I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「ラヴァー・イン・ミー」シーナ・イーストン

2016.10.14

category : Sheena Easton

Sheena Easton - The Lover In Me1 Sheena Easton - The Lover In Me2


Sheena Easton - The Lover In Me (1988年)



~ベストヒット80's/シーナ・イーストン&ジョディ・ワトリー~

1980年代洋楽のヒット・ナンバーを東京フィルハーモニー交響楽団が演奏する『ベストヒット80's ミーツ シンフォニー』が10月28・29日に東京ドームシティホールで開催予定ですが、このイベントには80年代を代表する歌姫シーナ・イーストン&ジョディ・ワトリーのゲスト出演が決まっているそうです。
さらに、“ベストヒット80's”といえば洋楽ファンは連想するであろう『ベスト・ヒットUSA』ナビゲーターの小林克也も参加することになっていて、詳細はご本人が“懐かしいあの名調子”で紹介してくれています。

ジョディ・ワトリーといえば歌・容姿ともに当時を代表するセクシー・アイコンの一人ですが、一方これに対抗するシーナ・イーストンのお色気路線といえば、やはり「The Lover In Me」でしょう。
シーナの色っぽい“ムフフ”なPVもご用意してありますので、どうぞお楽しみに♪





~概要~

「ラヴァー・イン・ミー」は1988年の9thアルバム『ラヴァー・イン・ミー(The Lover in Me)』からの1stシングルで、Billboard Hot 100で2位(1989年の年間41位)を記録した作品です。
シーナにとって1984年の「Sugar Walls」以来約5年ぶりのTop10ヒットですが、ゲスト参加としては1987年にプリンスとの「U Got the Look」の2位もありました(「Sugar Walls」もプリンスの楽曲)。

1980年にデビューしたシーナは80年代前半は正統派のポップ・シンガーというイメージがありましたが、80年代半ばから“ファンク王子”と共演していることからも分かる通りブラック・ミュージックへのアプローチを試みており、彼女にとって転換期でもありました。
“シンデレラ・ガール”として一躍話題を集めたシーナも、“MTVの申し子”マドンナの出現によって衆目を奪われ、80年代半ばはジャネット・ジャクソン、80年代後半頃はポーラ・アブドゥルといった、何れもセクシーさとダンスを持ち味とした女性シンガーが際立った活躍をみせていた時流から、彼女もそのスタイルを意識せずにはいられなかったことでしょう。
プリンスとの共同関係は『The Lover in Me』でも継続されており、殿下はこのアルバムでシーナのために2曲を提供しています。

しかし80年代後半頃プリンス以上にアメリカのダンス・シーンに影響を与えていたのはボビー・ブラウンやペブルス、キャリン・ホワイトらを次々にスターへと導いていたL.A.リード&ベイビーフェイスで、「ラヴァー・イン・ミー」は彼らによる楽曲・プロデュース作品でした。
そのため「The Lover In Me」はそれまで以上に“黒っぽい強烈なダンス・ビート”をフィーチャーし、オーソドックスな楽器と最新の機材を巧みに融合させ洗練されたサウンドが創り上げられており、シーナ自身も“水を得た魚”のように生き生きと艶っぽい歌声とオーラで魅せてくれています。

 



~Lyrics~

Talk about the love you're missing
アナタがフラれたって噂
Maybe then it's true
…たぶん、それは本当でしょう

…別にそれを意識して選曲したわけではないのですが、見事に前回の「ダウンタウン・トレイン」からストーリーが繋がるでしょ!?
「Downtown Train」は一人の男性が、想いを寄せる女性と“Downtown Trainで会いたい”と願いを込めた作品であり、“もしも会えなかったら?”を想像したとき、色っぽい小悪魔がこんな風に彼に囁き掛ける場面が浮かんできたのです…。
でもシーナにPVのように色っぽく囁き掛けられたら、アナタならどうします?

