2006年のトリノ・オリンピック、フィギュア・スケート荒川静香選手のエキシビションでテーマとなった「You Raise Me Up」で日本でもその名が知られるようになった女性音楽ユニット、ケルティック・ウーマン(Celtic Woman)が6年振りの来日公演を行います。 日程等についてはメンバーからも日本の皆さんにお知らせが届いているので、映像でご覧下さい。
今回の来日は昨年リリースされたアルバム『Voices of Angels』に基づくツアーで、直前のインタビューで彼女らは “観客の皆さんが一曲ごとに、それぞれの曲が持つ要素と調和し、アイルランドの鼓動をコンサートを通して感じて欲しいです。実際にアイルランドに訪れたかのような感覚とそこにある心の温かさなどを、この公演を通して感じて頂ければと思います。” …と、語っています。
…そんな「Westering Home」はケルティック・ウーマンがオリジナルではなく、当地では小学校で習うほど親しまれるスコットランドの伝統歌です。 楽曲は1920年代にスコットランドのHugh S. Robertonの作とされる一方、実はこれも二次創作のようで、Wikiによると原曲はアイルランドに古くから伝わる「Trasna na dTonnta」(ゲール語)と言及されています(確かにメロディーは同じ)。 元々はアイルランド北部沿岸にあるグウィドー(Gaoth Dobhair)のことを歌っていたようで、それをHugh S. Robertonがスコットランド向けに歌詞を改め、言語も英語に変更したと推測されます。
~Lyrics~
Westering home with a song in the air 故郷の歌と共に、西へと向かう Light in the eye and its good by to care 瞳はきらめき、憂いにはさようなら
「ザ・クリスマス・ソング」はフランク・シナトラと並ぶアメリカ・ジャズ界の巨人であった歌手/作曲家メル・トーメ(Melvin Howard “Mel” Tormé)と、当時彼とコンビを組んでいたソングライター、ロバート・ウェルズ(Robert Wells)が1945年に共作した作品です。 楽曲自体はほんの40分で出来上がったものの最初のレコーディングはそのメル・トーメではなく、1946年6月にナット・キング・コール率いる“The King Cole Trio”による最少編成でのシンプルなものでした。 しかしこの音源は所属レーベルであったキャピトル・レコードの反対に遭い発表は叶わず、40年以上経った1989年にようやく初公開されています。
1946年8月、初めてレコードとして発売されることとなる音源が“The King Cole Trio with String Choir”によって録音、その名が示すとおりここで初めてストリングス(弦楽四重奏およびハープ)が編成されました。 このバージョンは同年11月に78回転盤(蓄音機用レコード)としてリリースされ、ポップス/R&Bチャートの双方で大ヒットという成果を残しています。 1953年11月には、初めて磁気テープを使用しネルソン・リドルのフル・オーケストラを加えた3度目の録音が78回転SP盤(10インチ)/7インチ45回転盤の双方で発売されました。
1961年3月、ナットの初期のヒット作をステレオで再録音するという企画のアルバム『The Nat King Cole Story』のため、「The Christmas Song」は4度目のレコーディングが試みられ、アレンジは1953年ver.とほぼ同じだったものの円熟味を増したナットのヴォーカルとステレオ録音ということから、現在まで最も知られているのがこの1961年ver.です(1991年にはデジタル・リマスターが施された)。