I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

STOP!
地球温暖化/気象災害激甚化
Lil Dicky - Earth
Lil Dicky - Earth1
Beatles & Solo
Please Please Me


With The Beatles


A Hard Day's Night


Beatles For Sale


Help!


Rubber Soul


Revolver


Sgt Pepper's


The Beatles


Yellow Submarine


Abbey Road


Let It Be


Magical Mystery Tour


Beatles(the other songs)


John Lennon


Paul McCartney


Wings


George Harrison


Ringo Starr


「ネヴァー・トゥー・レイト」カイリー・ミノーグ

2021.06.15

category : Kylie Minogue

Kylie Minogue - Never Too Late (1989年)

日本の"バブル"を彩ったユーロビートの仕掛け人SAWによるちょっぴり切ないダンス・ナンバー ♪



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tags : 1989年 ダンス/Pop せつない愛 SAW 新型コロナ オリンピック 

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「ユー・スピン・ミー・ラウンド」デッド・オア・アライヴ

2016.10.28

category : 1980年代

Dead Or Alive - You Spin Me Round1 Dead Or Alive - You Spin Me Round2


Dead Or Alive - You Spin Me Round (Like a Record) (1984年)



~急逝、ピート・バーンズ~

1980年代、バブル時代を象徴するイケイケなダンス・ミュージックとして日本人の記憶に刻まれるデッド・オア・アライヴのヴォーカリスト、ピート・バーンズ(Pete Burns)が10月23日に心不全のため亡くなりました(享年57)。
同時代に活躍し、何かと比較されることの多かったカルチャー・クラブのボーイ・ジョージは“胸が張り裂けそうだ。彼は本物の偉大なる変わり者(※)の一人で、僕の人生の大きな一部だった。信じられない…。”とコメントしています(※【eccentrics;変わり者】の言い回しには、“この二人だからこそ言い合えるもの”がありそう…)。

今日は、ピート・バーンズに追悼を込めてお送りいたします。



~概要~

デッド・オア・アライヴは1980年にゴシック・ロック・バンドとしてイギリスでシングル「I'm Falling/ Flowers」でデビューを果たしていますがそれを含め数年間はヒットを出せていませんでした。
転機となったのがKC&ザ・サンシャイン・バンドの有名なダンス・ナンバー「That's The Way [I Like It]」をカバーしたことで、これが1984年に全英22位まで上昇し初めてのヒット曲となります。

同年11月、ダンス・ユニットに転身した彼らは「You Spin Me Round (Like a Record)」をリリースすると、チャートを17週かけてじわじわ上昇し、翌年3月にとうとう全英No.1にまで到達しました。
この余波は国内に止まらず世界に波及、カナダやアイルランド、スイスでもNo.1を獲得する大ヒットとなり、8月にはアメリカBillboard Hot 100でも11位を記録しています。

「ユー・スピン・ミー・ラウンド」の特徴的な打ち込みビートを聴いて1980年代後半に世界的ブームとなったユーロ・ビートのサウンドを思い起こす方も多いと思いますが、それもそのはず、本曲はそのユーロ・ビートの仕掛け人であるストック・エイトキン・ウォーターマン(SAW)のプロデュース作品であり、SAWにとっても最初の全英No.1ヒットでした。
この大ヒットを駆って85年5月には本曲を収録した2ndアルバム『Youthquake』が発売され全英9位を記録、Billboard 200も31位まで上昇しています。
ちなみに【Youthquake】は1960-70年代に若者に広がった、体制に対する反抗と過激主義に基づいた“若者の反乱”のことで、彼らのバンド名【Dead Or Alive】といい、その思想背景が窺えます。

「ユー・スピン・ミー・ラウンド」にインスピレーションを与えた楽曲についてピート・バーンズはルーサー・ヴァンドロスの「I Wanted Your Love」を挙げており、ギターはワーグナーの「Ride Of The Valkyries」に基づいているともいわれます。
デッド・オア・アライヴとワーグナー…
何の接点もなさそうな2人ですが、いわれてみると意外な共通点!?

