I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「チェンジ・ザ・ワールド」エリック・クラプトン

2016.04.08

category : Eric Clapton

Eric Clapton - Change The World1 Eric Clapton - Change The World2


Eric Clapton - Change The World (1996年)



~日本大好き!エリック・クラプトン、21度目の来日~

エリック・クラプトンが4/13日から、“ホーム・グラウンド(※)”日本武道館で5夜限定の来日公演を行います。
(※格闘技オタクの彼にとって、そういう意味でも聖地である)
現在来日中の74歳ボブ・ディラン(過去ログ)が“最後の来日”といわれるように、現在71歳のエリックも“今回が最後”らしい…
…とはいっても彼の場合、もう15年前から来日の度にそんなことが囁かれており(その後6回も来ている!)、その信ぴょう性は微妙…?

ただ、以前からエリックは“70歳になったらツアーをやめる”と公言しており、今回の来日がそうであるようにこれからも単発的なライブはあり得るのかもしれません。
(原宿・明治神宮前『福よし』“鳥かつを食べたくなったら日本に来る”? ケコ~オッ!!



~概要~

「チェンジ・ザ・ワールド」は、1996年7月に公開されたジョン・トラボルタ主演のファンタジー恋愛映画『フェノミナン(Phenomenon)』の挿入曲としてエリック・クラプトンが歌唱した作品です。
シングルとしてBillboard Hot 100の5位(年間19位)を記録し日本でもラジオ局J-WAVE(TOKIO HOT 100)で年間No.1に輝くなど、世界各国で大ヒットしました。
その後も日本ではカバー&CMなどで広く・長く愛され続け、2015年3月からはトミー・リー・ジョーンズ&タモリの不思議な空気感と共に“サントリー・コーヒー・プレミアムボス”のCM曲としてお馴染みでしょう♪

“ギター・レジェンド”のエリックが“当代随一の音楽プロデューサー”ベイビーフェイス (Babyface)とコンビを組んだことでも話題を呼んだ作品であり、ベイビーフェイスはPVにもギター・プレイヤーとして出演しました。
翌年のグラミーで「Change The World」は“最優秀レコード賞/最優秀楽曲賞/最優秀ポップ男性ヴォーカル賞”の三冠を獲得しており、その授賞式でもこの2人のギターの弾き語りによってパフォーマンスされています。
以来エリックのアコースティックの定番としてライブには欠かせないナンバーとなりましたが、一方のベイビーフェイスにとっても長年のレパートリーとなっているようです。


あまりにもこのイメージが強いせいか、彼またはベイビーフェイスの作曲と思われがちですが作者はこの何れでもなくトミー・シムズ(ブルース スプリングスティーンの「Streets of Philadelphia」をプロデュース)、ゴードン・ケネディ、ウェイン・カークパトリックによって1990年代前半に書かれたものです。
エリックがこの曲を聴いたとき車を運転しながらノンストップで200回聴き続けるほど気に入ったそうで、ヒットを確信したといわれます。

さらに、初めて「Change The World」を正式に発表したのはアメリカの女性カントリー歌手ワイノナ・ジャッド(Wynonna Judd)で、エリックver.の5カ月前の1996年2月にリリースしたアルバム『Revelations』に於いてでした。
エリックver.がグラミーで最高の評価を得たにもかかわらず、アカデミー歌曲賞の候補に挙がらなかったのはこのためと思われます。

 
 
Eric Clapton Change the World 投稿者 cloudy_boy



~Lyrics~

If I could reach the stars
もしもこの手が星に届くなら
Pull one down for you
ひとつ、君に取ってあげよう

“星に手が届くワケないじゃん!”
…なんて、ツッコミ入れているのは誰です?
折角のムードですから、そっとしておいてあげましょう♪

 星なんて持ってきたら、押し潰されるに決まってるし?
 ・・・・


If I could be king, even for a day
僕が一日、キングになれたなら
I'd take you as my queen
君をクイーンに迎えよう

覚えておいでですか?
“オリジナルは女性が歌っていた”ということを!
そのため、“エリックver.ではkingとqueenを入れ換えて”歌っています。

ちなみに[United Kingdom]ウィンザー朝の君主エリザベス2世の称号は【Queen】ですが、夫エディンバラ公の称号は【Prince】です。


But for now I find
今はまだ
It's only in my dreams
夢の中にある物語

…そう、これは何もかもまだ夢の物語。
道理で【stars】【world】【universe】など、ハナシが大きいわけですね♪

 う~む、“君という宇宙を照らす陽の光となろう”は使えそうだ…。
 また悪いコトに使うつもりじゃないでしょうね?



