バレエが選択したのは、私たちにとって“不都合なtrue”でした。
それは、“このバンドとはもうパフォーマンスしない”と、ヴォーカルのトニー・ハドリーが脱退を宣言してしまったからです。

心を偽って現行を続けるか、それとも心の真実のままに新しい道を進むか…
人生を左右する判断は、誰にとっても難しいものです。
政治の世界に於いても…。



~概要~

スパンダー・バレエは1981年にデビューしたイギリスのニュー・ロマンティック系バンドで、本国では当初より人気を博しています。
1983年の3rdアルバム『True』のタイトル曲「True」は初めて全英No.1(4週/年間6位)に輝いただけでなく、アメリカでも初ヒットとなりBillboard Hot 100で4位(年間92位)まで上昇、世界21カ国で1位を遂げた彼らの代表曲となりました。
楽曲はバンドのギタリスト、ゲイリー・ケンプが書いたもので、歌詞は当時彼が熱を上げていたAltered Imagesのリード・シンガーだったクレア・ローガン(Clare Grogan)との関係を題材としており、ゲイリーによると“二人はプラトニックだった”と語っています。
スパンダー・バレエ自体の人気は以降、下降線でしたが1984年のバンド・エイド「Do They Know It's Christmas?」や、翌年の『Live Aid』にも参加しました。


「True」はカバーやサンプリングに使用されることも多く、1991年にP.M.ドーン(P.M. Dawn)が本曲をサンプリングした「Set Adrift on Memory Bliss」はオリジナルも成し得なかった全米No.1を達成し、2005年にネリーも同様の手法で「N Dey Say」という作品を発表しました。
こうしたカバーの多さが示すように、2015年のイギリスのテレビ局の調査でも“1980年代のお気に入り曲の10位”にランクされるなど、息の長い人気を得ています。

また、意外な思い出を告白しているのが小泉今日子で、当時運転免許を取ったばかりの彼女は一人でドライブをするのが好きで、「True」をカセット・テープでよく聴いたそうです。
実はこのテープ、当時のボーイフレンドが編集してくれたものだそうで、それを聴いて“秘めたる恋”の淋しさを温めたといいます。
彼女が44歳となった2010年のある日、ドライブ中のFMから「True」が流れ、胸がキュンとなりました。
しかしそれはもはや恋ではなく良い思い出となっていることに気づき、時が過ぎたことを実感したのだそうです。

 

 



~Lyrics~

Take your seaside arms and write the next line
君の入り江へと導いておくれ…きっと次の一行を描き出すから
Oh, I want the truth to be known
あぁ、本当の気持ちを知ってもらいたい…

「True」はバンドのギタリスト、ゲイリー・ケンプが書いた作品ですが、これはロシア出身の作家ウラジーミル・ナボコフの1955年の小説『ロリータ(Лолита - Lolita)』にインスピレーション受けており、クレア・ローガンに本をもらったことがきっかけでした。

中でも[Take your seaside arms]と[With a thrill in my head and a pill on my tongue]はこの小説の一節からの引用だそうです(部分的に変更しているらしい)。
正直[your seaside arms(あなたの海岸の腕)]の解釈については全く確信が無く、小説の内容も知らないのでフォローのしようもありません。
イメージとしては“二人にとって特別な[arm(腕のような形をした)]海岸”というイメージを抱いていますが…。


Listening to Marvin (All night long)
(一晩中)マーヴィンを聴いていると
This is the sound of my soul
これは、僕の心の声…

[With a thrill in my head and a pill on my tongue]が張りつめた神経を解きほぐしてゆく…
そのセンテンスに続く部分です。
ここに登場する【Marvin】は「What's Going On」で有名なアメリカの歌手マーヴィン・ゲイのことであり、彼へのオマージュが込められていると言われています。
楽曲自体も1960年代のモータウン・テイストとなっており、トニー・ハドリーのソウルフルなヴォーカルと合わせてこの年代を代表する“ブルー・アイド・ソウル”作品です。



~【理不尽な政治運営】が招いた【理不尽な選挙戦】~

圧力によって歪められた岩盤が耐え切れず地震を引き起こすように、大きくて無理矢理な衝撃を突然与えるとそれに比例した大きな反発力が生じるのは、物理に限らない道理です。
一国の総理大臣である安倍晋三氏本人が疑惑の当事者である【森友・加計学園への国政私物化疑惑】について、憲法53条に基づいて開催する義務のある臨時国会で、一連の疑惑を“謙虚に、真摯(しんし)に説明責任を果たす”はずだった安倍首相が国会の冒頭で宣言したのは疑惑に対する説明ではなく、【天皇の国事行為の権限に乗じた衆議院解散(憲法7条)】でした。

この変事を好機到来とばかりに、昨年就任した現職の東京都知事であり今年7月の都議選で自らが代表として率いた[都民ファーストの会]を大勝利に導いた小池百合子氏が9月、急遽自らを代表とする国政政党【希望の党】を立ち上げ世間をアッと驚かせたのは記憶に新しい所です。
しかしその理不尽な衆院解散を震源とする余震は、9/1に新しく党首を迎えて結束を新たにしたばかりの民進党をも揺るがし、両党首の合意により【野党第一党・民進党が解党し、実績も党是さえ定まっていない希望の党に合流】するという前代未聞の事件へと発展、続く小池氏の“リベラル派は排除”発言は反発を生み更なる分裂を誘発しました。