 …やっぱ女のコは、小悪魔に限るよね♪


When they say love is blind
他人は、それを“恋は盲目”で片づけてしまうけれど
I can help you if you listen
アナタが耳を傾けてくれるなら、ワタシが苦しみから救ってあげる

ここは【they】を[彼ら]ではなく、“他人”とすることに拘りました。
だって“それ”は他人事だと冷静でいられますが、“自分のこと”だと誰だって迷子になってしまうものでしょ?
でも彼女の気持ちはアソビなんかじゃなく、その愛は“生涯保証つき”というのですから安心です!

 …アレっ? でもそう言うシーナ本人は確か××××じゃなかったっけ??



~Epilogue~

「ラヴァー・イン・ミー」は前回「Downtown Train」の難解さに比べ、全体にヒネリのない素直な歌詞といえます。
ただしテーマに掲げられる【The Lover In Me】は一見平易な単語ばかり並んでいるようにみえて意外と厄介で、素直に“私の中の恋人”と訳しても何だか意味がはっきりしません…。


If you talk about good loving
もしも素敵な恋を語るなら
Let's talk about the lover in me
ワタシという恋人だけ


実際の文脈上から判断するとここでの【the lover =私】なのに、その後【in me】を重ねて“くどい表現”をするからややこしくなるのですが、タイトルにもなっているくらいなので“それこそが重要なメッセージ”であるはずです。
人は、重要な事柄ほど念を押すように何度も確認したがるものであり、女性の“愛してる?”もそうした気持ちの表れなのでしょう。
とりわけ歌詞に登場するお相手は“ほかの誰かを探しに街中を駆け回る”人らしいので、彼女が【the lover in me!】【in me!】【in me!】と何度もアピールするのも無理からぬことにも思えます。

アナタの何気ない日常の中にも、相手のホンネを代弁する重要な一言が隠されている

…かも? 
(“くどい表現”にはお気をつけあれ…)



「ラヴァー・イン・ミー」


続きはこちら >>

スポンサーサイト



tags : 1988年 ダンス/Funk 女の恋 LA/ベイビーフェイス 

comment(6) 

「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」マイケル・ジャクソン

2014.05.27

category : Michael Jackson

Michael Jackson - Slave To The Rhythm1 Michael Jackson - Slave To The Rhythm2


Michael Jackson - Slave To The Rhythm (2014年)



~マイケル・ジャクソンの“新曲”映像~

5月18日、アメリカの3大音楽賞の1つ『the Billboard Music Awards』に於いて、マイケル・ジャクソンの新曲「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」が彼のホログラムによってパフォーマンスされ、世界をアッと言わせました!

これを見たマイケルの兄ジャッキーは…
“美しかったし、信じられないね。本当にマイケルがそこにいるのかと思ったよ。ちょっと涙ぐんじゃった。”と賞賛し
幼少からマイケルを近くで見てきたライオネル・リッチーは…
“あれは怖かったね。だってあれはマイケルだったんだから、驚いちゃったよ。”と、あまりのリアルさに戸惑ってしまったようです。

この映像は翌日YouTube上で公開され、既に1000万回以上も再生されていますよ!



~概要~

「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」はマイケル・ジャクソンが遺した未発表音源を素にリミックスされ、2014年5月13日(日本盤は5月21日)にリリースされたコンピレーション・アルバム第二弾『Xscape(エスケイプ)』の収録曲です。
今やエピック・レコード会長でCEOとなったL.A.リードと、1990年代に名プロデューサーとして馳せたベイビーフェイスらの手による作品で、1980年代後半『Bad』のセッションで初めてレコーディングが試みられました。
その後『Dangerous』を経て1998年にようやく“マイケル存命中の最終形”に至るも、このバージョンは2001の『Invincible』で発表されることはありませんでした。

マイケルが他界した翌年の2010年に「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」はネット上に流出して話題となりましたが、
2013年には『Xscape』に収録される可能性もあったジャスティン・ビーバーのヴォーカルをミックスしマイケルとコラボした「Slave 2 The Rhythm」までもが流出してしまい、結局今回のアルバムに収録されることなく幻となってしまいました(現に、『Xscape』のティンバランドがプロデュースしていた)。
また2014年2月、ソニーの新作スマートフォンXperia Z2のオンラインCMに起用され注目が集まりました。