~Epilogue~

“Change The World”

…なんて、大業を目標に掲げた偉人が好んで言いそうなセリフ?
例えば2008年のアメリカ大統領選挙でバラク・オバマ氏が連呼した
Change, Yes, we can.変えよう、我々ならできる)”が浮かびます。

あるいは、アップル・コンピュータ創業者のスティーブ・ジョブズ氏の有名な殺し文句!
Do you want to sell sugared water for the rest of your life, or do you want to come with me and change the world?
このまま一生砂糖水を売り続けたいか、それとも私と一緒に世界を変えたいか?
[ペプシコーラの事業担当社長ジョン・スカリー氏(※)をアップルに引き抜いた際の言葉(※マイケル・ジャクソンをCMに起用するなど、ペプシをコーラ業界トップにした人)]

主人公は、“大業を成し遂げられたら君と幸せを築く”というのだろうか…
それとも、映画『フェノミナン』のように奇跡によって世界は変わる?


私は、大業とか奇跡ではない、ごく普通の人のストーリーを想像しました。
誰かに恋をして、ひとり胸を膨らませ、あるいは想いは共有しているものの【kingdom】を築くだけの条件がまだ揃っていない…
そんな、誰にでもあるような平凡な夢や悩みです。
それが叶おうと叶うまいと、きっと世の中の大勢に影響を及ぼすこともないささやかな人生…

You would think my love was really something good,
きっと心からこの愛を喜んでもらえる
Baby if I could change the world
僕が、世界を変えることができたなら…

たとえ自分という小さな世界であれ、人はままならないその現実に悩み、苦しむ。
そして、彼は明日という日に光を描かずには生きられない。

この詩は、そんな“あなたという宇宙を照らす陽の光”… 
 ハテ、何処かで聞いたような…



「チェンジ・ザ・ワールド」


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tags : 1996年 カントリー/ブルース  情熱の愛 映画90's CM曲 ベイビーフェイス グラミー最優秀レコード賞 グラミー最優秀楽曲賞 

comment(6) 

「あなたにいてほしい」スウィング・アウト・シスター

2014.03.16

category : Swing Out Sister

Swing Out Sister - Now Youre Not Here1 Swing Out Sister - Now Youre Not Here2


Swing Out Sister - Now You're Not Here (1996年)


~日本での高い人気~

日本で人気を獲得する外タレには、どんな“法則”があるのでしょうか?
独断と偏見で当てはめてみました…。

①世界的に高名である(日本人は“ブランド”に弱い!
②良くも悪くも、見た目インパクトがある
 (誰だって、美人と“悪魔メイク”には振り返ってしまいます!?
③マネしたくなるキャラやネタ(…ダッ・ヒィー、I'll be back、アチョー!

…そして④つ目、“テレビなどメディアで起用される”!
今回は、コレですね…♪


~概要~

スウィング・アウト・シスター(SOS)はイギリス出身で、1985年に男女3人組のグループとしてデビューしますが1989年にドラマーのマーティン・ジャクソンが脱退し、キーボードのアンディー・コーネルとヴォーカルのコリーン・ドリュリーのデュオ・グループとなります。
この辺りからサウンドもポップ色から、クラシックやジャズを漂わせたアダルト・コンテンポラリー色が強くなって流行の音とは一線を置いた作品づくりをするようになってゆきました。
コリーンの知的で落ち着いたヴォーカルと洗練されたスタイルはオシャレに敏感な日本の女性らを中心に元々注目されていましたが、“決定打”はやはりドラマ主題歌への起用でした。

1996年、SOSは織田裕二&常盤貴子主演ドラマ『真昼の月』主題歌の依頼を受けますが、これがナンと“ドラマのための書き下ろしで”というものだったのです!
正直この頃SOSはヒットを連発していたワケでもないし、80'sの洋楽ファンでもない限り一般の人に知られた存在とも思えないのに、まだ聴いてもいない曲を起用するなんて番組プロデューサーも思い切ったというか先見の明があると思いません?
実はこのドラマ、私は見たことがないのですが少し調べてみると“エッ!常盤貴子が…!?”という衝撃的な内容のようで、ちょっぴり陰のある曲調なのはそのせいなのでしょうね…。

兎にも角にもドラマのヒットと共に「あなたにいてほしい」も34.9万枚を売り上げ、この年セリーヌ・ディオンの「トゥ・ラヴ・ユー・モア」、カーペンターズ の「青春の輝き/トップ・オブ・ザ・ワールド」に次ぐ“オリコン洋楽年間3位”を記録しました。

