I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「愛はすべてを越えて」ルイ・アームストロング

2022.09.23

category : Louis Armstrong

Louis Armstrong - We Have All the Time in the World (1969年)

この世には表面的な美しさでも、富と栄誉でもない大切な何かがあることを“Satchmo”が歌う ♪

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tags : 1969年 バラード/Jazz 安らかな愛 映画-60's 007 

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「ジェームズ・ボンドのテーマ」ジョン・バリー・オーケストラ

2020.11.06

category : Soundtracks

John Barry Orchestra - James Bond Theme (1962年)

“初代007”にして“史上最高のジェームズ・ボンド”と称されるショーン・コネリー追悼の特別編。

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tags : 映画 007 

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「007 ゴールデンアイ」ティナ・ターナー

2019.07.16

category : Tina Turner

Tina Turner - GoldenEye (1995年)

女の“情念”…それは“愛”か、“憎しみ”か? シリーズ第17作『007 ゴールデンアイ』主題歌♪

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tags : 90's ソウル クール 007 偉大な歌手 

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「007 ゴールドフィンガー」シャーリー・バッシー

2019.02.01

category : Soundtracks

Shirley Bassey - Goldfinger2 Shirley Bassey - Goldfinger1


Shirley Bassey - Goldfinger (1964年)



~概要~

「007 ゴールドフィンガー」はタイトルのとおり、1964年公開(イギリス)のスパイ映画007シリーズ第3作『007 ゴールドフィンガー(Goldfinger)』の主題歌です。
007ではメイン・タイトルで時代を象徴する歌手による主題歌が流されるのが名物の一つですが、シリーズ開始当初は「ジェームズ・ボンドのテーマ」などインストゥルメンタルが充てられており、ヴォーカルをフィーチャーした曲は本作が最初でした。

「Goldfinger」を歌ったシャーリー・バッシーは1956年にデビューしたイギリスの女性歌手で、英国内では立派なキャリアを重ねていたものの世界的には殆んど無名といえる存在でした。
しかし「Goldfinger」がBillboard Hot 100の8位(1965年の年間51位)をはじめ、世界的なヒットを遂げたことにより一躍その名を知らしめることとなり、その後も『007 ダイヤモンドは永遠に』『007 ムーンレイカー』と007のテーマ曲を歌った歌手のうちで唯一3作の主題歌を務めています。

「Goldfinger」の作曲/指揮はシリーズでお馴染みジョン・バリー(John Barry)で、作詞はアンソニー・ニューリー(Anthony Newley)/レスリー・ブリカッシィ(Leslie Bricusse)、プロデュースはビートルズで時の人となっていたジョージ・マーティン
作曲に当たってジョン・バリーは映画監督ガイ・ハミルトンからジャズのスタンダード・ナンバー「Mack the Knife」のような曲を要望されており、そのため本作の敵役【Goldfinger】を紹介する形式を採って、この言葉に合わせてメロディが創作されました。
原曲を作詞者の2人や俳優のマイケル・ケインに聴かせたところ、一様にオードリー・ヘプバーン1961年の主演映画『ティファニーで朝食を』の主題歌「Moon River」(過去ログ)との類似が指摘されたため、一部手直しを加え完成させています。


映画芸術遺産の保護・前進を目的とする機関 AFI(American Film Institute)は『AFIアメリカ映画100年シリーズ』の一環として、2004年に【アメリカ映画主題歌ベスト100】を発表しており、「Goldfinger」は53位に位置づけられました。
2008年にはジェームズ・ボンドを題材とした映画作品より、「ジェームズ・ボンドのテーマ」「恋の面影(Look of love)」(※)、そして本曲が『グラミーの殿堂(Grammy Hall of Fame)』入りを果たしています。
(※「Look of love」は1967年にボンド・シリーズのパロディとして制作された映画『007 カジノロワイヤル』の主題歌で、ダスティ・スプリングフィールドが歌唱)


 



~ He's the man, the man with the Midas touch ~

「Goldfinger」は映画に登場する敵役【Auric Goldfinger】をテーマとして歌詞が描かれていますが、彼を物語る冒頭のフレーズは特に興味深いものがあります。