紛らわしい[リベラル]と[保守]、[左]と[右]…

これらを政治的な概念として捉える時とても曖昧であるだけでなく、多くの矛盾を内包しており誤解を招き易い区分といえます。
たとえば【リベラルliberal】は“自由な、偏見のない”という意味で、日本では自由民主党が英語名[Liberal Democratic Party of Japan]を名乗っていますが自らは保守と称しており、現在の政党で一般にリベラルと呼ばれるのはそれと対照的な共産党・社民党・立憲民主党(今回、枝野幸男氏が結成した新党)です。
リベラルは“個人の自由や権利を尊重する立場”であるため福祉政策を重視(旧民主党の“コンクリートから人へ”は有名ですね?)するのは世界共通ですが、リベラル先進国である北欧では消費税25%は当たり前であるのに対し、日本のリベラル政党の多くは消費税を上げるのに消極的です(人気取りの側面もあるし、それ以前に日本の借金が多過ぎる)。
また、[保守]は“現状の制度や思想を維持する立場”ですが日本の保守政党は何れも[改憲]を訴え、リベラル政党が[護憲]を唱えています。

[左][右]の思想は、[平等な社会][保守・愛国]という一見全く異なる概念ですが、国民に対する大義名分が違うだけで、“全体のため個人の自己犠牲を求める【全体主義】の思想”という意味で同質です。
権力者に絶大な権限を与え迅速な意思決定と大きな成果を得ることも可能である反面、権力者が余程公正な心の持ち主でなければ支配側だけが不当に利益を得る汚職の温床になりがちで、更にその性質上【独裁】を生み易いため、歴史的にもソ連や中国の文化大革命、後者はナチス・ドイツや戦前の大日本帝国といった政策の過ちによる大惨禍を招くことがあります。



~嘘いつわりのない、真の民主主義を目指して~

今回の[小池の乱2(勝手に命名)]で改めて痛感させられたのは、保守系議員の多さです。
あれだけ安倍政権による安保法や共謀罪法、森友・加計疑惑などで民意に反する政治運営に国民がうんざりさせられたにも拘らず、いざ選挙となると新たに増えるのが安保法や共謀罪法の発想に賛成の立場の保守系政党や議員であることに、失意を抱かざるを得ません。
何故なら、これまででさえ国民の大半が“No!”を突き付けた法案も、議席の2/3を占める与党+保守政党が“Yes”といって何度も強行採決を許してしまっているのに、それに抗する中心だったリベラル系の民進党が無くなり安倍首相とほぼ同じ思想信条の小池氏の意向で統一された希望の党が加わったら、かつて以上の議会軽視の専横が行われる懸念があるからです。
あるいは、選挙で民意が選択したはずの政権が確定されず、選挙後に各保守系政党(+公明党)間で主導権争いが始まり、連携・連立・分裂・合併などの末に有権者が想定し得なかった政権が成立してしまう可能性さえあります。

このように近年民意が政治や議席に反映されない違和感は、“4割の得票率で7割の議席を与える【小選挙区制】”の問題点と重なります。
よく選挙区間の[一票の格差]についての判決がニュースになりますが、“1位以外の投票が死票となってしまう現在の小選挙区制”も早急に見直されるべきではないでしょうか…。


民進党の前原誠司代表は今月9/28の党両院議員総会で“民進党の衆院議員は、離党したうえで希望の党に公認申請を行う”と発表、その後合流先の希望の党・小池代表の発言や[民進党議員の排除リスト]が出回り、結果民進党は3つに分裂しました。
こうした結果について前原氏は“すべて想定内”とコメントしており、小池氏の証言からも、彼は小池氏が全員を受け入れるつもりがないことを承知で民進党を解党し希望の党へ合流させる方針を出したと思われます。
前原氏は9/27のパーティーで“どんな手段を使っても安倍政権を終わらせる”と演説していますが、このやり方は彼自身が批判している安倍氏の手口と何が違うのでしょう?

一方小池百合子氏は、調べるほど安倍首相に劣らぬ”欺瞞の匂い”を感じます。
希望の党の綱領によると“寛容な改革保守政党を目指す”とあり、衆院選の目玉公約の一つに“2030年までに原発ゼロ”とあります。
しかし小池氏とヘイト(人種差別など)団体との関わりの疑惑と、都知事の慣例としてこれまで続いてきた関東大震災時の朝鮮人虐殺事件犠牲者への追悼文の送付を拒否したという事実、希望の党公認のための政策協定書にわざわざ[外国人に対する地方参政権の付与に反対する]条項を入れていることは、果たして寛容な保守と呼べるのだろうか…?
また、彼女にはこれまで脱原発に熱心に取り組んできたという経歴はなく、むしろ福島第一原発事故の数カ月後の時点で“再稼働のためのロードマップを作れと主張”したという記事がありました。
現在も彼女は東京電力の4番目の大株主である東京都の知事として、先日報じられた柏崎刈羽原発の再稼働について反対を提案できる立場にあるにも拘らずそれを行使していないこと、2003年に雑誌『Vоice』で“軍事上、外交上の判断において、核武装の選択肢は十分ありうる”との発言があります。