このヒットによりこの曲は“1997年第11回日本ゴールドディスク大賞洋楽部門のグランプリ・シングル賞”も受賞しています。
上記背景により生まれた作品のためシングル・カットは日本のみで、収録されたアルバム『Shapes and Patterns』も当初は日本のみでの発売でした。


~Lyrics~

When our hearts were young and nights were long
二人の心が若かった頃、夜はゆったりと流れ
We'd let the morning sun kiss our eyes open
朝は、太陽のやさしいキスで目覚めた

気に入ってるフレーズです。
恋の始まりの頃は、ただ一緒にいるだけで楽しい時間を過ごせるものです。
夢の世界から現実に戻る朝も、“その人に会える”と思えば目覚めるのも決して苦にはなりません。
私も、お日さまにキスで目覚めさせられるような朝を迎えてみたいものです♪


But time ran out of endless hours
だけど時は、果てない闇へと堕ちてゆく
Gave into doubt, were we just playing an endless game
疑いのブラック・ホールへと…まるで、終わることなく続く
That no one ever wins
勝者もないゲームみたいに

ココはちょっと脚色を入れて、前で宇宙に触れているのでブラック・ホールを喩えてみました。
光さえ脱出が叶わぬという暗黒の天体は、その極めて強い重力によって時空さえ歪めてしまうといいます。
二人を暗闇に引きずり込んだ重力の正体とは、一体なんだったのでしょう…。


If I could run away
いっそ逃げ去り
Hide away, Forget the way I feel
身を隠して、何もかも忘れてしまえたらいいのに…

サビの冒頭部分です。
みなさんも、心の中で同じ言葉を叫んだことがあるのでは?
“If(もしも)”、あの人のことが忘れてしまえたなら…

なんて“考えてしまっている”のですから、忘れられるはずはありません。
でも彼女が辛いのは、“忘れられないからではなく、忘れたくないものを無理に忘れようとしているから”
ではないでしょうか…。


~Epilogue~

この作品はご存知のように“別れ”をテーマとしていて、主人公は「あなたにいてほしい」という想いを抱きながら「Now you're not here(今、あなたはここにいない)」という現実に苦しめられています。
私も、詞を何度も読み返すほどに…

Now you're not here
もう、あなたはここにいない…

…のフレーズが圧し掛かるようにどんどん重苦しい気持ちになり、だからこそ彼女の“いっそ逃げ去りたい”という切実な気持ちが少し解ったような気がしました。
でも最後の連、歌がフェード・アウトしてゆく辺りに微かな光が射しているように感じます。

この歌の大半で彼女は逃れ得ない葛藤に苦しんでいますがそれは、“忘れたくないものを無理に忘れようとしているから”です。
相手を忘れるために、好きなものを嫌いと思おうとしたり大切にしてきた想い出まで否定するなんて、人生の楽しい時間を捨て去るようで勿体ないと思いません?

だって成就はしなかったものの、それまで懸命に育んできたものなのですから。
それだけ心血を注いだモノって、他にそうはないでしょ?
少し気持ちを切り換えるだけで、ちょっとはマシになるものです♪

Now you're not here
もう、あなたはここにいないけれど…

んっ・・・!? チョビット…?



「あなたにいてほしい」


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tags : 1996年 ジャズ/Pop せつない愛 ドラマ 日本で人気 

comment(10) 

「ファストラヴ」ジョージ・マイケル

2014.03.12

category : Wham! & George Michael

George Michael - Fastlove1 George Michael - Fastlove2


George Michael - Fastlove (1996年)


~10年ぶりの新作発表!~

レコード・セールス1億2000万枚を誇るスーパースターでありながら、近年は薬物使用や交通事故など私生活でのスキャンダルばかりが目立ち、果ては2011年に肺炎のため一時意識不明の重体にまで陥ったジョージ・マイケル。
しかしその約9ヵ月後のロンドン・オリンピック閉会式では、見事なパフォーマンスで復帰をアピールしファンを安心させてくれました(新曲を歌ってバッシングを浴びましたが…)。

それ以来となる新作はナンと10年ぶりのアルバムで、オリジナルとしてはソロ6作目となる『Symphonica(シンフォニカ)』が今月発売される予定です。
このアルバムでは2013年3月に79歳で亡くなったグラミー賞14回受賞の名プロデューサー、フィル・ラモーンビリー・ジョエル「素顔のままで」など)との共同プロデュース作品で、彼にとってはこれが遺作となってしまいました。
先行シングルとなっている「Let Her Down Easy」は「Wishing Well」などのヒットで知られるテレンス・トレント・ダービー(現サナンダ・マイトレイヤ)のカバー曲となっていて、なかなかアート性の高いバラードですよ♪

「Let Her Down Easy」


~概要~

「ファストラヴ」は1996年の3rdアルバム『オールダー(Older)』に収録され、2ndシングルとしてBillboard Hot 100で8位(年間62位)を記録しました。
イギリス・オーストラリア・イタリアでNo.1に輝いており、全英シングル・チャートとしては現時点で最後のNo.1となっています。
1990年代前半、ジョージは所属レーベルのソニーと泥沼の係争騒ぎを起こしていて、移籍を経てのソロ3作目は2ndアルバムから約6年の歳月が流れていました。
(それにしても、ソニーは“マイケル”という名の人物とは相性が悪い!?

