I Wish~洋楽歌詞和訳&解説

80年代の洋楽ロック・ポップス&ビートルズを中心に、歌詞の和訳と解説+エッセイでお届けします

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Ringo Starr


「セット・ファイヤー・トゥ・ザ・レイン」アデル

2020.06.23

category : Adele

Adele - Set Fire To The Rain (2011年)

あなたは“雨に火を放つ”程の激しい情念を抱いたことがありますか?アデルはこの時、21歳…。

《解説記事を更新》いたしました。【続きはこちら>>】をクリックしてご閲覧ください。


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tags : 00's- R&B せつない愛 

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「ハロー」アデル

2017.02.17

category : Adele

Adele - Hello1 Adele - Hello2


Adele - Hello (2015年)



~アデル、またしてもグラミー5冠!~

日本時間2月13日午前に行われた『第59回グラミー賞授賞式』に於いて、やっぱりアデルが強かった!
アデルは今回グラミーで5部門にノミネートされていましたがその全て“5部門受賞”を成し遂げ、2009年の最優秀新人賞以来同授賞式での“不敗伝説”を更新する結果となりました。

一方、長年ロック界の重要人物と評されトータル・セールス1億枚以上を誇りながらも殆んどグラミーとは縁の無かったスーパースター、デヴィッド・ボウイが最期のアルバム『★(Blackstar)』関連でアデルと並ぶ最多5部門を受賞したことも大きな話題となった授賞式でした。
(※これまでデヴィッドの受賞は1985年の最優秀短編ミュージック・ビデオ賞と2006年の特別功労賞生涯業績賞のみ)



~概要~

「ハロー」は、今やイギリス(…いや、世界)を代表する女性歌手アデルの3rdアルバム『25』からの1stシングルで、Billboard Hot 100の10週No.1(2016年の年間7位)をはじめ世界中でNo.1に輝くなど、2015年末までに1,230万枚がリリースされました。
歴代記録を塗り替えることとなったYouTubeでは、公開24時間で2770万回の再生回数を記録し(VEVO)、最速(5日間)で1億回を達成、2017年2月19日現在までで約18億8000万回再生されています!

5部門を受賞した『第59回グラミー賞授賞式』では、うち3部門が本曲による受賞で、その内訳は以下のとおりとなっています。

最優秀レコード(Record Of The Year)
最優秀楽曲(Song Of The Year)
最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス(Best Pop Solo Performance)
(※アルバム『25』は、“Album Of The Year”と“Best Pop Vocal Album”の2部門を受賞)

…要するに最高栄誉とされる“主要4部門”のうち資格のない新人賞以外の3部門を独占したわけで、まさに堂々たる“この年の顔”であり、またしても前作『21』に続いての圧倒的な強さを見せつけた形となりました。
しかしAlbum Of The Yearに関してはビヨンセの『Lemonade』を予想した専門家やミュージシャンも多く、当のアデル本人も授賞式のスピーチで…

この賞は多分、受け取れない。とても畏れ多くて、すごく感謝していて嬉しく思っているけど、私の人生で最愛のアーティストはビヨンセなの。私にとってあのアルバム、『Lemonade』は、とてつもなく偉大で、思慮深く、すごく美しくて、ソウルに満ち、あなたのいつもとは違う面を私たちに見せてくれた。私たちはそのことを感謝している。私たちアーティストはみな、あなたを崇拝しています。あなたは私たちの光です。そしてあなたは、私や私の友人たち、私の黒人の友人達を力づけた。自分たちのために立ち上がろうという気にさせる。愛してます。ずっとそうだったし、これからもずっと

…とまでビヨンセを称え、彼女を涙ぐませる一幕もありました。
(※グラミーは元々保守的であり、黒人でヒラリー・クリントン支援者として有名なビヨンセが不利に扱われたという風説も背景にある)
それに反して、いとも簡単に5部門受賞を達成したかに見えるアデルですが、『25』は他人には全く想像もつかない“難産の末”に生まれた作品でした…(これについては後ほど詳しくお伝えします)。


 



~Lyrics~

Hello, it's me
Hello...私
I was wondering if after all these years
あれから、何年もこの胸に問い掛けてきたの

【hello】は広範に使える呼び掛け・挨拶ですが、日本の【こんにちは】は日中にしか使えないし電話以外で【もしもし】とは言いません。
歌詞を読むと、この物語は“何年も前に別れた元恋人への叶わぬ慕情と謝罪”であり、そんなせつないストーリーにのほほんと【こんにちは】もナイでしょ?
MVでアデルが何度も電話しているシーンが編集されていることから、電話の設定で【もしもし】として問題ないと思うのですが…

個人的には電話だけでなく、“電話できずに(あるいは電話していない間も)心のうちで届かぬ想いを彼に宛てている”せつなさにも含みを持たせたいと思ったので、敢えて日本語化せず【Hello】のままにしておきました。


Hello, can you hear me?
Hello...ねぇ聞こえてる?
I'm in California dreaming about who we used to be
いま私、あの頃ともに抱いた“カリフォルニアの夢”の中にいるの