私たちの社会生活に於いて、その最も根幹にあるものは【true(真実の)】です。
どんなにオイシイ儲け話も、詐欺師に大金を預けたりはしません。
政治もそれと同じで、どんなに崇高な理念を持ち、どんなに魅力的な政策を並べようと、嘘をついたり公権力を私物化したり、人を差別し邪魔者を陥れたりする人間に、私たちの大切な生命と財産、憲法が保障する権利を預けるべきではありません。
今回の衆院解散の経緯や選挙後に起こり得る政界の混迷を考えると本当にバカバカしくて係わりたくなくなりますが、そんな腐った政治状況だからこそ私たち主権者がこれを正すための一票を投じなければならないと思うのです。
これまでの選挙だって、半数の棄権した人たちが投票してくれていたら全く違っていたはず…。

どうかこの選挙を、印篭の出ない水戸黄門にしないでください。
私たちの一票こそが、印篭です。
悪代官は、それを最も恐れています。



I know this much is true
これこそが真実



「トゥルー」

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「ステイ・ウィズ・ミー」ピーター・セテラ

2017.09.29

category : Chicago & Solo

Peter Cetera - Stay With Me1 Peter Cetera - Stay With Me2


Peter Cetera - Stay With Me (1987年)



~Stay With Me... 月に想いを~

旧暦“八月十五夜”は月が1年で最も美しいとされ、“中秋の名月”とも称されます。
今年は10月4日が当日ですがこの日の月は正確には“まんまる”ではなく、2日後の10月6日3:40に満月となります。
本ブログではこれまで…

 「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」クリストファー・クロス
 「デザート・ムーン」デニス・デ・ヤング

ほか“月の名曲”を何曲もご紹介してきましたが、今回の「Stay With Me」も実はその関連曲となっています。
詳細は、引き続き本文記事をお楽しみください♪



~概要~

ピーター・セテラは1960年代からアメリカのロック・バンド“シカゴ(Chicago)”のヴォーカリストとして、“Million Dollar Voice(100万ドルの声)”と称された歌手です。
1986年にシカゴを脱退しソロとして『ベスト・キッド2』の主題歌「Glory Of Love」、続く自身のアルバムから「The Next Time I Fall」を連続して全米No.1に輝かせるなど、改めてその才能を世に示しました。

その翌年の1987年に単発で「Stay With Me」をレコーディング、同年9月26日に公開の日本(東宝)の映画『竹取物語』の主題歌として発表、この時の邦題は「STAY WITH ME song for KA・GU・YA・姫)」でした。
こうした経緯から本曲は恐らく日本限定で企画されたシングルで、かぐや姫との惜別をイメージさせる楽曲とピーター・セテラの甘くせつない歌声が日本人の琴線に触れ、オリコン週間洋楽シングル・ランキングで1987年10月第2週付から4週連続No.1に輝いています。

一方、この映画は主演の沢口靖子をはじめ三船敏郎、若尾文子、石坂浩二、中井貴一…といった豪華キャストを配しただけでなく、ウルトラマンの円谷英二が死の間際まで映像化を切望していた企画であり、そのため“かぐや姫が宇宙人”という設定や巨大宇宙船、全長100mの首長竜まで登場するSF特撮映画となっています。
結果、総製作費が20億円にも上ってしまい、この年の日本配給収入6位に相当する14億5000万円を挙げたにも拘らず赤字となってしまいました(ちなみに7位は『ビバリーヒルズ・コップ2』)。


その後1990年代に「Heart of Mine」のボビー・コールドウェルによる「Stay With Me」がフィリップモリス社の煙草パーラメント(PARLIAMENT)のCM曲として、ニューヨークの夜景をバックに日本でオンエアされるようになり、こちらも広く親しまれました。
ボビー・コールドウェルの声質はピーター・セテラと非常に近いため全く違和感がありませんが、そもそも「Stay With Me」の作者の一人こそボビーその人であり、ピーターver.のプロデュースもこの2人によって共同で行われています。

 



~Lyrics~

How can you say it's over
“もう終わり”なんて、どうして言えるの?
What can there be that we can't overcome
二人に乗り越えられないものがあるなんて

かぐや姫が尋常ならざる人生を送るであろうことは、彼女が“竹の中から生まれた”瞬間から想像できます。
竹はピーク時に 1日で1m以上成長するそうですが、さすがに彼女が“生後3ヶ月で髪上げ(女性の成人の儀式)”まで成長するとは誰も想像できません! 

もしもそんな宿命の下に生まれた彼女が恋をしたとして、心のまま行動に移すことができるでしょうか…。
そこまで極端でなくとも、“乗り越えられないもの”が邪魔をすることって現実にもあるような気がします。


Darlin'after all that we've been through
あれこれ、ここまでずっとやってきたじゃない
Nobody else can warm your lonely nights
淋しい夜を温められる男は他にいない

相当な未練を感じさせますが、相手の方は余程の美人だったのでしょう…
かぐや姫の美しさについては、“容貌の清らかさは世に類いなく、男たちは身分を問わず彼女を手に入れたいと願い、昼夜となく家の近くに居続けた”とありますから、現代のアイドル以上の人気?