音楽的には強烈なR&Bダンス・ビートが根底になっていますが、その素となっているのがパトリース・ラッシェン1982年の「Forget Me Nots」(23位/Hot 100)で、特に後半には彼女のヴォーカルもサンプリングされています。
ちなみにこの影響か、「ファストラヴ」がヒットした翌97年には映画『メン・イン・ブラック』で主演のウィル・スミスが歌ったラップの主題歌にもパトリースの「Forget Me Nots」がサンプリングとして使われました。

ミュージック・ビデオは当時よく話題に挙がった“バーチャル・リアリティ(Virtual Reality)”をテーマとした映像になっていて、登場するセクシーなダンサーらはジョージにリモコンで操られる“仮想現実”という設定ですが…
その、“ジョージ自身も実はバーチャル・リアリティだった”というオチが最後に用意されていますよ!
また、登場するダンサーが装着しているヘッドホンのロゴが、“FONY”となっているのは、何やら上記因縁と関係アリ!?


~Lyrics~

Looking for some education
僅かばかりの啓発でいい
Made my way into the night
夜に、俺の望みを叶えておくれ

冒頭の部分で、“education”という言葉を選んでいる所にセンスを感じます。
たぶんこの歌で主人公は相手に“救い”を求めていると思われ、それが“education”であり“affirmation(肯定)”であるわけです。

educationは一般に“教育”という意味で知られますがちょっと“公”なカンジがして、主人公の心情を察すると
ここではもっとプライベートな教えを求めているのだと思いました。
“啓発”は、“人が気づかずにいるところを教え示して、より高い認識・理解に導くこと”とあるので、この場面で抱いた私のイメージに最も近い言葉だったのです。


You could help to ease my mind
君なら、この心を救ってくれる
Baby, I ain't Mr. Right
“Mr. Right”なんか、なれないこの俺を・・・

和訳には敢えて入れませんでしたが、“Mr. Right”は“結婚相手として理想的な男性”という意味です。
主人公が、そんな生き方はできないと自覚していると考えれば、彼の背景にある苦悩もうっすらと見えてくるのではないでしょうか…。


My friends got their ladies And they're all having babies
友達はみんな、女と子どもを得ているが
But I just wanna have some fun
俺は、僅かな慰みさえあればいい

“男の背景にあるもの”が、さらにクローズ・アップされています。
周りがごく普通の家庭の幸せを築いてゆくのを、彼はどんな想いでこのように綴っているのでしょう。
“主人公=ジョージ自身”と想定すると、その本当の意味が理解できる…?


~Epilogue~

“Fastlove”は、恐らく“fast food(即席料理)”に基づいた造語と思われます。
“fast”は速いという意味が一般的ですが“次から次へと歓楽を追う”という意味もあり、
Fastloveは“刹那的・享楽的な恋”と理解することもできるでしょうか…。
私が今回、loveに“恋”という日本語しか充てなかったのは、“愛に、刹那的・享楽的はない”と捉えるためです。
こうした使い分けができると思えば、日本語もなかなかクールな言語でしょ?

一方で主人公はそうした恋の営みを、“bad love”と認識しているようです。
恋は刺激を求めるもので、愛は安心を求めるものだとしたら、人は最後は安心に辿り着きたいものなのかもしれません。
でも人に安心を与えるというのは容易いものではありませんし、それぞれに抱えた“事情”というものもあります。

Had some bad love
僅かばかりのbad love…
Some fastlove is all that I've got on my mind
僅かなfastloveさえ、あれば…

果たして、「Fastlove」とは…?


