「心のラヴ・ソング」はポールがビートルズ解散後に結成したバンド“ウイングス(時により、ポール・マッカートニー&ウイングス)”が1976年3月25日発表した5thアルバム『スピード・オブ・サウンド(Wings at the Speed of Sound)』の収録曲です。 1stシングルとしてアメリカでは4月1日・イギリスでは4月30日にリリースされ、それぞれ1位/2位を記録しました。 Billboard Hot 100に於いては、5月22日にNo.1に達するものの翌週にはダイアナ・ロスの「ラヴ・ハングオーバー」にその座を明け渡してしまいますが、その3週後にはトップに返り咲き4週それを維持するという驚異的な粘り腰で計5週No.1に君臨し、年間チャートでもNo.1に輝いたウイングス最大のヒット曲です。 また、「心のラヴ・ソング」は“Billboard Hot 100・50年の歴代に於いても31位のヒット曲”であり、ポールがこの曲で成し遂げた3度目の年間No.1獲得(過去;「抱きしめたい」・「ヘイ・ジュード」)は、未だ破られぬ前人未到の快挙でもあります!
今回の選曲理由として「心のラヴ・ソング」はポールのライブの定番であることに加え、5月の爽やかな風が吹く国立競技場でこの曲を聴いたら最高だろうなぁ…と想像したからです。 心地よいフィーリングに心を奪われがちですがサウンドは意表をつく展開で、ピンク・フロイドの「マネー」(過去ログ)にヒントを得たというイントロは工場の機械のようだし、ライブ演奏は別ですがオリジナル音源ではエレキ・ギターが使われていない(少なくとも、ほとんど聴こえない)というのも、とても大胆なアレンジだと思います。 また、この曲は1984年のポール主演による映画『ヤァ!ブロード・ストリート(GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET)』でもセルフ・カバーされました。
ライブ映像
~Lyrics~
You'd Think That “くだらないラヴ・ソングなんて、みんな飽き飽きしてる” People Would Have Had Enought Of Silly Love Songs. …そう君は考えてるみたいだけど
Sillyとは“愚かな”といった意味合いの言葉ですが、「Silly Love Songs」を作るきっかけとなったのがある評論家による“ポールはバラードしか書けない”という批判でした。 ビートルズ時代からバラード・ヒットの多いポールは元々ロック系の評論家にウケが悪く、ビートルズ解散後は“別の感情”も重なり特に風当たりが強かったといえるでしょう。