一方、映画でかぐや姫(加耶)を演じた女優・沢口靖子(当時22歳)も、高校時代すでに校内でファン・クラブが存在し他校から彼女を見るため男の子たちが押し寄せ、その後1984年に第1回『東宝シンデレラ・オーディション』で3万1653人の中からグランプリに選ばれていますから、こちらも負けてはおりません!
(ちなみにこのオーディションの最終3人の中には斉藤由貴もいたそうです)


Why do you turn away
…どうして顔を背けるの?
And you so afraid of needing someone
誰かを必要とするのを、懼(おそ)れているみたい

こういう時、“本当に嫌がっている”のか、“遠慮している”のか、ですが…
かぐや姫の場合、その拒絶ぶりはちょっと度を超えています。

彼女に近づこうとする全ての男性を拒み、皇子や大納言・右大臣…といった大貴族の求婚者には[(天竺にある)仏の御石の鉢]や[蓬莱(中国東の海中)の玉の石]といった無理難題で門前払い、時の帝でさえも会おうとはしませんでした(連れ帰らない約束で最終的に姿を見せた)。
でも、何故ここまで頑なでなければならなかったのでしょう…。



~Epilogue~

“旧暦8月15日は、かぐや姫が月に帰った日”
そして、『竹取物語』最大の謎といえば“かぐや姫はなぜ地球に来て、そして月に帰ったのか”でしょう。

誰もが知ってのとおり物語の冒頭でかぐや姫は竹から生まれたはずですが、彼女自身は“この身は人間世界のものではなく、私は【月の都の人】”とする一方、“故郷へ帰るのにうれしい気持ちはなく、【悲しい思いでいっぱい】”と語っています。
また、その理由については“【前世からの宿縁が無かった】ため出て行かなければならず、月の国の王に【休暇】の延長をお願いしたが許されなかった”と説明しました。

対して、姫を迎えに来た天人の王は翁に“【姫は天上で罪を犯し】、汝の僅かな善行に報いるため下界に下したが、【償いの期間が終わった】”と説明しており、かぐや姫の言葉とは齟齬(そご)があります。
また、彼は地上のことを【穢(けが)れたところ】、翁を【未熟者】【賤しいお前】と呼び、かぐや姫が月の都について【あの都の人は老いも悩み事もない】と言及していることも興味深い所です。

I can't live without you
君なしでは生きてゆけない
So please don't leave me now
…だから、どうか僕を置き去りにしないで


…さて、『竹取物語』の世界をお楽しみいただけましたか?
この物語は千年以上昔(9C後半~10C前半)に成立した【日本最古の物語】ですが、21世紀でも十分通用するファンタジーの概念が組み込まれているなど、この時代の人々の豊かな想像力に驚かされます。

古来より、月は人類にとって夜を灯す明かりであり、空想をかき立てる身近な天体でした。
しかし文明の進化は月を大映しにして“意外とサメ肌”であることを暴露し、月面着陸は月の表面が深海みたいに無機質で“ウサギが餅をつきそうにない”ありさまを、誇らしげに伝えました。

そういえばハイビジョン放送が始まった頃、女優さんが言っていた言葉とも重なります…
“このお肌 見え過ぎちゃうと 困るのよ”
(※“肌のキメまで映って困る”という内容を言っていましたが、川柳は私の創作です)
科学技術って、時々人間の“夢”を邪魔しません? 


でも、やっぱり…
夜空に浮かぶまんまるお月さまは、肉眼で“ぼうっと”みえるくらいが素敵です。



「ステイ・ウィズ・ミー」

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「トーチャー」ジャクソンズ

2017.09.22

category : Michael Jackson

Jacksons - Torture1 Jacksons - Torture2


Jacksons - Torture (1984年)



~マイケル・ジャクソンの“ザ・ハロウィン・アルバム”~

マイケル・ジャクソンといえば世界をアッと言わせた「Thriller」(過去ログ)ですが、彼は“ハラハラ・ドキドキ”が大好き!
そんなマイケルはハロウィンを毎年楽しみにしていたそうで、今回“ザ・ハロウィン・アルバム”というコンセプトの下「スリラー」や「ゴースト」といった“いかにも”なソロ作品に加え、貴重なゲスト参加作品、ジャネットとの兄妹ユニットやジャクソンズからの作品も編集したアルバム『スクリーム』がリリースされることとなりました(配信:9/29、CD:10/4)。

本記事で選曲した「Torture」はその収録作品の一つで、私の大好きな曲でもあります。
ハロウィンには少し早いですが、凝ったミュージック・ビデオも含めごゆっくりお楽しみください♪


Blood on the Dance Floor X Dangerous (The White Panda Mash-Up)



~概要~

「トーチャー」はジャクソンズの5th(ジャクソン5を含めると16th)アルバム『ヴィクトリー(Victory)』からの2ndシングルで、Billboard Hot 100の17位を記録した作品です。
ただしCBSのオリジナル・アルバム以外となるとモータウン時代のジャクソン5のベスト盤には収録されず、かといってマイケルのソロ作品ではないため、後世お耳に触れることが少なかったかもしれません。
(そういう意味で、今回発売される『スクリーム』は貴重)