話題となっている映像はシルク・ドゥ・ソレイユの公演『Michael Jackson THE IMMORTAL World Tour』のディレクターの元に持ち込まれ、『Dangerous』のアートワークをモデルに創作されました。
振り付けを担当した同公演のタラウエガ兄弟が“マイケルのダンスの動きについては、マイケルの世界に留めた”と語るようにマイケルの動きの忠実な再現に重点が置かれたようで、準備に5~6ヶ月を費やしたそうです。
何でもこうした映像による“ホログラムショー”の大規模ツアーも企画されているようで、コチラもいろんな意味で波紋を呼んでいるとか…!?



~Lyrics~

She dances in these sheets at night
女は踊る…夜、シーツの中で
She dances to his needs
女は踊る…男の求めるがままに

この歌の多くは、“She(dances)~”の形で綴られています。
家庭で、職場で男に抑圧された女が主人公という設定で、実際にもこの詞に共感する女性は多いことでしょう。

【dances】という言葉が繰り返されますが本来の意味をそのまま充てるのではなく、その場面に相応しい意味を想像してくださいね。
さて、この場合…
訳さないでおきましょう!


She danced the night that they fell out
女は踊った…その夜、二人は喧嘩し
She swore she'd dance no more
“もう二度と踊らない”と誓った

オリジナルやアルバムのバージョンには存在し、今回の映像のバージョンではカットされている部分です。
ただ、それまで女がずっと抱いていたであろう“情動”を実行する重要な転換点でもあるので、ストーリーとしては外せません。

“懸命を尽くしているのに、報われない…”
そんな思いに駆られたことはありませんか?
その時、女は“それ”を実行します…。


She let out a cry and swallowed her pride
やがて叫びを揚げ、湧き上がる情動を飲み込んだ
She knew she was needed back home, home
女には分かっていた…“帰らねばならない”ことを、home…

とうとう家を飛び出した女でしたが、彼女には自分のプライドよりも大事なものがあったことに気づきます。
もしここで自分が逃げ出したら、残された“それ”はどうなるのだろう?
たとえ今、この身が解放されたとしても失ったものの大きさに、きっと心は“それ”に囚われるに違いない…。
そう思いを至らせた瞬間、必要としてくれる人がいる場所こそ自分が身を置くべき“拠り所”なのだと再確認したのでしょう。
女性とは、母とは…。



~Epilogue~

Slave To The Rhythm
リズムの奴隷

…どういう意味?
マイケル自身のコトを歌っているなら“ナルホド!”って思えるのですが、主人公は“She”ですから…。

【rhythm】はギリシャ語の“流れ”を語源とし、大まかに言うと“規則的な間隔で繰り返される”といった意味合いがあります。
【slave】は一般的な“奴隷”以外にも、“献身する人”という意味もあります。
思えば、女性(お母さん)は定時に家族を起こし、ご飯を食べさせ、家族の日常を支えるために献身的に働き、彼らの規則的な生活のリズムを保つ役割も果たしていることを、誰もが心当たるでしょう。
それを毎日なんて…。

Slave To The Rhythm
家族の平穏な時間を守る人

私たちの平穏な日常は、彼女らの存在無しにはあり得ません。
忌まわしげなこの言葉が、このように解釈できる日が訪れますように…


「スレイヴ・トゥ・ザ・リズム」


続きはこちら >>

tags : 2014年 ダンス/R&B LA/ベイビーフェイス 

comment(6) 

プロフィール

Beat Wolf

Author:Beat Wolf
ジャンルを問わず音楽が大好き♪


参加ランキング
最新記事

全タイトルを表示
Artists
リンク
このブログをリンクに追加する
☆『相互』をご希望の方は、お気軽に♪
最新コメント
QRコード
QR

Copyright ©I Wish~洋楽歌詞和訳&解説. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.