 
 



~You Spin Me Round (Like a Record)~

「ユー・スピン・ミー・ラウンド」は、お目当ての相手が儘(まま)ならず恋に焦(じ)れる男の物語。
イケイケな曲の勢いの割には意外とウブな一面が隠されていて、私は何だか“ピート自身のキャラと実像のギャップ”を想像してしまいます。
ダンス・ナンバーなので詞のストーリー自体は深いものではありませんが、テーマに関連する“【spin】は軸を中心にすばやくクルクル回転する”イメージで、コマの回転やスケートのスピンが直感的です。
それを【record】に喩えるのはいかにもミュージシャンらしいですが、21世紀の日本の若者にレコードの回転という喩えは理解してもらえるでしょうか…。


You spin me right round, baby
キミは、ボクの心を釘づけにして目眩(めまい)させる
Right round like a record, baby
まるで、レコードのように

レコードのようにぐるぐる回す…

直訳すれば“ただそれだけの意味”しか持たない言葉ですが、少しだけ妄想を働かせるとちょっと面白いことに気づきます。
ストーリーからは、主人公が意中の人にゾッコンなのに、肝心のお相手には“多くの中の一人”としか認識してもらえず苦悩している様子が伝わってきます。

レコードはプレーヤーの軸にその身を固定して回転させて初めて真価を発揮するものであり、それは宿命です。
恋も、意中の相手という軸に心を固定しストーリーを展開させるものですが、それは必ずしも想いのままになるものでもなく、だからといって相手のそば(軸)から容易に離れることもできずその周りをぐるぐると回り続ける…

人生とレコードって、意外に似てる…? 



~ピート・バーンズの生涯~

ピート・バーンズはリヴァプール生まれで、お母さんは人目を引くほどオシャレでとても美しい人だったそうです。
しかし彼女はイギリスの風習に馴染めず(ドイツ系ユダヤ人)アルコールに溺れ精神を病むようになったため、ピートも十分な母の愛情を受けることができず生育したといわれます。
そのためかは定かではありませんが、ピートは少年時代から自分の容姿に強いコンプレックスを持ち、顔に絵の具を塗ったり化粧をしたり、髪を染め眉毛を剃って奇抜なファッションに身を纏(まと)ったため周囲から浮いた存在だったようです。

デッド・オア・アライヴとして人気を欲しいままにしてからも自分の顔へのコンプレックスは消えることはなく、お金があるだけその望むままに“究極の変身”である整形手術に依存するようになっていきました。
最初は鼻を整形する程度であったもののそれがエスカレートし、いつしか収入のほとんどを整形費用につぎ込むようになり、度重なる手術の失敗による炎症、果ては失明の危機や腎不全、腸障害など重篤な後遺症が次々と彼を苛(さいな)みました。
治療費を捻出するため貯蓄を使い果たし3億円の自宅も売却、更には楽曲の著作権まで売り払ったそうです。
(亡くなる1年前には自己破産に追い込まれていたと報じられる)
11/1追記;ピートは財産を全く残しておらず葬儀代にも事欠くありさまだったそうですが、ボーイ・ジョージが全ての費用の負担を申し出、無事執り行われることになったようです(詳細)。

しかしそれでもピートは整形依存を止められず、担当医からは“もう顔が元に戻ることはない”と告げられていたにも拘らず手術を重ね、近年の彼の写真は痛々しくて私には直視できません。
今年初めのピートの発言によると彼はこれまで300回以上の整形手術歴があるらしく、それによって命の危機すら経験しながらも“完璧なルックスを手に入れるための整形を止められないだろう”と語っていたそうです。

Dead Or Alive - You Spin Me Round3 Pete Burns 1959-2016
ケミカルピーリングやボトックスは定期的にやっている。習慣になっているんだ。人々は何年かおきに部屋の模様替えをするだろう?僕の整形もそれと同じ。顔を変えるのは、新しいソファーを買うようなものなんだ


ピート・バーンズが旅立った先に、身も心も安らかなる世界がありますよう…。  R.I.P.