また、本アルバムは『Thriller』で歴史を塗り替える大スターにまで上り詰めたマイケルの同作後初めてとなるアルバムであり、それに加え1975年以来グループから離れていた三男ジャーメイン・ジャクソンが参加したということで話題になりました(6人編成)。
そして、「Torture」はそのジャーメインとマイケルが2人でリード・ヴォーカルを担当し、ジャーメインはそのままグループに在籍しましたが、Victoryワールド・ツアー後マイケルはソロ活動に専念するためジャクソンズを脱退しました。

「Torture」は長男ジャッキー・ジャクソンがリードして創作した作品で、作詞・作曲はジャッキーとKathy Wakefield、プロデュースもジャッキーが行っており、当初彼は自分がマイケルとデュエットするつもりで書いたものの、そのパートをジャーメインに譲ったようです。
サウンドは本来のジャクソンズの音楽というより、マイケルが『Thriller』で確立させた爽快なロック・テイストの強いナンバーで、本アルバムには『Thriller』同様TOTOが大きくサポートしていますが、「Torture」のドラムスにはジェフ・ポーカロが参加しています。


マイケルもアイデアを出し、映像に費用をかけ過ぎたため制作会社が破産したともいわれるミュージック・ビデオはサスガに見応えがあります。
「トーチャー」の作者でもあるジャッキーが主演しティト、マーロン、ランディが出演していますが、ヴォーカルのジャーメインは出演していません。
マイケルは多忙のため撮影に参加できず、映像の最後に“ワックス・ダミー(蝋人形)”で出演しています《写真・左》!

ただし“「Thriller」仕立て”な映像は見所満載で、歌詞がわかると仕込まれた“ネタ”の意味も理解できるでしょう。
ジャクソンズを模したと思われるスケルトン(がいこつ《写真・右》)のアクションも雰囲気があり、うち一人は“後ろ歩き”しているではありませんか!? 
でもこの映像からわかるのはこの時の“ジャクソンズは5人”という彼ら自身の認識で、この点から考察するとこのアルバムでジャーメインは正式復帰ではなく“ゲスト扱い”の参加だったのかもしれません。
PV制作に於いて、実はもう一人“興味深い人物”が参加しており、当時NBAロサンゼルス・レイカーズの現役チアリーダーだったポーラ・アブドゥルです。
ポーラは“メンバーの強い要望”(※後述)により本作PVで初めて振り付けの仕事に携わることとなり、それがきっかけでジャネット・ジャクソンの振り付け⇒自らがポップ・スターと、シンデレラ・ストーリーを歩むこととなります。

Jacksons - Torture3

 



~Lyrics~

It was on a street so evil
行く手に開(はだ)かる 邪(よこしま)
So bad that even hell disowned it
その邪悪さに、地獄さえこれを遠ざける

実は、Lyricsは少しわかり辛いものとなっており、本ブログでは混在して紛らわしいSheとyouを基本的に[She=you]として独自の解釈を加えながら和訳を進めました。
全体を通して見ると1番の歌詞だけが「Thriller」みたいに“おどろおどろしい”内容となっていますが他は“失恋ソング”のようであり、元々失恋ソングだったものを途中から「Thriller」にするアイデアが生まれて書き換えた印象があります。
PVは基本的にストーリーを導いてくれる内容となっているので、併せて味わうとわかり易いでしょう。

【disown】は[~を自分のものと認めない・~と縁を切る]ですが、“すんごい言われ方”ですね?
要するに“地獄も手を余すほどのワル”という意味と思いますが、映像に描かれる男の顔もかなり不気味です。

Jacksons - Torture4

Every single step was trouble
踏み出す一歩、すべてが苛(さいな)まれ
For the fool who stumbled on it
愚かなる者はよろめき、躓(つまず)く

英語の【hell(地獄)】はキリスト教に基づく概念であり、一般的には[死後の刑罰の場所または状態]、[霊魂が神の怒りに服する場所]とされます。
仏教にも地獄の概念があり、六道輪廻の最下層で、罪を償わせるための世界です。

“一歩踏み出す度に[trouble(苦しみ)]”って、辛そう…
でも映像の地獄の道の表現もユニークで、コレ《写真・右》だと“愚か者でなくても転ぶ”でしょ? 


Eyes within the dark were watchin'
暗闇に浮かぶ目の視線を浴び
I felt the sudden chill of danger
俄かに戦慄を覚えた

歌詞からは[2つの目]を想像していたのですが…
映像では、“こんなん”なってます!?《写真・左》 

Jacksons - Torture5

[地獄]を想像させながら[オチ]まで用意してくれるなんて、案外ユーモアが通じる?
しかも驚いて目玉に突っ込んだ手が、こんなコトに!《写真・右》

Jacksons - Torture9 …コレって、オレ様のパクり?



~Epilogue~

歌詞を読むと、本作は“断ち切れない失恋の苦痛”をテーマとしています。
ヴィジュアルにすると、こんなカンジ!?

Jacksons - Torture6

確かに【torture】は“拷問”ですが、このイメージでいいのだろうか…? 