Goldfinger
ゴールドフィンガー
He's the man, the man with the Midas touch
触れたすべてを黄金に変える男

このフレーズは、映画に於いてボンド・ガールの一人がゴールドフィンガー(正確には彼に命じられた手下)に全身を金粉で塗られ窒息死するというエピソードから着想を得たと、作詞者は語っています。
【the Midas touch】は“何でも金(かね)にしてしまう能力”を表す慣用句で、これは『ギリシア神話』に登場するプリュギア王ミダース(Μίδας)が豊穣の神ディオニューソスに授かった、“触ったもの全てを黄金に変える能力”に由来するものです。
一方、ミダースは音楽の神アポローンの竪琴の演奏を評価しなかったため怒りを買い、アポローンに耳をロバの耳にされてしまいました。
(ちなみに、山下達郎も「Midas Touch」という曲を2005年に発表しています)

ミダースは国民にその事を知られまいと帽子を被って耳を隠して暮らしますが、彼の髪を切る理髪師には隠し果(おお)せるものではありません。
秘密を固く口止めされた理髪師は本当のことを誰にも言えず苦しみ、人知れず草原で穴を掘ってそれを吐露することがせめてもの慰みでした。
やがて草原は深い葦の群生地となり、風がそよぐたびに葦が「王様の耳は、ロバの耳」と囁き、噂は国中に広まります。
ミダースは秘密を漏らした犯人を捜し出して殺そうとしますが果たせず、心を改め本当のことを公表したためアポローンは彼を許し人間の耳を与え、国民の信頼を得た…という話です。

言うまでもなく、後半部分は『イソップ童話』をはじめ世界各地に派生した「王様の耳はロバの耳」の物語で、日本でも“大切なのは真実を言う勇気”をテーマとした寺山修司・作の劇団四季ミュージカルが有名でしょう。
もっとも、映画のゴールドフィンガーは人を騙して金儲けを重ね、忠実な部下でさえ時限爆弾を仕掛けた部屋に閉じ込めて逃走する…といった卑劣漢で、最後まで心を改めることはありませんでしたが…。



~【spy】はあなたの日常を音もなく監視し、主の利益に資するよう工作する~

【spy】は非合法活動であり、それゆえ秘密裏に他人の情報を盗み出し、自らの犯罪の痕跡を残さず誰にも真実を悟られぬよう任務を完了させなければなりません。

もしあなたの所有する個人情報や日常生活、思想信条、企業秘密などありとあらゆる情報が、誰かに[spy]されていたとしたらどうでしょう?
ここからは、あなたの日常が政府機関によって[spy]され、この2月20日からその監視・統制が無限大に強化されることになるかもしれない…という話です。


Tカード情報令状なく捜査に提供 規約明記せず、当局は保秘 2019/1/20 共同通信

コンビニやレンタルショップなど約6700万人が入会・利用している「Tカード」が会員規約に捜査当局への情報提供を明記せず、氏名・住所・電話番号といった登録時の会員情報や購入履歴・レンタルビデオのタイトルなど利用情報を、裁判所の令状なしに捜査当局へ提供していることが、内部資料や捜査関係者への取材で明らかになりました。
また、個人情報保護法第23条には「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」と規定していますが、当局は情報を得たことを本人に知られないよう事業者側に【保秘】を徹底していたことも判明しています。

ただ、個人情報保護法第23条には「法令に基づく場合」など4項目の例外もあり、元特捜検事の前田恒彦氏は「こうした捜査方法は、必ずしも違法ではない」という表現をしています。
本来は憲法第35条に基づいて「捜索又は押収は令状により、これを行ふ」べきですが、互いの手間(特に事業者にとって無益な負担)を省くために正式な手続きを取らず、優先して守られるべき顧客情報が最も安易に外部組織に提供されている悪しき慣習は、調査員が直接行うルールを「郵送調査」で済ませていた勤労統計不正問題の根底にある“何か”と、どこか通じるものがあるような気がします。


総務省 IoT機器に無差別侵入し調査へ 前例ない調査に懸念も 2019.01.25. NHK NEWS WEB

報じられたNHKのニュースに、私は衝撃を覚えました。
(記事は既に削除されているので、リンクは『NHK 政治マガジン』)
何故なら、政府機関が

①日本国内の約2億のグローバルIPアドレス(IPv4)を対象として
②想定されるIDとパスワードを実際に入力して無差別に侵入を試み
③セキュリティ対策の不十分な機器の通信履歴等の電磁的記録を作成して
④当該電気通信事業者へ通知、対象機器のユーザーに注意喚起し対策の実施を促す