アデルはロンドン育ちのイギリス人ですが、スーパースターとなって以降の活動の拠点はアメリカで、現在は家族と共にカリフォルニア州ロサンゼルスのビバリーヒルズに豪邸を構えて暮らしています。
カリフォルニアは19世紀にアメリカで起きた“ゴールドラッシュ”の舞台であり、人々が金脈を目当てに各地から続々と移住した伝説は【California Dream】として語り継がれました。
アデルの場合、ビジネスの成功があってカリフォルニアに移住できたとも思えますが、彼女はこの地に“家族とのCalifornia Dream”を築こうとしていたのかもしれません。

しかしドナルド・トランプが大統領に当選したことでアデル自身はイギリスへの帰国を真剣に考えているとも言われ、子どものことと考え合わせ決めかねているとも伝えられます。


Hello, how are you?
Hello...元気でいる?
It's so typical of me to talk about myself. I'm sorry
…ごめん、これじゃ自分のことばかり喋るいつもの私ね

…ところで、今回も“ネタ”をご用意いたしました!

「Hello」というと、80年代フリークの方は“あの人”を思い起こすのではないでしょうか?
…そう、ライオネル・リッチーが1984年に大ヒットさせた名バラード、「Hello」
アデルの「Hello」が一時は盗作とも騒がれたものの(トム・ウェイツの「Martha」との類似も指摘されている)、当のライオネルは熱烈に彼女とのコラボを望んでいるとされていましたが…

YouTubeのマッシュアップが、先に“実現”させちゃいました!
この映像は、2人がそれぞれのPVで電話越しに“Hello”を応答する形で編集されていますが、続けてライオネルが“Is it me you're looking for?(君が捜しているのは僕なんだろう?)”と切実に問い掛ける最中アデルが取った行動、そして直後のライオネルの反応が…!? 





~Epilogue~

“21世紀で最も売れたアルバム”に認定された『21』のリリース後、次々ともたらされる栄誉以外にアデルの身には公私に亘り大きな変化が起きています。
2011年には歌手生命にも係わる喉頭炎の手術をし、2012年秋には事実婚のパートナー、サイモン・コネッキーとの間に男児を出産、アデルは24歳で母となりました。

アデルがアルバムのタイトルに自身の年齢(制作に着手した当時の年齢)を掲げていることは有名ですが、『25』はまさに制作に着手した2013年の年齢であり、実際に『25』を発表できた時は既に27歳となっていたことがその“難産”を物語っています。
2013年、アデルは前作『21』プロデューサーのリック・ルービンと共に“母性”をテーマに制作を始めるもののアルバム全体があまりに退屈な出来ばえだったため廃棄、休暇を取ってアイデアを練るも何も生まれなかったほど極度のスランプに陥っていました。
そのため友人のキッド・ハープーン (Kid Harpoon) をプロデューサーに迎えてみたものの肝心のアデル本人はスランプのままで、さらには「Rumour Has It」のライアン・テダー(Ryan Tedder)とセッションを試みても決定的な成果は得られませんでした。

転機となったのは翌年、2人組の音楽ユニットThe Bird and the Beeのグレッグ・カースティンとの出会いで、「Hello」は彼とアデルによる共作です。
しかしそれでもアデルは“相変わらず”だったそうで、そのため曲の完成まで約6ヶ月を要したといいます。
この気の長くなるような共同作業について、グレッグは“いつまで経っても曲は未完成のままでアデルが曲を仕上げるつもりがあるのかともどかしかったけれど、ただ彼女を信じて待つしかなかった”とふり返っています。

一方のアデルにとって「Hello」は単なる“特定の元恋人への慕情や謝罪”ではなく、友達や元恋人、家族、ファン…そして彼女自身へのメッセージだったそうです。
スーパースターに登り詰め、手術、出産を経て迎えた25歳という年齢は彼女にとってターニング・ポイントであり、そういう意味でもこのタイミングで創作することとなったアルバム『25』は単なるアーティストとしての一作品ではなく、同時に一人の人間として人生を問い直す壮大な旅と重なったための難産だったといえるのでしょう。

『21』は、[破局(break-up)]についてのレコードだった。
もし『25』をそういう意味づけするとしたら、[償い(make-up)]ね。
自分自身との関係を修復し、失われた時間を取り戻す。
これまでしてきたこと、してこなかったことすべてに対しての償いの気持ちが込められている
の。


今までみたいに、もう過ぎてしまった過去の断片にしがみついている時間はないわ。
かつての思春期と、成熟した大人の境目で揺れながら、トラックに山積みの自分の過去というガラクタを手放して、何者でもない自分として生きていくって決めたの。


Hello from the outside
Hello...あなたの外の世界から呼び掛けた
At least I can say that I've tried
そして、これだけは言える…
To tell you I'm sorry for breaking your heart
“傷つけたこと、ごめんね”って、伝えようとしていたの


“Hello”に込められた想い… 



「Adele - Hello」


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tags : 2015年 ソウル メッセージ グラミー最優秀レコード賞 グラミー最優秀楽曲賞 

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