実は、写真でクモの巣に囚われているジャッキー・ジャクソンがこの撮影後、現実に【torture(激しい苦痛)】に苛まれています。
別項でポーラ・アブドゥル《写真・左》がこの映像の振付けを担当していることを紹介いたしましたが、実は彼女を本作に誘ったメンバーとはジャッキーでした。
ジャッキーは自身もバスケット・ボールが好きで、その縁からロサンゼルス・レイカーズのチアリーダーのポーラとは以前から“特別な関係”にあったものの、彼には1974年に結婚した妻(イーニッド・スパン)がありました《写真・右》。

Jacksons - Torture7

本撮影でも既に決まっていた振り付け師をクビにしてポーラを後任に充てたり、周囲にも二人の関係を隠さないなど開けっぴろげだったためすぐに露見し、修羅場となります。
3人がもみ合う中、イーニッドの車がジャッキーの脚を轢(ひ)いてしまい、彼は大怪我を負いました。
その3年後の1987年に2人は離婚、ポーラとは結婚も考えたものの1988年に別れが訪れています。

She was up a stair to nowhere
階段を上り、君は何処へともなく…
A room forever I'll remember
永遠に忘れることのない部屋

1988年は、ポーラがデビュー・アルバム『Forever Your Girl』で一躍全米No.1のトップ・スターに上り詰めた年《写真・左》。
「Torture」は実話ではありませんが、このラインはまさにポーラが階段を駆け上がって遠くへ行ってしまうジャッキーの未来を暗示していたかのようでもあります《写真・右》。

Jacksons - Torture8

【永遠に忘れることのない部屋】…
決して取り戻すことのできない過去の一瞬を望むことは、まさに拷問です。
でも、たとえそれを取り戻すことが叶わなくても、たくさんの経験を残してくれたはず。


She stared as though I should have known her
君は、僕が理解すべきだったと、じっと見つめていた
Tell me what's your pain or pleasure
教えてよ…何が痛みで、喜びだったというの?

…それを省み自ら答えを出してこそ、やがて“その拷問”が未来への教訓として生かされる気がします。



「トーチャー」

“Lyrics&歌詞和訳”は下の“続きはこちら>>”をクリックして表示させてくださいね♪


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「ノトーリアス」デュラン・デュラン

2017.09.15

category : Duran Duran

Duran Duran - Notorious1 Duran Duran - Notorious2


Duran Duran - Notorious (1986年)



~Duran Duran "Paper Gods on Tour"~

1980年代、最も女の子に人気のあったバンド、デュラン・デュランが2008年以来9年ぶりとなる来日公演を行います。
その人気絶頂の最中にメンバー間の不和が生じ、1985年の「007 美しき獲物たち」(過去ログ)を最後にバンドが分裂して3人になってしまい、その存続さえ危ぶまれる状態に陥りましたが…それから30年経った現在も立派に活動を続けています(しかも、4人に増えてるし)!

今回来日するメンバーはアンディ・テイラー以外のお馴染みの4人…すなわちニック・ローズ(key)とサイモン・ル・ボン(vo)、ジョン・テイラー(b)、ロジャー・テイラー(dr)で、特に武道館公演では「おしゃれフリーク」で有名なシック(Chic)feat.ナイル・ロジャースが参加する予定です。
…ということで、今回はデュラン・デュランがナイル・ロジャースを迎えた作品「ノトーリアス」を特集いたします♪



~概要~

「ノトーリアス」はデュラン・デュラン1986年の4thアルバム『Notorious』からの1stシングルで、Billboard Hot 100の2位(1987年の年間25位)を記録した作品です。
1985年のライヴ・エイドを最後にロジャー・テイラーがショー・ビジネスに疲れて音楽業界を引退し実家の農場経営に専念、残った4人で『Notorious』の創作に取り掛かりますがギタリストのアンディ・テイラーの志向する音楽と他のメンバーとの隔たりは大きく、作業は途中で挫折してしまいます。
レコーディング継続を渋るアンディをスタジオに復帰させるため法的措置まで取って彼を連れ戻し作業を再開したものの、得られたのは全員にとって不快極まりない結果でしかありませんでした。

そこで結局アンディとのセッションは諦め、1983年の「The Reflex」でリミックスを担当したナイル・ロジャースの力を借りることにしました。
ナイルは優秀なギタリストであるだけでなく、80年代にはデヴィッド・ボウイの『Let's Dance』やマドンナの『Like a Virgin』を大ヒットさせた当代随一のプロデューサーであり、この選択は本作の成功の大きな要因となります。
「Notorious」のサウンドで特徴的な“ファンク”とブラス・セクションはナイルによるアイデアであり、とりわけ彼のファンクなギター・プレイには一聴で“それでいこう!”となったそうです(ただし、本曲のギターには[Additional musicians]としてアンディの名も残されている)。

また、これまでデュラン・デュランは“MTVの申し子”として数々の斬新なミュージック・ビデオを提供してきましたが、本作ではスーパー8のハンディカメラを使用するなど簡易な撮影であり、モノクロ映像や(アルバム・ジャケットにも用いられた)メンバーの黒っぽい地味な服装は、彼らにしてみれば逆に新鮮です(それでもやっぱりオシャレな映像)。
当時の心境についてサイモン・ル・ボンは“僕らは成功のためにステレオタイプなティーンのアイドルを強いられファッションやメイク、フォト・セッションに時を費やしてきたけれど、より作曲に注ぐようになった”と説明しています。
ただし、[恒例?]となっている“美女”の一人には、有名になる前のスーパー・モデル(1990年代を代表する存在)クリスティー・ターリントンが出演しているのに加え、これも有名になる前のポーラ・アブドゥルが振り付けを担当しました。