…という、これまでに類を見ない大掛かりな調査・施策を行うというのですから!
これは総務省と情報通信研究機構(NICT)がインターネットプロバイダと連携し、サイバー攻撃に悪用されるおそれのあるIoT機器の調査及び当該機器の利用者への注意喚起を行う取組「NOTICE」を2月20日から実施する、というものです。

インターネット(IPv4)はパソコンに限らずスマホや家電、あらゆる社会インフラに重要な役割を担うようになった一方、それを阻害するサイバー攻撃も増えており、その対策が遅れているというのが現状でしょう。
そういう意味で今回政府が対策に乗り出そうとすることは評価すべき一方、原発推進やカジノ誘致、次代の基幹産業を育成せず旧態依然とした産業構造を守旧し、人口減少を食い止めぬまま浪費して後世への借金を回す…といった安倍政権の打ち出す方策は“いつも何かがズレて”います。
社会システムのセキュリティを強化するならそこが守られるよう集中的に対策を施せばいいし、個人に対策を促したいならプロバイダを通してユーザーに一定水準以上のパスワードを要件にすれば済む話で、「2億台の機器に無差別侵入」というのはやり方が明らかに異常です。

そもそも今回NICTが行う「IDとパスワードを入力して他人の機器に侵入」は、『不正アクセス禁止法』が禁じる不正アクセスそのもの第二条4)です。
そのため政府は昨年5月に法律を一部変更し、「NICTが行う不正アクセス=特定アクセス行為」として5年間認める『電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する法律』を成立させました。
しかし言葉の言い換えでこの政府機関による不正アクセスがたとえ違法を問われなくなったとしても、「通信の秘密は、これを侵してはならない」と定める日本国憲法第21条に反することに変わりはありません。


写真、職歴、家族、出身校・・・ 辺野古反対派市民の情報ズラリ 2019.1.28.毎日新聞

今年1月28日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り、防衛省沖縄防衛局から委託され海上警備を担っていた警備会社が、移設に反対する市民ら60人の個人情報を顔写真付きで「反対派リスト」を作成していたことが報じられました。
リストは沖縄防衛局調達部次長の指示により警備会社が作成した事が判明しており、この警備会社は公安警察出身の元警視総監が顧問として天下りしている会社
防衛省(軍事力)・法務省(法の支配)・警察(諜報・国民統制)・経産省(カネ)は「力の支配」を重視する安倍内閣の「寵愛四天王」であり、現内閣官房副長官も警備・公安出身の杉田和博氏です。



~Epilogue~

自分には関係がない…
そう思われる方があるかもしれません。
しかし「国を意のままに操りたい者」にとって、あなたが何を考え、「味方か敵か」を判別することは、私たちが想像する以上に重要な情報です。

絶大な国家権力を濫用して国民世論の大多数が反対する法案の強行採決を繰り返し、民意を力でねじ伏せる手法を厭わない政府の下で、警察による「Tカード」のデータ収集を軽視すべきではありません
その発想は、戦前の日本が軍や警察による国民監視を行使し自由な思想・言論を封じた歴史と酷似しており、現代はITによるビッグデータとAIを用いることでもっと容易に思想・言論統制ができてしまうからです。
あなたが何気なく借りたビデオや購入した本、立ち寄る施設などの履歴は「あなたの人物像や日常生活を示す鏡」であり、絶大な政府権力に繋がる警察が令状取得を経ず6700万人もの「映し鏡」を気軽に手に入れることが可能な状態にある危険性を国民は認識するべきです。

また、「インターネット機器2億台に無差別侵入」についても、本来違法犯罪であり、違憲です。
「特定アクセス行為」を実行するNICTはNHKの取材に対し、「目的以外のデータを得たりすることは一切無い。セキュリティーの弱い機器が見つかった場合、内部に侵入はしますが、機器の種類を特定するなどの通信は一切行わない」と答えていますが、「目的のデータを収集する」「機器の種類を特定する以外の通信を行う」ことは否定しておらず、そもそも国民はその言葉の真偽を検証することができません。