「ユー・スピン・ミー・ラウンド」


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tags : 1984年 ダンス/Pop SAW 

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「ヴィーナス」バナナラマ

2015.02.06

category : Bananarama

Bananarama - Venus1 Bananarama - Venus2


Bananarama - Venus (1986年)



~I'm your Venus!”~

2015年のバレンタイン特集は、お色気ムンムンなお姉さま・バナナラマの「ヴィーナス」を選曲してみました♪
昨年は10代のデビー・ギブソンによる可愛らしい「ワン・ハンド,ワン・ハート」をお届けしましたが、今年は「ヴィーナス」の“肉食”ぶりをご堪能ください。

「ヴィーナス」がヒットしたころ日本は“第二次ディスコ・ブーム”で、ユーロビートの強烈なビートと共にバブルの階段を駆け上った時代でした…。
バブルを知らない若い方はノリノリなエネルギーを、自称ハタチの方は“若気の至り”をふり返りながら、どうぞ♪



~概要~

「ヴィーナス」はバナナラマ1986年の3rdアルバム『ヴィーナス(True Confessions)』の収録曲で、1stシングルとしてイギリスで8位、そして彼女らにとってアメリカBillboard Hot 100初のNo.1(年間38位)獲得作品であり、世界6カ国でNo.1を記録した彼女らの代表曲です。
作者はロビー・ファン・レーベン、プロデューサーには新たにストック/エイトキン/ウォーターマン(SAW)を迎え、洗練された明るいディスコ・サウンド“ユーロビート”を創り上げました。
また、SAW起用と共に作品の大ヒットに貢献したのがカレン/サラ/シヴォーンのセクシーさを存分にフィーチャーしたPVで、特徴的な手踊りと、女神やボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生(La Nascita di Venere)』、小悪魔、吸血鬼に扮したメンバー3人の艶やかな映像はMTVでヘビー・ローテーションとなりました。


80年代を代表するイケイケなディスコ・ナンバーのイメージが強い「ヴィーナス」ですが“オリジナルは60年代の気だるいロック・ナンバー”で、バナナラマはこの曲を甚く気に入っており数年前からレパートリーとして歌い続けてきた作品でした。
彼女らはこの曲をダンス音楽としてアレンジし正式にレコーディングすることをデビュー以来のプロデューサー“Jolley & Swain”に要望しますが退けられ、アルバム『True Confessions』もほぼ完成に至ります。
諦めきれないバナナラマはこのアイデアをSAWの下に持ち込むものの“ダンス向きじゃない”と断られ、それでもメゲず交渉し続けた彼女らの熱意にSAWが根負けしてこの作品をプロデュースすることになったそうです。

そのオリジナルはオランダのロック・バンド“ショッキング・ブルー(The Shocking Blue)”が1969年7月に本国でリリースした作品で、1970年2月にはBillboard Hot 100でNo.1(年間22位)に輝くなど世界9カ国でNo.1、750万枚以上のセールスを記録しました。
多くのカバーが生まれましたが、バナナラマがNo.1を達成したことでHot 100史上にも稀な“オリジナル&カバーで1位に輝いた楽曲”となっています(他には「ロコ・モーション」など)。
日本でも尾崎紀世彦や山口百恵・荻野目洋子・hitomi・倖田來未など多くのカバーが見られ、中でもバナナラマ直後にリリースされた長山洋子(現在は演歌歌手)ver.はオリコン10位を記録し14.4万枚を売り上げました。

また、「ヴィーナス」の特徴でもある“リフ(繰り返されるコードやリズム)”については、アメリカのフォーク・グループ“The Big 3[ママス&パパスのキャス・エリオット(ママ・キャス)が在籍]”の1963年のシングル「The Banjo Song」にインスパイアされたともいわれ、丁度「ヴィーナス」と比較した動画もあるので、お確かめになると面白いでしょう。
ただ、似たようなリフといえば1999年のモーニング娘。「LOVEマシーン」にも“同じインスパイア” を感じるような…?