「ファストラヴ」
)


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tags : 1996年 ダンス/R&B セクシー 名作MV 

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「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」セリーヌ・ディオン

2013.05.20

category : Celine Dion

Celine Dion - Because You Loved Me1 Celine Dion - Because You Loved Me2



Celine Dion - Because You Loved Me(1996年)



~Data~

1993年の「パワー・オブ・ラヴ」で全米No.1シンガーとなったセリーヌ・ディオンはその三年後、より大きな勲章を手に入れることとなります。
1996年2月19日に日本と北米で先行発売された曲「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」がBillboardで6週No.1を記録し、年間3位に相当する大ヒットとなったからです。

この年セリーヌを上回ったのは世界的なムーブメントにまで発展した「恋のマカレナ」と、マライア・キャリー&Boyz II Menの“夢の反則タッグ”「One Sweet Day」の二組だったことを考えると、通常なら年間No.1でも不思議ではない活躍といえるでしょう。

もちろん「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」の人気はアメリカ一国に止まらず各国でプラチナ認定される世界的大ヒットで、グラミー最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞・最優秀女性歌手賞にノミネートされました。
また、この曲が収録されたアルバム『FALLING INTO YOU』はグラミー最優秀アルバム賞・最優秀ポップボーカルアルバム賞を授賞し、これまで3200万枚以上のセールスを挙げています。

一方で映画の主題歌でもあったこの曲はこの年アカデミー歌曲賞にノミネートされましたが、マドンナの「You Must Love Me」(エビータ)に敗れてしまいました(翌年、アノ曲で雪辱を果たしますが!)。
しかしこの曲の人気は年が改まっても衰えを知らず、ピルボード・アダルト・コンテンポラリー・リカーレントでは154週(3年間)にも及びチャートインし続けたといいます!!


~Sound Track~

この曲は、ロバート・レッドフォード&ミシェル・ファイファー主演の映画『アンカーウーマン(Up Close & Personal)』の主題歌でもありました。
物語はアメリカ初の女性アンカー(ニュース・キャスター)となったジェシカ・サヴィッチの実話を基にしていて、地方局から登用された女性が優秀なプロデューサーに美しさと実力を磨かれてゆくシンデレラ・ストーリー。
でもこの展開は、セリーヌ・ディオンとプロデューサーのデイヴィッド・フォスターの軌跡にも重なりますネ…。
「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」は、映画で恋と仕事に欠かせぬパートナーを得た女性の心情がそのまま投影されていて、“永遠の感謝を捧げます”という内容となっています。


~Writer(s)~

楽曲の制作陣はデイヴィッド・フォスター(プロデュース)&ダイアン・ウォーレン(作詞・作曲)という、アダルト・コンテンポラリーの世界ではコレも“反則タッグ”の豪華な組み合わせです!
ダイアンによると「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」は実はラブ・ソングではなく、5歳で音感障害と診断されながら音楽の仕事を志した彼女を理解し支援してくれた父への感謝の気持ちを綴った作品だと語っています。
結果、ダイアンはこの作品で“グラミー・最優秀映画テレビ視聴覚主題歌賞”を受賞し、2001年には“ソングライターの殿堂入り”するほど大成功を収めることとなるのです…。


~Song & Lyrics~

美しいメロディーと、美しい歌詞…
これらのほとんどはリフレイン(反復句)として構成されるためメッセージが伝わり易くリズムや韻が一定して心地よく響く効果がある一方、同じフレーズが繰り返されるので下手をすると単調になってしまう恐れもあります。
ダイアンがこの難しい歌をセリーヌに託したのは、シンガーとしての彼女の実力を見込んでのことだったのでしょう。

これに対しセリーヌは哀愁たっぷりのせつない歌声で見事に信頼に応え、後半部分では主旋律をコーラスになぞらせ自らは大空を舞う鳥のような自在なアドリブで聴く者を最後まで惹きつけています。

でも、映画では“恋人へのメッセージ”として用いられた「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」を…
セリーヌは恋人と娘、どちらの心情としてこの歌を表現したのでしょう…。

寄り添ってくれたすべての時間
示してくれたすべての真心
与えてくれたすべての悦び

注いでくれたすべての愛に
永遠の感謝を捧げます…



~Epilogue~

私たちは普段、多くの時間を家族や大切な人と共有しています。
しかしこれらの時間を、自分一人で過ごさねばならなかったと仮定したらどうでしょう?
同じ場所に出掛けているのに、同じ映画を観ているのに、同じ時間のはずなのに、心に映る光景がずいぶん違ったものになるはずです。

愛情って、多くは夢に描かれるようなドラマティックなものではなく、“朝になると欠かさず照らしてくれるお陽さまのようなもの”なのかもしれません。
その存在の大切さに気づき感謝の気持ちが芽生えると、それは単なる照明ではなく心をも温めてくれる“ぬくもり”に変えることもできるでしょう。
“ありがとうの心”には、そういうエネルギーが秘められているように思えます…。



「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」


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tags : 1996年 AC 親子愛 映画90's デイヴィッド・フォスター ダイアン・ウォーレン  

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