もしもその特権を悪用する気なら、あなたの「PC・スマホ内の全データを取得」して資産や思想・信条、人間関係、病気や人に言えない秘密も手に入れることができ、それを元に「扱いの差別」をしたり、あるいは「弱みで懐柔・脅迫して意に従わせる」ことも可能です。
真っ先に狙われるのは野党などの「政敵」や権力支配を監視する報道機関や言論人、内部統制のための自党や官僚で、当人だけでなく家族の弱みで脅迫されたら殆んどの人は政府に異論を唱えることができなくなるでしょう(既に相当支配が進んでしまっている気もしますが…)。


そんな状況下で、私たちができること…。
まずはインターネット機器のパスワードなどを複雑なものにし、必要ない限りPCのリモートデスクトップ機能をOFFにすることです。
プロバイダと連携し、XKeyscore(エックスキースコア)という秘密兵器を駆使する相手に意味などないかもしれませんが…。
(【XKeyscore】の恐ろしさについては、過去ログ「プライベート・アイズ」へ)

そして最も大事なことは、「嫌なことは“No!”と言動で表すこと」です。
たとえ警察官であっても、確たる容疑もなく他人の家に無断で、もしくは拒否を無視して解錠・侵入し、勝手に家内を捜索することをありがたく受け入れる人などいないでしょう。
「特定アクセス=不正アクセス」であり、一般国民にとって著しい人権侵害以外の何ものでもありません。
その目的が本当に「東京オリンピックの対策強化」であるなら…
“なぜ政府系機関による不正アクセスを5年間継続するのか?”
「国民の安心・安全のため」であるなら…
“開始2週間前なのに、なぜ事前にメディアを通じて広報し国民に高度なパスワードを啓発・実行させないのか?”

【spy】は非合法活動であり、それゆえ秘密裏に他人の情報を盗み出し、
自らの犯罪の痕跡を残さず誰にも真実を悟られぬよう任務を完了させるものだからです。




「007 ゴールドフィンガー」


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tags : 1964年 R&B 映画 007  

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「007 美しき獲物たち」デュラン・デュラン

2017.05.26

category : Duran Duran

Duran Duran - A View To a Kill1 Duran Duran - A View To a Kill2


Duran Duran - A View To a Kill (1985年)



~Sir Roger George Moore 1927 - 2017 R.I.P.~

半世紀以上の歴史を誇るイギリスの人気スパイ・アクション映画『007シリーズ』に於いて、歴代6人中最多の7作でジェームズ・ボンドを演じたイギリスの俳優ロジャー・ムーアが、5月23日ガンのため亡くなりました(享年89)。
ロジャーの訃報に際し初代ショーン・コネリー、5代目ピアース・ブロスナン、6代目ダニエル・クレイグら歴代ボンド俳優からの追悼に加え、彼が出演したボンド作品のテーマ曲を歌ったポール・マッカートニーやデュラン・デュランからもそれぞれ哀悼の意が示されました。

本記事はロジャー・ムーアへの追悼を込めて、彼が最後に出演した1985年の『007 美しき獲物たち』のテーマ曲をお届けいたします。



~概要~

デュラン・デュランのデビューは1981年、時はアメリカの音楽専門ケーブル・テレビ・チャンネル『MTV』が開局した年であり、美しいヴィジュアルを備えた彼らはまさに“MTV時代の申し子”といえる存在で、当時女の子に最も影響力のあったロック・バンドといえるでしょう。
特に1983~84年頃は同じイギリスのカルチャー・クラブらとBritish Invasion(イギリスの侵略)の中心としてアメリカのヒット・チャートを席巻するほどの勢いがありました。

1985年、デュラン・デュランはイギリスの国民的映画[007]シリーズ第14作『007 美しき獲物たち(A View to a Kill)』の主題歌を担当しイギリスで3週2位、アメリカBillboard Hot 100で2週No.1(年間35位)に輝く大ヒットを記録、これは007主題歌史上初の快挙であり、今日までも唯一の達成です。
ちなみに、2012年にBillboardは007の50周年を記念して『007ベストテーマソング・トップ10』を発表していますが、その映えある1位こそ「A View to a Kill」であり、奇しくもロジャー・ムーア時代の作品が上位4曲を独占しました。