Shocking Blue Venus vs The Big 3 The Banjo Song / モーニング娘。「LOVEマシーン」



~Lyrics~

Goddess on the mountain top
山の頂に立つ女神
Burning like a silver flame
銀色の炎のように燃えている

PVでこのフレーズと重なっているカレンの頭上のピラピラが“銀色の炎”?
…でもこういう手作り感って、今見るとナンか愛おしいですネっ♪ 


Black as the dark night she was
この世に唯一人の
Got what no one else had
闇夜の冥黒…

【Black】は流れから“eyes”を形容してると思うのですが、【crystal】で【dark】な黒ってどんな瞳?
私が想像したのは夜というより宇宙の暗黒で、それを“冥(くら)い黒”と表現したのが冥黒です(そんな言葉はないかも?)
遠い宇宙の果てを眺めていると距離感が分からなくなり、吸い込まれそうになるあの感覚…
彼女の美しさは、端麗というより“魅惑”なのかもしれませんね。


Yeah, baby, she's got it
目映い美貌…

彼女は、何を持っているというのでしょう?
歌はこのフレーズのリフレインで終わっているので、1つに絞らず想定できる【beauty】【love】【crystal(dark) eyes】を挙げてみました。



~Epilogue~

Venus】(ラテン語では“ウェヌス”・英語だと“ヴィーナス”)は、ローマ神話に於ける“愛と美の女神”
ヴィーナスはギリシア神話の“ΑΦΡΟΔΙΤΗ(アプロディーテ)”と同一視され、その美しさゆえに同神話に於いて大きな戦乱を生んでもいます。

ある饗宴に招かれなかったことに怒ったエリス(不和と争いの女神)は、腹癒せにその宴席に乗り込み“最も美しい女神に与える”として黄金の林檎を投げ入れました。
これを争ったのがヘラ、アテナ、アプロディーテの3人の女神で、主神ゼウスはトロイアの王子パリスに裁定を委ねます(パリスの審判)。
そのため3人の女神はパリスを買収しようと、ヘラは“世界を支配する力”、アテナは“戦争に勝利を得る力”を条件に提示しますが、結局パリスは“最も美しい女を与える”というアプロディーテの申し出を選び、この美人対決は一応のケリがつきました。
しかし、これに従ったパリスがスパルタ王妃ヘレネーを奪い去ると、ヘレネー奪還に燃えるスパルタと連合軍がトロイアに攻め込み10年以上も続く戦争(トロイア戦争)へと導かれてゆくことになるのです…。

Bananarama - Venus3 『パリスの審判』 ルーベンス画 (1636年)


I'm your fire
私こそ、貴方の心を焦がす炎
At your desire
貴方の欲望を射止めてあげる

バレンタインデーというと、日本では“女性が男性にチョコレートを贈る日”ということになっていますが、“義理チョコ”の登場に始まり近年は“友チョコ”・“自分チョコ”…など、贈るべき対象が際限なく広がっていますね。
バレンタインに限らず、お歳暮や年賀状なども当初は“相手に対する心からの感謝や親愛を贈る”素敵な行為だったであろうはずなのに、それが世間一般の慣習として定着するにつれて“参加しないのは非常識”という義務・脅迫感が主な動機になってしまい、贈る側・贈られる側双方にとって嬉しくない“お付き合い”であることも少なくないでしょう。

でも、そこに真心が込められている限り、それは素敵なイベントに成り得ます。
たとえ、どんなに小さな贈りものであってたとしても…。
あなたも、大切な人に“真心”を贈ってみては?

I'm your Venus
私こそ、貴方のヴィーナス

…の言葉を添えて!? 



「ヴィーナス」


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tags : 1986年 ユーロビート SAW 情熱の愛 名作MV 

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