 



~Lyrics~

No-no-Notorious. Notorious...
悪名なんて、要らない

【notorious】[(悪い意味で)有名な]という意味ですが辞書によると“大学以上の水準”の単語で、日本ではあまり耳慣れない言葉でしょう。
これに対して、それこそ“有名”なのは中学校で習う【famous】で、こちらは[(良い意味で)有名な]という意味です。

実は、彼らによると本アルバムはアルフレッド・ヒッチコックの映画に触発されたものであり、収録曲のタイトルには『Notorious(汚名;1946年)』や『Vertigo(めまい;1958年)』が引用されています。
映画『汚名』では、ナチスのスパイとして国家反逆罪に処せられた父を持つ女性(イングリッド・バーグマン)が、汚名返上すべくナチ残党の捜査に助力する物語ですが…。




And who really gives a damn for a flaky bandit?
そんな危うい無法者を誰が本気で相手にする?
Don't ask me to bleed about it
そして、俺の血をアテにしないでくれ

歌詞のストーリーは映画『汚名』とは類似していないように思いますが、【悪名高い誰か】を批判しています。
デュラン・デュランは体制批判のバンドではないし[当時彼らが置かれていた状況]から、作者の一人サイモン・ル・ボンが“[who really gives a damn for a flaky bandit]は【the guitarist】への当て擦り”と言及したという話もありますが、定かではありません(wikiでは[要出典]が付されている)。

それがアンディに向けられたものであるかはともかく、メッセージはかなり辛辣です…。



~No-no-Notorious. Notorious~

…さて、今のこの情勢で【notorious】という言葉に触れると、私は現在この国周辺を騒がせている男たちの動静を憂えずにはいられません。
世界一好戦的(建国以来235年で214年戦争に参加)で7100発の核弾頭(2015年4月現在)を保有するアメリカに対する北朝鮮の[綱渡り]が、①積み上げた弾道ミサイル実験の成果により“アメリカ本土に届く?届かない?”というレベルまで達し、②その58%が軍事行動を支持するアメリカ国民と③低支持率をV字回復させたいトランプ大統領の利害が一致した時、もはやいつ戦争に突入してもおかしくない段階に入っていると思われるからです。

そうなると効いてくるのが昨年3月29日に施行された『安全保障関連法』で、これによって“日本が直接攻撃を受けなくても同盟国が戦争を始めた場合、その相手国に武力行使できる”【集団的自衛権】行使の法的根拠(合法でも違憲)があるためアメリカに要請されれば事実上参戦は不可避であり、時事通信は北朝鮮の6回目の核実験後の日米首脳電話会談で“両首脳は2国間の断固たる相互防衛の約束を確認した”とホワイトハウスが発表(9/3)した旨を報じています。
相互防衛⇒これが事実なら、安倍首相はトランプ大統領と、北朝鮮に対し共同して防衛にあたることを既に(口)約束したことになる)

…つまり、“米朝戦争の始まりは日朝戦争の始まり”を意味するのです。


ここで大きなギャップを感じるのは、現時点で既に“アメリカ世論の58%が軍事行動を支持している”という点で、恐らく殆んどの国民が戦争を望まない日本人(裏付けのデータを求めて検索してみましたが、“何故か”日本のメディアは日本がこの戦争に参加することへの賛否について世論調査をしていない模様)との感覚の違いです。
しかし“ミサイルの射程に入る前に叩いてしまいたいアメリカ”と、“既に200発のノドン・ミサイルが照準を合わせられている日本”では、北朝鮮と戦争をした場合の想定被害が全く異なるため、歴然たる温度差が生じるのは無理もありません。
10000km以上遠く離れた極東で繰り広げられる戦争はアメリカにとって国益となり得ても、想定被害が甚大な日本は万が一でも戦争になってはならないのです。

特に日本には原子力発電所が26か所(廃止・解体中を含む/2017年2月現在)あり、もし北朝鮮がこれらの原発にミサイルを撃ち込んできたらどのような被害になるのでしょう?
東日本大震災で原発事故を起こした福島第一原発の吉田昌郎所長は事故処理の現場で、“東日本全体が放射能に覆われ、東日本壊滅のシナリオを想定した”と語っています。
たった一つか二つの原発事故だけで現実に日本の半分を壊滅させ得るとしたら、多数の原発を一斉にミサイル攻撃されたらどうなるか…想像してみてください。
トランプ大統領はアメリカが無事ならばそれでよいかもしれませんが、そのために祖国を失うリスクを負うのは私たち日本人であり、安倍首相の言動の一つひとつは国民をその危険から遠ざけるものでなくてはならないはずなのです。