この頃“時の人”だったデュラン・デュランがこのタイミングで007の主題歌を歌うことはごく自然な流れに思われますが、実はその背景にはメンバーのジョン・テイラーによる“隠れた功績”がありました。
ジョンはボンド・スタイルのアストン・マーティンを所有し『007 オクトパシー』のボンド・ガールの一人 Janine Andrews と交際するなど、自他共に認める長年来の“007 オタク”で、そんな彼はあるパーティーで『007』シリーズの映画プロデューサーであるアルバート・R・ブロッコリと会う機会を得ています。
そこで、ここ数年の『007』の音楽に満足していなかったジョンは酔った勢いを借りて“いつになったらあなたの映画の主題歌をちゃんと歌える誰かを起用するの?”と、アルバートに自分を売り込んだそうです。
こうして、ジョンのこの強引な売り込みがきっかけでデュラン・デュランは“大役”を任されることになりました。

…しかしこの頃のデュラン・デュランは、メンバーが【パワー・ステーション】と【アーケイディア】という2つのユニットに分かれそれぞれ違った色合いの作品を発表するなど、音楽的にも精神的にもバラバラな状況にありました。
一方で「A View to a Kill」はデュラン・デュランと007シリーズの作曲を手掛けるジョン・バリーによる共作となっており、メンバーによると彼との連携はそれぞれ[作曲]と[オーケストラ・アレンジ]という明確な役割分担により、非常にスムーズに進行したそうです。
…それどころか、本曲のプロデュースには外遊先であるパワー・ステーションからプロデューサーのバーナード・エドワーズを参加させ、これにより“あのエフェクト”の効いたキレのあるロック・テイストと、ジョン・バリーのスリリングなオーケストラの融合が実現、見事に“007のアクション・イメージ”を代弁するサウンドに仕上がりました。

そして、同年7月13日に催された世紀のイベント『LIVE AID』当日はまさに「A View to a Kill」がHot 100でNo.1に就いた日であり、バンドにとっては最高の気分で迎えるべきステージでしたが、この日一部のメンバーは同じ舞台でパワー・ステーションとしてもパフォーマンスを披露していることが予兆であるかのように、これを最後にアンディ・テイラーとロジャー・テイラーはバンドを去ってしまいます。
結果、「A View to a Kill」はデュラン・デュランの黄金期(第4期)を形成した5人が創作した最後のシングルとなってしまいました。

 



~Lyrics~

Meeting you, with a view to a kill
心に殺意を秘め、お前と見(まみ)える
Face to face in secret places, feel the chill
恐怖と興奮を背に、人知れず相見(まみ)える

本作の原作はイアン・フレミングの『バラと拳銃(From a View to a Kill )』という短編集で、映画では語呂が悪いとの理由から[From]を省いて『A View to a Kill 』としたそうです。
また、劇中で誰かが映画タイトルをセリフにするのがこのシリーズの恒例となっていますが、今回は飛行船から見下ろすサンフランシスコ湾の眺望をメイデイ(グレース・ジョーンズ)が“What a view!(なんて素晴らしい眺め)”と感嘆した場面、そこに透かさずゾーリン(クリストファー・ウォーケン)が“...to a kill”と付け加える形でフレーズを完成させています。

ゾーリンはこの地に人工的な大地震を起こし都市を壊滅させる計画を企てており“...to a kill”はそういう意味と考えられますが、【kill】には[うっとりさせる]というニュアンスもあるため、“大量殺戮=うっとりさせる”という彼の残虐的な内面まで匂わせる一言であるような気もします。

ちなみに、歌詞で使われている【view】も単に[眺望]といった意味ではなく“計画・目的”といった意味合いを意図していると思われ、007が敵対する女性に相対する際の複雑な心境をイメージさせます。


Night fall covers me,
夜の闇がこの身を隠そうと
but you know the plans I'm making
お前は俺の心などお見通し

『007』シリーズの魅力は何といってもジェームズ・ボンドと敵対側が繰り広げる、ハラハラするド迫力の戦い…
任務の遂行のためには、互いの生死は問いません。

一方で、“お約束の楽しみ”は美しい【ボンド・ガール】とのドキドキのラブ・シーン…
しかし名うてのプレイボーイであるジェームズの“物色”の対象は、女性であれば敵味方を問いません!
映画を見ている私たちにとっては彼の前に美女が現れたら、たとえ敵であろうと最終的に二人が“いい関係”になることは、誰もがお見通しですよね? 