~Epilogue~

これまでアメリカはブッシュ政権以来、北朝鮮の核兵器について【包括的、検証可能かつ不可逆的な放棄(CVID)】という目標に基づき交渉を行ってきましたが、ことごとく失敗してきました。
北朝鮮の最大の目標は言うまでもなく【体制保証】ですが、今年5月にティラーソン米国務長官が“北朝鮮が核廃棄の意思を示せば侵略はしない。体制も保証する”とまで発言しているにも拘らず、北朝鮮は核実験やミサイル発射を止めることはありませんでした。

しかし、そのやり方でオバマ政権は何も成果を上げられなかったように、アメリカを信じていない北朝鮮が[命綱と頼む核兵器]を自ら手放すはずなどありません
相互に不信を内包する交渉は、相手に【不可逆的な核放棄】を求めるならばこちらも【在韓米軍の不可逆的撤退】など体制保証の明確な根拠を提示し、その上で段階的・同時進行で互いの遂行を一つずつ確認しながら結果を積み上げてゆくしかないのではないでしょうか…。
ただし、在韓米軍が撤退したら韓国がミサイル増強で戦力を補うことになるので、“増やさないからその分、北も減らせ”という交渉をして欲しいものです。
米ソ両国合わせて6万発保持した核兵器を、9千発まで削減した歴史に倣い…。


一方、日本の安倍首相は9/7に韓国・文在寅大統領に“異次元の圧力を科すべき”と働きかけ、9/17のニューヨーク・タイムズ紙(電子版)で“北朝鮮と対話をしても無駄骨に終わる”と北朝鮮への圧力を最大限に強めるべきと訴え掛けたと報じられており、彼がこういう言葉の一つ、またひとつ発する度に平和国家であるはずの日本のイメージが棄損され、この問題も和平が遠ざかるように思えて暗澹(あんたん)たる気持ちにさせられます。

そもそも彼はこうして経済制裁を訴えるほど熱心に、北朝鮮との平和的対話にこれまで心血を注いできたかいささか疑問ですが、同9/17にティラーソン米国務長官がCBSテレビで“外交努力が失敗すれば、軍事的選択肢しか残らなくなる”と言及しているように“経済制裁とは、戦争も辞さない国の最終的外交手段”であり、アメリカはよくても日本は戦争を選択肢に入れた外交を行使すべきではありません。
本来であれば【憲法9条】を掲げた日本が北朝鮮問題の関係国として、また人材不足を指摘されるトランプ政権の外交を補うべく、[北朝鮮の非核化を平和的手段で]という共通の目標を持つ中国やロシアと大いに連携できるはずですが、戦争も辞さない安倍首相では中ロ両国から協力を引き出すのは難しいでしょう。


また、国内に於いても北朝鮮の脅威を不必要に煽る情報操作の動きが何気ない報道に見受けられます。
例えば8/29・9/15の2度に渡って北朝鮮のミサイルが発射されましたが、この時のNHKの報道は以下のとおりです。

政府は、北朝鮮から発射されたミサイルが15日午前7時4分ごろ、日本の領域に侵入し、
午前7時6分ごろ、領域から出て、午前7時16分ごろ、襟裳岬の東、およそ2000キロに落下したと発表しました。


一見何の問題も無いように見えます…
しかし【領域に侵入】は一般に用いられるのには問題ない言葉ですが、[国家領域]を表す時には注意しなければならない言葉で、その場合“領域とは、領土・領水・領海・領空”の意味を持ち、ここでは[日本の領域]と特定しているのでこれは【(ミサイルが)日本の領空に侵入】いう意味が込められています。

また、【領空】は地表から高度100km以下(100km以上は宇宙)という定義であり、これに対して9/15のミサイルは高度800kmと推定されていることから、これを[領空]とするのは正しくありません(…だから領域というあいまいな言葉にした?)

問題は、これは【政府が発信源の情報】であるため戦前の[大本営発表]と同じ構図(政府の発表を流すだけの報道)に陥り易いことで、そういう意味で同じく政府が発信源のJアラート(全国瞬時警報システム)の運用の仕方にも【支配側の意図】が感じられました。


私が細かいと思われるかもしれませんが、【日本の領域に侵入】は些細でも、国民に【(ミサイルが)日本の領空に侵入した】と思い込ませるのに非常に有効な言葉のトリックであり、北朝鮮の脅威を恐れ、怒り、森友・加計問題を忘れさせ、内閣支持率を回復させるのに絶大な効果を挙げたことは結果が示すとおりです。
ただ、憂慮すべきはメディア(大手ほど)で、こうした国民の素朴な疑問に応える報道姿勢はこの間ほとんど見られず、ただ政府の言いなりに伝え、衆目を引くミサイルの映像を繰り返すだけで、これは報道自体が劣化してしまったのか或いは【圧力・忖度】で封じ込められてしまったのか…。
民主主義を成立させるためには主権者に正しい情報を届けることが不可欠であり、また国民の意向を正しく為政者に伝え、彼らが不正を行わないか監視するのもメディアの大事な役割です。
そして…

私は、日本国民の一人として全く北朝鮮との戦争を望みません。
憲法はそれを認めないし、自衛隊は他国を侵略し得る戦力を保持していません。

どうか日本国政府は国民の意思を正しく理解し、それを反映させる政治を遂行するよう、強く願います。



「ノトーリアス」

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