Still oversea,
海の向こう
could it be the whole world opening wide
世界を股にかけた駆け引きとなるだろう

今回はシベリア(実際はアイスランドとスイス)やフランス、アメリカなどを舞台としてストーリーが展開しており、前半の目玉の一つはエッフェル塔で007とメイデイが繰り広げる追跡劇です。
そして「A View to a Kill」のPVは、このシーンに沿わせるように、デュラン・デュランのメンバーがそれぞれの役割を演じて展開します。

近未来的な装置を備えた車から映像を交信するロジャー・テイラーと、カメラマンに扮しながら情報収集するニック・ローズ。
一方、携帯型カセットプレイヤーに偽装した爆破装置を操るサイモン・ル・ボンと、展望台の望遠鏡を利用するスナイパーのジョン・テイラー、そしてアコーディオンを武器とした盲目の暗殺者アンディ・テイラー。
最後は任務を完了させ、すっかり007気取りのサイモンが、ついうっかり…!? 



~Epilogue~

…さて、1973年から1985年まで約12年間/7作もの長きに亘りジェームズ・ボンドを演じたロジャー・ムーア。
しかし1927年生まれの彼は、実は初代ボンドのショーン・コネリーより年長であり、役を受け継いだ時すでに46歳、最後の作品となった『007 美しき獲物たち』では57歳でした。
このため本作が同年の世界興行成績5位を挙げたにも拘らず、“これ以上やったら殺される”と言ってボンド役を降板したそうです(本作のボンド・ガール、タニア・ロバーツの母親より自分が年上だったことにショックを受けたという説もある)。

Duran Duran - A View To a Kill3

…そして、私が物心ついた時ボンドだったのがロジャー・ムーアであり、エレガントでユーモアがあって物腰柔らかな英国紳士という私にとっての“ジェームズ・ボンドのイメージの雛型”となったのが、彼でした。
このキャラクター像はそれ以前の概念だった[ボンド=タフでワイルドなショーン・コネリー]の殻を打ち破るために正反対の路線を目指したといわれますが、一方でそれはロジャー生来の持ち味でもあったようです。
そのことは、それぞれが決して仲の良くない007シリーズの制作者たちとも親交を築けていることや、記者への応答で“アクション映画は楽だ。覚えるセリフは少ないし、危険なシーンは代役がいる”と発言をしてもユーモアと解され問題視されることのない彼のエピソードからしても、その人柄を物語っています。

Duran Duran - A View To a Kill4

また、ロジャー・ムーアの出演作で私の大好きな映画に1981年の『キャノンボール』があり、ここで彼は“ロジャー・ムーアを自称し、怪しげな特殊装備を施したボンド・カー(アストンマーティン・DB5)を乗り回すボンド・オタクの御曹司役”を演じていますが、本物のボンドがリアルタイムでヒーローである自分のパロディーを演じるというこの気の利いた演出は、彼のキャラクターと心の広さがあって初めて実現したといえるのでしょう。

[007=万能の人]というイメージがありますが、ロジャーのボンドは必ずどこかに[完全ではない隙(⇒人間らしさ)]みたいなものがあり、それが彼独特の魅力に繋がっている気がします。
しかし彼についてそれ以上に意外なのは、ボンドが最も得意とするはずの[運動とラブ・シーンが苦手]というコト!
それさえも“ラブ・シーンは全部スタントマンが演じている”と自らジョークにするユーモア精神は、ボンドには決してなれそうもない私たち凡人の人生にも良い教訓になりそうです。
そんな彼にとっても、ガンとの闘いは苦しかったことでしょう。
長い間、本当にお疲れさまでした。
…そして、ありがとう。

Duran Duran - A View To a Kill5
Sir Roger George Moore R.I.P.



「007 美しき獲物たち」


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tags : 1985年 ニューウェイヴ 映画80's 007 名作MV 

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